2007年06月
中国、米国抜いて世界最大のＣＯ２排出国 
[中国、米国抜いて世界最大のＣＯ２排出国 オランダ報告]という記事が
2007.06.21付けのＣＮＮで報道されている。概要は次のとおり。
「中国の二酸化炭素排出量が米国を抜いて世界最大になったとする報告を、オランダの研究機関がまとめた。石炭の大量消費とセメント生産の増大が背景にあるとしている。オランダの独立系組織「環境アセスメント機関」が１９日に公表した報告によると、中国は昨年、二酸化炭素６２億トンを排出。米国の５８億トンを８％上回った。２００５年は、米国の排出量が中国より２％多かった。
中国では、エネルギー需要の約３分の２を石炭でまかなっているほか、世界のセメントの４４％を生産している。こうしたことが、二酸化炭素排出量の増加につながっているとしている。米国も、発電量の約半分を石炭に頼っている。
環境アセスメント機関は「中国の工業生産の急速な伸びと、発展の早さを示す結果となった」と話している。
今回の報告は、英ＢＰ社がまとめた各国の石油消費データ（０７年版）や、米地学調査機関が出したセメント生産に関するデータ（０６年版）などをもとにしている。」
非常に深刻な問題である。しかし、中国の人口が１２億人、米国の人口が２億人として計算すると、一人当たりの排出量は中国は５．２トンに対して米国は２９トンであり、米国は中国の約６倍のＣＯ2を排出していることになる。日本の排出量は約１３億トンであるから、一人当たりは１１トンで中国の約２倍になる。今後、中国の自動車の普及が急速に伸び、社会インフラが米国並みに普及してくると、中国が米国の６倍になり、日本の１０倍になることは覚悟しなければならない。
日本の省エネルギー技術は、世界の省エネルギー技術であることになるが、省エネルギー技術の研究開発を世界で負担していく仕組みつくることが早急に必要である。
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「中国の二酸化炭素排出量が米国を抜いて世界最大になったとする報告を、オランダの研究機関がまとめた。石炭の大量消費とセメント生産の増大が背景にあるとしている。オランダの独立系組織「環境アセスメント機関」が１９日に公表した報告によると、中国は昨年、二酸化炭素６２億トンを排出。米国の５８億トンを８％上回った。２００５年は、米国の排出量が中国より２％多かった。
中国では、エネルギー需要の約３分の２を石炭でまかなっているほか、世界のセメントの４４％を生産している。こうしたことが、二酸化炭素排出量の増加につながっているとしている。米国も、発電量の約半分を石炭に頼っている。
環境アセスメント機関は「中国の工業生産の急速な伸びと、発展の早さを示す結果となった」と話している。
今回の報告は、英ＢＰ社がまとめた各国の石油消費データ（０７年版）や、米地学調査機関が出したセメント生産に関するデータ（０６年版）などをもとにしている。」
非常に深刻な問題である。しかし、中国の人口が１２億人、米国の人口が２億人として計算すると、一人当たりの排出量は中国は５．２トンに対して米国は２９トンであり、米国は中国の約６倍のＣＯ2を排出していることになる。日本の排出量は約１３億トンであるから、一人当たりは１１トンで中国の約２倍になる。今後、中国の自動車の普及が急速に伸び、社会インフラが米国並みに普及してくると、中国が米国の６倍になり、日本の１０倍になることは覚悟しなければならない。
日本の省エネルギー技術は、世界の省エネルギー技術であることになるが、省エネルギー技術の研究開発を世界で負担していく仕組みつくることが早急に必要である。
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yuji5327 at 06:36
ひと言で言えない話言い切る力が思考を生む
読売新聞６月２３日付けの「教育現論」という欄に勝方信一氏が標題の見出しのコラムを書いていた。「一言で言い切るには、情報をきちんと整理していなければならない。そこから自分の考えが生まれてくる」という兵庫県加東市立米田小学校の谷和樹先生（４３）の言葉を引用したものである。最近の政治家の発言、メディアの報道き聞いていると思い当たる。相手が小学生でも大人でも関係ない。結論を言わないまま長々と自分の知識を並べ立てるような話には全く閉口である。新聞も報道の中立性を誤解している。結論がないから新聞記事も無駄が多い。問題点などそのあとに整理すればよい。国際学力調査で日本の子供は表現力の教育を受けていないといわれているが、「自ら考えて自分の意見として言う」訓練が思考を進めるスキルとして授業で教えるこが重要という勝方氏の意見に同感である。同氏の先輩記者もそのような忠告をしてくれたそうであるが、最近の新聞記事や社説には、「一言で言い切るには、情報をきちんと整理していなければならない。そこから自分の考えが生まれてくる」の基本が欠けているように感じる。多分、「情報をきちんと整理していなければならない」が出来ていないために、だらだらとした文章が続くためであろう。６月２４日の読売新聞の社説「科学技術白書、成果あっての研究開発支援だ」も、当然の話を並べただけで、結局、何を言わんとしているか、本質的な話が何もない。ではどうすればよいか、今の科学技術関連予算配分方法の問題、真に独創性のある地方大学への先生への配分、など日本の科学技術行政には問題について、日頃の不勉強を曝しているような社説である。
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遺伝子操作香りの基本要素
「ジョン・エムズリー著、渡辺正氏の逆説・化学物資−あなたの常識に挑戦する、丸善、平成8年」は平成16年に第7刷を発行し、この種の科学書としてよく読まれていることがわかる。著者のJohn Emsley氏と訳者の渡辺正氏は翻訳書の名コンビと言っても良いくらい、二人とも化学関係の啓蒙書としては評判がよい。丸善からは、本書以外に「化学物質のウラの裏−森を枯らしたのは誰だ」「からだと化学物質−カフェインのこわさを知ってますか」などがこのお二人のコンビで出版されている。
自分も今、「カモミール：産業分野として見る」の翻訳を進めており、第1回の校正が終わったところである。フレグランスジャーナル社から今秋には出版される予定である。そんなこともあり、本書の植物由来の化学物質の部分を翻訳技術の参考にするという目的意識もあり読んでみた。
標題の「香りの基本要素」は「においの基本要素」となっているが、ある分子がなぜそういう「におい」がするのか？はまだ解明されていない。しかし、香料化学者たちは、分子の形とにおいの関係を経験であたりながら新しい香料分子をつくってきた。色には３原色があり、網膜の視覚色素のどれを刺激するかで色合いが決まる。食品の味（フレーバー）も舌にある4種のレセプターに応じて、甘味、酸味、苦味、塩味の４つが基本になる。香りの場合、次の分類がよく使われる。
・花の香り（フローラル・ノート）：ローズ、ジャスミンなど
・青葉の香り（グリーン・ノート）：ユーカリ、パイン（松）、ラベンダーなど
・獣の香り（アニマル・ノート）：ムスク（麝香）、シベット（霊猫香）など
・木の香り（スパイシーウッド・ノート）：オークモス、シナモン、白檀んど
ノートというのは、日本語ではよく「基調」と訳される。
香料化学者は自在に分子を合成し、天然にない香りもつくって「四月のさわやかさ」とか「夏の微風：サマー・ブリーズ」とか名づけて商品にする。香水は4千年前からあり、宗教の儀式では欠かせないものであった。旧約聖書の中のモーゼの律法にもある。王様や王妃、貴族、富豪が独占していたものである。植物から香料を取り出すには大量の材料がいる。ローズの精油を１０グラムの小瓶分つくるのに、バラの花を
５０ｋｇ摘まなければならない。バラの花が1個１０ｇとしても、5000個集めなければならない。だから天然花香油は1ｇあたり数百円になる。
逆説・化学物質―あなたの常識に挑戦する
エスティローダー プレジャーズ EDP-SP 30ml
ブルガリ ローズ エッセンシャル50mlEDP-SP
自分も今、「カモミール：産業分野として見る」の翻訳を進めており、第1回の校正が終わったところである。フレグランスジャーナル社から今秋には出版される予定である。そんなこともあり、本書の植物由来の化学物質の部分を翻訳技術の参考にするという目的意識もあり読んでみた。
標題の「香りの基本要素」は「においの基本要素」となっているが、ある分子がなぜそういう「におい」がするのか？はまだ解明されていない。しかし、香料化学者たちは、分子の形とにおいの関係を経験であたりながら新しい香料分子をつくってきた。色には３原色があり、網膜の視覚色素のどれを刺激するかで色合いが決まる。食品の味（フレーバー）も舌にある4種のレセプターに応じて、甘味、酸味、苦味、塩味の４つが基本になる。香りの場合、次の分類がよく使われる。
・花の香り（フローラル・ノート）：ローズ、ジャスミンなど
・青葉の香り（グリーン・ノート）：ユーカリ、パイン（松）、ラベンダーなど
・獣の香り（アニマル・ノート）：ムスク（麝香）、シベット（霊猫香）など
・木の香り（スパイシーウッド・ノート）：オークモス、シナモン、白檀んど
ノートというのは、日本語ではよく「基調」と訳される。
香料化学者は自在に分子を合成し、天然にない香りもつくって「四月のさわやかさ」とか「夏の微風：サマー・ブリーズ」とか名づけて商品にする。香水は4千年前からあり、宗教の儀式では欠かせないものであった。旧約聖書の中のモーゼの律法にもある。王様や王妃、貴族、富豪が独占していたものである。植物から香料を取り出すには大量の材料がいる。ローズの精油を１０グラムの小瓶分つくるのに、バラの花を
５０ｋｇ摘まなければならない。バラの花が1個１０ｇとしても、5000個集めなければならない。だから天然花香油は1ｇあたり数百円になる。
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一隅を照らす政治家公務員制度改革も待ったなし（安倍首相）
安倍内閣メールマガジン（第34号 2007/06/21)に「公務員制度改革も待ったなしです」という見出しの記事が掲載されている。概要は、
１．日本の公務員は、戦後日本の発展に大きく貢献してきた。
２．時代の変化の中で公務員に対する国民の認識も変わっている。
３．民間と比べて、公務員だけが、誰も責任を問われることなく、時期がくれば昇格する古い人事システムを温存してきた。
４．度重なる官製談合は、公務員に対する国民の信頼を大きく失墜させた。
５．国会に提出した法律によって、各省庁による不透明な天下りあっせんはなくなり、権限や予算と、人事との関係を完全に断ち切ることができる。
６．ＯＢによる利益誘導は厳しく規制し、不正な行為には刑罰を与える。
７．公務員が再就職をする場合には、各省庁から独立した官民人材交流センターに一元化し、そのプロセスを透明化する。
８．公務員は民間に再就職させずに、全員が定年まで働けるようするという意見には反対。
９．公務員が増えて肥大化するのは本末転倒で、能力に欠ける公務員は去ってもらう。
野党は一応これに反対している。その理由は、はっきり言わない。民主党長妻氏だけは「公務員もハローワークで仕事を探せばよい」といっている。その他の人は「官民人材交流センターは公務員用ハローワークで特別扱いだから反対」で対案は示さない。とにかく本質的な議論が抜けたままで空回りである。
今の日本の社会では、官庁でも大企業でも、幹部クラス、重役くらいまで出世した人は、特に文系の人はハローワークになんか行かない。理由は彼らが出来る仕事がないから。その人たちは、いわば「無能力者」なのである。東大を筆頭にした一流大学卒の肩書きで地位を与えれば、仕事を発注する権限で周囲に人も集まり、人脈と称する仲間もでき、それなりの仕事をしているように見えた。
この法律の「官民人材交流センター」というのが曲者で、今までどおりの日本社会の特権階級の「仲良しクラブ」になり、おいしいポストを融通しあうセンターになることは間違いない（透明化に疑問）。そもそも役人の好きな「＊＊センター」は高給役人のポストでしかなく、税金の無駄遣いばかりでなく弊害が多い。例えば、大学入試センターなど百害あって一利なしである。あれが出来たために大学に序列ができ、地方大学の教授、学生は自信をなくし、面白い発想が生まれない。生まれても中央の＊＊委員会とか、学会で口を出す。
例えば、ＣＯ2による地球温暖化問題の警告も最初に言い出したのはイギリス西部の田舎の大学の先生であるが、その後、時間が経って、寄せ集めの資料で地球温暖化の本を書いた日本の超一流大学の教授が大学の総長にまでになっている。日本は奇妙な社会である。
青色発光ダイオードの中村修二氏が言っているように「研究が軌道にのり一流大学卒の部下を付けてくれたが、案の定使いものにならない。文献など読まずにコツコツ自分の頭で粘り強く目的を達成したのは地方大学出身者だった」
１．日本の公務員は、戦後日本の発展に大きく貢献してきた。
２．時代の変化の中で公務員に対する国民の認識も変わっている。
３．民間と比べて、公務員だけが、誰も責任を問われることなく、時期がくれば昇格する古い人事システムを温存してきた。
４．度重なる官製談合は、公務員に対する国民の信頼を大きく失墜させた。
５．国会に提出した法律によって、各省庁による不透明な天下りあっせんはなくなり、権限や予算と、人事との関係を完全に断ち切ることができる。
６．ＯＢによる利益誘導は厳しく規制し、不正な行為には刑罰を与える。
７．公務員が再就職をする場合には、各省庁から独立した官民人材交流センターに一元化し、そのプロセスを透明化する。
８．公務員は民間に再就職させずに、全員が定年まで働けるようするという意見には反対。
９．公務員が増えて肥大化するのは本末転倒で、能力に欠ける公務員は去ってもらう。
野党は一応これに反対している。その理由は、はっきり言わない。民主党長妻氏だけは「公務員もハローワークで仕事を探せばよい」といっている。その他の人は「官民人材交流センターは公務員用ハローワークで特別扱いだから反対」で対案は示さない。とにかく本質的な議論が抜けたままで空回りである。
今の日本の社会では、官庁でも大企業でも、幹部クラス、重役くらいまで出世した人は、特に文系の人はハローワークになんか行かない。理由は彼らが出来る仕事がないから。その人たちは、いわば「無能力者」なのである。東大を筆頭にした一流大学卒の肩書きで地位を与えれば、仕事を発注する権限で周囲に人も集まり、人脈と称する仲間もでき、それなりの仕事をしているように見えた。
この法律の「官民人材交流センター」というのが曲者で、今までどおりの日本社会の特権階級の「仲良しクラブ」になり、おいしいポストを融通しあうセンターになることは間違いない（透明化に疑問）。そもそも役人の好きな「＊＊センター」は高給役人のポストでしかなく、税金の無駄遣いばかりでなく弊害が多い。例えば、大学入試センターなど百害あって一利なしである。あれが出来たために大学に序列ができ、地方大学の教授、学生は自信をなくし、面白い発想が生まれない。生まれても中央の＊＊委員会とか、学会で口を出す。
例えば、ＣＯ2による地球温暖化問題の警告も最初に言い出したのはイギリス西部の田舎の大学の先生であるが、その後、時間が経って、寄せ集めの資料で地球温暖化の本を書いた日本の超一流大学の教授が大学の総長にまでになっている。日本は奇妙な社会である。
青色発光ダイオードの中村修二氏が言っているように「研究が軌道にのり一流大学卒の部下を付けてくれたが、案の定使いものにならない。文献など読まずにコツコツ自分の頭で粘り強く目的を達成したのは地方大学出身者だった」
日野原先生の音の研究
読売新聞の「時代証言者」シリーズで、聖路加病院の日野原重明医師の6回目（6月20日付け）に｛「のむマイク」で心音研究”｝という見出しの記事があり、目を引いた。当ブログの今年の2月25日でも、日野原重明医師の著書「機嫌よく元気よく、青春出版社、2007年」から「日野原重明医師の音の研究」と題して紹介させて頂いた。95歳の先生が医学生のころの研究であるとすると、70年近い昔の時代の研究である。
自分も音の研究で学位をとったということで親しみを感ずる。彼の学位論文のテーマは「食道内心音の研究」であるが、自分のテーマ「プラント騒音の予測と対策の研究」とは全く別分野とは言え、共通技術も多いと思う。
「心音の研究」に使ったマイクロホンは食道内部に飲み込むわけだから、おそらく数ミリメートルくらいのものであろう。小生の場合も小さなマイクロホンを使用した、目的は大規模な火力発電所や石油精製プラントの100分の１くらいの模型実験である。デンマークのＢ＆Ｋ社で製造していた1/8インチコンデンサーマイクロホンである。直径が3ミリくらいのものである。日野原先生の研究との違いは、取り扱う音の波長もその比率で短くする必要があることである。当然、使用する音源は超音波領域まで出なければならない。所謂「ツイータ」という高音専用のスピーカを使うのであるが2万ヘルツまで発生できても、100分の１モデルだと、200ヘルツの模擬にしかならない。出力が足りなくてつい電流を流しすぎて貴重なツイータをパーにしてしまったものである。当時、火力発電所で一番の騒音源と言っても良いのが、大量の蒸気を発生させるボイラの大きな釜に空気を押し込むＦＤＦ（強制押し込み送風機）というやつである。”ごうごうと”と200ヘルツくらいの騒音を発生している。その音を測定するために何度か徹夜したことが懐かしく思い出される。その時から約40年が経っているが、日野原先生の70年前の話と、年の差だけでも大きな差がある。
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「心音の研究」に使ったマイクロホンは食道内部に飲み込むわけだから、おそらく数ミリメートルくらいのものであろう。小生の場合も小さなマイクロホンを使用した、目的は大規模な火力発電所や石油精製プラントの100分の１くらいの模型実験である。デンマークのＢ＆Ｋ社で製造していた1/8インチコンデンサーマイクロホンである。直径が3ミリくらいのものである。日野原先生の研究との違いは、取り扱う音の波長もその比率で短くする必要があることである。当然、使用する音源は超音波領域まで出なければならない。所謂「ツイータ」という高音専用のスピーカを使うのであるが2万ヘルツまで発生できても、100分の１モデルだと、200ヘルツの模擬にしかならない。出力が足りなくてつい電流を流しすぎて貴重なツイータをパーにしてしまったものである。当時、火力発電所で一番の騒音源と言っても良いのが、大量の蒸気を発生させるボイラの大きな釜に空気を押し込むＦＤＦ（強制押し込み送風機）というやつである。”ごうごうと”と200ヘルツくらいの騒音を発生している。その音を測定するために何度か徹夜したことが懐かしく思い出される。その時から約40年が経っているが、日野原先生の70年前の話と、年の差だけでも大きな差がある。
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