2011年05月30日

省エネ技術で日本が進んでいるというのは誤解である 3

「大前研一著:日本復興計画、文藝春秋社、2011年4月30日」は、3.11大震災の復興計画を取りまとめたもので、内容の豊富さ、パンチの効いた記述に引き込まれる本である。「第3章:日本復興計画」の「原子力に代わるシステム」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.日本の原子力産業は終わった。新しい原子炉は作れないとなると、電力は足りなくなる。そうした中で、逆境に強い分野が生まれてくる可能性はある。公害による排ガス規制によって日本車が強くなり、円高によって日本企業の経営体質が強化された。しかし楽観論は許されない。その前にまず、血の出るような体験を味わわなければならない。
2.デンマークやドイツでは、自分の住む地域で生み出すエネルギーだけで電気も冷暖房も全て賄うというコミュニティが小規模であるが幾つか出てきている。オーストラリアでは、敷地内に設置した雨と風と太陽の発電プラントで動く工業団地も生まれている。この超省エネ型のいわゆるエコ工業団地に関しては、世界は、日本よりはるかに進んでいる。
3.オーストラリアには省エネコンサルタントという職業がある。過去1年の記録を基に、助言によって節約できた金額を、会社とコンサルタントで折半する。すでに大企業の6割が顧客である。会社にすれば、コンサルティング料を支払うことなく節約できるので損はない。
4.原子炉の設置に反対したサクラメント市(米カリフォルニア州)の場合、反対運動で原子炉が停まった代わりに、照明はすべてLEDになり、エアコンの設定温度も規制されている。ヘリコプターが夜間飛んで、街を上空から赤外線カメラで撮影して、熱の漏れが大きい窓枠を取り替える改善措置を命令することができる。
5.省エネの分野で日本は後進国である。コンピュータで需要・供給の双方を調整してエネルギー効率を上げる「スマートグリッド」(次世代送電網)というものがあるが、日本はやはり出遅れている。NAS電池を始めそのパーツ技術はあるが行政の遅れのために、全体ではIBMやGE、シーメンスに負けている。(省エネで日本が進んでいると言うのは誤解で、産業界の一部にすぎない)
6.日本は原子力発電を国策として熱心に推進してきた。理由は、石油依存から脱却したいという背景がある。石油危機に懲りた日本は、エネルギー源を多様化するために原子力を採用した。地震国ゆえのハードルはいろいろあったが、それを克服する方法を懸命に考えた末に、国が推進すると決めた。電力会社が原子力を推進しようとしたのではなく、あくまで国(資源エネルギー庁)である。電力会社としては立地の易しい火力のほうがいい。
7.原子炉を1基作るのには、計画から建設着手まで最短でも20年かかる。建設が5年から8年を要する。トラブルでシャットダウンも多い。昨年の日本の原子炉の稼働実績は、50%しかない。国の原発推進政策を後押ししているのは、原子炉メーカーを擁する経団連などの業界である。経産省もわが国の輸出産業にしようと片棒を担いできた。
8.原発をやりたいと思っている電力会社はない。しかし、行政や住民への説得の仕事はすべて押し付けられてきた。原子力安全委員会や保安院は、そんな汚れ役をやらない。原子炉の設置許可権を盾にあれこれと電力会社をいじめてきた。中間貯蔵施設がないと燃料は燃やせません言っても、そのうちに作ってやると言われ続けて数10年たった。
9.「夢の原子炉」高速増殖炉やプルサーマルも国策である。使用済み燃料の中からプルトニウムが再生し、これを循環させれば、日本のエネルギー問題は解決するから国策としてやりなさいというのが日本の政策である。
10.プルトニウムを抱えていれば、90日で原爆が作れる。だから、国内に使用済みのプルトニウムを貯蔵して持っておくこと自体が安全保障になるというウラの論理がある。日本は唯一の被爆国として非核三原則を掲げているが、それに抵触しないで核武装の能力だけは備えておく、つまり、90日で原爆を作る潜在能力を確保しておくのである。
11.使用済み燃料のプルトニウムをフランスに運んで再処理を依頼していた時期もあるが、莫大な費用がかかる。国際的な取り決めにより、日本は共沈法という抽出法を強制されている。爆弾を簡単に作らせないために、ウランとプルトニウムの混合燃料(MOX燃料)を燃やしたあと、純粋なプルトニウムを簡単に抽出できないようしている。


yuji5327 at 06:45トラックバック(0) 
新エネルギー・省エネルギー | エネルギー問題

2011年05月29日

世の中を何に喩へむ朝開き漕ぎ去にし船の跡なきごとし 3

69ca2c6e.jpg沙弥満誓句
長谷川櫂解説
有能な官僚
元明上皇の病気平癒
を願って出家
頭を丸めた仏門の沙弥
今朝港を出て行った
船の跡さえ残らない海原
仏の教えで磨れた感性による
世の中の見方
(読売新聞2011.5.26より)

yuji5327 at 06:53トラックバック(0) 
池上湖心の書 

東電は一度は倒産し、補償を行う整理会社と配電事業を行う会社に分割する 3

「大前研一著:日本復興計画、文藝春秋社、2011年4月30日」は、3.11大震災の復興計画を取りまとめたもので、内容の豊富さ、的確な提案は面白い。「第3章:日本復興計画」の「東電は配電会社に」は説得力がある。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.電力会社がもはや民間企業としての成り立たないことは、今回の福島第一原発の事故で明らかになった。原子力発電のリスクは民間企業では負えないし、上場企業では制御不能のリスクである。もし是が非でも原子力を推進したいのであれば、国がその施設を譲り受けて、発電も国が原子力行政の一環としてやるしかない。
2.安全審査、住民対応、オペレーションなどは、全て国の責任で行う。今ある10の電力会社は公営原子力公社から買電する。火力、水力、その他の発電は、望むなら継続してもよい。ただし、民間や外資の発電事業への参入は自由化すべきである。
3.オーストラリアなどが参入してくると思われる。ロシアもサハリンで豊富なLNGを使って発電し、稚内まで直流高圧ケーブルで送電する事業を考えるだろう。「立地」でいつも悩んできた日本の電力会社にとっては朗報となる。
4.東電は、一度は倒産すると思われる。補償などあらゆる債務を負う整理会社と事業を行う会社に分割する。再生したとしても、主として配電会社になると思われる。高圧の送電は別の国策会社(公社)が一括して引き受け、東電は、各家庭や工場に電気を届けるだけの配電会社になることも考えるべきである。
5.水道やゴミ処理は公営でやっている。電気とガスは民営である。日本は考え方が定まっていない。海外では、レーガン、サッチャー以降の米国、英国など、ほとんどの国が発電、送電、配電に分かれて民営化されていて、上流から下流までを国が全部やっている国は少ない。水や下水も民間がやっている国も多い。
6.送電を日本全国一つの会社でおこなう方がいいのは、東西の周波数変換の問題があるからだ。現在、東と西のサイクルの変換は、3つの水力発電所に併設された周波数変換所で細々と行っている。3つ合わせても、変換能力は125万キロワット。東電管内の発電量が4000万から5000万キロワットだから、微々たるものにすぎない。
7.今回の事故で、この変換能力をもっと拡充して、中部電力と東京電力の間で電力を融通し合うことが必須である。それには日本送電公社とでもいうべき公社でやるか、東西グリッドの接続部分だけでも公的会社でやるのがよい。東電は高圧送電の役割も手放して、原子力以外の発電と配電だけを行う可能性が高い。
8.原子力発電施設が安全に運営されているかチェックする機能については、経済産業省とは独立した組織をつくる必要がある。現在のように、原了力安全委員会や原子力安全・保安院など本来は規制する側の機構が、資源エネルギー庁を持ち、原子力政策を推進する経済産業省のもとにあるのでは、モラルハザードが起こる。
9.安全委員会と保安院を統合し、財務省に対する金融庁のように、経済産業省とは独立した規制機関とする必要がある。アメリカでは1975年に、原子力推進機関からは独立する形で、アメリカ合衆国原子力規制委員会(NRC)が誕生した。NRCは原子炉の安全、原子炉の設置許可およびその更新、放射性物質の保安および認可、放射性廃棄物管理(貯蔵と廃棄)について監督を行う。




日本復興計画 Japan;The Road to Recovery
日本復興計画 Japan;The Road to Recovery
クチコミを見る


yuji5327 at 06:39トラックバック(0) 
共通テーマ 

2011年05月28日

訓練はこの時のため 3

45da590d.jpg東日本震災
陸自日記
陸上自衛隊東北方面総監部
須藤彰政策補佐官
自衛官としての矜持
被災者からの苦情
自分の仕事への迷い
本当に役立っているボランティア
(読売新聞2011.5.27より)


yuji5327 at 06:48コメント(0) 
池上湖心の書 

大前研一著「日本復興計画」への反響 3

5月27日付けの大前研一さんのニュースの視点は、大前研一著『日本復興計画』に関してツイッター上で著者が受け付けている質問への回答を纏めているので面白い。本書について当ブログでも紹介しているが、多くの読者の疑問に答えている。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
Q1.『日本復興計画』の中で、新しいビジョン構想の一つとして、「道州制」がある。6つの「都」のひとつの「神奈川都」に期待している。具体的に何を行うのか?
A1.神奈川「都」に期待したいのは、日本に例のない新しい街づくりである。今回の大地震を契機にして、日本経済の活性化のために中央集権から地方分権に統治機構を大転換することを提案した。道州制移行への第1ステップとして5つの「都」「州」をつくる。その中の「神奈川都」の大前提として、橋下大阪府知事、河村名古屋市長のような大胆な知事の出現である。先日当選した神奈川県知事・黒岩氏には期待できない。神奈川は「羽田空港」と「みなとみらい」という2つのインフラを活用する。羽田空港をアジアの拠点にし、横浜を東洋のベニスとする。世界に誇れるウォーターフレンドリーな街づくりを目指す。羽田空港が国際化すると、グローバル企業のアジア本社を神奈川に誘致できる。羽田まで15分という立地は魅力的ですある。神奈川の港は利用は減るので、その土地を活用して、グローバル企業のアジア本社の誘致用にする。将来的には京浜運河を住宅地にすることも可能である。水辺の環境がいい土地に事務所や住宅が立ち並ぶような街づくりができる。さらに、欧州の一部の街で実現しているようにモノレールやローボートを走らせて羽田や横浜を結べば、日本には例のない「素晴らしい街・都」になる。このような環境が整えば、羽田空港まで20分程度で通える。羽田空港とみなとみらいを活用した「新しいコンセプトの街づくり」を神奈川都には期待できる。
Q2.「復興会議」は、「文系サロン」とも揶揄されているが、どう見ているか?
A2.復興計画は、総理自ら主体的に書き下ろすべきである。復興会議メンバーの選定について、今回の会議メンバーは、「寄せ集め」である。1人で丸1日部屋にこもって考えれば、大体の方針を固まる。実際、著者は3月13日、3月19日というタイミングで今回の問題に対する対処方法を発表している。1日で書き上げることは十分可能である。1人で書けないのなら10人寄せ集めてもできない。特定の分野に限って手伝ってもらう。1週間時間をもらって、「この人なら」を思う人を選抜し、1週間部屋に閉じこもる。菅総理にはもっと主体的な姿勢を見せて欲しい。
Q3.「復興後の街づくり」について、高台に新しい住居コミュニティを提案されてる。山間部を養生することで海を豊かにする漁業システムを持続しつつ、高台を開発することは可能でか?
A3.高台に街を作っても、山林はなくならいし、漁場の豊かさも保たれる。山林があって山から流れこむ養分のお陰で東北の海が豊かに保たれている、と一般に言われているが、事実は少々違う。東北地方の漁業が豊かなのは、それよりも、東北地方太平洋側では暖流の黒潮と寒流の親潮が混合して、そこで植物・動物プランクトンが豊富に発生し、世界三大漁場の1つになっている。また、東北地方の山林は豊富である。高台の街づくり程度で、森が無くなる心配はいらない。




日本復興計画 Japan;The Road to Recovery
日本復興計画 Japan;The Road to Recovery
クチコミを見る


yuji5327 at 06:31トラックバック(0) 
共通テーマ 

2011年05月27日

東北地方のお年寄り 3

a69597ca.jpg東北復興計画
日本の農業復興
平均年齢65.8歳の農業就労者
世界の農業と競合するための
日本の農業の態勢とは
日本の食糧安保論者の説得力不足


yuji5327 at 06:36トラックバック(0) 
池上湖心の書 

東北復興計画は日本の農業復興が前提条件 3

「大前研一著:日本復興計画、文藝春秋社、2011年4月30日」は、3.11大震災の復興計画を取りまとめたもので、内容の豊富さ、パンチの強さには敬服させられる。「第3章:日本復興計画」の「あまりに危険な石棺計画」は説得力がある。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.大前氏が3月19日に提案した東北復興計画は、政府もほぼその方向で動きはじめている。まだ財源の問題は残っているが、住まいを高台に移して、海岸の平地は公共施設とか緑地にするということは、政府与党も共通である。
2.そのグランド・デザインは、阪神・淡路のときは、三全総(第3次全国総合開発計画)で日本を土建屋国家にしてしまった下河辺淳氏(当時、国上事務次官)が退官後に手がけた。しかし今回の東北再生には、あのような箱物的な発想でなく、ソフトな路線でデザインする必要がある。適任者が見つからなければ、フェイスブックなどで公募するのもよい。所謂、クラウド・ソーシングで、不特定多数の、特に若い人たちに業務を委託するのも一案である。。
3.今の東北は、日本の「最後の工業地帯」である。東京、大阪、名古屋の工業地帯が衰退して、次第に東北へと工業の拠点が移って行った。特に自動車、電気関係の基幹部品は東北で生産されている。そこで競争力を失うと、東南アジア、中国に行く。今やタイが自動車関連部品の一大拠点になっている。
4.東北で生き残っている企業はかなり競争力がある。彼らは重要な電子部品素材などを生産しており、アップル、インテル、サムスンなども東北地方から素材・部品を買っている。地震のあと東アジアがパニックになっているのは、それらの素材・部品の製造がピタッと止まったためである。漁港の復興とともに、東北地域の工業力の再生を念頭におくことが重要であり、住居の再生だけでは食べていけなくなる。
5.今回大きな被害を受けた地域は、名取川の流域で米作地帯を除けば、ほとんどが漁港とその周辺である。しかし、秋田や庄内などの米どころを抱えた東北の復興を考えると、農業の今後は大テーマである。
6.このままでは、日本の農業は復興しない。人間の食べ物を確保するには、世界の農業最適地で農場経営をする、それも日本人が出かけていって現地の農民と一緒にやり、最適地からの輸入にすべきである、と大前氏は以前から提案している。日本の農業は、平均年齢が65.8歳の農民によって成り立っている。その8割以上がもう農業を基本的な生業としていない。「利権農家」であり、農業利権があるために農民をやっているにすぎない。だから、若い人が少々参入しても起爆剤にはならない。
菅総理は、農地法を改正して若い人や株式会社にも農地の取得が出来るようにする、と言っているが、その程度では農業の再生は無理である。
7.食糧安保論者が言うような、日本の農業に日本人の胃袋を任せるべきだという考え方は成り立たないし、むしろ危険な考え方である。自給率の議論にはまやかしがある。仮に表面的には自給できているように見えても、実態は輸入に頼っている部分が多い。たとえば、牛の飼料はアメリカから来るし、コンバインとかトラクター、あるいは灌概の機械はすべて石油がないと動かない。
8.石油の輸入が止められたとき、65.8歳のお爺ちゃんがコンバインなしに田植えや稲刈りは出来ない。どうしても自給率を上げたいなら、世界の最適地に出かけていって資本を投下し、現地と長期契約を結んで日本に逆輸入する。その場合に輸入分に0.5を掛けた数値を自給率として算入すればいい。
9.世界の農業最適地というのは5、6カ所ある。そこに分散して投資すれば、全てをストップされるリスクも分散できる。それが真の食糧安保である。工業立国の日本にとって、油も鉄鉱石も石炭も、それらが輸入できなくなるリスクは同じなである。農業だけ自給率の殻に閉じこもる理由はない。


yuji5327 at 06:25トラックバック(0) 
共通テーマ 

2011年05月26日

太陽光発電 3

f22dcc10.jpg再生可能エネルギー
2008年度の日本
全発電量に占める割合
太陽光発電:0.2%
風力発電:0.3%、
地熱発電:0.2%、
小水力発電:1.5%、
バイオマス発電1.0%
(dailyーondanka.comより)

yuji5327 at 06:53トラックバック(0) 
池上湖心の書 

TPPに加入したほうが国全体としてはメリットは大きい 3

「池上彰著:先送りできない日本、第2の焼け跡からの再出発、角川書店、2011年5月」の「第6章:今か、未来か? 明日を決めるのはあなた」の「農水省と経産省の勝負あった」の小節は面白く分かりやすい。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.日本がTPPに参加した場合の影響について、経済産業省と農林水産省が試算している。
・経済産業省:日本がTPPに参加せず、EUや中国とのEPAを締結せず、韓国が米・中・EUとFTAを締結した場合、2020年の実質GDPは10.5兆円程度減少する。
・農林水産省:日本がTPPに参加し、農業に対する何の対策もとらず、なおかつ日本国内で食べるものがすべて外国産に置き換えられた場合、GDPは8.4兆円減少し、350万人の雇用の機会が減少する。
経済産業省は「TPPに入らなければ」GDPが減少する、というのに対し、
農林水産省は「TPPに入ると」GDPが減少する、というもの。GDPの数値だけ見ると、経済産業省の数字が多きく、国全体では「入ったほうが2.1兆円プラス」ということになる。
2.農水省の試算の前提条件は無理がある。政府が全く農業対策に乗り出さないはずはないし、日本の国民が、国産農産物を食べずに全部外国産にの輸入品を食べることなどありえないのに、それを前提条件にしている。
3.日本は黒船がやってきたことで、明治維新という「第一の開国」を成し遂げた。第2次世界大戦の敗北によって、「第二の開国」をした。第三の開国に踏み切るのか、そのとき日本の農業をどうするのか。悩んでいる間に世界は動き、日本は欠席裁判で不利になって行く。先送りはゆるされない。



yuji5327 at 06:29トラックバック(0) 
共通テーマ 

2011年05月25日

放射能汚染 3

6e94a4b7.jpg1平方メートル当たり300万〜3000万ベクレル
高濃度汚染
原発から30キロ圏外の飯館村

yuji5327 at 07:22トラックバック(0) 
池上湖心の書 

「社会福祉政策」と「経済政策」と混同するのは筋違い 3

「池上彰著:先送りできない日本、第2の焼け跡からの再出発、角川書店、2011年5月」の「第6章:今か、未来か? 明日を決めるのはあなた」の「格差社会」の小節は面白く分かりやすい。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.小泉・竹中路線が目指した新自由主義の考え方は、スタート地点を平等にするというものだった。チャンスはみんなに与えるが、あとは努力次第である。頑張った人には大きな果実が与えられると言っている。
2.日本は資本主義の国だから、スタートを平等にして結果として出てくる格差はある程度容認するのが本来の姿なのである。それによって生活が行きづまり、生きていけなくなった人が出てきたら、そのような人たちを救済するのは「社会福祉政策」である。それを「経済政策」で救済するのは筋違いである。
3.政治は、市場での競争には干渉せず、自分の会社が倒産してしまった中小企業の社長さんが首をくくらなくてもいいように社会福祉で手を差し伸べ、再起するチャンスをつかんで社会へと送り返す。そんな社会が健全である。
4.いわゆる小泉・竹中路線は、社会福祉の財源も切り詰めるという方針をとった。スタートの平等を推進しながら、そこから落ちこぼれた人を救済するセーフティネットを整備しなかった。日本の中小企業の場合、金融機関から融資を受ける際に、社長の個人保証を求める。企業が倒産して融資が返済できなくなったら、社長個人が全財産を処分してでも返済しろという仕組みである。この結果、一度失敗した経営者は、二度と立ち直れず、自殺に走ったりしがちです。この仕組みを変えていかなければならない。金融機関は、安易に社長の個人保証を求めず、独自の審査で融資を決定する力が求められてい。
5.スウェーデンは、典型的な高社会福祉の国として知られていまする。しかし、倒産しかった企業には冷淡である。かつて一世を風靡した自動車メーカーのサーブが倒産しかけたときも、政府の反応は「弱い企業を助けると経済が弱くなる。だから助けない」と素気ないものだった。結果として、スウェーデンの経済は好調に回復し、経済的に豊かになったからこそ、あれだけの社会福祉政策ができるようになった。
6.企業は自由競争の中でつぶれても救済はしないけれど、個人については社会福祉政策で助けるという政策を、しっかりと実現している。北欧型新自由主義の高福祉、高負担社会は、日本が将来を考えるときのひとつのモデルケースである。
7.韓国もスウェーデンも、明確に国家の舵を切った国である。日本も切ろうと思えば、同じような舵を切ることができる。ただ日本の政治家に、それをする覚悟がなかった。大きな責任が伴う大手術であり、やっかいな議論に本気で取り組むことを先送りにしてきた。あるスウェーデン人が言っていた。「毎年、スウェーデンの社会福祉を見学するために、日本から政治家も、地方公共団体からもたくさんの視察団が訪れているが、それで、日本はどう変わったんですか?」と。


先送りできない日本  ”第二の焼け跡”からの再出発 (角川oneテーマ21)
先送りできない日本 ”第二の焼け跡”からの再出発 (角川oneテーマ21)
クチコミを見る


yuji5327 at 06:30トラックバック(0) 
共通テーマ 

2011年05月24日

脱原発 3

3dff29d8.jpg今がチャンス
人間は忘却の動物
電気エネルギー依存社会の見直し
小形洗濯板が復活
靴下1足の洗濯のために
大量の電気と水を流す
文明?社会

yuji5327 at 09:25トラックバック(0) 

スタートの平等・結果の不平等が国の発展の基本 3

「池上彰著:先送りできない日本、第2の焼け跡からの再出発、角川書店、2011年5月」の「第6章:今か、未来か? 明日を決めるのはあなた」の「延命のために使う税金、と格差社会」の小節は面白く分かりやすい。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.企業の延命のために税金を使う話をすると、「大企業ばかり優遇して、弱者を見捨てるのか」と言われる。1998年に小渕内閣が発足したとき、消費税率を引き上げたばかりで、日本の景気は下り坂であった。アジアでは通貨危機が吹き荒れ、国内では大手金融機関の破綻が続いているという苦しい状況であった。
2.このとき中小企業の倒産を防止する対策として、借り人れ特別保証枠を30兆円という巨額の資金を用意して、全国各地の信用保証協会が借り手企業の信用保証をし、銀行の貸し渋りを防止した。信用保証の審査を極端に緩くして、出来るだけ多くの中小企業を救おうとした。銀行は信用保証してくれるので、本来であれば貸せないようなハイリスクの企業にもお金を貸した。
3.銀行にとってローリスクではなく、ノーリスクになった。これにより中小企業の倒産件数は激減した。しかし、そのとき倒産を免れた企業の多くが、一時的には延命したもののその後倒産してしまい、不良債権が大量に出た。暴力団が勝手なペーパー企業をでっち上げ、信用保証協会から保証を受けて銀行から融資を受けて姿を消すというようなことも数多く起きた。結局、国民の税金が不良債権になってしまった。アメリカのニュース週刊誌には、この政策を「日本ではゾンビ企業がいくらでも生き延びる」という記事がでた。
4.放っておけば確実に倒産してしまう企業を見ながら、助けの手を差し伸べないのは辛いものである。中小企業の経営者個人を思い浮かべれば、なんとか救済したいと思うのが人情である。しかし、延命のために税金を使ってもいいのか、自由経済市場の原理に任せてつぶれるところは仕方ないとするのか。この大原則を考えなければならない。国に助ける余力があれば助ければよい。しかし、いまの日本はその力を失っていることを、冷静に認識する必要がある。
5.リーマンショックに見舞われた中小企業に資金を回そうと、亀井静香前金融担当大臣がモラトリアム法案を強引に通した。借金を抱える中小企業や個人の住宅ローンの返済を猶予し、あるいは金利の支払いの一部も猶予するという内容なので、「モラトリアム」と呼ばれた。
6.「亀井モラトリアム法案」は、リーマンショックのような衝撃が走ったとき、緊急避難的に取られる手法ではある。しかし、リーマンショックからすでに1年が経過している。リーマンショックに名を借りた、社会主義的政策のように思える。この法案のおかげで、銀行は「返せ、返せ」と言わなくなった。それまで金融庁は銀行に対して「この不良債権の処理をなんとかしなさい!」と言っていたのに、その親分である亀井大臣が「見逃してやりなさい」となった途端、金融庁の検査は甘くなってしまった。
7.亀井前運輸大臣の当時、日本航空が客室乗務員を正社員ではなく、契約社員として採用した。すると亀井氏は「そんなことをしたら安全性が守れない」と言って政治的に介入し、日航の方針は大幅に変更された。採用される側にとってとてもうれしいことであるが、その介入も社会主義政策に見える。
8.みんな平等に、格差はないほうがいいに決まっている。しかし、国の勲章だけでは国民は働かない。政治と自由な市場経済との関係はもっと慎重に考える必要がある。このような政治的介入を受け続けてきた日本航空は倒産してしまった。稲盛和夫氏の本来の経営で漸く立て直ることができた。
9.「格差」は、現代を考える上で重要な問題である。国と国の格差、国の中での所得格差、地域間の格差、教育の格差など、さまざまな格差が社会に広がっている。この問題を考える上で「スタートの平等・結果の不平等」が基本である。スタートの段階を平等にして結果的に格差が出るのを認めるのか、スタートはそれぞれ違っても結果をなるべく平等にするかの分かれ道である。
(今、韓国経済が日本より元気であるが、その違いは、韓国の指導者がスタート時点の平等の哲学をしっかり理解しており、親が多額な費用を負担する学校の受験塾を禁止していたことにも現れている。それに比べて日本の最近の政治家や官僚たちのものの見方は幼稚に見える。官僚は天下りが最大の関心ごとで哲学などが全く感じられない)


yuji5327 at 09:19トラックバック(0) 
共通テーマ 

2011年05月23日

電力不足 3

3c4d361f.jpg再生可能エネルギーの
コスト削減
省エネ技術の普及
エアコンの節電
電力多消費型産業の海外移転
パチンコなど無用な娯楽設備の省エネ
無用な広告用照明の節電

yuji5327 at 06:45トラックバック(1) 
池上湖心の書 

金融業界も世界市場で通用する力をつけるには保護政策をやめること 3

「池上彰著:先送りできない日本、第2の焼け跡からの再出発、角川書店、2011年5月」の「第6章:今か、未来か? 明日を決めるのはあなた」の「日本の金融業界は保護を外されて力をつけた」は、分かりやすい。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.タイや韓国を通貨危機が襲った1997年から98年にかけて、日本国内では三洋証券が倒産したり、北海道拓殖銀行が営業譲渡したり、山一澄券が自主廃業を決めたり、日本長期信用銀行と日本債券信用銀行が一時国有化されたりするなど、金融不安が吹き荒れていた。これはアジア通貨危機の影響というよりは、バブル崩壊で不良債権を大量に抱え込んでしまったことが原因である。その不良債権処理を進めた小泉・竹中路線の下でも、金融機関がつぶれるかもしれないと騒がれていた。
2.日本がバブルに浮かれていたのは1980年代の後半。そのバブルが1990年にはじけると、大銀行の合併劇が始まり、激しい再編の波にさらされた。1980年代まで、日本の金融機関は、当時の大蔵省によって守られてた。日本の金融界は、一番経営力の弱い金融機関でもやっていけるように、大蔵省が規制をかけて守られてきた。いわゆる「護送船団方式」ですある。
3.銀行、証券会社、保険会社は業種間の仕事をはっきりと分けられ、別の業種からの参入は禁止されていた。激しい競争もなくバブルの追い風を受け、経営効率のいい大手機関は膨大な利益を上げ、社員の給料が上がり、福利厚生にも潤沢にお金が回った。大蔵省の役人を接待したり、天下りを受け入れたりする余裕もあった。
4.その裏側で、当時の銀行は国際競争力を育てるチャンスがなく、世界の金融界で太刀打ちできる力をつけることができなかった。この規制をなくし、自由競争の下で国際競争に打ち勝つ体力をつけさせようとしたのが、橋本龍太郎元首相が断行した日本版金融ビッグバンである。銀行、保険、証券の垣根を取り去り、他業種から、さらには外国からの参人も認められた。開国された途端、日本の金融機関は、未処理の不良債権を抱えたまま苦戦を強いられた。
5.大蔵省(財務省)から分離した金融監督庁(その後、金融庁に)の厳しいチェックを受けることになった銀行は、単独での存続が困難になり次々と合併を繰り返した。1990年には太陽神戸と三井が、96年には東京と三菱が、2002年には富士、第一勧業、日本興業、などの銀行が次々と合併して名前を変えて生き残りを図った。バブル崩壊以降から2006年まで続いた業界再編の結果、三井住友、三菱東京UFJ、みずほの3メガバンクが誕生し、ようやくグローバルマーケットで通用するだけの体力を身につけた。


先送りできない日本  ”第二の焼け跡”からの再出発 (角川oneテーマ21)
先送りできない日本 ”第二の焼け跡”からの再出発 (角川oneテーマ21)
クチコミを見る


yuji5327 at 06:35トラックバック(0) 
共通テーマ | ものづくり

2011年05月22日

風景の再生 3

adafb17f.jpgヨーロッパの街並み
国民は残したいと思う
日本の雑然とした街並み
調和の取れていない街並み
細切れ不動産地主たちのエゴで
無秩序に入り組んだ小道の
見苦しい街並み
残したいと思う風景が少ない日本
どこかおかしい菅直人首相の
復興構想会議
行政の失敗の隠れ蓑
現地と霞ヶ関とのピントはずれ


yuji5327 at 06:52トラックバック(0) 
池上湖心の書 

使用済み核燃料処理も日本復興計画での重要課題 3

「大前研一著:日本復興計画、文藝春秋社、2011年4月30日」は、3.11大震災の復興計画を取りまとめたもので、内容の豊富さ、パンチの強さには敬服させられる。「第3章:日本復興計画」の「あまりに危険な石棺計画」は説得力がある。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.政府幹部は、3月25日の段階でもまだ福島は石棺で覆うと言っていた。コンクリートを打って炉を固めてしまうことを指している。著者は、今の状態のままコンクリートで固めることに強く反対している。そんなアドバイスをした学者の見識を疑う。
2.チェルノブイリの場合は石棺にせざるを得なかった。炉心そのものが破裂して核廃棄物を世界中に撒き散らしたので、コンクリートで覆ってしまうしかないとの判断だった。あれから25年。コンクリートは熱に弱いので、今ではボロボロに亀裂が走り、そこから雨水がしみ込み、植物の地下茎に入ってしまった。緑の党などの環境保護団体が言う最悪のシナリオに入ってきた。封印のやり直しが必要になった。
3.福島原発の石棺が仮に10メートルの厚さのコンクリであっても、環境論者も原子炉反対運動家も絶対反対する。日米欧の原子炉の場合、高濃度放射性廃棄物と呼ばれる使用済み燃料は再処理施設に持っていって、プルトニウムを抽出し、残ったものを永久処理する。この永久処理は、地下800メートル以上、出来れば1000メートルの深さに埋めるという計画である。
4.ドラム缶に放射性廃棄物をコンクリ詰めにして日本海溝に沈めようというプランもあった。これなら1万メートルだ。この海溝には北米プレートがもぐり込んでいるから、いずれ海底にもぐり込んでしまうので安全だと原子炉推進論者は主張した。しかし環境論者らに拒否された。何かの拍子にコンクリートが割れ、ドラム缶が錆びて、中から放射性廃棄物が出てきて魚が食い、それを食った人間に症状が出るという懸念である。
5.1万メートルでも駄目、800メートルでも不十分、これでは10メートル程度の石棺が受け入れられるわけがない。そのような経緯を知らない人たちが、避難民を元の土地に戻すためにも原子炉はコンクリ漬けにというのだが、そのプランには大前氏も断固反対している。
6.現在、既に使用済み燃料が溜まっている量は、福島第一の1から6号機に10炉分、5000本、3号機と4号機の間に設けられた共用プールに5千本、合計1万本以上の燃料が溜まっている。現在、青森県むつ小川原にキャパシティ800トンの貯蔵施設を建設中だが、昨年12月に完成の予定が遅れに遅れている。その800トン分も全国の原発によって予約済みである。また別に第2期工事の600トン分を作る予定があるが、これも予約で満杯である。
7.日本の原発は使用済み燃料を抱えて、自分の出した汚物をぜんぶ自分で溜め込んでいる。震災前までに使用した燃料の一部は、10本ずつぐらいキャスクと呼ぶ容器に入れられ、ヘリウムで封印されて港に待機している。今回の津波のあとチェックしたら一応大丈夫だったらしいが危険である。キャスクには厳重な放射能遮蔽基準や密閉基準が定められている。
8.日本は原子炉を作り、燃やすことはやってきたが、使用済み燃料の処理はともかく、保管する場所さえないことが今回暴露された。これらの使用済み燃料を片付けるためにも、大前氏は政府に、今こそ日ロ平和条約を結ぶべきだと言っている。北方領土返還の条件は四島一括でなくても条約を早急に結べきである。シベリアのツンドラ地帯に廃棄物を埋設させてもらう。いちばん近い村でも100キロ離れているといった地域がいくつもある。ロシアがそれに協力してくれたなら、極端にいえばどんなものでも提供していい。なにしろ放射性廃棄物は、いま日本が抱える最大の国難であり、北方四島の問題とは全く次元の異なる重要課題である。
9.その処理がうまく片付いたとして、福島原発は廃炉は当然として、半径5キロは、チェルノブイリと同じく、われわれが生きている限りは完全な立入禁止区域になり、緑地になる。ロシアが受け入れてくれない場合はそこに深い穴を掘り、核廃棄物を埋めることも視野に入れておく必要がある。
(資源エネルギー庁の官僚の勉強不測、能力不足、御用学者の意見しか聞かない日本のエネルギー行政を根本から見直すことが重要である。官僚の電力会社などへの天下りなどもってのほかであり、それが行政の失敗に繋がっている)



日本復興計画 Japan;The Road to Recovery
日本復興計画 Japan;The Road to Recovery
クチコミを見る


yuji5327 at 06:28トラックバック(0) 
共通テーマ 

2011年05月21日

再起の海 3

a5d39fca.jpgカキの養殖
のりの養殖
近海漁業
水あげ量も震災前に近づく
東北の海も再起
がれきも漁礁に変える
自然界の力




yuji5327 at 06:28トラックバック(0) 
池上湖心の書 

東電は「株式会社として命を絶たれた」状態で格付けは関係ない 3

5月20日付けの大前研一さんのニュースの視点は『東京電力賠償問題〜政府の発言で消えた国民負担以外の選択肢』は、なるほどという説得力がある。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.政府は5月13日、福島第1原子力発電所の事故に伴う東京電力の損害賠償を支援する枠組みを決めた。これは東京電力が上限なく補償の責任を負うことを基本に、電力各社と国が東京電力の支払いを支援することなどが盛り込まれてる。
2.また枝野官房長官が同日、「金融機関が東京電力に対する融資の債権放棄などをしなければ国民の理解は到底得られない」と発言したことを受け、この日の株式市場で大手銀行株が軒並み安の展開となった。枝野官房長官は自分の発言の意味を理解できていないと思われる。この発言によって、東電は市場からも銀行からも締め出され追い込まれる状況になる。3.結果として東電の賠償に上限を設けるか否かに関係なく、国民負担という選択しか残らなくなる。今の時点で東電には「賠償する力」は殆ど残っていない。キャッシュは約4000億円しかない。保険が適用できるのもは、わずか原発1か所あたり約1200億円である。
4.資産は13兆円規模と言われているが、そのほとんどは水力発電所や原子力発電所などの発電・送電設備だから、現金化できない。借金は7兆円も抱えている。3兆5000億円あった時価は総額も約6000億円に落ち込んでいる。これはさらに悪化することは間違いない。
5.枝野官房長官は金融機関に対して東電への債権放棄を促したが、そんなことをしたら二度と金融機関から融資は受けられない。、今後東電は銀行借入の道を閉ざされたということになる。もちろん市場からの調達も不可能である。わずか6000億円程度の時価総額では、市場から調達できたとしても、数千億円程度にしかならない。実際にはそれを実行する前に東電の株価が限りなくゼロになれば、数千億円すら調達できない。今現在、東電の賠償する力は「ゼロ」である。「賠償に上限はない」という言葉は耳当たりが良いが、「ゼロ」の能力に何も期待できない。
6.そんな状況で、政府によって市場調達の道も銀行借入の道も閉ざされた。残る道は「国民負担」だけである。納税者が支払うか、あるいは電気料金の値上げという形で消費者が支払うか、の選択肢しかない。
7.野田財務相が「国民負担の極小化」を図ると発表したが、本当にその気があるなら枝野官房長官の発言は不適切である。そもそも東電の賠償額が大きく膨らんだのは政府の責任である。政府による不必要な強制立ち退き、不必要な出荷制限などがなければ、東電の賠償額はもっと低くなっていたはずである。
8.こうした中、格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は13日、東京電力の長期格付けを「トリプルBプラス」から「トリプルB」へ1段階引き下げた。原発事故の損害賠償を支援する枠組みを政府が発表したが「東電の賠償総額が不明なうえ、収益が強く圧迫される状態が長期間続くと見込まれる」との説明である。
9.東電はすでに「株式会社として命を絶たれた」状態である。今さら、格付けが2つでも3つでも下がろうが全く関係ない。それは自明であり、あえて格付けの引き下げを発表する必要はなかった。
10.東電が再生するとしたら、1回ゼロに戻して倒産する以外にない。そこで債権債務を全て整理してから、再び「新しい配電会社」「新しい発電会社」をそれぞれの資本を募集するという形になる。
11.新しく生まれ変われない部分は政府が引き取る。もちろん、原発は国有化である。東電のCDSスプレッドは約50ベーシスポイントだったものが400を越える数値まで一気に跳ね上がるなど乱高下の様子を見せていたが、今回の枝野官房長官の発言によって1000ベーシスポイントを超えると思われる。


yuji5327 at 06:13トラックバック(0) 
共通テーマ 

2011年05月20日

急流で馬を乗り換えるな 3

b74afb2c.jpg急流だから
若い元気な馬に
乗り換えよう
調整型政治家
旧い自民党型
利権政治家
派閥代表型政治家は
もうたくさん
哲学と
志のある
若い総理大臣の出現を

yuji5327 at 07:01トラックバック(0) 
池上湖心の書 
池上技術士事務所の紹介
261-0012
千葉市美浜区
磯辺6丁目1-8-204

池上技術士事務所(代表:池上雄二)の事業内容
以下のテーマの技術コンサルタント
1.公害問題、生活環境、地球環境
2.省エネ・新エネ機器導入
のテーマについて、
・技術コンサルタント
・調査報告書の作成
・アンケート調査・分析
・技術翻訳、特許調査
を承ります。
有償、無償を問わず
お気軽に下記にメールをください。
ke8y-ikgm@asahi-net.or.jp

工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
騒音防止管理者の資格で
お役に立ちたいと思います。

池上湖心プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山(文化功労者)に師事
書象会理事、審査会員
公募展出展
〇謙慎展・常任理事
・春興賞受賞2回
・青山賞受賞
〇読売書法展理事
・読売奨励賞受賞
・読売新聞社賞受賞
〇日展入選有

書道教室(自宅)
・学生:月曜日
・一般:火曜日、水曜日



livedoor プロフィール

yuji5327

アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

QRコード
QRコード