2009年02月
玄米など穀物がからだに良い理由
「新谷弘実著:胃腸は語る−胃相腸相からみた健康・長寿法、弘文堂、平成10年、平成13年22刷」は、健康に関するこれまでの啓蒙書では見られない豊富なデータを基に書かれた本ということで、すでに2回紹介したが。「第8章:あなたの胃・腸相はこの食べ物で決まる」の玄米の酵素がなぜ良いのかが分かりやすく解説されている。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.玄米のぬかに残留農薬が多いといわれるが、有機栽培で無農薬のものを購入すれば問題ない。たとえ普通の玄米でも麦芽中のフチン酸は残留農薬の排泄効果を促す効果があるので総合的に考えれば、そのような玄米でも食べたほうが良い。
2.著者は経験上、胚芽米(3分つき米)を主食としてたべることを薦めている。1年も食べ続ければ胃腸・腸相が別人のようにきれいになる。ぬかのところに食物繊維が沢山ふくまれ、便秘の解消に役立つこと、それによる肩こり、腰痛、神経痛、肝臓病、腎臓病、種々のガン、動脈硬化の予防にもつながる。
3.その理由は、胃腸のはたらきを良くし、大腸やからの毒素の排泄を促しすことである。それにより、細胞の新陣代謝を増進し、増血を促し、血管の柔軟性を保ち、基礎体力が増すからである。
4.玄米以外に副穀物といわれる麦、粟、そばなどにも同様な効果がある。例えば、そばは動脈硬化や高血圧を予防するといわれている。その理由は、カルシウム、リン、鉄分などのミネラル、ビタミンB1,B2、ナイアシン、ビタミンD、ルチン、ビタミンPなどを含み、毛細血管の硬化、動脈硬化を防ぎ、高血圧を予防することになる。
5.国の日本食品成分表で、玄米、白米、そば、ひえ、あわ、きびの無機質の含有量を比較すると、鉄分はそば、粟、きび、カリウムはそば、あわ、ひえ、カルシウムはそば、ひえ、あわ、リンはそば、玄米、ひえが3位までであり、そばの無機質が多いことが一般的に身体に良い食品と言われる理由である。
胃腸は語る―胃相 腸相からみた健康・長寿法
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1.玄米のぬかに残留農薬が多いといわれるが、有機栽培で無農薬のものを購入すれば問題ない。たとえ普通の玄米でも麦芽中のフチン酸は残留農薬の排泄効果を促す効果があるので総合的に考えれば、そのような玄米でも食べたほうが良い。
2.著者は経験上、胚芽米(3分つき米)を主食としてたべることを薦めている。1年も食べ続ければ胃腸・腸相が別人のようにきれいになる。ぬかのところに食物繊維が沢山ふくまれ、便秘の解消に役立つこと、それによる肩こり、腰痛、神経痛、肝臓病、腎臓病、種々のガン、動脈硬化の予防にもつながる。
3.その理由は、胃腸のはたらきを良くし、大腸やからの毒素の排泄を促しすことである。それにより、細胞の新陣代謝を増進し、増血を促し、血管の柔軟性を保ち、基礎体力が増すからである。
4.玄米以外に副穀物といわれる麦、粟、そばなどにも同様な効果がある。例えば、そばは動脈硬化や高血圧を予防するといわれている。その理由は、カルシウム、リン、鉄分などのミネラル、ビタミンB1,B2、ナイアシン、ビタミンD、ルチン、ビタミンPなどを含み、毛細血管の硬化、動脈硬化を防ぎ、高血圧を予防することになる。
5.国の日本食品成分表で、玄米、白米、そば、ひえ、あわ、きびの無機質の含有量を比較すると、鉄分はそば、粟、きび、カリウムはそば、あわ、ひえ、カルシウムはそば、ひえ、あわ、リンはそば、玄米、ひえが3位までであり、そばの無機質が多いことが一般的に身体に良い食品と言われる理由である。
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電解還元水はまじめな飲料用水らしい
「新谷弘実著:胃腸は語る−胃相腸相からみた健康・長寿法、弘文堂、平成10年、平成13年22刷」は、健康に関するこれまでの啓蒙書では見られない豊富なデータを基に書かれた本ということで、以前にも紹介した。「第7章:水こそ百薬の長」は著者自身が実施していることも含めて書かれているので参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.著者は1日にきれいな水、3リットルを飲んでいる。起き抜けに1リットル、昼に500cc、夕方に1リットル、その他食事のときにも飲んでいる。食前30分から1時間前に飲むようにしている。胃酸がそれで薄まるなどと心配する必要はない。
2.良い水とはクラスター(分子のかたまり)の小さいもの(分子5個程度)が良い。水道水はクラスターは比較的大きいが、性能のよい浄水器などである程度小さくなる。
(浄水器の仕様や、市販のミネラルウオータにはクラスターの表示など見かけないのでこまる)
3.良い水のその他の条件は、塩素などが除去されていること、ミネラルがバランスよくふくまれること、pHが7.5以上の弱アルカリであること、酸化カルシウムが強すぎないこと(硬度が強すぎないこと)、酸素とCO2が適度に(1リットル中に前者が5mg、後者が20mg)含まれること、活性酸素を除去していること、である。
4.このような水はセラミックろ過や電解により水道水からつくることもできる厚生省は電解水生成器を医療器具として認可している(昭和40年)。市販の電解水生成器は塩素やトリハロメタンなど有害物質を取り除く装置も付いている。
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1.著者は1日にきれいな水、3リットルを飲んでいる。起き抜けに1リットル、昼に500cc、夕方に1リットル、その他食事のときにも飲んでいる。食前30分から1時間前に飲むようにしている。胃酸がそれで薄まるなどと心配する必要はない。
2.良い水とはクラスター(分子のかたまり)の小さいもの(分子5個程度)が良い。水道水はクラスターは比較的大きいが、性能のよい浄水器などである程度小さくなる。
(浄水器の仕様や、市販のミネラルウオータにはクラスターの表示など見かけないのでこまる)
3.良い水のその他の条件は、塩素などが除去されていること、ミネラルがバランスよくふくまれること、pHが7.5以上の弱アルカリであること、酸化カルシウムが強すぎないこと(硬度が強すぎないこと)、酸素とCO2が適度に(1リットル中に前者が5mg、後者が20mg)含まれること、活性酸素を除去していること、である。
4.このような水はセラミックろ過や電解により水道水からつくることもできる厚生省は電解水生成器を医療器具として認可している(昭和40年)。市販の電解水生成器は塩素やトリハロメタンなど有害物質を取り除く装置も付いている。
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東京都の築地市場移転と五輪招致はどちらが大事?
2009/02/20付けの大前研一さんの「ニュースの視点」は、東京都の築地市場移転問題と五輪招致を合わせて東京都政に問題を投げかけている。参考になる指摘も多い。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.2月9日、東京・築地市場の約770の水産仲卸業者が加入する同市場最大の「東京魚市場卸協同組合」の理事長選挙があり、豊洲地区への移転に賛成する候補と、反対する候補が15票ずつを獲得し、新理事長選任は17日の理事会以降に先送りになった。
2.市場移転問題について、あらゆる問題・課題が宙に浮いて、一向に解決の糸口が見えない。これは東京への五輪招致が原因になっている。東京都の新年度予算案に、2016年の東京五輪招致の経費として46億2000万円が計上され、五輪招致の予算は3年間で100億円になる。招致イベントの開催費用として都内の全区市町村に一律1000万円を支給するなど、都議会などで使途の妥当性を問う声も出ている。
3.五輪招致に関して、東京都とシカゴ(米国)の争いという趣旨の報道が目立つが、大前氏はリオデジャネイロ(ブラジル)も有力と見ている。東京の立場は、日本で報道されているほど強くない。シカゴとの争いでは、相当「不利」な立場である。
4.最終的にシカゴが五輪の候補地として残れば、シカゴとの関係が深いオバマ米大統領が登場する可能性が高い。すでにシカゴはこの戦略で動き出している。13日に
公表されたシカゴの2016年五輪招致に向けた立候補ファイルは、「オバマ効果」を最大のセールスポイントにしたものである。
5.ソチ(ロシア)に2014年の冬季五輪を招致させることに成功したプーチン首相の演説を思い出す。もしオバマ米大統領が演説したら、日本の石原都知事では到底 太刀打ちできない。オバマ米大統領がシカゴへの五輪招致に消極的な態度を示すようなことがない限り、番狂わせは起きない。
6.東京都には、五輪招致よりも優先すべき課題がある。五輪招致という「お祭り」に興じる以前に東京都には「都市機能」を働かせるために優先すべき事項が多い。 その1つが築地、晴海、豊洲といった地域の開発である。この地域を東京都の都市機能としてどのように開発を進めるかが重大な課題である。
1.2月9日、東京・築地市場の約770の水産仲卸業者が加入する同市場最大の「東京魚市場卸協同組合」の理事長選挙があり、豊洲地区への移転に賛成する候補と、反対する候補が15票ずつを獲得し、新理事長選任は17日の理事会以降に先送りになった。
2.市場移転問題について、あらゆる問題・課題が宙に浮いて、一向に解決の糸口が見えない。これは東京への五輪招致が原因になっている。東京都の新年度予算案に、2016年の東京五輪招致の経費として46億2000万円が計上され、五輪招致の予算は3年間で100億円になる。招致イベントの開催費用として都内の全区市町村に一律1000万円を支給するなど、都議会などで使途の妥当性を問う声も出ている。
3.五輪招致に関して、東京都とシカゴ(米国)の争いという趣旨の報道が目立つが、大前氏はリオデジャネイロ(ブラジル)も有力と見ている。東京の立場は、日本で報道されているほど強くない。シカゴとの争いでは、相当「不利」な立場である。
4.最終的にシカゴが五輪の候補地として残れば、シカゴとの関係が深いオバマ米大統領が登場する可能性が高い。すでにシカゴはこの戦略で動き出している。13日に
公表されたシカゴの2016年五輪招致に向けた立候補ファイルは、「オバマ効果」を最大のセールスポイントにしたものである。
5.ソチ(ロシア)に2014年の冬季五輪を招致させることに成功したプーチン首相の演説を思い出す。もしオバマ米大統領が演説したら、日本の石原都知事では到底 太刀打ちできない。オバマ米大統領がシカゴへの五輪招致に消極的な態度を示すようなことがない限り、番狂わせは起きない。
6.東京都には、五輪招致よりも優先すべき課題がある。五輪招致という「お祭り」に興じる以前に東京都には「都市機能」を働かせるために優先すべき事項が多い。 その1つが築地、晴海、豊洲といった地域の開発である。この地域を東京都の都市機能としてどのように開発を進めるかが重大な課題である。
2009年02月20日
タッチパネルの性能はさらに向上している
技術調査会の『G−マガ』 (平成21年 2月19日号)では大日本印刷が2月13日に「タッチパネル用透明導電フィルム」を発表したニュースを紹介している。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.大日本印刷株式会社(本社:東京、資本金:1,144億円 以下:DNP)は、市場の拡大が期待されるタッチパネル向けの部材である新しい透明導電フィルムを開発した。本年1月からサンプル出荷を開始し、4月からは本格的な生産を開始する予定である。
2.今回開発した透明導電フィルムは、指先で画面を叩く・弾く・摘むという操作で画像を拡大・縮小させるマルチタッチ機能に優れた、静電容量方式(以下CAP方式)のタッチパネルに対応したものである。フィルム基材表裏への高精度な透明導電膜のパターニング技術を確立することで、視認性の向上やセンサー薄型化が可能であると共に大幅なコストダウンを実現でき、タッチパネル市場のさらなる拡大が見込まれる。
3.タッチパネル市場は、カーナビゲーションシステムや携帯端末向けに需要の拡大が続いており、今後も高い伸びが見込まれている。特に、スマートフォンなどに使用されているCAP方式のタッチパネルは、現在主流の抵抗膜方式に比べ、マルチタッチ機能や視認性、耐久性に優れていることから、非常にニーズが高まっている。
4.CAP方式のタッチパネルは通常2層の透明導電膜で構成されおり、透明導電膜をパターニング゙した2枚のフィルムを貼合わせてタッチセンサーを製造している。センサーの精度と視認性を向上させるためには、このフィルムの貼合せに高い位置精度が求められることが製造上の課題となっていた。
5.CAP方式のタッチパネルは、性能は優れているが、抵抗膜方式と比較して部品点数が多く、構造も複雑であるため、価格が4から5倍程度と割高となっていた。このため、CAP方式のタッチパネルについて、部品点数の削減によるコストダウンと、センサー部の薄型化の要求されていた。
6.同社はCAP方式のタッチパネルに対する市場のニーズに対応して、新しい透明導電膜のパターン形成技術を開発し、1枚のフィルム基材の表裏に透明導電膜のパターンを連続的に形成する製造方法を確立した。
7.新方式による透明導電フィルムの特徴は以下の通りである。
1)2枚の透明導電フィルムの貼り合せ工程が不要で、工程の簡略化及び部材点数が削減でき、タッチパネルのセンサー部分のコストを大幅に削減できる。
2)2枚の透明導電フィルムを貼り合わせたものに比べ、1枚の透明導電フィルムなので、透過率が高く、視認性に優れていると共に、センサー部分が薄型化できる。
3)新技術による表裏パターンの位置精度は、±10μm以下であり、センサー精度の向上と、高精細ディスプレイへの対応が可能となる。
8.今後、同社はタッチパネルメーカーに向けてサンプル出荷を開始し、2009年4月から月産500万枚(4インチ換算)規模の生産を開始する予定である。2009年度は1年間で約20億円、2010年度には100億円の売上を見込んでいる。
1.大日本印刷株式会社(本社:東京、資本金:1,144億円 以下:DNP)は、市場の拡大が期待されるタッチパネル向けの部材である新しい透明導電フィルムを開発した。本年1月からサンプル出荷を開始し、4月からは本格的な生産を開始する予定である。
2.今回開発した透明導電フィルムは、指先で画面を叩く・弾く・摘むという操作で画像を拡大・縮小させるマルチタッチ機能に優れた、静電容量方式(以下CAP方式)のタッチパネルに対応したものである。フィルム基材表裏への高精度な透明導電膜のパターニング技術を確立することで、視認性の向上やセンサー薄型化が可能であると共に大幅なコストダウンを実現でき、タッチパネル市場のさらなる拡大が見込まれる。
3.タッチパネル市場は、カーナビゲーションシステムや携帯端末向けに需要の拡大が続いており、今後も高い伸びが見込まれている。特に、スマートフォンなどに使用されているCAP方式のタッチパネルは、現在主流の抵抗膜方式に比べ、マルチタッチ機能や視認性、耐久性に優れていることから、非常にニーズが高まっている。
4.CAP方式のタッチパネルは通常2層の透明導電膜で構成されおり、透明導電膜をパターニング゙した2枚のフィルムを貼合わせてタッチセンサーを製造している。センサーの精度と視認性を向上させるためには、このフィルムの貼合せに高い位置精度が求められることが製造上の課題となっていた。
5.CAP方式のタッチパネルは、性能は優れているが、抵抗膜方式と比較して部品点数が多く、構造も複雑であるため、価格が4から5倍程度と割高となっていた。このため、CAP方式のタッチパネルについて、部品点数の削減によるコストダウンと、センサー部の薄型化の要求されていた。
6.同社はCAP方式のタッチパネルに対する市場のニーズに対応して、新しい透明導電膜のパターン形成技術を開発し、1枚のフィルム基材の表裏に透明導電膜のパターンを連続的に形成する製造方法を確立した。
7.新方式による透明導電フィルムの特徴は以下の通りである。
1)2枚の透明導電フィルムの貼り合せ工程が不要で、工程の簡略化及び部材点数が削減でき、タッチパネルのセンサー部分のコストを大幅に削減できる。
2)2枚の透明導電フィルムを貼り合わせたものに比べ、1枚の透明導電フィルムなので、透過率が高く、視認性に優れていると共に、センサー部分が薄型化できる。
3)新技術による表裏パターンの位置精度は、±10μm以下であり、センサー精度の向上と、高精細ディスプレイへの対応が可能となる。
8.今後、同社はタッチパネルメーカーに向けてサンプル出荷を開始し、2009年4月から月産500万枚(4インチ換算)規模の生産を開始する予定である。2009年度は1年間で約20億円、2010年度には100億円の売上を見込んでいる。
2009年02月19日
裁判員制度の導入は世界的、時代的な潮流である
「渡部喬一事務所著:裁判員がこの国のかたちをかえる−裁判員制度のしくみとその心得」は、法律や裁判に関して全くの素人の自分にも、分かりやすく解説されている。特に、豊富な統計的な数値データが掲載されており、理系の自分にも説得力のある本である。印象に残った部分の概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.わが国は、明治維新後、近代化を進めていく中で、官主導で「国のかたち」をつくりあげてきた。「公のこと」はすべて国任せ、お上任せで、国民は「公のこと」に関心を持たないという国民性が出来上がってしまった。しかし1990年代以降、「失われた10年」以降、諸改革で、公正なルールに基づいた自己責任のもとで事後監視・救済型の社会へ転換しつつある。その中での「司法制度改革」は「この国のかたち」を自覚的に変えていく営みの「最後の要」である。
2.日本の裁判官の特徴は「官僚」の特徴そのものである。人間味のない官僚司法である。司法も国の一機関であり、市民(国民)の信頼がなかったら成り立たない。
3.日本の刑事裁判の特徴は、有罪率が99%以上できわめて高いことであり、海外の視察団の人は驚いている。検察官が被告人を有罪と考えて起訴すれば、ほぼ間違いなく有罪となることである。平成18年の刑事事件75、370件のうち無罪は92件で実に0.12%であり、99.9%が有罪とされている。この数字に海外の人は驚いている。
4.刑事裁判は本来、犯罪者を処罰するだけでなく、無罪の人を誤って処罰しないための手続きであることを忘れてはならない。この本来の目的を見失うことなく、国民が参加して担っていくことが必要であり、それが世界的、時代的な潮流になっている。
裁判員がこの国のかたちを変える
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1.わが国は、明治維新後、近代化を進めていく中で、官主導で「国のかたち」をつくりあげてきた。「公のこと」はすべて国任せ、お上任せで、国民は「公のこと」に関心を持たないという国民性が出来上がってしまった。しかし1990年代以降、「失われた10年」以降、諸改革で、公正なルールに基づいた自己責任のもとで事後監視・救済型の社会へ転換しつつある。その中での「司法制度改革」は「この国のかたち」を自覚的に変えていく営みの「最後の要」である。
2.日本の裁判官の特徴は「官僚」の特徴そのものである。人間味のない官僚司法である。司法も国の一機関であり、市民(国民)の信頼がなかったら成り立たない。
3.日本の刑事裁判の特徴は、有罪率が99%以上できわめて高いことであり、海外の視察団の人は驚いている。検察官が被告人を有罪と考えて起訴すれば、ほぼ間違いなく有罪となることである。平成18年の刑事事件75、370件のうち無罪は92件で実に0.12%であり、99.9%が有罪とされている。この数字に海外の人は驚いている。
4.刑事裁判は本来、犯罪者を処罰するだけでなく、無罪の人を誤って処罰しないための手続きであることを忘れてはならない。この本来の目的を見失うことなく、国民が参加して担っていくことが必要であり、それが世界的、時代的な潮流になっている。
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