2010年09月

2010年09月30日

どうなる日本 3

d9f11a95.jpg尖閣諸島
北方四島
竹島
世界にもある
未解決の領土問題
二極体制で救われた時代
多極化した時代の戦略

yuji5327 at 06:54トラックバック(0) 
池上湖心の書 

領土問題の本質とその解決のための戦略とは? 3

「フランシス・フクヤマ著、渡部昇一訳:歴史の終わり(下)、1992年」の著者は日系3世でハーバード大学ソ連外交で政治学博士を取得している哲学者であることは当ブログでも既に紹介した。20年前にアメリカでベストセラーになったと言われる理由が読んでいるうちに分かってくる。北方四島の帰属問題で最近のロシアの動きが気になるがその歴史的な背景について述べているところが参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.ロシアは、帝政下でもボルシェビキの支配下でも同じ程度に領土を拡張してきた。政権の形態は変わっても領土拡張という点ではなんら変わらない。将来のロシアの政府にしても、マルクスーレーニン主義の衣はすっかり脱ぎ捨てたにせよ、その拡張主義は相変わらず残されている。拡張主義はロシア民族の権力を求める意志のあらわれである。
2.日本は今は、1930年代の軍部独裁国家ではなくリベラルな民主主義国かもしれないが、それでも銃弾ではなく円によってアジアを相変わらず支配しているところが日本の日本たるゆえんでもある。もしも権力を求める衝動がどの国でも本質的に同じものだとするなら、戦争が起こるかどうかを左右する真の要因は、ある特定の国の侵略的な行動ではなく、その国の体制の内部に潜む力関係のバランスが原因となっている。もしも均衡がとれていれば侵略は割に合わないものとなるが、逆に均衡がとれなくなると隣国の弱みにつけ入ろうという誘惑に駆られるはずである。
3.現実主義者によれば、純粋な形での権力の配分が、戦争か平和かを決める最大の要因になる。二つの国家が他のすべての国家に優越している場合、権力は二極に配分され得る。ペロポネソス戦争時代のアテネとスパルタにも、数世紀のちのローマとカルタゴにも、あるいは冷戦時代のアメリカとソ連にもそれはあてはまる。その二極体制にとって代わるのが多極体制、つまり十八世紀から十九世紀にかけてのヨーロッパのように、権力が数多くの国家に配分されている体制である。
4.現実主義者のあいだで、より長期的な国際的安定をもたらすのは二極体制か多極体制かという点が長いあいだ議論されてきた。そして彼らの多くは、二極体制のほうがより安定的な体制にちがいないとの結論を下している。その理由は、近代の民族国家が完全かつ柔軟な同盟体制を築き上げられなかったという歴史的な要因と関係してい。
5.第二次世界大戦後の権力の二極配分は、ヨーロッパが1945年以降半世紀にわたって前例のない平和を保ってきた理由の一つとされている。国際政治における唯一最強の思想である現実主義は、民族国家をビリヤードの球のように取り扱う。その中身が半透明な殻に覆われているので行動がまったく予測できないという理由である。国際政治学ではこのような国家の中身についての知識はいらない。必要とされるのは、相互作用を支配している物理学の法則を理解することだけである。クッションにぶつかったビリヤードの球はどんな角度ではずむのか、あるいは一つの球が二個の球にぶつかった瞬間にエネルギーがどう配分されるのか、という点がわかればよい。
6.国際政治は複雑かつ歴史的に発展している人間社会の相互作用とは関係ない。戦争は価値の衝突とは無縁なものである。ビリヤード式研究法では、戦争か平和かの見通しについて判断を下すには、国際体制が二極構造になっているか多極構造になっているかについての知識が貧弱でもあればそれで事足りる。現実主義は国際政治の診断書であり、国家が対外政策を遂行していくための処方箋でもある。
7.善良な人間ならおそらく全員が、マキャベリが言うように「多くの善良でない人間」の振る舞いによって強制されなければ、現実主義の教義に従って活動することを望まない。現実主義は、政策ガイドとなる幾つかの規則に行き着く。第1の規則は、国際的な不安定という問題は最終的には潜在敵国に対する力の均衡の維持を通じて解決される。戦争は国家間の紛争に関する最終的解決手段であるため、諸国家は自国を守るために十分な力をもたなければならない。諸国家は国際協定に頼ってばかりもいられないし、なんら強制力や制裁力をもたない国連のような国際組織に頼ることもできない。
8.ラインホルト・ニーバーは、日本の満州侵略に制裁を加えられなかった国際連盟を例に挙げ、「国際的な共同体は一つの協調の精神を樹立したが、手に負えない国家を罰するほど大きなものではない」とした。国際政治の真の通貨は軍事力だ。たしかに天然資源や工業生産力など他の力も重要だが、それらは主に自衛のための軍事能力を育成する手段として重要なのである。
9.現実主義の第二の規則は、ある国を味方につけるか敵に回すかを判断する際には相手の体制内部の体質やイデオロギーよりもむしろその国力を基準にすべきだ、ということである。たとえばヒトラーを打ち破るための米ソの提携や、イラクに対するブッシュ政権のシリアとの協力など、世界政治のなかにこうした事例は無数にある。ナポレオンの敗北後、オーストリアの外務大臣メッテルニヒ公の率いる反フランス連合は、ヨーロッパの平和に対する将来の脅威への対抗勢力としてフランスが必要だ、という理由から、同国の分割あるいは領土割譲を求めなかった。そして事実、のちにヨーロッパの現状を覆そうしたのはフランスではなく、ロシアであり、ドイツであった。
10.イデオロギーや報復の観念にとらわれないこのような冷静な勢力均衡政策は、キッシンジャーの最初の著書の主題であり、いまなお現実主義を実践するうえでの手本になっている。これと関連のある第三の規則として、外国の脅威を推し量る場合に、政治家は相手国の意図よりもその軍事的な能力のほうをもっと念入りに検討すべきだ、という点が挙げられる。現実主義の観点からすれば、意図(侵略?)というのはある意味で、いつでも出てくるものである。



歴史の終わり〈上〉歴史の「終点」に立つ最後の人間
歴史の終わり〈上〉歴史の「終点」に立つ最後の人間
クチコミを見る


yuji5327 at 06:45トラックバック(0) 
共通テーマ 

2010年09月29日

新エネ大国 3

88867a2d.jpg太陽光発電
風力発電
バイオ発電
地熱発電
波力発電
化石燃料依存から
どこまで脱却できるか
きれいな先進国で
蘇る日本

yuji5327 at 06:35トラックバック(0) 
池上湖心の書 

太陽光発電システムの国内市場は5年後には1兆円を超える見通し 3

9月28日の環境メディア通信で矢野経済調査報告「国内太陽光発電システム市場に関する調査結果:2010年度、前年度比2 倍超の成長市場に海外太陽電池メーカーが多数参入、国内メーカー独占の市場から、2009 年度は海外勢がシェア8.5%を獲得」とういう標題の記事が紹介されている。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.2009 年度の国内太陽光発電システム市場は3,856 億円(前年度比235%、エンドユーザ販売金額ベース)と、2008 年度の1,643 億円から2 倍超に拡大した。同年度の需要内訳は、「住宅用太陽光発電システム市場」が3,335 億円(構成比86.5%、前年度比253%)、「公共・産業用太陽光発電システム市場」が522 億円(構成比13.5%、前年度比160%)である。
2.国内太陽光発電システム市場の拡大を牽引してきた住宅用太陽光発電システム市場は2005 年度の1,784 億円をピークに2006、07 年度は縮小傾向で推移した後、2008 年度は政府導入助成制度の再開などを背景に3 期ぶりに拡大に転じた。さらに2009 年度は政府導入助成制度の継続に加え、2009 年11月からスタートした余剰電力の固定価格買取制度の影響から、市場規模は急拡大した。
3.これまで国内太陽光発電システム市場で使用される太陽電池モジュールは、そのほぼ全量が日本メーカー製のものであった。しかし、2009 年度は中国・韓国メーカーを中心とした海外太陽電池メーカーが国内市場に多数参入、国内太陽光発電システムの導入量618.5MWのうち8.5%に相当する52.5MWが海外メーカー製太陽電池モジュールを採用した太陽光発電システムである。
4.2010 年度以降の国内太陽光発電システム市場は、2009 年11 月にスタートした余剰電力買取制度により住宅用太陽光発電システム市場を中心に急拡大するものと予測される。2010 年度は6,774 億円(2009 年度比176%)から、2015 年度には1 兆1,068 億円(2009 年度比287%)に、また2020 年度には1 兆2,941 億円(2009 年度比336%)まで拡大するものと予測する。


yuji5327 at 06:21 
新エネルギー・省エネルギー | エネルギー問題

2010年09月28日

中国外交 3

65d19786.jpg尖閣諸島
国家体制
民衆の誘導
文化大革命を連想
中国共産党の力
日本の対抗手段は?
日本外交のお手並み
優雅な生活になれた
日本の外務省役人では無理?



yuji5327 at 06:58トラックバック(0) 
池上湖心の書 

尖閣諸島、北方四島、竹島問題を解決する手段はあるか? 3

「フランシス・フクヤマ著、渡部昇一訳:歴史の終わり(下)、1992年」を当ブログでは何度も紹介している。今の領土問題を著者は20年以上も前から予見しているようにも思える。国の指導者は歴史を良く学び、分析しておくことが大切である。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.個人間の支配と服従という関係が終わり、それが世界の各国間の支配と服従という関係も終わるなら、帝国主義は終わり、帝国主義による戦争の危険性はしだいに減少していくはずである。
2.しかし、20世紀にさまざまな事件が起こったため、歴史や国家内部の革新的な変化はあり得ないのではないかという悲観的な見方が生まれたように、諸国間のさまざまな関係についての悲観主義も育んできた。国際関係についての悲観主義は、ある意味で内政に関する悲観主義よりもはるかに徹底している。
3.経済学や社会学理論の主流が過去1世紀にわたって歴史の変化の問題に取り組んできたのに対し、国際関係論の研究者たちは歴史など存在しないかのように、戦争や帝国主義は、人間の普遍的な側面であって、その根本的な原因は、今日もツキディデスの時代となんら変わりがないかのように語っている。
4.宗教や家族、経済組織、政治的な正統性の概念など人間の社会的環境の局面がいくら歴史的な進化をしようと、国際関係はあくまで独自のものと考える。「戦争は永劫不変」と考える。国際関係についてのこの悲観的な見解は、「現実主義」とか、あるいは「武力外交」の名のもとに体系化なされてきた。現実主義は、国際関係を理解するためのもっとも有力な枠組みであり、アメリカやヨーロッパはもとより大部分の世界で今日、ほぼすべての外交政策の専門家の考え方の基盤になっている。
5.国際政治に対し民主主義の普及がどのような影響を及ぼすかを理解するためにも、われわれは、この現実主義者たちの解釈の弱点について分析しておく必要がある。
6.現実主義の真の創始者はマキャベリであった。彼は、人間というものはいかに生くべきかという哲学者の空想によってではなく、現実にどう生きているかという面から自己を確認していかなければならないと考え、同時に、最良の国家が生き残りたければ最悪の国家の政策を見習うべきである、と説いた。
7.現代政治に現実主義が登場したのは第二次世界大戦後のことである。そのとき以来、現実主義はさまざまな形をとってきている。その最初の形は戦前から戦後初期にかけて、神学者のラインホルト・ニーバー、外交官のジョージ・ケナン、大学教授のハンス・モーゲンソーなどによってつくられた。なかでも、モーゲンソーのつくった国際関係論の教科書は、お冷戦の時期の外交政策に関するアメリカ人の考え方に影響を与えてきた。
8.その後は、新現実主義とか構造的現実主義といった学術的な理論があれこれ生まれたが、前世代でもっとも断固とした現実主義の唱導者はキッシンジャーである。国務長官時代のキッシンジャーは、アメリカの大衆をウィルソンの伝統的自由主義から教育によって遠ざけ、外交政策のより現実主義的な理解へ目を向けさせた。この現実主義は、キッシンジャーの辞職後も長いあいだアメリカの外交政策に係わった数多くの教え子や弟子たちの考え方の基盤となってきた。
9.現実主義の理論はすべて、不安定性が国際秩序の恒久的な特色であり、それは国際秩序は永遠に無政府的であるという仮説から出発する。国際的な支配者があらわれないかぎり、各国は互いにとって潜在的な脅威となるだろうし、その不安を取り除くにはどの国も防衛のために武装するよりほかに手はない。この脅威という感覚は、ある意味では避けがたいものである。どの国も他国の防衛的活動を自国への脅威と誤解し、今度は逆に相手国から攻撃的と誤解されるような防衛手段を講じるからである。こうして脅威は、百発百中の予言のごとく現実のものとなる。その結果、あらゆる国が他国以上に軍事力を増強しようとする。
10.軍備競争と戦争は国際体制における避けがたい副産物であり、それは国家自体の性格のためではなく、諸国家体制全体が無政府的な性格をもっていることによるものである。この権力闘争は、諸国家が神権政治か、奴隷をかかえる貴族制か、ファシズムの警察国家か、共産主義の独裁国家か、あるいはリベラルな民主主義国家かに影響されない。
(尖閣諸島、北方四島も現実主義では解決できないことを予見している。世界をリードできる思想家が求められている)


歴史の終わり〈上〉歴史の「終点」に立つ最後の人間
歴史の終わり〈上〉歴史の「終点」に立つ最後の人間
クチコミを見る


yuji5327 at 06:48トラックバック(0) 
共通テーマ 

2010年09月27日

水なしやさくさくとしてあきの風 3

c249c180.jpg惟中句
長谷川櫂解説
梨の実が歯に砕ける感じ
さくさくと
柿やリンゴはこんな音はしない
秋のかすかな淋しさ
水梨は水気の多い梨
惟中は芭蕉と同時代
談林派俳諧の人
(読売新聞2010.9.26より)

yuji5327 at 06:29トラックバック(0) 
池上湖心の書 

電気自動車の普及のための社会インフラは日本は出遅れている 3

3d9841b8.jpg9月19日付のNHKのBS放送の「世界ふれあい街歩き・アルプスが見える街轡襯ーノ〜スイス〜」と、9月16日付けの日経Automotive Technologyに「Daimler社が”Aクラス”のEVを生産開始」という櫛谷さえ子氏の記事を読むと、電気自動車の普及に関してば、日本は必ずしも進んでいないようだ。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.スイスのイタリア語圏ティチーノ州のルガーノ市の街歩きで、ルガーノ大学の白亜の校舎に向かって歩いて行くと、正門前の道の路上パーキング見えてくる。良く見ると、車からはコードが伸びていて、道端の機械までつながっている。見上げると機械の標識にはコンセントのマークがある。駐車中に充電することのできる電気自動車専用の駐車スペースである。
2.利用者に聞くと、日々の充電は無料で、年間使用料金は100フラン(約8300円)。使うためには充電器のカバーを開ける鍵が渡される。ティチーノ州すべての充電器を使える。
3.ドイツDaimler社は、電気自動車「Aクラス E-CELL」の生産を開始した。ドイツのRastatt工場でガソリンエンジン車の「Aクラス」と同じラインで生産する。生産台数は500台で、ドイツやフランス、オランダなど、いくつかの欧州諸国でリース販売する予定である。
4.Aクラス・E-CELLのモータ駆動システムは「Bクラス・F-CELL」と同じで、搭載したLiイオン2次電池は「smart fortwo ed」と同じ。駆動システムを前部に、二つのLiイオン2次電池は床下に搭載することで、荷室容量をガソリン車並みの435〜1370Lとしている。
5.電池容量は二つ合わせて36kWhで、1回の充電で走行できる距離はNEDCモードで200km以上である。モータの定格出力は50kW(68PS)で最高出力が70kW(95PS)、最大トルクは290N・m。停止状態から100km/hまで14秒で達する。最大限に加速した場合、電池残量レベルと電池温度によってキックダウン機能が働く。最高速度はリミッタ付きで150km/hである
5.電池の冷却システムは、水とグリコールを混ぜた液冷式で、低温の冷却回路をベースにしている。外気温が非常に高い場合、冷却機能を高めるためエアコンの冷媒も使う。駆動システムと車載充電器は別の冷却回路で冷やす。12Vの車載エレクトロニクスシステムには2次電池からDC/DCコンバータを介して電力を供給する。エレクトロニクスシステムは、2次電池の負荷を最小限にするため、冷暖房などを制御する機能もある。
6.2次電池には単相交流230Vか、家庭の電源ボックスや公共充電システムの3相交流400Vから充電できる。100kmを走行できるまで充電するには、単相交流230Vで約8時間かかり、3相交流400Vでは3時間に短縮できる。smart fortwo edと同様に「SmartCharge Communication」をベースとした充電管理システムを採用する。このシステムにより充電量や個人認証などの情報を充電ポイントに交換することで、電気代の請求が容易になっている。
7.車を長時間使わない場合は、深夜など電気料金が安い時間に充電するように設定できる。誤って充電ケーブルをつないだまま走行しないように、充電中は自動的にイモビライザが作動する。そのほか、充電の進捗状況や電池残量を携帯電話などで確認できる機能も搭載している。




yuji5327 at 06:14トラックバック(0) 
新技術 | ものづくり

2010年09月26日

為政者 3

30c43599.jpg政治は技術ではない
国家の代表は
威厳も必要
国民を不幸にしないために
戦前の為政者は
国民を不幸にした
官僚的政治家の犠牲


yuji5327 at 06:53トラックバック(0) 
池上湖心の書 

外交問題の解決は、お互いにその国の文化を理解しあうことが原点である

「フランシス・フクヤマ著、渡部昇一訳:歴史の終わり(下)、1992年」の著者は日系3世でハーバード大学ソ連外交で政治学博士を取得している哲学者であることは当ブログでも既に何度か紹介した。アジアと欧米の文化の違いは今の外交問題を考える上で参考になる。
印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.アジア、そしてとりわけ日本は、世界史という面から見てとくに決定的な転換点にある。アジアが今後数世代にわたって経済的成功を続けていくにせよ、その進む方向は異なった二つの可能性が考えられる。一つは、ますます国際化をとげ教育水準を高めたアジアの人々が西欧的発想をこのまま吸収しつづけ、リベラルな民主主義を広めていく方向である。そこでは集団というものが、「気概:個人のやる気」に基づいた発想がなくなる。アジア人は、個人の尊厳、女性の権利、そして私的消費にもっと関心を払いはじめ、人間の普遍的な権利という原理を自分の内部に取り入れていく。これは、過去数十年にわたって韓国や台湾を、形式的な民主主義の道へと歩ませてきたプロセスでもある。そして日本などは戦後期にこの道をはるかに遠くまで進んできており、家父長的制度の衰退によって、たとえばシンガポールよりははるかにモダンな国家へと変貌をとげている。
2.仮にアジア人がみずからの成功を借り物の文化ではなく自分たち自身の文化のおかげだと確信したならば、欧米の経済成長の勢いが極東にくらべて衰えたならば、西欧社会が家族のような基本的社会制度のいっそうの崩壊を経験しつづけていくならば、そして西欧がアジアに対して不信や敵意を抱いて向かってくるならば、そのとき極東では技術主義的な経済合理主義と家父長的権威主義とを結合させた反自由主義的、非民主主義的なシステムが支持されるようになる。
3.今日までアジア社会の多くは西欧のリベラルな民主主義の原理に対して少なくとも口先では賛意を払い、その形式は受け入れつつも、中身はアジアの文化的伝統に適するように修正してきた。だが、その形式自体も西欧からの押しつけであり、西欧の企業経営技術がアジア経済にそぐわないのと同程度に、リベラルな民主主義もアジア社会の円滑な機能にとっては不適切なものとして、民主主義ときっぱり訣別するという事態も起こり得る。
4.リベラルな民主主義に対するアジアの組織的な拒絶の萌芽は、リー・クアン・ユーの空理空論的な発言や石原慎太郎のような日本人の著作からもうかがえる。もしも将来このような民主主義以外の原理が出現するとしたら、そこでは日本が決定的な役割を果たすだろう。日本国は、すでにアメリカに代わってほとんどのアジア諸国における近代化のモデルとなっているからである。アジアの新しい権威主義も、過酷で全体主義的な警察国家とはならないだろう。その専制支配は、人々がより大きな権威に従い、一連の厳格な社会的規範へと画一化を進めていくような、服従の帝国という形をとる。
5、イスラム原理主義を世界の非イスラム地域へ輸出できなかったのと同様、こうした政治体制をアジアの儒教的伝統を共有していない他の文化地域へ輸出できるかどうかは疑わしい。アジアの新しい権威主義に示される服従の帝国は、前代未聞の繁栄を生み出すかもしれないが、それはまた大部分の市民にとっては幼年時代が長引くことであり、したがって「個人の気概」が中途半端にしか満たされない状態を意味する。
6.現代世界でわれわれは、均質な国家が勝利を収めながら同時にさまざまな民族が存続しているという、奇妙な二重現象を目のあたりにしている。一方では、近代経済や科学技術によって、世界の政治体制における唯一の正統な原理として普及してきたことによって、人類のたえまない同質化が進められてきている。
7.他方、いたるところにこうした同質化への抵抗があり、民族と国家のあいだに存在する障壁を究極的には強化するような文化的アイデンティティを求めようという、政治下レベルでの主張がある。
8.過去百年間にわたって、受け入れが可能な経済的・政治的組織形態の数は着実に減りつつあるものの、資本主義やリベラルな民主主義などの形態は今後も依然として多種多様であり得る。国家間のイデオロギー的な相違がしだいに消え去っていったとしても、国と国の違いは文化や経済の分野でも依然大きなものとして残るだろう。
9.現存する国家組織が近い将来に崩壊し、文字どおり均質な国家へと崩壊することはあり得ないだろう。多くの諸国が共通の経済的・政治的組織形態をとるようになったとしても、国家というものは存在しつづける。このような国家間の関係が、われわれの慣れ親しんでいる国際的な秩序といかに異なっているかを考えてみる必要がある。


歴史の終わり〈上〉歴史の「終点」に立つ最後の人間
歴史の終わり〈上〉歴史の「終点」に立つ最後の人間
クチコミを見る


yuji5327 at 06:45トラックバック(0) 
共通テーマ 
池上技術士事務所の紹介
261-0012
千葉市美浜区
磯辺6丁目1-8-204

池上技術士事務所(代表:池上雄二)の事業内容
以下のテーマの技術コンサルタント
1.公害問題、生活環境、地球環境
2.省エネ・新エネ機器導入
のテーマについて、
・技術コンサルタント
・調査報告書の作成
・アンケート調査・分析
・技術翻訳、特許調査
を承ります。
有償、無償を問わず
お気軽に下記にメールをください。
ke8y-ikgm@asahi-net.or.jp

工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
騒音防止管理者の資格で
お役に立ちたいと思います。

池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
(平成28年度、国立新美術館にて開催)
・読売書法展(8月開催、現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(3月開催、現在理事)
 春興賞の受賞:2回
○書道教室
・学生:月曜日
・一般:火曜日、水曜日





地域別アクセス

ジオターゲティング

ジオターゲティング
livedoor プロフィール
アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

QRコード
QRコード