2006年04月
2006年04月22日
日本の生物兵器開発の歴史 
陸軍軍医の石井四郎が１９２０年代からその構想をもっており、１９３２年陸軍医学校防疫研究室の立ち上げ、１９３６年に満州のハルピン市近郊に関東軍防疫部が設立された。この本部が七三一部隊であり、隊員の総数は３０００人で中心人物の石井四郎は医師としては最高の位である中将まで昇格し戦前医学会の中心人物として君臨していた。日本人として恥ずかしい、しかし忘れてはならない事実は、七三一部隊の関係者の生々しい証言である。「１０名の中国人捕虜が・・・背を向けて杭に縛りつけられ、５メートルから１０メートルおきに並べられました・・・頭に金属ヘルメットをかぶり、体は網で覆われ・・・裸の尻だけが剥き出しになっていました。百メートルほど向こうで破裂爆弾が破裂して・・・１０名全員が尻に傷を負い・・・牢に連れ戻されます・・・・１０名とも・・・ガス壊疽で死亡したそうです」
爆弾の破片と一緒に生物兵器であるガス壊疽菌が突き刺さり、感染してガス壊疽で死亡したのである。金属ヘルメットや網は人道的な備具ではなくて生物兵器の人体実験の精度をあげるためのもである。捕虜の人たちには無実の人も多かったようである。
終戦後、石井らの部隊の幹部は一人も戦争裁判にかけられていない。アメリカはソ連の生物兵器開発競争に勝つために、司法取引が行われたためである。逃げ遅れた中堅以下の関係者はソ連や中国で裁判にかけられたが、さっさと日本に逃げ帰った幹部たちは、企業の社長、研究所の所長、大学の学長などまで昇りつめて安泰な生活を送ってきたらしい。戦争の指導者は日本国民の敵、靖国神社は分祀するべき。都合の良いときだけ信仰の自由を持ち出す人種は人類の敵である。
山内一也、三瀬勝利著「忍び寄るバイオテロ」ＮＨＫ出版協会、２００３年
忍び寄るバイオテロ
爆弾の破片と一緒に生物兵器であるガス壊疽菌が突き刺さり、感染してガス壊疽で死亡したのである。金属ヘルメットや網は人道的な備具ではなくて生物兵器の人体実験の精度をあげるためのもである。捕虜の人たちには無実の人も多かったようである。
終戦後、石井らの部隊の幹部は一人も戦争裁判にかけられていない。アメリカはソ連の生物兵器開発競争に勝つために、司法取引が行われたためである。逃げ遅れた中堅以下の関係者はソ連や中国で裁判にかけられたが、さっさと日本に逃げ帰った幹部たちは、企業の社長、研究所の所長、大学の学長などまで昇りつめて安泰な生活を送ってきたらしい。戦争の指導者は日本国民の敵、靖国神社は分祀するべき。都合の良いときだけ信仰の自由を持ち出す人種は人類の敵である。
山内一也、三瀬勝利著「忍び寄るバイオテロ」ＮＨＫ出版協会、２００３年
忍び寄るバイオテロ
団塊世代2006年04月20日
オウム真理教のバイオテロについてアメリカの専門家の方がよく知っていた
防衛庁内に設置された生物兵器対処懇談会の委員が、アメリカのバイオテロ対策関連施設の見学したときの話を山内一也、三瀬勝利の著書「忍び寄るバイオテロ：ＮＨＫ出版協会、２００３年」を読んで驚いた。見学先のアメリカの専門家の説明で、「オウム真理教が実行したバイオテロは１９９４年、１９９５年の松本市と東京地下鉄のサリン事件が最初ではない。１９９０年から９３年にかけてボツリヌス菌と炭疽菌を散布するバイオテロを少なくとも８回も敢行している。技術的な問題で幸いにも失敗に終わっている」という話を聞いて、防衛庁の委員会の同行者にその真偽を小声できいたが、確かな返事はなかったそうである。失敗の原因は散布する粉の粒径などいくつか考えられるが詳しい説明は省かれている。アメリカの専門家にとってのオウム事件の驚きは、オウム信者の中には病原微生物学の専門家がいなかったにもかかわらず、素人集団が微生物学の教科書を読んで見よう見まねで生物兵器になる病原微生物を大量生産できることを世界中に知らしめたことだそうである。バイオテロが世界中で起こりうることを米国は認識し深刻に捉えている。ちなみに、オウムの犯人の一人である遠藤誠一は大学で獣医学を専攻しているが、微生物の専門家ではない。
山内一也、三瀬勝利著「忍び寄るバイオテロ」ＮＨＫ出版協会、２００３年
忍び寄るバイオテロ
山内一也、三瀬勝利著「忍び寄るバイオテロ」ＮＨＫ出版協会、２００３年
忍び寄るバイオテロ
2006年04月18日
短命な村が食生活の改善で全国平均寿命伸び率を上回る
東京都老人総合研究所の研究によると、高齢者の肥満度と死亡率の関係を調べた結果、太りぎみが４３．３％と痩せ型が４２．５％とあまり変わらないのに対して、普通の人は２６．６％とであり１．５分の１の低さである。このような結果は外国でも報告されており、世界共通であるらしい。肥満であることの害が必要以上に強調されているが、肥満と同程度にやせていることは危険な状態である。６５歳を過ぎてからの食生活もこの観点で注意する必要がある。「やせ」はよいこと、肉類、油脂類は体に悪いという誤解を取り除く必要がある。秋田県南外村は短命な村として知られていたが、動物性たんぱく質の不足を補うようようにして4年後に改善効果が表れ、老人医療費の増加傾向も止まったという調査結果が報告されている。さらに重要なことは、咀嚼する力だそうである。よく噛む習慣が大切で、唾液の成分には消化酵素ばかりでなく、パロチン（唾液腺ホルモンで、血液中に入り骨や筋肉の衰退ふせぐ）、ペルオキシターゼ（がん細胞をつくる酵素を不活性にする）の効果が大きく、約３０秒で発ガン物質の毒性が５分の１から１０分の１に減少したそうである。やせることよりも、咀嚼機能を維持することが重要という結論である。
足立己幸、松下佳代著：６５歳からの食卓：ＮＨＫ出版、２００４年。
NHKスペシャル 65歳からの食卓 ~元気力は身近の工夫から
足立己幸、松下佳代著：６５歳からの食卓：ＮＨＫ出版、２００４年。
NHKスペシャル 65歳からの食卓 ~元気力は身近の工夫から
新緑2006年04月16日
主要家電製品の買い替え時期の考える
省エネと省資源の両立させることは難しい。特に家電製品の省エネ化の進歩は著しい。特にエアコンへのヒートポンプの導入、冷蔵庫の冷媒、コンプレッサの改良などによる省エネ化の進歩は買い替え時期を早めている。省資源の観点に立てば、在来の製品を少しでも長く使用することも必要である。主要耐久消費財の平均使用年数の推移と補修用性能部品の最低保有期間の調査結果を旧経済企画庁が公表している。平成１２年度時点では冷蔵庫、エアコンが１１年、テレビが９．６年、洗濯機が８．５年、掃除機が８年で、それらの補修部品の保有期間はそれぞれ９年、９年、８年、６年、６年となっている。この使用期間での技術の進歩が早く、補修して使用期間を延長しても省エネ性能の改善にはならないことが問題である。販売店でも新製品を売ることを最優先し、省エネ性能ばかりを強調することになる。環境問題を大局的に捉えたきめ細かな議論が少ないことが問題である。
家電製品のリサイクル100の知識
家電製品のリサイクル100の知識
人格2006年04月15日
安全マニュアルで大切なこと
１９９９年のＪＣＯの東海事業所の臨界事故の発生原因から学ぶことは多い。３人の従業員が放射線を大量に被爆して二人が死亡した。日本の原子力史上最悪の事件と言われている。ＪＣＯという会社は住友金属鉱山から設備や技術、従業員を引き継ぎ１９８０年に設立し１９９８年にこの社名に改めているのでその名前はなじみがなかった。高速増殖炉「常用」で使う濃縮度１８．８％の硝酸ウラニル溶液を核燃料サイクル開発機構から受注していた。その溶液というのは、ウラン粉末を硝酸で溶かしたものであるが、それを製造する工程をマニュアルに従わないで行ったのが原因である。
その工程の意味を作業者が知らなかったためということである。ウラン粉末を溶かす容器の寸法、形状に意味があることを十分に理解しておくことが重要である。小さい容器に小分けして、細長い容器に集めて均一化しなければならない理由が重要である。ウランから放射される目にみえない中性子線が容器から抜けさせるためには容器ができるだけ細く小さいかほうが良い。抜けていかないと中性子線が容器の中のウラン原子に衝突する確立が高まり、衝突するとそこからさらに中性子線が放射され連鎖反応が起こり臨界条件を超えると核爆発で大事故になる。作業者は粉を硝酸に溶かして溶液をつくるだけならば、当然、作業効率を考えて大きな容器でかき混ぜればよいと考える。効率改善で作業時間を短縮して良かれと思ったかもしれない。メーカＯＢとしても、マニュアルとか安全教育というのは怪我や事故にならないためにとにかく守りましょうということで、面白くも何ともないという印象がある。マニュアルのひとつひとつの意味を理解することが重要である。
「原子力」のいまがキチッとわかる本―見て、聞いて、歩いて確かめた原子力の基本常識
その工程の意味を作業者が知らなかったためということである。ウラン粉末を溶かす容器の寸法、形状に意味があることを十分に理解しておくことが重要である。小さい容器に小分けして、細長い容器に集めて均一化しなければならない理由が重要である。ウランから放射される目にみえない中性子線が容器から抜けさせるためには容器ができるだけ細く小さいかほうが良い。抜けていかないと中性子線が容器の中のウラン原子に衝突する確立が高まり、衝突するとそこからさらに中性子線が放射され連鎖反応が起こり臨界条件を超えると核爆発で大事故になる。作業者は粉を硝酸に溶かして溶液をつくるだけならば、当然、作業効率を考えて大きな容器でかき混ぜればよいと考える。効率改善で作業時間を短縮して良かれと思ったかもしれない。メーカＯＢとしても、マニュアルとか安全教育というのは怪我や事故にならないためにとにかく守りましょうということで、面白くも何ともないという印象がある。マニュアルのひとつひとつの意味を理解することが重要である。
「原子力」のいまがキチッとわかる本―見て、聞いて、歩いて確かめた原子力の基本常識
