2009年03月
「テロとの戦争」の名目でアフガニスタン向けの米軍を増強する意味は?
「大前研一著:さらばアメリカ、小学館、2009年」は、アメリカのブッシュ政権で変質したアメリカ社会がオバマ政権誕生以後、どのように変わるのかを考察する上で参考になる。中でもイスラム世界との和解が現代の国際社会の最大の関心ごとと言ってもよいと思う。本書ではこの問題についても分かりやすく解説されている。
概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.アメリカの現代の最大のチャレンジは中国やロシアとの関係構築ではなく、アラブとの関係修復、すなわちイスラムとの共存である。
2.マレーシアのマハティール全首相はイスラエルはアメリカという代理人を遣って世界中で戦争をしていると非難した。これはアラブとイスラムから見た世界観でもある。ブッシュ大統領はキリスト教の西欧文明に対立しているのはイスラム文明だという故サミュエル・ハンチントン教授の「文明の衝突」の単純な発想に基づいて行動していた。
3.アラブ=テロリストでもないし、イスラエル=テロリストでもない。イスラムの中でもテロリストになるのは米軍との戦争で家族を失ったような明確な理由を持った人たちである。オサマ・ビンラディンとアルカイダはかってはサウジアラビアの支援でアフガニスタンに義勇兵として参加した人たちであり、旧ソ連がアフガニスタンから撤退したあとに、アメリカが次の標的になっただけである。
4.ブッシュ大統領はイスラムもアラブも仮想敵にする根拠がないために、「テロとの戦い」という言葉を使い、アメリカの大衆にイスラム教徒をテロリストという印象を植え付けた。
5.アメリカの中東民主化政策は矛盾に満ちている。アメリカが最も仲良くしているサウジアラビアは王制であり、民主化などしていない。これまでは油のおかげで安定していたが貧富の差は拡大している。腐敗した王族に不満を持つ貧困層は親米にはならない。
6.オバマ大統領はアフガニスタンへの米軍増強を決めているが、民主化という大義はこの国にもあてはまらない。アメリカにとって石油のでないアフガニスタンから得るものは何もない。トラブルを引きずるだけで、アメリカが手を引くのは時間の問題である。対イラク政策のまずさに対する米国国民の目を逸らすのが目的である。
さらばアメリカ
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概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.アメリカの現代の最大のチャレンジは中国やロシアとの関係構築ではなく、アラブとの関係修復、すなわちイスラムとの共存である。
2.マレーシアのマハティール全首相はイスラエルはアメリカという代理人を遣って世界中で戦争をしていると非難した。これはアラブとイスラムから見た世界観でもある。ブッシュ大統領はキリスト教の西欧文明に対立しているのはイスラム文明だという故サミュエル・ハンチントン教授の「文明の衝突」の単純な発想に基づいて行動していた。
3.アラブ=テロリストでもないし、イスラエル=テロリストでもない。イスラムの中でもテロリストになるのは米軍との戦争で家族を失ったような明確な理由を持った人たちである。オサマ・ビンラディンとアルカイダはかってはサウジアラビアの支援でアフガニスタンに義勇兵として参加した人たちであり、旧ソ連がアフガニスタンから撤退したあとに、アメリカが次の標的になっただけである。
4.ブッシュ大統領はイスラムもアラブも仮想敵にする根拠がないために、「テロとの戦い」という言葉を使い、アメリカの大衆にイスラム教徒をテロリストという印象を植え付けた。
5.アメリカの中東民主化政策は矛盾に満ちている。アメリカが最も仲良くしているサウジアラビアは王制であり、民主化などしていない。これまでは油のおかげで安定していたが貧富の差は拡大している。腐敗した王族に不満を持つ貧困層は親米にはならない。
6.オバマ大統領はアフガニスタンへの米軍増強を決めているが、民主化という大義はこの国にもあてはまらない。アメリカにとって石油のでないアフガニスタンから得るものは何もない。トラブルを引きずるだけで、アメリカが手を引くのは時間の問題である。対イラク政策のまずさに対する米国国民の目を逸らすのが目的である。
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ごりやく(利益)でない宗教観(哲学)を小学生時代から
「稲盛和夫著:生き方、サンマーク出版、2008年」の「第4章:利他の心で生きる」の「いまこそ道徳に基づいた人格教育へとシフトせよ」も、裸一貫から大企業を創り上げた経営者の考えかたとしてはユニークであり説得力がある。ありきたりの道徳教育論などと一味違う。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.大人も子供も含めて、根源的な道徳規範を失ってしまった理由は、要するに大人がこどもにそれを教えなかったためである。イスラム教、キリスト教、仏教などの宗教が生きる哲学を人類に教えてくれた。道徳の欠如の根底には宗教の不在がある。ごりやく(利益)の宗教ではない哲学の宗教が必要である。
2.現在の日本では、学業のできる子供、苦手な子供をより分けて前者を優遇する学歴社会が出来上がり、そのことが若者の労働に対する見方をずいぶん歪ませてしまった。いい成績をあげて官公庁や大企業にはいることをよしとして親子でお受験に血眼になっているところに、宗教観、道徳観など育つはずがない。
3.小学生のときから、ものの価値観を正しく教え、世の中にはこれだけ多くの職業があり、それぞれの分野で沢山の人が懸命に働いているから、社会や人間の暮らしが成り立っていることを教えなければならない。
生き方―人間として一番大切なこと
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1.大人も子供も含めて、根源的な道徳規範を失ってしまった理由は、要するに大人がこどもにそれを教えなかったためである。イスラム教、キリスト教、仏教などの宗教が生きる哲学を人類に教えてくれた。道徳の欠如の根底には宗教の不在がある。ごりやく(利益)の宗教ではない哲学の宗教が必要である。
2.現在の日本では、学業のできる子供、苦手な子供をより分けて前者を優遇する学歴社会が出来上がり、そのことが若者の労働に対する見方をずいぶん歪ませてしまった。いい成績をあげて官公庁や大企業にはいることをよしとして親子でお受験に血眼になっているところに、宗教観、道徳観など育つはずがない。
3.小学生のときから、ものの価値観を正しく教え、世の中にはこれだけ多くの職業があり、それぞれの分野で沢山の人が懸命に働いているから、社会や人間の暮らしが成り立っていることを教えなければならない。
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2009年03月29日
ソーロング・アメリカ・・昔のアメリカに戻るまで
「大前研一著:さらばアメリカ、小学館、2009年」は、アメリカのブッシュ政権で変質したアメリカ社会がオバマ政権誕生以後でも大きく変わることはないという著者の悲観的な見解が述べられている、と3月24日に紹介した。ただし、本書の標題の「さらばアメリか」の「さらば」は英訳本では「So long America!」であり「Good by America!(さよなら)」でないそうである。「until you come back to yourself(昔の君にもどるまで)」という副題になっている。
昔の君とは著者が1967年に渡米してMITに入学してから1980年代ころまで過ごしたアメリカ社会である。フェアで包容力のアメリカ社会については、世界の頭脳を集めているシリコンバレーや、日本のプロ野球選手が実力次第で受け入れてくれるが、成績が悪いと即、解雇というニュースに接していると垣間見ることができる。著者が述べる、ソーロングの概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.フェアネスと寛容の国は前述のとおり。
2.日本の政治を見ていると簡単に「さよなら」と言えない。官僚の中央集権的発想や短絡思考が一向に改まらない。細分化された職能で小粒になり制度疲労を起こしている。選挙でも元官僚の自己保身の体質は既得権をばっさり切るような行政は到底望めないような決定的マイナスイメージがある。日本社会の改革もアメリカという国の外圧に依存した部分が多い。
3.オバマ政権に望みを託す。その中身は先ず、世界に対して謝る、世界の一員になる、戦争と訣別する、である
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昔の君とは著者が1967年に渡米してMITに入学してから1980年代ころまで過ごしたアメリカ社会である。フェアで包容力のアメリカ社会については、世界の頭脳を集めているシリコンバレーや、日本のプロ野球選手が実力次第で受け入れてくれるが、成績が悪いと即、解雇というニュースに接していると垣間見ることができる。著者が述べる、ソーロングの概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.フェアネスと寛容の国は前述のとおり。
2.日本の政治を見ていると簡単に「さよなら」と言えない。官僚の中央集権的発想や短絡思考が一向に改まらない。細分化された職能で小粒になり制度疲労を起こしている。選挙でも元官僚の自己保身の体質は既得権をばっさり切るような行政は到底望めないような決定的マイナスイメージがある。日本社会の改革もアメリカという国の外圧に依存した部分が多い。
3.オバマ政権に望みを託す。その中身は先ず、世界に対して謝る、世界の一員になる、戦争と訣別する、である
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日本の大会社のトップ人事の問題点とは?
2009/03/27付けの大前研一さんの「ニュースの視点」は「 復活の方程式は描けているのか〜日本の大企業における「トップ人事」の仕組みと問題点」と題する記事であり、耳の痛い方も多いと思う。しかし、世界の企業コンサルタントで数多くの実績を上げている大前氏ならではのご見解であり参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.日立製作所は、子会社の日立マクセルと日立プラントテクノロジーの会長を兼務している川村隆氏(69)が4月1日付けで日立本体の会長兼社長に就任する人事を発表した。日立製作所のトップ人事記者会見の様子を見ていたが、覇気がない。庄山次期取締役会議長(73)、古川次期副会長(62)、そして川村次期会長兼社長(69)という、年配の方々3人が手を取り合っているのだからかも知れない。
2.川村氏は庄山氏と同じ重電畑の出身で、庄山氏が社長の頃に副社長を務めてた。その後、グループ会社の会長などを転々として、今回本社の社長へ返り咲いた。最も不思議に思うのは、なぜ古川氏から「さらに年配」の川村氏へとバトンタッチしなくてはいけないのか?という点である。若い人の中に人材はいないか? 日立は経営陣の若返りを図るべきである。
3.川村氏が社長を引き継いだところで、日立製作所に活気が戻ってきて、業績回復する可能性は極めて低いと感じる。「若さ」がないという点だけで、判断しているわけではない。日立や三菱重工などの「大本部制」を採用している日本の大企業の多くは「トップ人事」の仕組みに問題を抱えている。
4.その問題とは、社長へのキャリアパスとして、全社のことを理解できる仕組みになっていないことである。ある1つの「本部」の中でキャリアを積み、副社長に上り詰める。例えば、川村氏の場合には主に「重電」という分野でキャリアを積んでいる。そのような人が本社の社長になって、いきなり「全ての本部のことを考えて社長業をこなせ」と言われても出来るわけがない。
5.そのとき最も業績が良い本部の副社長が、本社の社長に就任するケースが多く(ご褒美人事)、やたらと出身母体である本部の自慢をする一方、他の本部のことについては余り聞く耳を持たない社長が多い。
6.米国のGEのように、本社の社長になるための「キャリアパス」を最初から設計しておくことが大切である。全社のことが理解できるようなキャリアパスで勝ち抜いた人が本社の社長になるような人事制度が、今の日立には求められている。それが出来ないのならば、大本部制ではなく、それぞれの会社をバラバラにするしかない。川村氏のようなキャリアを歩んだ人も、その道の専門家として大いに機能する。
7.別の理由で同じく失敗すると感じたのが、ソニーのトップ人事である。ソニーは、中鉢良治社長(61)が4月1日付で代表権のある副会長となり、ハワード・ストリンガー会長兼最高経営責任者(CEO)(67)が社長を兼務するという人事を発表した。ハワード・ストリンガー会長が社長を兼務することで、出井前会長時代につまずいたソフト路線への回帰を図ると言われているが、間違いなく失敗する。
8.ソニーの売上高は約7割をエレクトロニクス関連事業に未だ依存しているから、ハード部門を無視することはできない。放送業界というソフト業界出身のストリンガー会長では手に負えない。ストリンガー会長は、ソニーのDNAとも言える「ソニー精神」を持ち合わせていない。創業者である井深氏、あるいは盛田氏が持っていた
「ソニーは何かやってくれそうな気がする」「ソニーの製品にはワクワクする」という“期待”を私たち消費者に感じさせてくれる「ソニー精神」がない。
9.今ソニーに求められているのはこの部分であり、決してコストダウンの施策を打ち出すことではない。ソニーの場合には経営陣が若返えっても上手くいかない可能性がある。むしろ今60台半ば以上であっても、井深氏や盛田氏のソニーDNAを受け継いだ世代の方が適任である。常識的な会社になって「ソニーらしさ」が失われることが最も痛手になる。
10.日立やソニーとは対照的に「ホンダ」「トヨタ」「東芝」などは、ある程度順当なトップ人事を発表ている。特に、6月末に東芝の社長から退く西田厚聰(あつとし)社長(65)の英断を評価したい。西田社長は戦略として半導体と原子力に注力しました。結果としては半導体のフラッシュメモリが裏目に出たが、経営者として白黒を明確にしたのは意味があった。自らの敗北を素直に認め、社長を佐々木則夫副社長(59)という若手に引き継いだ判断も正しい。
11.全ての企業が今回の東芝のような社長交代を行えると良いのだが、実際には難しい側面も多々ある。日立とソニーの例を見ても分かるように、必要な解決策が全く正反対になることもある。トップ人事という問題になると、一筋縄では行かないことも多い。重要になってくるのは「本質的な問題は何か」を正しく把握することである。日々のトレーニングを続けて、そのスキルを身に付けてもらいた。
1.日立製作所は、子会社の日立マクセルと日立プラントテクノロジーの会長を兼務している川村隆氏(69)が4月1日付けで日立本体の会長兼社長に就任する人事を発表した。日立製作所のトップ人事記者会見の様子を見ていたが、覇気がない。庄山次期取締役会議長(73)、古川次期副会長(62)、そして川村次期会長兼社長(69)という、年配の方々3人が手を取り合っているのだからかも知れない。
2.川村氏は庄山氏と同じ重電畑の出身で、庄山氏が社長の頃に副社長を務めてた。その後、グループ会社の会長などを転々として、今回本社の社長へ返り咲いた。最も不思議に思うのは、なぜ古川氏から「さらに年配」の川村氏へとバトンタッチしなくてはいけないのか?という点である。若い人の中に人材はいないか? 日立は経営陣の若返りを図るべきである。
3.川村氏が社長を引き継いだところで、日立製作所に活気が戻ってきて、業績回復する可能性は極めて低いと感じる。「若さ」がないという点だけで、判断しているわけではない。日立や三菱重工などの「大本部制」を採用している日本の大企業の多くは「トップ人事」の仕組みに問題を抱えている。
4.その問題とは、社長へのキャリアパスとして、全社のことを理解できる仕組みになっていないことである。ある1つの「本部」の中でキャリアを積み、副社長に上り詰める。例えば、川村氏の場合には主に「重電」という分野でキャリアを積んでいる。そのような人が本社の社長になって、いきなり「全ての本部のことを考えて社長業をこなせ」と言われても出来るわけがない。
5.そのとき最も業績が良い本部の副社長が、本社の社長に就任するケースが多く(ご褒美人事)、やたらと出身母体である本部の自慢をする一方、他の本部のことについては余り聞く耳を持たない社長が多い。
6.米国のGEのように、本社の社長になるための「キャリアパス」を最初から設計しておくことが大切である。全社のことが理解できるようなキャリアパスで勝ち抜いた人が本社の社長になるような人事制度が、今の日立には求められている。それが出来ないのならば、大本部制ではなく、それぞれの会社をバラバラにするしかない。川村氏のようなキャリアを歩んだ人も、その道の専門家として大いに機能する。
7.別の理由で同じく失敗すると感じたのが、ソニーのトップ人事である。ソニーは、中鉢良治社長(61)が4月1日付で代表権のある副会長となり、ハワード・ストリンガー会長兼最高経営責任者(CEO)(67)が社長を兼務するという人事を発表した。ハワード・ストリンガー会長が社長を兼務することで、出井前会長時代につまずいたソフト路線への回帰を図ると言われているが、間違いなく失敗する。
8.ソニーの売上高は約7割をエレクトロニクス関連事業に未だ依存しているから、ハード部門を無視することはできない。放送業界というソフト業界出身のストリンガー会長では手に負えない。ストリンガー会長は、ソニーのDNAとも言える「ソニー精神」を持ち合わせていない。創業者である井深氏、あるいは盛田氏が持っていた
「ソニーは何かやってくれそうな気がする」「ソニーの製品にはワクワクする」という“期待”を私たち消費者に感じさせてくれる「ソニー精神」がない。
9.今ソニーに求められているのはこの部分であり、決してコストダウンの施策を打ち出すことではない。ソニーの場合には経営陣が若返えっても上手くいかない可能性がある。むしろ今60台半ば以上であっても、井深氏や盛田氏のソニーDNAを受け継いだ世代の方が適任である。常識的な会社になって「ソニーらしさ」が失われることが最も痛手になる。
10.日立やソニーとは対照的に「ホンダ」「トヨタ」「東芝」などは、ある程度順当なトップ人事を発表ている。特に、6月末に東芝の社長から退く西田厚聰(あつとし)社長(65)の英断を評価したい。西田社長は戦略として半導体と原子力に注力しました。結果としては半導体のフラッシュメモリが裏目に出たが、経営者として白黒を明確にしたのは意味があった。自らの敗北を素直に認め、社長を佐々木則夫副社長(59)という若手に引き継いだ判断も正しい。
11.全ての企業が今回の東芝のような社長交代を行えると良いのだが、実際には難しい側面も多々ある。日立とソニーの例を見ても分かるように、必要な解決策が全く正反対になることもある。トップ人事という問題になると、一筋縄では行かないことも多い。重要になってくるのは「本質的な問題は何か」を正しく把握することである。日々のトレーニングを続けて、そのスキルを身に付けてもらいた。
2009年03月27日
「子曰く、君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」の解釈
「阿川弘之著:論語知らずの論語読み、PHP文庫、1999年」は、冒頭に論語の言葉をダシにして書き綴った、その日その日の随想、と紹介しているように気楽に読める楽しい本であると、昨日紹介した。子路篇3の「子曰く、君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」も論語の中でよく引用されるものの一つである。
武者小路さんの「論語私感」という著作で、彼はこの言葉を実に愛すると述べている。その真意は「音楽のようなものである。あらゆる音が自己の存在を主張することで、益々全部が生きる」からだそうである。
「私はまだ生きている、本気になっていきている、そのうちものになって見せてやる」90歳になっても底抜けに本気なところがある武者小路さんが好きな論語が「子曰く、君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」であることがなんとなく分かる。
論語知らずの論語読み (1977年)
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武者小路さんの「論語私感」という著作で、彼はこの言葉を実に愛すると述べている。その真意は「音楽のようなものである。あらゆる音が自己の存在を主張することで、益々全部が生きる」からだそうである。
「私はまだ生きている、本気になっていきている、そのうちものになって見せてやる」90歳になっても底抜けに本気なところがある武者小路さんが好きな論語が「子曰く、君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」であることがなんとなく分かる。
論語知らずの論語読み (1977年)
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