2011年09月
公務員削減の具体策を確実に実行していこう 
「大前研一著：民の見えざる手・・デフレ不況時代の新・国富論、小学館、2010年」の「かくして行政コストは10分のーにできる」は参考になる。
１．市役所での窓口業務などは不要にできる。各種の許認可手続きや登録業務は、基本的にはすべてIT化して、24時間いつでもどこでもパソコン上で手続きするようにする。お年寄りにも使い勝手のよい地上デジタルテレビ放送の双方向機能を使ったシステム開発を行う。
２．各基礎白治体の責任者が話し合って、アウトソーシングできるものはどんどん共通化していけば、市役所の人間すら不要になる。窓口にはせいぜい1人いて、相談の内容によって専門家に繋ぐだけでよい。
３．究極的には、教育、医療、介護などの生身の人間が介在しなくてはできないこと以外の行政の業務は限りなくカットできる。教育、医療、介護などにには、今以上に人員と労力を振り分ける。
４．役人たちの世界では一つの仕事を何人でするかを考える、民間企業では一人で幾つの仕事をこなすかを考えるので、仕事が増えるたびに人の数を増やしてきた。増えすぎると、天下り組織を作って税金でその組織を維持し、理事長とか多くの高給の管理職をもうけた。その組織には独立行政法人と名づけて、定年を設けず天下り先にして、官僚の老後の居場所にしてきた。民間企業ではそんなことをしたら即倒産である。
５．民間企業では、工場内の生産ラインを20人でやっていた場合、次の年は同じことを12人でやれるようにし、さらに工作機械を導入してこれを6人でできないか、そのためにはどうすればよいかと考えて、「多能工」化を進めた。
６．例えば、現在の健康保険も、患者の所得によって1割負担であったり2割負担であったりするが、病院ではその1〜2割分しか伝えない。しかし、全部でこれだけの医療費がかかって、加入者がこれぐらいのお金を負担しているのだということを全部伝えれば、病院に行くかどうか考え直す人も出てくる。同じように、一つの行政サービスに、実際にはこれだけの費用がかかるのだとわかれば、必要最小限のーサビスにしようという発想も生まれる。収入の2割分を住民税として取られるぐらいなら、その2割相当分をお金ではなく自分の時間を使って小学校で子供たちに教えるようという人も現われる。
７．その判断を、自分たちでやろうというのが、基礎自治体構想である。300の基礎自治体ごとにケース・スタディを行えば、お互いにそれらの失敗を学習し合い、数年後には素晴らしく質の高い行政サービスが実現する。こうしていけば、行政のコストは現在の10分の1にすることも十分可能である。各自治体の共通部分をクラウド・コンピューティングという方法で第三者が安く提供すれば、自前でシステム構築する必要もなくなる。
民の見えざる手 デフレ不況時代の新・国富論
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１．市役所での窓口業務などは不要にできる。各種の許認可手続きや登録業務は、基本的にはすべてIT化して、24時間いつでもどこでもパソコン上で手続きするようにする。お年寄りにも使い勝手のよい地上デジタルテレビ放送の双方向機能を使ったシステム開発を行う。
２．各基礎白治体の責任者が話し合って、アウトソーシングできるものはどんどん共通化していけば、市役所の人間すら不要になる。窓口にはせいぜい1人いて、相談の内容によって専門家に繋ぐだけでよい。
３．究極的には、教育、医療、介護などの生身の人間が介在しなくてはできないこと以外の行政の業務は限りなくカットできる。教育、医療、介護などにには、今以上に人員と労力を振り分ける。
４．役人たちの世界では一つの仕事を何人でするかを考える、民間企業では一人で幾つの仕事をこなすかを考えるので、仕事が増えるたびに人の数を増やしてきた。増えすぎると、天下り組織を作って税金でその組織を維持し、理事長とか多くの高給の管理職をもうけた。その組織には独立行政法人と名づけて、定年を設けず天下り先にして、官僚の老後の居場所にしてきた。民間企業ではそんなことをしたら即倒産である。
５．民間企業では、工場内の生産ラインを20人でやっていた場合、次の年は同じことを12人でやれるようにし、さらに工作機械を導入してこれを6人でできないか、そのためにはどうすればよいかと考えて、「多能工」化を進めた。
６．例えば、現在の健康保険も、患者の所得によって1割負担であったり2割負担であったりするが、病院ではその1〜2割分しか伝えない。しかし、全部でこれだけの医療費がかかって、加入者がこれぐらいのお金を負担しているのだということを全部伝えれば、病院に行くかどうか考え直す人も出てくる。同じように、一つの行政サービスに、実際にはこれだけの費用がかかるのだとわかれば、必要最小限のーサビスにしようという発想も生まれる。収入の2割分を住民税として取られるぐらいなら、その2割相当分をお金ではなく自分の時間を使って小学校で子供たちに教えるようという人も現われる。
７．その判断を、自分たちでやろうというのが、基礎自治体構想である。300の基礎自治体ごとにケース・スタディを行えば、お互いにそれらの失敗を学習し合い、数年後には素晴らしく質の高い行政サービスが実現する。こうしていけば、行政のコストは現在の10分の1にすることも十分可能である。各自治体の共通部分をクラウド・コンピューティングという方法で第三者が安く提供すれば、自前でシステム構築する必要もなくなる。
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2011年09月19日
霞ヶ関官僚の福島原発事故への対応は薬害エイズ問題と根底は同じ
「宮本政於著：お役所の精神分析：講談社、1997年」の「第1章：官僚たちの困った精神構造」の「集団の調和」が一番大事にされる」の小節は、ニューヨークタイムズ紙記者が著者に投げかけた疑問に答えるかたちで述べた日本の官僚行政の問題点について纏めたもので参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
１．1989年からはじまった薬害エイズ訴訟の法廷や衆議院の集中審議の場で、厚生省はエイズ研究班の資料の開示を求められたが、その都度「確認できない」「見当たらない」と言っていた。菅直人氏が構成大臣になり、何年にもわたる調査の中でも見つからなかったはずのエイズ研究班の討議資料の書類（郡司ファイル）が、1996年平成8年1月、薬害エイズ調査班が設置された途端に発見されたことは海外の記者から見て大きな疑問であった。
２．菅大臣になったとたんに出てきた理由は簡単である。日本では集団に属すると、個人はその組織体を守るための歯車となる。自分が属する集団に波紋を投げかけるような事実があった場合は、ウソをついてでも見て見ぬふりをする。
３．日本では集団の調和のほうが真実を追求することより重要になる。菅大臣が官僚の心理を上手にあやつった。組織のトップに一括してファイル探しを命じると、個人が責任をとる必要がないので、だれも命令を真剣に受けとめなかった。菅大臣は、各人に「○○君は、××課の△キャビネット」と、具体的に指示した。このような命令を受けて、もしもファイルを出さなければ個人的な責任となる。そこで自分の出世にマイナスになるので、ファイルが次々と出てきた。
４．個人が責任をとらなくなると「自分が一番大切」というホンネが出る。彼らは結局は組織は個人を守ってくれない、この事実を知っている。だから手のひらを返す対応となった。官僚社会の調和なんてもろいものである。
５．これらの資料は組織ぐるみで隠されていたのである。はっきり言えばこれまでウソをつきつづけてきたのである。「郡司ファイル」の発見は、厚生省は国会でも裁判所でもウソをついていたので、偽証罪に問われる行為である。みんなで一緒にウソをつくならば、国会でも裁判所でも恐くないのである。日本の官僚はずる賢いから、「背表紙のAIDSの文字が薄れていて読みとりにくかった。だから発見が遅れた」などと言う。こんな誰が見てもウソだとわかるような弁明をしつづけていれば、アメリカでこれが裁判ざたになれば、陪審というシステムがあるので有罪、それも懲役刑は間違いない。
６．国民が、厚生官僚の言うことを信じる信じないの問題ではなく、官僚たちは責任を負わずにすめばそれで十分とかんがえる。国民の側に立って物事を考えた場合、「知る権利」という考え方も生まれる。日本は国家が国民に優先するので、「郡司ファイル」を見れば、非加熱製剤がエイズウイルスで汚染されていることを、厚生省は1983年の時点で知っていたことがわかる。これが公表されてしまうと厚生省は責任をとらなければならない。
７．400人もの日本人が厚生省の判断ミスで亡くなっている。また、2000人以上がエイズに感染してしまい、苦悩の人生を歩まざるを得なくなっている。本当はこの責任を誰かがとらなければならない。日本の官僚の論理からすれば、責任などだれもとらない。形だけの責任はとるかもしれないが、組織体が実質的な害を被るような責任をとらない。
８．被害とは具体的に言えば権限を失うことである。これだけは絶対に避けるのが大原則なのである。ここまで大きなスキャンダルに発展したので、スケープゴートとなる人はいるかもしれないが、組織体の大改革、すなわち権限の縮小に通じるような変革など絶対に起こらない。これが日本の官僚制度の根本的な欠陥である。
９．菅大臣がこれまでの大臣たちと根本的に違っていたことは、彼は事実の追求を、官僚ムラの調和より優先させたことである。しかし、大きなリスクを背負ったままであり、もう大臣を拝命することはない。日本的集団主義の原点でもある「調和」を乱したのだから、全省庁が「もう菅のような大臣が来ることはお断りだ」と言っている（彼が総理大臣となる可能性はあるとしても、官僚は、メディアを使って巧みな世論操作により短命に終わらせる。それほど霞ヶ関を中心とする日本社会の病巣は根深い。根本的な治療ができると期待される政治家も、既に検察と大手マスコミも含めた壁に阻まれている。長妻大臣も同様の犠牲者になったが、今後の復活をもう少し見守りたい。)
お役所の精神分析
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１．1989年からはじまった薬害エイズ訴訟の法廷や衆議院の集中審議の場で、厚生省はエイズ研究班の資料の開示を求められたが、その都度「確認できない」「見当たらない」と言っていた。菅直人氏が構成大臣になり、何年にもわたる調査の中でも見つからなかったはずのエイズ研究班の討議資料の書類（郡司ファイル）が、1996年平成8年1月、薬害エイズ調査班が設置された途端に発見されたことは海外の記者から見て大きな疑問であった。
２．菅大臣になったとたんに出てきた理由は簡単である。日本では集団に属すると、個人はその組織体を守るための歯車となる。自分が属する集団に波紋を投げかけるような事実があった場合は、ウソをついてでも見て見ぬふりをする。
３．日本では集団の調和のほうが真実を追求することより重要になる。菅大臣が官僚の心理を上手にあやつった。組織のトップに一括してファイル探しを命じると、個人が責任をとる必要がないので、だれも命令を真剣に受けとめなかった。菅大臣は、各人に「○○君は、××課の△キャビネット」と、具体的に指示した。このような命令を受けて、もしもファイルを出さなければ個人的な責任となる。そこで自分の出世にマイナスになるので、ファイルが次々と出てきた。
４．個人が責任をとらなくなると「自分が一番大切」というホンネが出る。彼らは結局は組織は個人を守ってくれない、この事実を知っている。だから手のひらを返す対応となった。官僚社会の調和なんてもろいものである。
５．これらの資料は組織ぐるみで隠されていたのである。はっきり言えばこれまでウソをつきつづけてきたのである。「郡司ファイル」の発見は、厚生省は国会でも裁判所でもウソをついていたので、偽証罪に問われる行為である。みんなで一緒にウソをつくならば、国会でも裁判所でも恐くないのである。日本の官僚はずる賢いから、「背表紙のAIDSの文字が薄れていて読みとりにくかった。だから発見が遅れた」などと言う。こんな誰が見てもウソだとわかるような弁明をしつづけていれば、アメリカでこれが裁判ざたになれば、陪審というシステムがあるので有罪、それも懲役刑は間違いない。
６．国民が、厚生官僚の言うことを信じる信じないの問題ではなく、官僚たちは責任を負わずにすめばそれで十分とかんがえる。国民の側に立って物事を考えた場合、「知る権利」という考え方も生まれる。日本は国家が国民に優先するので、「郡司ファイル」を見れば、非加熱製剤がエイズウイルスで汚染されていることを、厚生省は1983年の時点で知っていたことがわかる。これが公表されてしまうと厚生省は責任をとらなければならない。
７．400人もの日本人が厚生省の判断ミスで亡くなっている。また、2000人以上がエイズに感染してしまい、苦悩の人生を歩まざるを得なくなっている。本当はこの責任を誰かがとらなければならない。日本の官僚の論理からすれば、責任などだれもとらない。形だけの責任はとるかもしれないが、組織体が実質的な害を被るような責任をとらない。
８．被害とは具体的に言えば権限を失うことである。これだけは絶対に避けるのが大原則なのである。ここまで大きなスキャンダルに発展したので、スケープゴートとなる人はいるかもしれないが、組織体の大改革、すなわち権限の縮小に通じるような変革など絶対に起こらない。これが日本の官僚制度の根本的な欠陥である。
９．菅大臣がこれまでの大臣たちと根本的に違っていたことは、彼は事実の追求を、官僚ムラの調和より優先させたことである。しかし、大きなリスクを背負ったままであり、もう大臣を拝命することはない。日本的集団主義の原点でもある「調和」を乱したのだから、全省庁が「もう菅のような大臣が来ることはお断りだ」と言っている（彼が総理大臣となる可能性はあるとしても、官僚は、メディアを使って巧みな世論操作により短命に終わらせる。それほど霞ヶ関を中心とする日本社会の病巣は根深い。根本的な治療ができると期待される政治家も、既に検察と大手マスコミも含めた壁に阻まれている。長妻大臣も同様の犠牲者になったが、今後の復活をもう少し見守りたい。)
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2011年09月18日
経済学で将来の経済状態など予測できない
「副島隆彦著：やがてアメリカ発の大恐慌が襲いくる、ビジネス社、2004年」の「第4章：すでにアメリカの衰退は始まっている」の「未来予測学である経済学は当たらないという奇妙な定説」が面白い。そもそも既存の経済学の存在自体を疑っていることに共感を覚える。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
１．経済学とは、突き詰めれば、近い未来の景気の予測学である。どんな高級な理論経済学(計量経済学)の秀才たちでも、「経済学は、将来の経済状態の予測学であり、その上であれこれの対策をたてる学問」あるから予測が合わなければ欠陥理論である。未来予測に失敗するような経済理論だったら、誰も相手にしなくなる。難しそうに見せかけただけのハッタリ学問である。現実の人間社会を的確に把握して、大きく未来予測(つまり予言だ)に成功しないような学問であったら、そんなものはまやかし(街学)である。
２．今の日本の経済学者たちやエコノミスト、官僚エコノミストたちの未来予測のほとんどは、この10年間、ハズレてばりである。だから、もう、誰も相手にしなくなったのだ。野口悠紀雄氏の応用工学的な理論も、中谷巌氏の正統派のケインズ教科書の直輸入による未来予測も、岩田規久男氏の財政学と統計学の手法を導入した未来予測も、大はずれした。だから、まず財界人たちが失望して彼らから離れた。
３．有名な日本人の理論経済学者が追い詰められた挙句に、「日本の現実が間違っているのだ。アメリカだったらこうはならない」と、言い放って失笑を買った。「アメリカだったらこうはならない。日本の現実の方が問違っている」という笑い話である。「理想的な本当の経済社会は、こうあるべきだ」と、その偉い先生は、いきり立って反論したのだろう。「間違っているのは日本の現実の方なのであって、自分の理論ではない」ということになった。
４．日本の経済学者は結局、象牙の塔に引きこもってしまい、国民からの信用されなくなった。今の彼らの合言葉は、「私たちは、競馬の予想屋ではない。占い師じゃないんだ。私たちは、科学者なんだ」という捨てセリフである。競馬の予想屋や占い師を馬鹿にしてもらっては困る。彼らだって近い未来の人間の幸・不幸を占って、はずれてばかりでは商売できない。
５．故・飯田経夫氏のような偉い学者もいた。あちこち講演会に行って、話が終わって、質疑応答になる。聴衆の中から、質問する人がいる。『先生のむずかしい理論はよく分かりませんでしたが、それで、株価は上がるんでしょうか』と聞いてくる。これには、困ってしまう。「私たち経済学者は、株の予想屋ではないんだ。もし、株の予想をやってそれが当たるのであれば、こんな貧乏な経済学者など、やっていませんよ」と正直に答えたのが飯田氏だった。
６．人間の実感と、生活バイオリズムに根ざした素朴な経済循環論の方が、ずっと未来予測で的中する。ジョゼフ・シュンペーターはケインズとマルクスの限界を知っていた。この経済循環論を1930年代の大不況(世界恐慌)のさなかに、一生懸命に研究した、シュンペーター自身は、カール・マルクスと、ジョン・メイナード・ケインズの二大巨頭の間にはさまれて、「コンドラチェフ・サイクル」と自ら命名した平均五十五年周期の長波と「ジュグラー・サイクル」という名の中波、そして「キッチン・サイクル」という短波、の三つの循環の相互関係により産業革命以来の資本主義の実態を分析した。そして三つの循環共通の動因として、起業家による「イノベーションを重視、補足的な要因として信用創造を挙げた。としていつのまにか、コンドラチェフが長波の動因として技術革新、農業、金生産、ニューフロンティア、戦争を挙げた。
７．ハーバード大学の中で、シュンペーターには悪評が立っていた。1929年のNYの株式大暴落に端を発した大恐慌に対して、何の対策も立てようとしないフーバー大統領の片割れのように見なされていた。ケインズの熱狂的な若い信奉者たちから散々な攻撃を受けた。シュンペーターは、「ほっておけば景気は自然によくなる。政府は何もしないのが一番だ」と唱えた。あの当時から75年たった今、一番、スケールが大きかったのは、ジョゼフ・シユンペーターである。ガルブレイスなどは小賢しいだけである。人類が直面した激しい恐慌から脱出できるのかを、ひとりで悩み抜いている。人類と資本主義の病をシュンペーターは鋭８．日本でも、シュンペーターの凄さをはっきりと知っていた学者がいた。それは、著者の先生でもある小室直樹博士である。（小室直樹氏の著書については当ブログでもたびたび紹介している）。シュンペーターの投げかけた問題が、今の日本とアメリカにとって、きわめて切実であることを小室直樹氏は見抜いておられた。20年ほど前から、小室先生は、「今こそ、シュンペーターを勉強しなければならない」と盛んに言い始めた。日本で天才学者と呼べるのは小室直樹だけである、と著者は断言している。他の経済学者は、もういいよ、というのが副島氏の本音である。
やがてアメリカ発の大恐慌が襲いくる
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１．経済学とは、突き詰めれば、近い未来の景気の予測学である。どんな高級な理論経済学(計量経済学)の秀才たちでも、「経済学は、将来の経済状態の予測学であり、その上であれこれの対策をたてる学問」あるから予測が合わなければ欠陥理論である。未来予測に失敗するような経済理論だったら、誰も相手にしなくなる。難しそうに見せかけただけのハッタリ学問である。現実の人間社会を的確に把握して、大きく未来予測(つまり予言だ)に成功しないような学問であったら、そんなものはまやかし(街学)である。
２．今の日本の経済学者たちやエコノミスト、官僚エコノミストたちの未来予測のほとんどは、この10年間、ハズレてばりである。だから、もう、誰も相手にしなくなったのだ。野口悠紀雄氏の応用工学的な理論も、中谷巌氏の正統派のケインズ教科書の直輸入による未来予測も、岩田規久男氏の財政学と統計学の手法を導入した未来予測も、大はずれした。だから、まず財界人たちが失望して彼らから離れた。
３．有名な日本人の理論経済学者が追い詰められた挙句に、「日本の現実が間違っているのだ。アメリカだったらこうはならない」と、言い放って失笑を買った。「アメリカだったらこうはならない。日本の現実の方が問違っている」という笑い話である。「理想的な本当の経済社会は、こうあるべきだ」と、その偉い先生は、いきり立って反論したのだろう。「間違っているのは日本の現実の方なのであって、自分の理論ではない」ということになった。
４．日本の経済学者は結局、象牙の塔に引きこもってしまい、国民からの信用されなくなった。今の彼らの合言葉は、「私たちは、競馬の予想屋ではない。占い師じゃないんだ。私たちは、科学者なんだ」という捨てセリフである。競馬の予想屋や占い師を馬鹿にしてもらっては困る。彼らだって近い未来の人間の幸・不幸を占って、はずれてばかりでは商売できない。
５．故・飯田経夫氏のような偉い学者もいた。あちこち講演会に行って、話が終わって、質疑応答になる。聴衆の中から、質問する人がいる。『先生のむずかしい理論はよく分かりませんでしたが、それで、株価は上がるんでしょうか』と聞いてくる。これには、困ってしまう。「私たち経済学者は、株の予想屋ではないんだ。もし、株の予想をやってそれが当たるのであれば、こんな貧乏な経済学者など、やっていませんよ」と正直に答えたのが飯田氏だった。
６．人間の実感と、生活バイオリズムに根ざした素朴な経済循環論の方が、ずっと未来予測で的中する。ジョゼフ・シュンペーターはケインズとマルクスの限界を知っていた。この経済循環論を1930年代の大不況(世界恐慌)のさなかに、一生懸命に研究した、シュンペーター自身は、カール・マルクスと、ジョン・メイナード・ケインズの二大巨頭の間にはさまれて、「コンドラチェフ・サイクル」と自ら命名した平均五十五年周期の長波と「ジュグラー・サイクル」という名の中波、そして「キッチン・サイクル」という短波、の三つの循環の相互関係により産業革命以来の資本主義の実態を分析した。そして三つの循環共通の動因として、起業家による「イノベーションを重視、補足的な要因として信用創造を挙げた。としていつのまにか、コンドラチェフが長波の動因として技術革新、農業、金生産、ニューフロンティア、戦争を挙げた。
７．ハーバード大学の中で、シュンペーターには悪評が立っていた。1929年のNYの株式大暴落に端を発した大恐慌に対して、何の対策も立てようとしないフーバー大統領の片割れのように見なされていた。ケインズの熱狂的な若い信奉者たちから散々な攻撃を受けた。シュンペーターは、「ほっておけば景気は自然によくなる。政府は何もしないのが一番だ」と唱えた。あの当時から75年たった今、一番、スケールが大きかったのは、ジョゼフ・シユンペーターである。ガルブレイスなどは小賢しいだけである。人類が直面した激しい恐慌から脱出できるのかを、ひとりで悩み抜いている。人類と資本主義の病をシュンペーターは鋭８．日本でも、シュンペーターの凄さをはっきりと知っていた学者がいた。それは、著者の先生でもある小室直樹博士である。（小室直樹氏の著書については当ブログでもたびたび紹介している）。シュンペーターの投げかけた問題が、今の日本とアメリカにとって、きわめて切実であることを小室直樹氏は見抜いておられた。20年ほど前から、小室先生は、「今こそ、シュンペーターを勉強しなければならない」と盛んに言い始めた。日本で天才学者と呼べるのは小室直樹だけである、と著者は断言している。他の経済学者は、もういいよ、というのが副島氏の本音である。
やがてアメリカ発の大恐慌が襲いくる
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2011年09月17日
行政コスト削減で地方の活性化
「大前研一著：民の見えざる手・・デフレ不況時代の新・国富論、小学館、2010年」の「かくして行政コストは10分のーにできる」は参考になる。
１．市役所での窓口業務などは不要にできる。各種の許認可手続きや登録業務は、基本的にはすべてIT化して、24時間いつでもどこでもパソコン上で手続きするようにする。お年寄りにも使い勝手のよい地上デジタルテレビ放送の双方向機能を使ったシステム開発を行う。２．各基礎自治体の責任者が話し合って、アウトソーシングできるものはどんどん共通化していけば、市役所の人間すら不要になる。窓口にはせいぜい1人いて、相談の内容によって専門家に繋ぐだけでよい。
３．究極的には、教育、医療、介護などの生身の人間が介在しなくてはできないこと以外の行政の業務は限りなくカットできる。教育、医療、介護などにには、今以上に人員と労力を振り分ける。
４．役人たちの世界では一つの仕事を何人でするかを考える、民間企業では一人で幾つの仕事をこなすかを考えるので、仕事が増えるたびに人の数を増やしてきた。増えすぎると、天下り組織を作って税金でその組織を維持し、理事長とか多くの高給の管理職をもうけた。その組織には独立行政法人と名づけて、定年を設けず天下り先にして、官僚の老後の居場所にしてきた。民間企業ではそんなことをしたら即倒産である。
５．民間企業では、工場内の生産ラインを20人でやっていた場合、次の年は同じことを12人でやれるようにし、さらに工作機械を導入してこれを6人でできないか、そのためにはどうすればよいかと考えて、「多能工」化を進めた。
６．例えば、現在の健康保険も、患者の所得によって1割負担であったり2割負担であったりするが、病院ではその1〜2割分しか伝えない。しかし、全部でこれだけの医療費がかかって、加入者がこれぐらいのお金を負担しているのだということを全部伝えれば、病院に行くかどうか考え直す人も出てくる。同じように、一つの行政サービスに、実際にはこれだけの費用がかかるのだとわかれば、必要最小限のーサビスにしようという発想も生まれる。収入の2割分を住民税として取られるぐらいなら、その2割相当分をお金ではなく自分の時間を使って小学校で子供たちに教えるようという人も現われる。
７．その判断を、自分たちでやろうというのが、基礎自治体構想である。300の基礎自治体ごとにケース・スタディを行えば、お互いにそれらの失敗を学習し合い、数年後には素晴らしく質の高い行政サービスが実現する。こうしていけば、行政のコストは現在の10分の1にすることも十分可能である。各自治体の共通部分をクラウド・コンピューティングという方法で第三者が安く提供すれば、自前でシステム構築する必要もなくなる。
民の見えざる手 デフレ不況時代の新・国富論
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１．市役所での窓口業務などは不要にできる。各種の許認可手続きや登録業務は、基本的にはすべてIT化して、24時間いつでもどこでもパソコン上で手続きするようにする。お年寄りにも使い勝手のよい地上デジタルテレビ放送の双方向機能を使ったシステム開発を行う。２．各基礎自治体の責任者が話し合って、アウトソーシングできるものはどんどん共通化していけば、市役所の人間すら不要になる。窓口にはせいぜい1人いて、相談の内容によって専門家に繋ぐだけでよい。
３．究極的には、教育、医療、介護などの生身の人間が介在しなくてはできないこと以外の行政の業務は限りなくカットできる。教育、医療、介護などにには、今以上に人員と労力を振り分ける。
４．役人たちの世界では一つの仕事を何人でするかを考える、民間企業では一人で幾つの仕事をこなすかを考えるので、仕事が増えるたびに人の数を増やしてきた。増えすぎると、天下り組織を作って税金でその組織を維持し、理事長とか多くの高給の管理職をもうけた。その組織には独立行政法人と名づけて、定年を設けず天下り先にして、官僚の老後の居場所にしてきた。民間企業ではそんなことをしたら即倒産である。
５．民間企業では、工場内の生産ラインを20人でやっていた場合、次の年は同じことを12人でやれるようにし、さらに工作機械を導入してこれを6人でできないか、そのためにはどうすればよいかと考えて、「多能工」化を進めた。
６．例えば、現在の健康保険も、患者の所得によって1割負担であったり2割負担であったりするが、病院ではその1〜2割分しか伝えない。しかし、全部でこれだけの医療費がかかって、加入者がこれぐらいのお金を負担しているのだということを全部伝えれば、病院に行くかどうか考え直す人も出てくる。同じように、一つの行政サービスに、実際にはこれだけの費用がかかるのだとわかれば、必要最小限のーサビスにしようという発想も生まれる。収入の2割分を住民税として取られるぐらいなら、その2割相当分をお金ではなく自分の時間を使って小学校で子供たちに教えるようという人も現われる。
７．その判断を、自分たちでやろうというのが、基礎自治体構想である。300の基礎自治体ごとにケース・スタディを行えば、お互いにそれらの失敗を学習し合い、数年後には素晴らしく質の高い行政サービスが実現する。こうしていけば、行政のコストは現在の10分の1にすることも十分可能である。各自治体の共通部分をクラウド・コンピューティングという方法で第三者が安く提供すれば、自前でシステム構築する必要もなくなる。
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また記者クラブマスコミが一人の政治家を犠牲にした
9月15日付けの「The daily olive news」の徳山勝氏の「ニュースクリップ：狂っている日本のマスコミ」は一読に値する。同氏の毅然とした論調は日本の新聞やテレビではお目にかかれない貴重なものである。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
１．日本のマスコミが狂人に化し、正義のペンを折って悪魔に魂を売った。鉢呂前経産相
が辞任した経緯を知れば知るほど、そう言わざるを得ない。一昔前とは違い、今はインターネットがあるので、日本の大新聞・テレビが狂っていることがよく分る。最近のマスコミはマッチポンプ（自分で火を付けた火災を自分で消火して正義を装う）ならぬマッチ・団扇で、マッチで火をつけ煽っているのが、今のマスコミである。
２．朝日は「原発事故の被災地を『死の町』と表現したことは今後問題になる可能性があ
る」と、読売は「周辺地域を『死の町』と表現したことは波紋を呼びそうだ」と報道した。「今後問題になる可能性がある」「波紋を呼びそうだ」と、まず火を点けた。そして福島県人が「ふざけるな」とか「絶対言って欲しくなかった」と言っている、との感情的な記事を載せ、さらに自民党に批判させて、団扇で火を煽った。
３．この「死の町」発言の前後・趣旨を知っている人は、ツイッターでこうささやいてい
る。「国が福島を『死の町』って認めてくれて、初めて国が動き、自治体が動き、県民が動けるようになる。私は福島県人だけど、この発言に怒りなんか感じなかった。原発が福島を死の町にしたんだ」とつぶやいている。まさに。その通りである。マスコミは「言葉狩り」をする時ではなく、現実を直視するときである。
４．ネットの動画では鉢呂氏の大臣辞任の記者会見で、フリーランスの田中氏が、「何度も福島に入って、福島の人とお話しをしたんなら、福島の人たちはむしろ大臣の言ったこと、大臣の『死の町』というのはむしろ福島の人たちの思いに合う事だと思う。彼らは脱出したがっている。だとすれば、大臣が仰ったことは正しい」と述べ、「記者クラブの言葉狩りに狩られたに過ぎない」と断言している。
５．マスコミの現実を直視しない報道は戦時中と同じである。戦線で敗れて退却したのを「転
進」と、全滅したのを「玉砕」と誤魔化して報道したのと同じである。戦局の悪化を憂える声には、「非国民」と言って罵った。まさにこれと同じである。遅遅として進まぬ福島原発
の事故収束。毎日依然として放射性物質が大気中に放散されている事実。この現実を前にして、綺麗ごとを並べて誤魔化すのは、真のジャーナリズムではない。
６．８日夜の鉢呂氏のワンフレーズ発言報道が、次のように違うことがネットでは指摘されている。即ち、読売「ほら放射能」。朝日「放射能をつけちゃうぞ」。毎日「放射能をつけたぞ」。産経「放射能をうつしてやる」。日経「放射能をつけてやろうか」。ＦＮＮ「放射能を分けてやるよ」。しかも、朝日・読売はこの発言が「９日になって分った」と報道した。つまり、８日夜には知らなかったということである。ネットでの批判を怖れたのか、１４日の毎日は２６面の片隅に「放射能発言の経緯」との小さな見出しで弁解している。
７．１０人程度の記者囲まれた鉢呂氏が、「まだ線量が高い地点があり、何とかしないといけない」と指摘。近くにいた毎日新聞の男性記者に防災服をすりつける仕草をし、「放射線量の高い地点は除染しないといけない」などと話した。毎日新聞は鉢呂氏の言動について、非公式の場での悪ふざけととらえ、翌９日朝刊では報じなかった。毎日新聞は、署名記事が
原則なのに１０日の記事も、１４日の記事にも署名がない。鉢呂氏は覚えがないと言うのだから、デスク（編集委員）の捏造記事だと言われても反論できないだろう。
８．福島県民の中には、前後の脈略が無い「死の町」発言に、感情を害された者もいる。
だが、ほぼ同数の県民が「よく言ってくれた」と評価している。そういう調査データもある。それなのに、この記事が不遜なのは、「死の町」発言が「閣僚の資質に疑義を抱く」と、上から目線での書いていることである。自分達を何様だと思っているのだ。マスコミは、太平洋戦争中の大本営発表の昔から、自らの報道に責任を取ったことがない。
９．鉢呂氏の「死の町」発言が間違っているとは思わないが、この程度の批判で閣僚を辞任する方が、政治家として「信念の無い駄目な奴」であり、辞任して当然である。自分の言葉で堂々と語るべきである。それでも大マスコミの編集委員たちは無視するかもしれないが、ネットで生でで流すことも可能である。それよりもっと駄目なのは、同じ党内で後ろから鉄砲を撃った前原氏と下らない批判をした自民党の石原幹事長、大島副総裁たちである。そして日本の政治を悪くしている最も駄目な奴が、日本記者クラブが主導するマスコミである。
１．日本のマスコミが狂人に化し、正義のペンを折って悪魔に魂を売った。鉢呂前経産相
が辞任した経緯を知れば知るほど、そう言わざるを得ない。一昔前とは違い、今はインターネットがあるので、日本の大新聞・テレビが狂っていることがよく分る。最近のマスコミはマッチポンプ（自分で火を付けた火災を自分で消火して正義を装う）ならぬマッチ・団扇で、マッチで火をつけ煽っているのが、今のマスコミである。
２．朝日は「原発事故の被災地を『死の町』と表現したことは今後問題になる可能性があ
る」と、読売は「周辺地域を『死の町』と表現したことは波紋を呼びそうだ」と報道した。「今後問題になる可能性がある」「波紋を呼びそうだ」と、まず火を点けた。そして福島県人が「ふざけるな」とか「絶対言って欲しくなかった」と言っている、との感情的な記事を載せ、さらに自民党に批判させて、団扇で火を煽った。
３．この「死の町」発言の前後・趣旨を知っている人は、ツイッターでこうささやいてい
る。「国が福島を『死の町』って認めてくれて、初めて国が動き、自治体が動き、県民が動けるようになる。私は福島県人だけど、この発言に怒りなんか感じなかった。原発が福島を死の町にしたんだ」とつぶやいている。まさに。その通りである。マスコミは「言葉狩り」をする時ではなく、現実を直視するときである。
４．ネットの動画では鉢呂氏の大臣辞任の記者会見で、フリーランスの田中氏が、「何度も福島に入って、福島の人とお話しをしたんなら、福島の人たちはむしろ大臣の言ったこと、大臣の『死の町』というのはむしろ福島の人たちの思いに合う事だと思う。彼らは脱出したがっている。だとすれば、大臣が仰ったことは正しい」と述べ、「記者クラブの言葉狩りに狩られたに過ぎない」と断言している。
５．マスコミの現実を直視しない報道は戦時中と同じである。戦線で敗れて退却したのを「転
進」と、全滅したのを「玉砕」と誤魔化して報道したのと同じである。戦局の悪化を憂える声には、「非国民」と言って罵った。まさにこれと同じである。遅遅として進まぬ福島原発
の事故収束。毎日依然として放射性物質が大気中に放散されている事実。この現実を前にして、綺麗ごとを並べて誤魔化すのは、真のジャーナリズムではない。
６．８日夜の鉢呂氏のワンフレーズ発言報道が、次のように違うことがネットでは指摘されている。即ち、読売「ほら放射能」。朝日「放射能をつけちゃうぞ」。毎日「放射能をつけたぞ」。産経「放射能をうつしてやる」。日経「放射能をつけてやろうか」。ＦＮＮ「放射能を分けてやるよ」。しかも、朝日・読売はこの発言が「９日になって分った」と報道した。つまり、８日夜には知らなかったということである。ネットでの批判を怖れたのか、１４日の毎日は２６面の片隅に「放射能発言の経緯」との小さな見出しで弁解している。
７．１０人程度の記者囲まれた鉢呂氏が、「まだ線量が高い地点があり、何とかしないといけない」と指摘。近くにいた毎日新聞の男性記者に防災服をすりつける仕草をし、「放射線量の高い地点は除染しないといけない」などと話した。毎日新聞は鉢呂氏の言動について、非公式の場での悪ふざけととらえ、翌９日朝刊では報じなかった。毎日新聞は、署名記事が
原則なのに１０日の記事も、１４日の記事にも署名がない。鉢呂氏は覚えがないと言うのだから、デスク（編集委員）の捏造記事だと言われても反論できないだろう。
８．福島県民の中には、前後の脈略が無い「死の町」発言に、感情を害された者もいる。
だが、ほぼ同数の県民が「よく言ってくれた」と評価している。そういう調査データもある。それなのに、この記事が不遜なのは、「死の町」発言が「閣僚の資質に疑義を抱く」と、上から目線での書いていることである。自分達を何様だと思っているのだ。マスコミは、太平洋戦争中の大本営発表の昔から、自らの報道に責任を取ったことがない。
９．鉢呂氏の「死の町」発言が間違っているとは思わないが、この程度の批判で閣僚を辞任する方が、政治家として「信念の無い駄目な奴」であり、辞任して当然である。自分の言葉で堂々と語るべきである。それでも大マスコミの編集委員たちは無視するかもしれないが、ネットで生でで流すことも可能である。それよりもっと駄目なのは、同じ党内で後ろから鉄砲を撃った前原氏と下らない批判をした自民党の石原幹事長、大島副総裁たちである。そして日本の政治を悪くしている最も駄目な奴が、日本記者クラブが主導するマスコミである。
