2007年08月
米露「協調路線」への転換の意味と自爆テロとの関係
「西村隆夫著:日本のエネルギー産業、同友館、2002年」は、著者の経歴(東大工学部卒、ペンシルバニア大学卒、通産省、NEDO、工技院、国際エネルギー企画(IEA))から見ても、実務のなかで得た知見を基に書かれている本書は一般のジャーナリストよりは説得力がある。エネルギー問題が近代世界史を動かしていることに関して、当ブログでも前に述べたが、本書の「米露「協調路線」への転換と攻勢にでる中国の資源外交」という標題の一節も注目すべき点である。概要は以下のとおりである。
1.中央アジアを舞台とする米中露のパワーゲームが熱をおびている。中国は「戦略的競争相手」と見なすブッシュ政権に対抗、近隣外交に拍車をかけている。
中央アジア4カ国とロシアで地域安保・経済協力機構「上海協力機構」を立ち上げ、ASEAN(東南アジア諸国連合)と10年以内に自由貿易圏を創設することに同意している。ブッシュ大統領は、9.11同時テロ対策の軍事作戦の支持をを求めるために米国はロシア・中国へのこれまでの発言を一変させ、プーチン・ロシア政権を同盟国並に厚遇している。
2.中国が長い年月をかけて培ったロシア・中央アジア諸国との「準同盟関係」は空洞化している。
3.中国は、現在、石油供給全体の約4割を輸入に頼っており、石油産油国への積極外交を展開している。
4.軍事的プレゼンスを高めている米国は、中東・中央アジアの石油・ガスを自国の権益とし、この利権を侵そうとする精力の排除を始めている。これまで、19世紀の中央アジアの権益は英国とロシアが確執のグレート・ゲームであったが、米国がこれに加わり「新グレートゲーム」が始まっている。
5.カスピ海における石油・天然ガス開発戦争に関しては、米露両国の利害は一致することから、両国は対立から協調へと劇的に変化している。
イスラム原理主義者たちの自爆テロが何故続くのかを、このような背景との関連で分析することが必要と思う。
日本のエネルギー産業―政治経済学の視点から見た規制緩和と環境への影響
1.中央アジアを舞台とする米中露のパワーゲームが熱をおびている。中国は「戦略的競争相手」と見なすブッシュ政権に対抗、近隣外交に拍車をかけている。
中央アジア4カ国とロシアで地域安保・経済協力機構「上海協力機構」を立ち上げ、ASEAN(東南アジア諸国連合)と10年以内に自由貿易圏を創設することに同意している。ブッシュ大統領は、9.11同時テロ対策の軍事作戦の支持をを求めるために米国はロシア・中国へのこれまでの発言を一変させ、プーチン・ロシア政権を同盟国並に厚遇している。
2.中国が長い年月をかけて培ったロシア・中央アジア諸国との「準同盟関係」は空洞化している。
3.中国は、現在、石油供給全体の約4割を輸入に頼っており、石油産油国への積極外交を展開している。
4.軍事的プレゼンスを高めている米国は、中東・中央アジアの石油・ガスを自国の権益とし、この利権を侵そうとする精力の排除を始めている。これまで、19世紀の中央アジアの権益は英国とロシアが確執のグレート・ゲームであったが、米国がこれに加わり「新グレートゲーム」が始まっている。
5.カスピ海における石油・天然ガス開発戦争に関しては、米露両国の利害は一致することから、両国は対立から協調へと劇的に変化している。
イスラム原理主義者たちの自爆テロが何故続くのかを、このような背景との関連で分析することが必要と思う。
日本のエネルギー産業―政治経済学の視点から見た規制緩和と環境への影響
藻類は地球温暖化防止に貢献できるか?
「石川依久子著:人も環境も藻類から、裳華房、2002年」は生物学者の立場で藻類が現代の環境問題にどれだけ貢献できるかを分かりやすく解説している。昨日、某所で「生物的CO2固定化技術」についての講演をした。これまでの(財)地球環境産業技術研究機構(RITE)での経験や、日常、整理している情報をまとめて話をした。前者は、火力発電所の排気ガス中のCO2(10%の濃度)を藻類を使ったバイオリアクターで固定化する技術である。大気中のCO2が今、380ppmを越えようと上昇中で、地球温暖化の原因とされているが、10%の濃度とは100,000ppmに相当し、実に数百倍の濃度である。そのようなガスを水の中に吹き込むとよく増殖し、大量の藻類が生産される。それを有効に活用できれば地球温暖化防止への貢献はできないことはない。しかし、経済性などを考慮してか実現には至っていない。
本書の中で興味を引いたのは、小さな藻類には天然で水素を放出するものが沢山いるということである。今から30年ほど前にも、横浜国立大学の太田時雄教授が太平洋の海上に筏を浮かべ、植物の光合成で水素をつくるという構想があったが実現に至っていない。 水素と言えば、今の環境問題解決のためのキーワードである。それが安価に化石エネルギーを使わずに得られれば、燃料電池車も普及し、環境問題は一気に解決する。
本書の藻類による水素製造の情報を要約すると、
1.フロリダの明るい太陽、青い海にめぐまれたマイアミ大学の海洋・環境学部で、故・三井旭教授がその研究を行っていた。
2.国際生物水素生産研究センターの所長であり、藻類バイオテクノロジーのパイオニアでもあった。
3.有効に水素生産を行う藻類がすでに採取されていた。
4.水素放出能力を高める研究も行われている。
5.その藻類が無尽蔵に増殖するリアクターの研究が必要である。
6.水素生産能力を高める遺伝子組み込んだ藻類の研究も行われている。
結局、最終的には、光合成を行うための太陽光エネルギーをいかにして小面積で確保できるかが鍵になると思うが、本書でもこのことには言及していない。
人も環境も藻類から
本書の中で興味を引いたのは、小さな藻類には天然で水素を放出するものが沢山いるということである。今から30年ほど前にも、横浜国立大学の太田時雄教授が太平洋の海上に筏を浮かべ、植物の光合成で水素をつくるという構想があったが実現に至っていない。 水素と言えば、今の環境問題解決のためのキーワードである。それが安価に化石エネルギーを使わずに得られれば、燃料電池車も普及し、環境問題は一気に解決する。
本書の藻類による水素製造の情報を要約すると、
1.フロリダの明るい太陽、青い海にめぐまれたマイアミ大学の海洋・環境学部で、故・三井旭教授がその研究を行っていた。
2.国際生物水素生産研究センターの所長であり、藻類バイオテクノロジーのパイオニアでもあった。
3.有効に水素生産を行う藻類がすでに採取されていた。
4.水素放出能力を高める研究も行われている。
5.その藻類が無尽蔵に増殖するリアクターの研究が必要である。
6.水素生産能力を高める遺伝子組み込んだ藻類の研究も行われている。
結局、最終的には、光合成を行うための太陽光エネルギーをいかにして小面積で確保できるかが鍵になると思うが、本書でもこのことには言及していない。
人も環境も藻類から
アメリカの電力危機の事例から学ぶ
「西村隆夫著:日本のエネルギー産業、同友館、2002年」は著者の経歴(東大工学部出身、ペンシルバニア大学卒、通産省、NEDO、工技院、国際エネルギー企画(IEA))から見ても、一般のジャーナリストよりは実際の関連業務のなかで得た知見を基に書かれているので説得力がある。高コストしばらく続いた猛暑で東京電力のピーク時の発電量が追いつかずに節電を呼びかけていた。電力危機といえば、米国カルフォルニア州の2000年夏の電力危機で計画停電に追いこまれた。この夏の関東の電力危機は柏崎原発が地震で停止したためであるが、カルフォルニア州の場合、それに至った経緯について、西村氏が述べていることを自分なり整理すると以下のようになる。
1.もともと電力供給余力が乏しい状況にあった。
2.異常気象とシリコンバレーなどの情報産業の需要増を行政が読みあやまった。
3.天然ガス発電に多く、石炭火力がすくないという電源構成の歪みがあったところに、天然ガスの価格高騰があった。
4.電力市場の完全自由化で電力料金が下がり、大企業から一般家庭での需要が伸びた。
5.電力の小売料金を直ぐに引上げるような料金体系になっていなかった。
6.旧来の電力会社はストランディッド・コスト(Stranded Cost)(過去の投資や規制から生じた負債のため資金・手段不足に陥いっていた)のに対して、自由化による新規参入者はその負担を負わず、クリーム・スキミングが生じ、電力系全体の設備に不備が生じた。特に、送電線がボトルネックになり、他州の応援のためのネットワークができていなかった。
日本の電力料金は高いのは、電力の自由化が遅れているためと単純に考えていた。自由化した場合の新規参入者「猛獣」と既存の電力会社「鈍牛」の戦いは「競争と安定」という二律背反を克服しなければならない。
日本のエネルギー産業―政治経済学の視点から見た規制緩和と環境への影響
1.もともと電力供給余力が乏しい状況にあった。
2.異常気象とシリコンバレーなどの情報産業の需要増を行政が読みあやまった。
3.天然ガス発電に多く、石炭火力がすくないという電源構成の歪みがあったところに、天然ガスの価格高騰があった。
4.電力市場の完全自由化で電力料金が下がり、大企業から一般家庭での需要が伸びた。
5.電力の小売料金を直ぐに引上げるような料金体系になっていなかった。
6.旧来の電力会社はストランディッド・コスト(Stranded Cost)(過去の投資や規制から生じた負債のため資金・手段不足に陥いっていた)のに対して、自由化による新規参入者はその負担を負わず、クリーム・スキミングが生じ、電力系全体の設備に不備が生じた。特に、送電線がボトルネックになり、他州の応援のためのネットワークができていなかった。
日本の電力料金は高いのは、電力の自由化が遅れているためと単純に考えていた。自由化した場合の新規参入者「猛獣」と既存の電力会社「鈍牛」の戦いは「競争と安定」という二律背反を克服しなければならない。
日本のエネルギー産業―政治経済学の視点から見た規制緩和と環境への影響
2007年08月28日
小さなちいさな秋
小さな秋見つけた
(1) だれかさんが だれかさんが
だれかさんが 見つけた
小さい秋 小さい秋
小さい秋 見つけた
目隠し 鬼さん 手の鳴る方へ
澄ました お耳に かすかに沁みた
呼んでる口笛 百舌(モズ)の声
小さい秋 小さい秋
小さい秋 見つけた
(2) だれかさんが だれかさんが
だれかさんが 見つけた
小さい秋 小さい秋
小さい秋 見つけた
お部屋は 北向き 曇りのガラス
うつろな目の色 溶かしたミルク
わずかな 隙から 秋の風
小さい秋 小さい秋
小さい秋 見つけた
(3) だれかさんが だれかさんが
だれかさんが 見つけた
小さい秋 小さい秋
小さい秋 見つけた
昔の 昔の 風見の鳥の
ぼやけた 鶏冠(トサカ)に はぜの葉一つ
はぜの葉 赤くて 入日(イリヒ)色
小さい秋 小さい秋
小さい秋 見つけた
(サトーハチロー)
(1) だれかさんが だれかさんが
だれかさんが 見つけた
小さい秋 小さい秋
小さい秋 見つけた
目隠し 鬼さん 手の鳴る方へ
澄ました お耳に かすかに沁みた
呼んでる口笛 百舌(モズ)の声
小さい秋 小さい秋
小さい秋 見つけた
(2) だれかさんが だれかさんが
だれかさんが 見つけた
小さい秋 小さい秋
小さい秋 見つけた
お部屋は 北向き 曇りのガラス
うつろな目の色 溶かしたミルク
わずかな 隙から 秋の風
小さい秋 小さい秋
小さい秋 見つけた
(3) だれかさんが だれかさんが
だれかさんが 見つけた
小さい秋 小さい秋
小さい秋 見つけた
昔の 昔の 風見の鳥の
ぼやけた 鶏冠(トサカ)に はぜの葉一つ
はぜの葉 赤くて 入日(イリヒ)色
小さい秋 小さい秋
小さい秋 見つけた
(サトーハチロー)
近代世界史を動かしているのは石油エネルギー問題
「西村隆夫著:日本のエネルギー産業、同友館、2002年」は著者の経歴(東大工学部出身、ペンシルバニア大学卒、通産省、NEDO、工技院、国際エネルギー企画(IEA))から見ても、一般のジャーナリストよりは実際の関連業務のなかで得た知見を基に書かれているので興味を引く記述が随所に見られる。先日、当ブログで世界史を変えた細菌伝染病という標題の記事を書いたが、近代世界史を動かしているのは石油を中心とするエネルギー問題と言ってもよいくらいである。断片的ではあるが、本書の興味深い記述を自分なりに理解した言い方でいくつか紹介してみる。
1.中国に対する政策について、日本の中国援助・ODAにたいして、自身の国益をもにらんだ戦略的な経済援助、米欧人に負けず、現地語で国益を踏まえて動ける人材が今必要である。日本企業の開放度の低さが障害である。
2.学を欠いた産官連係の限界が見えてきた。
3.官尊民卑の習慣と既得権益優遇が、これからの日本の発展の障害になる。日本の大学発ベンチャー企業のお粗末さがそれを物語る。
4.世界では石油問題が「イスラム教キリスト教の衝突」の構図をつくり、テロもその戦いの中で行われている。
5.米国の石油メジャーの強大なことは言うに及ばずだが、旧石油公団の「和製メージャー」は失敗続きであり、石油公団廃止後も「官製メジャー」による民業圧迫が懸念される。
6.太平洋戦争もエジプト大使の横山正幸氏がサウジアラビアのアブドルアシーズ王と交渉していたのを、米国が妨害したことも引き金になっている。
7.中東への「油請い外交」は元三木総理が成功しているが、皇太子の中東歴訪は部族国家アラブ諸国には非常に有意義であった。
8.田中角栄首相は、独自のエネルギー政策を進めようとして、ロッキード事件で米国から刺された。
9.米国のメジャーの攻勢は今も続き、コスモ石油、JOMO,エクソンモービル、出光の4極のうち全3極は米国資本との提携である。
10.日本のガス事業も米国メジャーの標的になっている。
日本のエネルギー産業―政治経済学の視点から見た規制緩和と環境への影響
1.中国に対する政策について、日本の中国援助・ODAにたいして、自身の国益をもにらんだ戦略的な経済援助、米欧人に負けず、現地語で国益を踏まえて動ける人材が今必要である。日本企業の開放度の低さが障害である。
2.学を欠いた産官連係の限界が見えてきた。
3.官尊民卑の習慣と既得権益優遇が、これからの日本の発展の障害になる。日本の大学発ベンチャー企業のお粗末さがそれを物語る。
4.世界では石油問題が「イスラム教キリスト教の衝突」の構図をつくり、テロもその戦いの中で行われている。
5.米国の石油メジャーの強大なことは言うに及ばずだが、旧石油公団の「和製メージャー」は失敗続きであり、石油公団廃止後も「官製メジャー」による民業圧迫が懸念される。
6.太平洋戦争もエジプト大使の横山正幸氏がサウジアラビアのアブドルアシーズ王と交渉していたのを、米国が妨害したことも引き金になっている。
7.中東への「油請い外交」は元三木総理が成功しているが、皇太子の中東歴訪は部族国家アラブ諸国には非常に有意義であった。
8.田中角栄首相は、独自のエネルギー政策を進めようとして、ロッキード事件で米国から刺された。
9.米国のメジャーの攻勢は今も続き、コスモ石油、JOMO,エクソンモービル、出光の4極のうち全3極は米国資本との提携である。
10.日本のガス事業も米国メジャーの標的になっている。
日本のエネルギー産業―政治経済学の視点から見た規制緩和と環境への影響
ソクラテスの教育による報酬についての考え方
「プラトン著、久保勉訳:ソクラテスの弁明、クリトン、岩波文庫、1927年」には、紀元前400年、今から2500年前のギリシャの社会の日常生活に関わることも書かれており面白い。ソクラテスは自分自身の弁明(ソクラテスの弁明)を行い、自説を曲げたり、自分の行為を反省したりすることを決してせず、追放も拒否し、結果的に死刑を言い渡される。弟子のプラトンらによって逃亡・亡命も勧められたが、これを拒否。当時は死刑を命じられても牢番にわずかな額を握らせるだけで脱獄可能だったが、ソクラテスは「悪法も法」(どんな法律でも守らなければ社会の秩序が維持できない)と、自身の信条に殉ずる道を選んだと言われている。
彼が教育に関わる報酬についての考えを述べている部分は、現代にも通じるものがある。例えば
「自分が人を教育すると称し、これに対して謝礼を要求するというのは真実ではない。もっとも、人が他人を教育する能力を持っているならば、謝礼を受けるのは結構なことと自分は思う。例えば、レオティノ人のゴルキャスらは自分の好きな都市に行って、そこの青年らが報酬を払っても自分について来させ、しかも感謝させる技術を持っているのである。他の誰よりも高額な報酬を払ったという一人の男に出会ったが、彼にこう尋ねた「あなたの息子が子馬か小牛ならば立派な調教師か農業家を選ぶのはわかる。しかし、あなたの息子は人間だ。あなたは彼らのためにどんな調教師を選ぼうとしているのか?そのような徳のある調教術を知っている者は誰なのか。適任者はいましたか?」
学校教育とか塾の教育、偏差値教育が教育というかどうかは別にして、本当の教育と言うのは何かを考えさせられる。甲子園球場の全員丸坊主の子供たちの監督が審判の判定に不満を言ったら、高野連の連中がそれを咎めたというニュースが流れていた。監督や高野連の先生たちからも教育についての考え方を教えてもらいたい。
ソクラテスの弁明・クリトン (岩波文庫)
彼が教育に関わる報酬についての考えを述べている部分は、現代にも通じるものがある。例えば
「自分が人を教育すると称し、これに対して謝礼を要求するというのは真実ではない。もっとも、人が他人を教育する能力を持っているならば、謝礼を受けるのは結構なことと自分は思う。例えば、レオティノ人のゴルキャスらは自分の好きな都市に行って、そこの青年らが報酬を払っても自分について来させ、しかも感謝させる技術を持っているのである。他の誰よりも高額な報酬を払ったという一人の男に出会ったが、彼にこう尋ねた「あなたの息子が子馬か小牛ならば立派な調教師か農業家を選ぶのはわかる。しかし、あなたの息子は人間だ。あなたは彼らのためにどんな調教師を選ぼうとしているのか?そのような徳のある調教術を知っている者は誰なのか。適任者はいましたか?」
学校教育とか塾の教育、偏差値教育が教育というかどうかは別にして、本当の教育と言うのは何かを考えさせられる。甲子園球場の全員丸坊主の子供たちの監督が審判の判定に不満を言ったら、高野連の連中がそれを咎めたというニュースが流れていた。監督や高野連の先生たちからも教育についての考え方を教えてもらいたい。
ソクラテスの弁明・クリトン (岩波文庫)