2012年04月
2012年04月30日
小沢裁判の大善裁判長の判決文は支離滅裂で赤点である。
4月28日付けのオリーブニュースの特集コラム
http://www.olivenews.net/news_30/newsdisp.php?m=0&i=12
の徳山勝氏の「小沢裁判:支離滅裂な判決文」と題する記事に共感する部分が多い。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.4月26日の小沢裁判で「無罪判決」が下った。その判決要旨に違和感がある。3つの争点の内、「公訴棄却」と「虚偽記載」については、指定弁護士の主張を入れたが、「共謀」については、「元代表の供述には、変遷や不自然な点が認められる」と述べながら、小沢氏が2005年分に計上すべきでないことを認識していなかった可能性がある」として推認無罪にしたことである。
2.刑事裁判では公訴棄却でない限り「有罪」か「無罪」しかない。マスコミが言うような「クロに近い無罪」などは存在しない。そして有罪を証明するのは、本裁判では指定弁護士であって裁判官ではない。裁判官は「法と証拠」に基づいて、淡々と判決を下せばよい。は、独善的な論理を展開し推認をした。支離滅裂な判決文である。
3.小沢裁判の本質は、既得権益側が政権交代を阻止しようとして起こした事件である。この事件の結末を、体制側は「有罪」にしたかった。だが、検察審査会を悪用したことによ
って、一つの録音が特捜検察の腐敗を暴き、さらには検察審査会事務局から、最高裁事務総局の存在までが暴かれ始めたので「無罪」で幕引きを図った。
4.体制内部では、小沢潰しの「有罪派」と組織防衛の「無罪派」のせめぎ合いがあった。有罪判決を下せば当然控訴となる。控訴審で傷を負うのは体制側である。それを避けるには公訴棄却しかない。だがそうすると「有罪派」の面子は丸潰れになる。そこで体制側に近い指定弁護士に、彼らの主張を丸呑みするから、控訴はやめてくれというサインを送った。
5.判決文で驚いたのが、公訴棄却をしなかった理由であるだ。「検察官が、任意性に疑いのある供述調書や事実に反する内容の捜査報告書を作成し、検察審査会に送付したとしても、検察審査会における審査手続きが違法となるとは言えず、そのことは事実に反する内容が意図的に作成された場合であっても同様である」と述べ、検察審査会に提出された捏造報告書を含む審査を正当化している。
6.この文章を読めば、「今後も意図的に捏造報告書を作成しても良い」との意味に解釈できる。検察審査会が公開され、不起訴とされた者やその代理人が、その審査内容を知る権利があるならば、この論理を受け入れられるが、検察審査会は非公開である。そこでの審査の正当性を担保するものは、審査会に提出された証拠しかない。その証拠が事実に反しても良いとは論理矛盾である。
7.「仮に、意図的に作成された事実に反する内容の捜査報告書のために、検察審査員が重要な供述の信用性を誤り、起訴議決に至ったとしても、それで起訴議決が無効であるとするのは、法的根拠に欠ける」と述べているが間違いである。公訴棄却を定めた刑訴法338条「公訴提起の手続がその規定に違反したため無効であるとき」に立派に該当する。
8.「証拠の内容に不備があることと、手続きに不備があることとは別問題である」と述べている。「公訴提起の手続き」とは、何も検察審査会での手続きだけを指すものではない。捜査手法や証拠の採取などから、裁判所への公訴までの全過程を指す。このような詭弁がまかり通るのは、無罪判決の小沢氏が控訴できないので、誰にも反論の機会がないからである。
9.公訴棄却をせず、かつ共謀共同正犯で無罪にするには、虚偽記載という犯罪を捏造せざるを得なかった。会計学の大家である弥永筑波大教授の証言への反証も無視して、2005年1月に登記日に支払い計上をしたことを「虚偽記載」だと決め付けた。「虚偽」とは、田代検事のように悪意を以って記載することである。司法書士のアドバイスに従って、合法と認識して行なったのだから、犯意がなく犯罪は成立しない。
あ10.政治資金規正法では、政治家個人からの一時的な金銭の貸与は、収支報告書の
記載要項では記載しなくてよい。即ち小沢氏個人から「借りた」4億円は、陸山会の会計報告書に記載する必要はない。2004年の報告書にある小沢氏からの借入金4億円は、登記簿謄本に「仮登記」(公開)された土地の仮払い代金と見做される。、悪意或いは隠蔽の犯意があった「虚偽記載」とは言えない。
11.公訴棄却をしなかった理由の詭弁も、2005年に報告した4億円を、証言への反証なしに虚偽記載として犯罪とした判決文を書いたのも、無罪判決を下された小沢氏が控訴できないことを、悪用したということになる。指定弁護士に対し「控訴はやめてくれというサイン」と書いたのは、控訴審になるとこの二つの虚構が崩れるからである。
12、某大学で法律を教えている著者のご子息は、「今回の判決文は自分の学生の試験答案なら赤点。論理的に支離滅裂である」と言っている。
(裁判官も人間である。彼らの判断、判決文が金科玉条のように報道する大手メディアのコメンテータたちも批判精神を忘れないでほしい)
http://www.olivenews.net/news_30/newsdisp.php?m=0&i=12
の徳山勝氏の「小沢裁判:支離滅裂な判決文」と題する記事に共感する部分が多い。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.4月26日の小沢裁判で「無罪判決」が下った。その判決要旨に違和感がある。3つの争点の内、「公訴棄却」と「虚偽記載」については、指定弁護士の主張を入れたが、「共謀」については、「元代表の供述には、変遷や不自然な点が認められる」と述べながら、小沢氏が2005年分に計上すべきでないことを認識していなかった可能性がある」として推認無罪にしたことである。
2.刑事裁判では公訴棄却でない限り「有罪」か「無罪」しかない。マスコミが言うような「クロに近い無罪」などは存在しない。そして有罪を証明するのは、本裁判では指定弁護士であって裁判官ではない。裁判官は「法と証拠」に基づいて、淡々と判決を下せばよい。は、独善的な論理を展開し推認をした。支離滅裂な判決文である。
3.小沢裁判の本質は、既得権益側が政権交代を阻止しようとして起こした事件である。この事件の結末を、体制側は「有罪」にしたかった。だが、検察審査会を悪用したことによ
って、一つの録音が特捜検察の腐敗を暴き、さらには検察審査会事務局から、最高裁事務総局の存在までが暴かれ始めたので「無罪」で幕引きを図った。
4.体制内部では、小沢潰しの「有罪派」と組織防衛の「無罪派」のせめぎ合いがあった。有罪判決を下せば当然控訴となる。控訴審で傷を負うのは体制側である。それを避けるには公訴棄却しかない。だがそうすると「有罪派」の面子は丸潰れになる。そこで体制側に近い指定弁護士に、彼らの主張を丸呑みするから、控訴はやめてくれというサインを送った。
5.判決文で驚いたのが、公訴棄却をしなかった理由であるだ。「検察官が、任意性に疑いのある供述調書や事実に反する内容の捜査報告書を作成し、検察審査会に送付したとしても、検察審査会における審査手続きが違法となるとは言えず、そのことは事実に反する内容が意図的に作成された場合であっても同様である」と述べ、検察審査会に提出された捏造報告書を含む審査を正当化している。
6.この文章を読めば、「今後も意図的に捏造報告書を作成しても良い」との意味に解釈できる。検察審査会が公開され、不起訴とされた者やその代理人が、その審査内容を知る権利があるならば、この論理を受け入れられるが、検察審査会は非公開である。そこでの審査の正当性を担保するものは、審査会に提出された証拠しかない。その証拠が事実に反しても良いとは論理矛盾である。
7.「仮に、意図的に作成された事実に反する内容の捜査報告書のために、検察審査員が重要な供述の信用性を誤り、起訴議決に至ったとしても、それで起訴議決が無効であるとするのは、法的根拠に欠ける」と述べているが間違いである。公訴棄却を定めた刑訴法338条「公訴提起の手続がその規定に違反したため無効であるとき」に立派に該当する。
8.「証拠の内容に不備があることと、手続きに不備があることとは別問題である」と述べている。「公訴提起の手続き」とは、何も検察審査会での手続きだけを指すものではない。捜査手法や証拠の採取などから、裁判所への公訴までの全過程を指す。このような詭弁がまかり通るのは、無罪判決の小沢氏が控訴できないので、誰にも反論の機会がないからである。
9.公訴棄却をせず、かつ共謀共同正犯で無罪にするには、虚偽記載という犯罪を捏造せざるを得なかった。会計学の大家である弥永筑波大教授の証言への反証も無視して、2005年1月に登記日に支払い計上をしたことを「虚偽記載」だと決め付けた。「虚偽」とは、田代検事のように悪意を以って記載することである。司法書士のアドバイスに従って、合法と認識して行なったのだから、犯意がなく犯罪は成立しない。
あ10.政治資金規正法では、政治家個人からの一時的な金銭の貸与は、収支報告書の
記載要項では記載しなくてよい。即ち小沢氏個人から「借りた」4億円は、陸山会の会計報告書に記載する必要はない。2004年の報告書にある小沢氏からの借入金4億円は、登記簿謄本に「仮登記」(公開)された土地の仮払い代金と見做される。、悪意或いは隠蔽の犯意があった「虚偽記載」とは言えない。
11.公訴棄却をしなかった理由の詭弁も、2005年に報告した4億円を、証言への反証なしに虚偽記載として犯罪とした判決文を書いたのも、無罪判決を下された小沢氏が控訴できないことを、悪用したということになる。指定弁護士に対し「控訴はやめてくれというサイン」と書いたのは、控訴審になるとこの二つの虚構が崩れるからである。
12、某大学で法律を教えている著者のご子息は、「今回の判決文は自分の学生の試験答案なら赤点。論理的に支離滅裂である」と言っている。
(裁判官も人間である。彼らの判断、判決文が金科玉条のように報道する大手メディアのコメンテータたちも批判精神を忘れないでほしい)
yuji5327 at 06:22
老齢による脆弱化の5つの指標では、体重の減少、握力の低下、歩行速度の低下、日常生活の活動低下、そして気力の低下を評価する。
日野原重明 一〇〇歳
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「日野原重明、NHK取材班著:日野原重明100歳、NHK出版、2011年」の「第3章:百歳の本音」の中の「99歳の健康診断」が面白い。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.日野原医師は2011年1月19日に健康診断を受けた。日野原医師が理事長を務める財団法人ライフ・プランニング・センターの診療所で受けたが、そこは疾患の早期発見、予防的生活指導を行い、「新しい健診システム」を目指す診療所でわる。
2.日野原医師は、通常の健康診断に加え、体力測定や認知症の検査、生活状況についてのアンケートなども含めたさまざまな検査を受けた。8年前に第1回目を受け、3年前に第2回目、そして今回は第3回目となる。数年おきに健診を受け、年を重ねるにつれての数値の変化を調べている。この日は健診の直前に講演を終え、その足でクリニックへ駆けつけた。
3.入院や健診など、受け身の自分を観察するのは新しい体験でおもしろい。例えば、問診を受けたときに、どう返答すれば自分の現状をよりよくわかってもらえるだろうかと、言葉を上手に探しながら、検査をする人に対応した。医師やスタッフは優しく検査してくれるが検査方法に忠実にやってもらう。
4.体力を測るときには、負けず嫌いで実力以上の結果を出したいと全力をふり絞る。医師というのは聴診器を使う仕事だから、やはり聴力も大切である。聴力検査では担当者が、「30代と変わりませんね」とほめてくれた。医師としてはもちろん、音楽が好きな自分としてもうれしいことである。
5.検査は、加齢に伴う体力の低下を診るためのものである。一般的には、身長が縮む、肺の機能が落ちる、肝臓の働きが落ちる、大脳の働きが落ちるなど、すべてにおいて下降線をたどる。体のバランスをとるテストで小脳の検査をしたり、判断力や記憶力のテストで大脳の検査をしたり、認知傾向、筋力や歩行のスピードなど多数の項目の検査を行う。
6.99歳という希少な検体ということもあり、自身の健康状態を知るためだけでなく、一般的な老人の代表として自分の体をサンプルとして提供している。内科医の結果説明によると、大きな病気はなく、血液検査でも特別な問題はない。血圧が少し高いが、今回は降圧剤を飲んでいるので、よくコントロールされている。脈波速度も正常で健康状態は極めて良好と診断された。
7.老齢による脆弱化の5つの指標では、体重の減少、握力の低下、歩行速度の低下、日常生活の活動低下、そして気力の低下を評価する。これらがすべてなければ脆弱化なし、3つ以上あれば脆弱化、1〜2であれば中間と判定する。日野原医師の場合、直近の3年間で脆弱化はない。細かい点では下肢の蹴る力と歩行速度がやや落ちてきていること、眼をつぶった際のバランスが不安定であるという変化が見られので、つまずいて転ぶなどの危険性がある。よく歩くことはもちろん重要だが、足首に軽いおもりをつけて、あおむけの姿勢で下肢を持ち上げるなどの簡単なトレーニングを試みる価値はある。脆弱化は元へ戻すことは難しいので、予防的トレーニングは大変よいことである。
8.90歳、96歳、99歳の数値の変化を見ると、収縮期血圧が177,146,107は降圧剤のためと言っている。総コレステロールが244、225、 219 と下がっている。赤血球数も423、 401、391と下降線である。握力が34.0、29.7、25.8と低下しているのは仕方がないのか? 5mの平均歩行時間 が1.9、2.45、3.58秒と顕著に増えているのは脚力の脆弱化のためである。
中国も国連も、北朝鮮と「話し合う」ことは意味はない。北朝鮮はそんな余裕すら失く、危機的な状況になりつつある。
4月27日付けの大前研一さんのニュースの視点は『北朝鮮とミサイル問題 〜日本の国防を考える』は、日本の大新聞ではお目に掛れないユニークなご見解であり非常に参考になる。
概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.田中直紀防衛相は4月18日、北朝鮮が「人工衛星」と主張する長距離弾道ミサイル発射への対応で、藤村修官房長官に情報を伝えようと電話したもののつながらなかったことを明らかにした。ミサイル発射情報をめぐる政府部内の伝達のまずさを改めて浮き彫りにした。おそらくこの報道を聞いて、北朝鮮は喜んでいる。
2.日本に配備されている迎撃用のPAC-3システムの性能は、「携帯電話で3回呼び出したが連絡がつかなかった」という、間延びした対応を露呈した。これは「日本は無防備です」と発表しているようなものである。
3.大前氏は以前から何度も主張しているが、北朝鮮という国は最終的にどん詰まり状態になったら「暴発」する可能性のある国である。暴発した北朝鮮が狙う国はどこになるかと考えると、今回の日本の対応を知って「狙うとしたら日本しかない」と考える可能性は非常に高い。
4.中国は味方であるし、ロシアには手を出しづらい。韓国とは犬猿の仲だが、先日韓国は人工ミサイルでの迎撃体制を発表し、北朝鮮としてもすぐに反撃されるのが分かっているので避けると思う。
5.5分で九州、7分で東京にミサイルが着弾すると言われているのに、携帯電話で連絡が通じるのに40分もかかったと言っている日本なら、迎撃される心配はない。すぐに反撃される心配もない。
6.現在の日本の憲法では、仮に北朝鮮から1発目のミサイルを撃ち込まれても、すぐに自衛隊の判断だけで反撃することは許されていない。現在のナショナル・セキュリティの解釈では、反撃のためには国会を開き、「相手に日本を破壊する意図があるかどうか」という点を確認し、承認される必要がある。
7.北朝鮮は、現在、日本へ届く中距離ミサイルを1000発程度保有している。もしそのミサイルを発射されたと想定した場合、現在の憲法を一部変更する必要があ。例えば、北朝鮮の中距離ミサイルを前提として、 「1発目のミサイル攻撃を受けたら、自衛隊の判断で即座に応戦していい」というような変更を検討するべきである。今回の件で日本の国防の脆弱性を世界に露呈し、みっともない限りだが、この点を真剣に対処しなければ「みっともない」では済まされない。
8.北朝鮮外務省は17日、ウラン濃縮活動や核実験の一時停止などを約束した2月の米朝合意に「これ以上、拘束されない」とする声明を発表し、合意破棄を表明した。北朝鮮が「人工衛星打ち上げ」とする長距離弾道ミサイルの発射を受け、国連安全保障理事会が強く非難する議長声明を採択したことに反発したものである。
9.今回の北朝鮮の動きから分かるのは、明らかに軍部が暴走し始めていて、金正恩第1書記と軍部の上下関係が明確になったということである。政府がいくら米朝合意をしても、中国が議長を務めようとも、軍部が違う路線を提示している。今回の核実験についても軍部の意向に違いない。
10.北朝鮮の中では軍内部で勢力争いがあって、特に力を持つ2人の人物が争っている結果として今回のような事態になっている。表面上は、金正恩氏を立てると言いながらも、実際には金正恩氏には軍部を抑える力がない。6カ国協議などを開催してもすぐに破棄されてしまう。
11.大前氏はずっと以前から、北朝鮮とこのような時間を持つこと自体が無駄であることを主張している。北朝鮮というのは「国」として今の国家体制が崩壊するのを待つしかない。金正日氏も死ぬまでとぼけるしかないみていたが、金正恩氏にも同じ結論しか残されていない。
12.今の北朝鮮の状況は、最後のカウントダウンに向かって暴走を始め、自暴自棄になり始めている段階である。軍部の力が強くなり、米朝合意も平気で1ヶ月で破棄してしまうというのは、正常な状況ではない。
13.軍部が力を示すため、軍部のロジックで物事が進み始めている。これは北朝鮮内部から発信されている危険なシグナルである。中国でも国連でも、北朝鮮と「話し合う」ことには意味は全くない。北朝鮮という国は、そんなことに構っている余裕すら失くしており、危機的な状況になりつつある。
概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.田中直紀防衛相は4月18日、北朝鮮が「人工衛星」と主張する長距離弾道ミサイル発射への対応で、藤村修官房長官に情報を伝えようと電話したもののつながらなかったことを明らかにした。ミサイル発射情報をめぐる政府部内の伝達のまずさを改めて浮き彫りにした。おそらくこの報道を聞いて、北朝鮮は喜んでいる。
2.日本に配備されている迎撃用のPAC-3システムの性能は、「携帯電話で3回呼び出したが連絡がつかなかった」という、間延びした対応を露呈した。これは「日本は無防備です」と発表しているようなものである。
3.大前氏は以前から何度も主張しているが、北朝鮮という国は最終的にどん詰まり状態になったら「暴発」する可能性のある国である。暴発した北朝鮮が狙う国はどこになるかと考えると、今回の日本の対応を知って「狙うとしたら日本しかない」と考える可能性は非常に高い。
4.中国は味方であるし、ロシアには手を出しづらい。韓国とは犬猿の仲だが、先日韓国は人工ミサイルでの迎撃体制を発表し、北朝鮮としてもすぐに反撃されるのが分かっているので避けると思う。
5.5分で九州、7分で東京にミサイルが着弾すると言われているのに、携帯電話で連絡が通じるのに40分もかかったと言っている日本なら、迎撃される心配はない。すぐに反撃される心配もない。
6.現在の日本の憲法では、仮に北朝鮮から1発目のミサイルを撃ち込まれても、すぐに自衛隊の判断だけで反撃することは許されていない。現在のナショナル・セキュリティの解釈では、反撃のためには国会を開き、「相手に日本を破壊する意図があるかどうか」という点を確認し、承認される必要がある。
7.北朝鮮は、現在、日本へ届く中距離ミサイルを1000発程度保有している。もしそのミサイルを発射されたと想定した場合、現在の憲法を一部変更する必要があ。例えば、北朝鮮の中距離ミサイルを前提として、 「1発目のミサイル攻撃を受けたら、自衛隊の判断で即座に応戦していい」というような変更を検討するべきである。今回の件で日本の国防の脆弱性を世界に露呈し、みっともない限りだが、この点を真剣に対処しなければ「みっともない」では済まされない。
8.北朝鮮外務省は17日、ウラン濃縮活動や核実験の一時停止などを約束した2月の米朝合意に「これ以上、拘束されない」とする声明を発表し、合意破棄を表明した。北朝鮮が「人工衛星打ち上げ」とする長距離弾道ミサイルの発射を受け、国連安全保障理事会が強く非難する議長声明を採択したことに反発したものである。
9.今回の北朝鮮の動きから分かるのは、明らかに軍部が暴走し始めていて、金正恩第1書記と軍部の上下関係が明確になったということである。政府がいくら米朝合意をしても、中国が議長を務めようとも、軍部が違う路線を提示している。今回の核実験についても軍部の意向に違いない。
10.北朝鮮の中では軍内部で勢力争いがあって、特に力を持つ2人の人物が争っている結果として今回のような事態になっている。表面上は、金正恩氏を立てると言いながらも、実際には金正恩氏には軍部を抑える力がない。6カ国協議などを開催してもすぐに破棄されてしまう。
11.大前氏はずっと以前から、北朝鮮とこのような時間を持つこと自体が無駄であることを主張している。北朝鮮というのは「国」として今の国家体制が崩壊するのを待つしかない。金正日氏も死ぬまでとぼけるしかないみていたが、金正恩氏にも同じ結論しか残されていない。
12.今の北朝鮮の状況は、最後のカウントダウンに向かって暴走を始め、自暴自棄になり始めている段階である。軍部の力が強くなり、米朝合意も平気で1ヶ月で破棄してしまうというのは、正常な状況ではない。
13.軍部が力を示すため、軍部のロジックで物事が進み始めている。これは北朝鮮内部から発信されている危険なシグナルである。中国でも国連でも、北朝鮮と「話し合う」ことには意味は全くない。北朝鮮という国は、そんなことに構っている余裕すら失くしており、危機的な状況になりつつある。
2012年04月27日
金環日食
金環日食と皆既日食の違い
月の地球周回軌道
地球の公転軌道
楕円であるため
地上から見た太陽と月の視直径は変化
月の視直径が太陽より大きく、
太陽の全体が隠される皆既日食
逆に月の外側に太陽がはみ出す金環日食
yuji5327 at 07:12│トラックバック(0)
アメリカでは法律が作れなければ議員としての資格はない。日本の議員立法はスキ間だらけでザル法である。政治資金規正法案がその典型である。
日本いまだ近代国家に非ずー国民のための法と政治と民主主義ー
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「小室直樹著:日本はいまだ近代国家に非ず、ビジネス社、2011年」の「第5章デモクラシーとは何か」が面白い。今回の小沢判決は、日本の司法権が官僚機構とマスメディアの既得権を脅かす一人の有力政治家をターゲットにした恣意的な強制起訴によるものであった。危ういところで小沢氏の政治生命が絶たれるところであったが、ネットで語られる真実が無罪判決を導いたかたちになった。本書の「日本の三権分立は死んだ」の小節の印象に残った部の分続きを自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.日本では官僚が三権を独占して、みんながそれを受け入れているということは、官僚に対するある種の信頼感がある、という側面もある。官僚が民主的な存在であるには5つの必要条件がある。すなわち、1)能力があること、2)国益とか国民のためという価値観を持つこと、3)責任を取ことらせるために、民意によって免職させることができること、4)任命については選抜が公平で、学閥、学歴などにかわらず自由競争のもとに行なわれること、5)役所に入ってからも特権を濫用しないこと、である。
2.今や日本の権力は、役人に奪い去られている。日本の学者や評論家はそれの重大さを理解していない。指摘しているのは筑波大学の元教授と元厚生省検疫課長・宮本政於氏くらいである。政治家も法律を作っているが、役人が作成している法律が圧倒的に多い。役人の仕事は法律に基ついて国を運営することであり、法律を作る業務は国会議員のはずである。
3.多くの国会議員には法律を作る能力がない。地元に橋を作るとか、新幹線を通すとか、地元に利益をもたらすことが主な任務と考えている。アメリカでは法律が作れないのならば議員としての資格はないとされる。日本の議員立法はスキ間だらけでザル法である。政治資金規正法案がその典型である。
4、官僚の本音は、国会議員はいまのままでいてほしい。法律に基づいて国を運営することもひとつの権力だが、法律を作るということは、もっと大きな権力を持っていることである。
官僚はいつまでもその権力を握っていたいというのが本音である。
5.たとえば、田中角栄氏の娘・田中真紀子議員(当時、自民党)が広中和歌子環境庁長官(当時)に国会での質疑応答の例がある。田中真紀子議員はコメ市場の開放反対の立場から、国土の環境保全などの面を採り上げて「農家への所得補償をどう考えますか」と聞かれた広中和歌子環境庁長官は、当惑して「お答え出来ません」である。仮にも環境庁長官がこんな答弁ですむなら、小学生でも長官が務まる。呆れた田中真紀子議員が「質問の意味が理解出来ないのですか? 新聞を読んでいないのですか」と言われても、辞任の気配すらない。厚顔無恥とはこのことだが、国会とは名ばかりで、政治家は役人の操り人形に成り下がっている。
yuji5327 at 06:52│トラックバック(0)
小沢一郎氏の判決で、日本の司法制度、官僚制度、メディア、社会システムの健全性が問われる。
小沢一郎 嫌われる伝説
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「渡辺乾介著:小沢一郎 嫌われる伝説、小学館、2009年」を昨日も紹介したが、いよいよ本日は小沢一郎氏の裁判での判決がでる。日本の司法制度が健全であるかどうかが問われる。日本の大手メディアは日本の裁判結果が絶対正義であるかのように報道しているが、過去の判決結果を見てもそれは疑わしい。「第1章:メディアの嫌われ者、怨讐・・・記者クラブと小沢」には、検察が大手メディアと企てた特定政治家をターゲットにした民主主義を冒涜するような報道ぶりが述べられている。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.日本社会では、何かを改革するには、理念より一つ一つ既成事実を積み上げ、現実はこうだから仕方がないと全体化していくしかない。それだけに改革の足は重く遅い。公開記者会見も、小沢氏がようやく成し遂げたが、小沢氏なき自民党はすぐに元通りの閉鎖的な記者会見に戻してしまった。
2.小沢氏のもう一つの慣行無視がある。外遊随行記者団の公開参加である。総理大臣や野党党首の外国訪問の随行取材は政治部記者の華の特権とされてきた。政権の座にある総理大臣と野党党首の外交の意義は自ずと違うが、野党第一党の党首の外国訪問ともなると、野党クラブは随行取材団を編成する。自社55年体制の時代から随行は記者クラブの記者に限られており、それ以外の者が参加することなど考えられなかった。
3.新進党時代、小沢氏は初めて野党を経験したが、党首として中国を訪問し、江沢民国家主席、李鵬首相など中国の政府、共産党最高幹部と会談した。小沢氏は随行取材団に記者クラブは5社17名のほか、地元岩手の放送2社と県紙社の3名、週刊誌3社5名の、記者クラブ以外の参加を認めた。出版社系週刊誌の参加は、フリーメディア全体からすると少ない人数ではあったが、画期的な意義があった。
4.小沢氏がクラブ以外のメディアの随行取材を許したことを、正面きって抗議したり、批判する組織メディアはなかったが、某新聞は社会面を大きく割いて、小沢は自分に好意的なメディアを選別して随行取材を認めたと言う内容の陰湿な記事を掲載した。聖域を侵された記者クラブが焦燥感を募らせていた様子がうかがえた。
5.日本の大メディアは記者クラブという排他的な組織を通して政党のみならず立法、行政、司法を網羅して国のすべての機関のアクセス権を独占し、既得権益としていることで、海外メディアから「官製報道」と批判を受け、冷たい視線を浴びてきた。それでも、記者クラブは既得権を温存するためにフリーメディアを排除し続けてきた。メディアの自己改革の足跡は何もなく、その記者クラブの排他主義に風穴を開けたのが小沢氏である。記者懇という取材慣行をほとんど断ち切り、記者会見を開放し、党首外遊の随行取材団を公開した。それらは記者クラブにとっては黒船来襲に匹敵する衝撃だった。改革も変革も最初の一人が必要であるが、あとに続く者がいなければ、最初の一人は袋叩きにされるか、つぶされるか、いばらの道を歩かされる。記者クラブメディアが、小沢氏のこととなると事実の確認は二の次で、冷静さを失い、批判とは名ばかりに袋叩きに走るのも、小沢氏が「最初の一人」であったためである。
6.大メディアもさすがに直接的に攻撃することにリスクを感じたらしく、政治の「小沢対反小沢」の対立構造を隠れ蓑にして、反小沢側の小沢批判に寄生することによって、小沢がかくかく批判されているという事実を報道するという狡猾な手法を駆使した。そうすることで、小沢本人に対する取材も省略して、記事のリスクを回避して、直接・間接の小沢攻撃を行った。
7.献金事件報道が好例であるが、記者クラブメディアはこぞって検察のリーク情報を記事にした。欧米のジャーナリズムでは、公権力のリーク情報は出所、取材源をはっきりさせるか、情報の真偽や事実関係を独自に取材して確認してから記事にするというルールがあるが、日本のジャーナリズムはその点で恣意的である。小沢氏の献金事件報道では、検察のリーク情報がそのまま垂れ流し状に紙面に躍った。
8.大手メディアは、小沢批判には手間暇をかけないと決めているようで、事実の有無、小沢氏の主張にかかわらず、先入観と批判ありきを前提にした内容の報道である。小沢氏はメディアのなすままに耐えるしかない。
9.さすがに小沢氏は怒り、代表の辞任願を提出した。そのとき首相・福田赴夫と小沢氏の党首会談は協議の内容よりも、大メディアは、福田、小沢のどちらが連立を持ちかけたのかに関心を集め、またもや小沢氏が標的にされた。小沢氏は新聞・テレビの報道に強い憤りをもって厳重に抗議したが、その事実は報道されずに国民は知らない。新聞・テレビは小沢氏の抗議を黙殺してしまった。
10.小沢氏の抗議は、大メディアが金科玉条としている事実報道、中立主義が虚偽であることを暴いた。建前だけで中立原則を掲げていることに対して、小沢氏は「新聞は自分の意見があるなら、はっきり言って、言論に責任を持つべきだ」と言っている。アメリカでは「ニューヨーク・タイムズ」「ワシントン・ポスト」をはじめ、多くのメディアは大統領選挙などで共和党、民主党どちらかの支持を鮮明にするが、それらの新聞社が偏向しているといった批判はほとんどない。同様に、小沢氏は日本の新聞も支持政党を含め自分の意見を言うべきと以前から主張してきた。