2013年07月
新基準では、30歳以上の全成人の4割、60歳以上では6割以上が高血圧者となり、何干万の人たちが降圧薬を一生飲み続けるおかしな国、日本。
「近藤誠著:成人病の真実、文藝春秋社、2002年」の「第1章 高血圧症3700万人のからくり」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.日本には高血圧の人が、以前の基準値160/95mmHg以上を当てはめると1600万人、存在する。そのうち5,6割が実際に高血圧と指嫡され、降圧薬を飲んでいる。日本高血圧学会が2000年に基準値を140/90mmHgに引き下げたので、今まで高血圧でなかった人たちも、2100万人が高血圧と診断され、それまでと合わせると、3700万人が高血圧患者になった。
2.新基準では、30歳以上の全成人の4割、60歳以上では6割以上が高血圧者となる。高血圧学会は、高血圧のすべてを最終的には薬を用いて治療をするよう勧告したから、の何干万の人たちが降圧薬を一生飲みつづけるという世の中になる。
3.学会が基準を変更した理由を調べた結果、引き下げのデータ的根拠がないばかりか、以前の基準値も根拠が薄いことがわかった。そのうえ高齢者では、血圧が高いほうが長生きでき、血圧を下げると寿命が縮むというデータさえあった。
4.変更されたのは、学会の中枢を占める、権威といわれる人たちに問題があったからである。
5.血圧は、人体を構成する不可欠の要素だから、低すぎてはよくない。薬で降圧すると.意欲が低下する、ふらふらする、脳の血管がつまって脳卒中になる、などの弊害が生じることがある。高齢になるほど高血圧の人が増えることからみて、高血圧には老化現象という側面もある。身体にとって必要だから血圧が高いのかもしれない。
6.本態性高血圧の場合、降圧治療によってメリットが得られるかどうか不明である。そのような不利益の存在を承知しながら、なぜ医者たちは本態性高血圧の場合にも、薬で血圧を下げようとするのか。将来生じるかもしれない虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症などの)や脳卒中を減らすためだという。
7.心血管病が本当に減るかどうか確かめる必要がある。降圧薬によってがんなど他の病気が増え、全体として寿命が短縮する可能性がある。日本の心血管病の発症率や死亡率が、欧米のそれと異なっている。日本より平均余命が短い欧米諸国で得られたデータを直輸入できない。
8.ガイドラインを検討してみると、一行一行の記述には大きな間違いはないが、文章をつなぐ論理が強引で飛躍が多い。高血圧には老化現象としての側面があるので、血圧が高い人たちに心血管病が多く、総死亡率が高いというのは、ある意味で当たり前のことである。血圧を下げた場合に心血管病の発症率や総死亡率が下がるかどうかが大事である。両者とも下がらなければ治療する意味はない。
9.1998年の医薬品生産高は約6兆円でしある。生産高のトップは降圧薬をメインとする循環器系の薬剤である。カルシウム拮抗剤、利尿薬、ACE阻害剤など、作用メカニズムが異なる数種のグループがある。そしてカルシウム拮抗剤にはX薬、Y蘂、Z薬というように、それぞれのグループに分子構造が少し異なる数種の薬剤が存在し、A製薬会社がX薬を売り、B製薬会社はY薬を売る、といった仕組みになっている。
10.権威たちと製薬会社との結びつきには強固なものがある。「日経メディカル」などの医学雑誌の企業提供頁には、数人の権威たちが顔写真つぎで登場する。そして高血圧治療や降圧薬の意義を説いたあと、最終頁の囲みのところにスポンサー会社の降圧薬の名前や効能を載せる、という形式である。
11.海外にも、ガイドラインが普及すれば患者の数と薬の売り上げがむやみに増えて、医者たちや製薬会社が喜ぶという、日本と同じ構造が存在する。欧米においても、現行の高血圧診断基準や治療基準の根拠は疑わしい。
12.少なくとも80歳以上では、〃谿気高いほうが長生きし、血圧を下げると早死にする。降圧剤は役にたたない、危険であるという研究結果は、額面どおりにうけとってよい。79歳でも、78歳ならどうかというように、きりがない。50歳、60歳の頃に薬を始めた人も薬をやめておいたほうがよい。
13.日本には、本当は高血圧でないのに薬を飲んでいる人が多い。権威をはじめとする医者たちが、高血圧治療には意味があると社会にむかって吹聴してきた。日本には、無根拠なのに治療を押しつけようとする権威たちが多数存在し、治療の意義を吹聴している。一度、医療の価値を部分的にしろ否定せねばならぬ。医者たちにとって心理的にも経済的にも困難な作業を遂行する必要がある。
1.日本には高血圧の人が、以前の基準値160/95mmHg以上を当てはめると1600万人、存在する。そのうち5,6割が実際に高血圧と指嫡され、降圧薬を飲んでいる。日本高血圧学会が2000年に基準値を140/90mmHgに引き下げたので、今まで高血圧でなかった人たちも、2100万人が高血圧と診断され、それまでと合わせると、3700万人が高血圧患者になった。
2.新基準では、30歳以上の全成人の4割、60歳以上では6割以上が高血圧者となる。高血圧学会は、高血圧のすべてを最終的には薬を用いて治療をするよう勧告したから、の何干万の人たちが降圧薬を一生飲みつづけるという世の中になる。
3.学会が基準を変更した理由を調べた結果、引き下げのデータ的根拠がないばかりか、以前の基準値も根拠が薄いことがわかった。そのうえ高齢者では、血圧が高いほうが長生きでき、血圧を下げると寿命が縮むというデータさえあった。
4.変更されたのは、学会の中枢を占める、権威といわれる人たちに問題があったからである。
5.血圧は、人体を構成する不可欠の要素だから、低すぎてはよくない。薬で降圧すると.意欲が低下する、ふらふらする、脳の血管がつまって脳卒中になる、などの弊害が生じることがある。高齢になるほど高血圧の人が増えることからみて、高血圧には老化現象という側面もある。身体にとって必要だから血圧が高いのかもしれない。
6.本態性高血圧の場合、降圧治療によってメリットが得られるかどうか不明である。そのような不利益の存在を承知しながら、なぜ医者たちは本態性高血圧の場合にも、薬で血圧を下げようとするのか。将来生じるかもしれない虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症などの)や脳卒中を減らすためだという。
7.心血管病が本当に減るかどうか確かめる必要がある。降圧薬によってがんなど他の病気が増え、全体として寿命が短縮する可能性がある。日本の心血管病の発症率や死亡率が、欧米のそれと異なっている。日本より平均余命が短い欧米諸国で得られたデータを直輸入できない。
8.ガイドラインを検討してみると、一行一行の記述には大きな間違いはないが、文章をつなぐ論理が強引で飛躍が多い。高血圧には老化現象としての側面があるので、血圧が高い人たちに心血管病が多く、総死亡率が高いというのは、ある意味で当たり前のことである。血圧を下げた場合に心血管病の発症率や総死亡率が下がるかどうかが大事である。両者とも下がらなければ治療する意味はない。
9.1998年の医薬品生産高は約6兆円でしある。生産高のトップは降圧薬をメインとする循環器系の薬剤である。カルシウム拮抗剤、利尿薬、ACE阻害剤など、作用メカニズムが異なる数種のグループがある。そしてカルシウム拮抗剤にはX薬、Y蘂、Z薬というように、それぞれのグループに分子構造が少し異なる数種の薬剤が存在し、A製薬会社がX薬を売り、B製薬会社はY薬を売る、といった仕組みになっている。
10.権威たちと製薬会社との結びつきには強固なものがある。「日経メディカル」などの医学雑誌の企業提供頁には、数人の権威たちが顔写真つぎで登場する。そして高血圧治療や降圧薬の意義を説いたあと、最終頁の囲みのところにスポンサー会社の降圧薬の名前や効能を載せる、という形式である。
11.海外にも、ガイドラインが普及すれば患者の数と薬の売り上げがむやみに増えて、医者たちや製薬会社が喜ぶという、日本と同じ構造が存在する。欧米においても、現行の高血圧診断基準や治療基準の根拠は疑わしい。
12.少なくとも80歳以上では、〃谿気高いほうが長生きし、血圧を下げると早死にする。降圧剤は役にたたない、危険であるという研究結果は、額面どおりにうけとってよい。79歳でも、78歳ならどうかというように、きりがない。50歳、60歳の頃に薬を始めた人も薬をやめておいたほうがよい。
13.日本には、本当は高血圧でないのに薬を飲んでいる人が多い。権威をはじめとする医者たちが、高血圧治療には意味があると社会にむかって吹聴してきた。日本には、無根拠なのに治療を押しつけようとする権威たちが多数存在し、治療の意義を吹聴している。一度、医療の価値を部分的にしろ否定せねばならぬ。医者たちにとって心理的にも経済的にも困難な作業を遂行する必要がある。
インドではターバンを巻いている人はあまり見かけないが、警察官や、役所の上層には、多く見かける。要所要所は、シク教徒が押さえている。カーストに関係なく実力で出世できる。
池上彰の宗教がわかれば世界が見える [Kindle版]
「池上彰著:池上彰の宗教がわかれば世界が見える、文藝春秋社、2012年代9刷」の「インド人はみなターバンを巻くのか」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.インド人というと、ターバンを巻いているイメージがある。カレー屋さんのマークなどでも、ターバン姿にヒゲの印象が強い。実際にインドに行くと、ターバンを巻いた人はあまり見かけない。ターバンを巻くのは、シク教徒だけである。
2.シク教は、西から入ってきたイスラム教の影響を受けて、ヒンドゥー教徒の一部が、一神教徒に変わったものである。ヒンドゥー教とイスラム教との接点で生まれた新しい宗教である。
3.シク教では、男性は髪の毛を切らない。長く伸ばした髪をターバンを巻いて押さえる。また、ヒゲを剃らないので、ヒゲもじゃの顔で、頭にはターバンという姿になる。ヒンドゥー教徒やイスラム教徒はターバンを巻かない。シク教徒は、インドの人口の2%しかいないので、ターバンを巻いているインド人は、実際はごくわずかである。
4.インド人といえばターバンを巻いているというイメージを持っているのは不思議なことである。その原因は、イギリスがインドを植民地として支配していた時代にさかのぼる。ヨーロッパの国々が植民地を支配するときには、必ず少数派によって多数派を支配させてきた。フランスはインドシナで、ベトナム人を使ってカンボジアを支配した。
5.イギリスは香港やシンガポールを、インド人に支配させた。そのためいまも香港やシンガポールには大勢のインド人がいる。ヒンドゥー教徒とイスラム教徒が多くいるインドでは、少数派のシク教徒を重用して支配した。シク教徒は、ヒンドゥー教徒と違ってカーストとは関係ないので、才能があれば誰でも抜擢できた。
6.シク教徒はインドのエリートとなり、世界各地にイギリス人に連れられて行くようになった。その結果、インド人といえばターバンを巻いた人というイメージが、世界に定着した。インドの町ではターバンを巻いている人はそれほど見かけないが、警察官や、役所の上層には、けっこう多く見かける。いまでも要所要所は、シク教徒が押さえている。それは植民地支配のときの名残りであると同時に、シク教徒はカーストに関係なく実力で上にいくことかてきるからである。インドでは、人事の構造に宗教が深く関係している。
私たちのからだは、細菌など外から侵入してくる外敵に対してだけでなく、体内でつくられてしまう異物からも、うまく守るようにできている。
まじめをやめれば病気にならない (PHP新書) [新書]
「安保徹:まじめをやめれば病気にならない、PHP研究所、2011年」の「第2章:究極の免疫力」の「リンパ球の種類とはたらき」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.私たちのからだは、細菌など外から侵入してくる外敵に対してだけでなく、体内でつくられてしまう異物からも、うまく守るようにできている。顆粒球には、好酸球と好中球と好塩基球があるが、80パーセント以上は好中球である。大きさは直径10〜15ミクロンです。リンパ球は顆粒球よりもやや小さく、直径が6〜10ミクロンの細胞である。リンパ球にはT細胞、B細胞、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)など何種類もある。
2.同じリンパ球であっても、2つの系統があります。NK/T前駆細胞からできるT細胞・NK細胞系と、B前駆細胞からできるB細胞系である。どちらも消化管の周囲にあったマクロファージから進化してできたものと考えられる。
3.血管を流れる血液中だけでなく、リンパ節にもリンパ球が詰まっているが、その約60パーセントがT細胞で、残りの約40パーセントがB細胞である。リンパ球は顆粒球では処理できない細かい異物を処理するが、処理の仕方は系統によりすこし違う。
4.T細胞とB細胞の役割の違いは、T細胞には、骨髄でつくられた前駆細胞が胸腺で分化・成熟するT細胞と、著者の研究グループが発見した肝臓や腸管で分化する胸腺外分化T細胞がある。胸腺で成熟するT細胞の95パーセントは、胸腺にある自己抗原に反応してそのまま死んでしまう。残りの5パーセントだけが生き残って外部から侵入してくる抗原に反応する。
5.T細胞はその役割によって、ヘルパーT細胞、キラーT細胞、サプレッサーT細胞に分化される。ヘルパーT細胞は、リンパ球の司令塔の役割を果たす。マクロファージから抗原の情報を受け取り、B細胞に抗体をつくるように指令を出したり、抗体をつくるのを助ける。また、マクロファージと共同でサイトカインを放出し、キラーT細胞やNK細胞を活性化させる。
6.キラーT細胞はみずから異物を捕らえにいく。異物を認識するためのT細胞レセプターをもっていて、標的となる異物の細胞の抗原を認識する。サプレッサーT細胞は、過剰に攻撃しすぎないように抑制したり、免疫反応を終了させるストッパーの役割を果たす。
7.B細胞は骨髄でつくらる。B細胞は、ヘルパーT細胞の指令により、抗原に応じた接着分子(免疫グロブリンという抗体)をつくり、異物を凝集させて処理する。抗原と結合するときに表面にレセプターを作り、抗原を示す標識の役割も果す。
8.アレルギー症状が引き起こされるのは、この免疫グロブリンのためである。リンパ球が過剰になると、無害な異物をも有害だと過剰に認識してしまうために、こうした症状が起きる。NK細胞は、がんを殺すということで知られている。つねに体内を循環していて、がん細胞やウイルス感染細胞など、体外から侵入した異物や体内で生じた異常細胞を見つけると単独で攻撃する。
9.NK細胞はマクロファージから進化した最初のリンパ球で、T細胞、B細胞とは形が違う。核の周りにある細胞質に顆粒があり、しかも顆粒球よりすこし大きい。T細胞やB細胞はNK細胞よりも小さく、より進化したものだが、その中間の進化段階にあるのが、1989年に著者ら発見した胸腺外分化T細胞というリンパ球である。。
10.T細胞、B細胞が発見されたのは1960年ころであり、NK細胞が明らかになったのは、1975年ころだから、免疫学という学問は最近のものである。
1ミリシーベルトの除染を目指すとなると、永遠に除染は終わらない。結局、除染利権を生んだだけで全く効果はない。ただちに目指す水準を10〜20ミリシーベルトに引き上げるべきである。
7月26日付の大前さんのニュースの視点( 発行部数176,013部)は『甲状腺被ばく・もんじゅ・節電対策・韓国電力事情〜データに基づいて状況を把握する』と題する記事である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.東京電力福島第1原発事故で、放射性ヨウ素を体内に取り込んだことによる甲状腺被曝(ひばく)線量(等価線量)が100ミリシーベルトを超える作業員は、推計で1973人に上ることが判明した。この人数は当初の発表よりもはるかに多い。東電は最初から正直に発表する謙虚な企業姿勢を示すべきだった。
2.100ミリシーベルトを超えるからといって、早急に危険だということでもない。統計値で見ると100〜200ミリシーベルトだと癌になる確率が1.08倍になる試算である。野菜不足や受動喫煙がこの範囲にある。さらに高い数値である200〜500ミリシーベルトには運動不足、高塩分食品、500〜1000ミリシーベルトには肥満、痩せ。さらには1000ミリシーベルト以上だと毎日3合以上の飲酒、喫煙者が含まれ、このレベルになると癌になる確率も1.6倍になる。100ミリシーベルトが安全だと言うつもりはないが、1ミリシーベルトを基準として大騒ぎするのは行き過ぎである。
3.福島第一原子力発電所の事故の現場で指揮を執った吉田元所長が食道がんのため亡くなった。これを福島での被ばくと関連付ける人もいるが事実と違う。0歳〜5歳の子どもが100ミリシーベルトを超える被ばくを経験したとき、20年後に甲状腺がん、乳がんになったという事例はあるが、数年のうちに食道がんを発病するというのは考えにくい。
4.以前、東京大学大学院教授が内閣官房参与を辞任した。その際、記者会見で「10ミリシーベルトでは子供たちがかわいそうだ」と涙を流した。この涙の辞任記者会見を受けて政府は発作的に、福島の除染を「1ミリシーベルトを目標に」となった。1ミリシーベルトは自然の放射能と同じレベルである。
5.1ミリシーベルトの除染を目指すとなると、永遠に除染は終わらない。結局、除染利権を生んだだけで全く効果はない。ただちに目指す水準を10〜20ミリシーベルトに引き上げるべきである。30ミリシーベルトくらいの水準でも問題はない。
6.原子力規制委員会の調査団は18日、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉もんじゅの敷地内にある断層について、2日間の現地調査を終えた。調査団の島崎委員長代理は「すぐ結論が出る状況ではない」と述べた。17日に指示した追加調査の結果を見てから判断する意向で、結論が出るのが長引く。そもそも活断層によってもんじゅの再稼働を決定すること自体が本質からズレている。
7.活断層の有無に関わらず国民世論から見て、もんじゅの再稼働はありえない。稼働している期間に、ある程度のデータも取得できたはずだから、それを後世に残すことを考えるべきである。米国も英国もフランスも、高速増殖炉を停止している。日本にしても、すでにもんじゅに1兆円規模の資金を投じている。もう潮時である。
8.夏の節電要請を1日から行っている政府は、家庭向けの節電対策メニューを節電ポータルサイト(http://r34.smp.ne.jp/u/No/309244/EcB_jbH7ci0D_123584/1307260010.html)
で紹介している。例えば、エアコンの設定温度を26度から28度に設定すれば電力使用量を10%削減可能。日中の照明消灯で5%削減が可能になる。
9.エアコンの温度調整など具体的な指示があって、これは有効な指示である。さらに、夏の甲子園をテレビで見るとき電力消費がピークを迎えるときには、エアコンを動かさないなど工夫をすれば、今年の夏も何とか乗り越えられる。
10.韓国でも、電力危機問題が取り沙汰されている。日経新聞は16日、「韓国 電力危機、動じないサムスンの「特権」」と題する記事を掲載した。23基ある原子力発電所の3分の1が不祥事などで稼働を停止するなど、この夏、未曾有の電力危機が訪れると指摘されている。
11.そうした中、サムスングループを筆頭に大手企業に混乱は広がらないという。これは中小零細企業など規模の小さい企業から電力カットになるため、当面の間サムスンなどの大企業は心配がいらないということである。韓国というのはとんでもない対応をする国である。
1.東京電力福島第1原発事故で、放射性ヨウ素を体内に取り込んだことによる甲状腺被曝(ひばく)線量(等価線量)が100ミリシーベルトを超える作業員は、推計で1973人に上ることが判明した。この人数は当初の発表よりもはるかに多い。東電は最初から正直に発表する謙虚な企業姿勢を示すべきだった。
2.100ミリシーベルトを超えるからといって、早急に危険だということでもない。統計値で見ると100〜200ミリシーベルトだと癌になる確率が1.08倍になる試算である。野菜不足や受動喫煙がこの範囲にある。さらに高い数値である200〜500ミリシーベルトには運動不足、高塩分食品、500〜1000ミリシーベルトには肥満、痩せ。さらには1000ミリシーベルト以上だと毎日3合以上の飲酒、喫煙者が含まれ、このレベルになると癌になる確率も1.6倍になる。100ミリシーベルトが安全だと言うつもりはないが、1ミリシーベルトを基準として大騒ぎするのは行き過ぎである。
3.福島第一原子力発電所の事故の現場で指揮を執った吉田元所長が食道がんのため亡くなった。これを福島での被ばくと関連付ける人もいるが事実と違う。0歳〜5歳の子どもが100ミリシーベルトを超える被ばくを経験したとき、20年後に甲状腺がん、乳がんになったという事例はあるが、数年のうちに食道がんを発病するというのは考えにくい。
4.以前、東京大学大学院教授が内閣官房参与を辞任した。その際、記者会見で「10ミリシーベルトでは子供たちがかわいそうだ」と涙を流した。この涙の辞任記者会見を受けて政府は発作的に、福島の除染を「1ミリシーベルトを目標に」となった。1ミリシーベルトは自然の放射能と同じレベルである。
5.1ミリシーベルトの除染を目指すとなると、永遠に除染は終わらない。結局、除染利権を生んだだけで全く効果はない。ただちに目指す水準を10〜20ミリシーベルトに引き上げるべきである。30ミリシーベルトくらいの水準でも問題はない。
6.原子力規制委員会の調査団は18日、日本原子力研究開発機構の高速増殖炉もんじゅの敷地内にある断層について、2日間の現地調査を終えた。調査団の島崎委員長代理は「すぐ結論が出る状況ではない」と述べた。17日に指示した追加調査の結果を見てから判断する意向で、結論が出るのが長引く。そもそも活断層によってもんじゅの再稼働を決定すること自体が本質からズレている。
7.活断層の有無に関わらず国民世論から見て、もんじゅの再稼働はありえない。稼働している期間に、ある程度のデータも取得できたはずだから、それを後世に残すことを考えるべきである。米国も英国もフランスも、高速増殖炉を停止している。日本にしても、すでにもんじゅに1兆円規模の資金を投じている。もう潮時である。
8.夏の節電要請を1日から行っている政府は、家庭向けの節電対策メニューを節電ポータルサイト(http://r34.smp.ne.jp/u/No/309244/EcB_jbH7ci0D_123584/1307260010.html)
で紹介している。例えば、エアコンの設定温度を26度から28度に設定すれば電力使用量を10%削減可能。日中の照明消灯で5%削減が可能になる。
9.エアコンの温度調整など具体的な指示があって、これは有効な指示である。さらに、夏の甲子園をテレビで見るとき電力消費がピークを迎えるときには、エアコンを動かさないなど工夫をすれば、今年の夏も何とか乗り越えられる。
10.韓国でも、電力危機問題が取り沙汰されている。日経新聞は16日、「韓国 電力危機、動じないサムスンの「特権」」と題する記事を掲載した。23基ある原子力発電所の3分の1が不祥事などで稼働を停止するなど、この夏、未曾有の電力危機が訪れると指摘されている。
11.そうした中、サムスングループを筆頭に大手企業に混乱は広がらないという。これは中小零細企業など規模の小さい企業から電力カットになるため、当面の間サムスンなどの大企業は心配がいらないということである。韓国というのはとんでもない対応をする国である。
何でもかんでも反対をして、オバマは何もできない大統領だという烙印を押すことによって政権を取り戻そうとした。党利党略で政治が動かないのは、日本だけではない。
知らないと恥をかく世界の大問題4 日本が対峙する大国の思惑 角川SSC新書 [新書]
「池上彰著:知らないと恥をかく世界の大問題4、日本が対峙する大国の思惑、角川マガジンズ、2013年6月」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.2012年は世界の大国のトップが次々と交代した。アメリカ、ロシア、フランス、日本、韓国、台湾などで選挙、そして中国共産党は胡錦濤体制から習近平体制へ。日本は、野田佳彦首相の突然の解散による衆議院議員総選挙で約3年3カ月ぶりに政権交代が行われ、自公連立政権に戻った。
2.新しい指導者のもと、世界はどう動いていくのでしょうか。
アメリカ国民は再び民主党のバラク・オバマを大統領に選んだ。共和党のミット・ロムニーに数十万票の差をつけての勝利した。獲得した選挙人の数だけ見ると、ロムニーの206人に対し、オバマは332人と圧倒的勝利のようだが、得票率を見ると、ロムニーは48%、オバマは51%で、それほどではない。前回のオバマ53%対マケイン46%に比べて差は縮まった。
3.選挙人計538人の過半数である270人以上を獲得した候補者が当選となる。大半の州では「勝者総取り方式」が取られている。得票数1位の候補者が選挙人のすべてを獲得できるようになっている。たとえ1票でも多く獲得したほうがその州を制する。
4.オバマは明らかに4年前より支持率が落ちている。理由は「黒いアメリカも、白いアメリカも、ラテンのアメリカも、アジアのアメリカもない、あるのはアメリカ合衆国だ」という演説に、人々は熱狂して、国民は希望を抱いたが、大統領選挙前に発生していたサブプライムローン問題の余波は予想以上に大きかった。
5.オバマが大統領に選ばれたのは、リーマン・ショック直後の2008年11月である。オバマはブッシュの尻拭いをしなければならなかった。景気が落ち込んでいく過程で大統領になったが、対策を講じてもそれ以上の悪化を止めるのがやっとの状態であった。企業業績は低迷を続け、個人消費の落ち込みを財政出動で賄うので財政赤字(国の借金)が膨らんだ。
6.アメリカ国民にしてみれば景気がよくなると思って選んだのに、経済は一向に改善しなかった。オバマへの不満が募ってた。2年後の中間選挙では、連邦議会の下院は共和党が過半数を取り「ねじれ議会」になってしまった。政権運営はうまくいかず、決められない政治の状態に陥いった。
7.後半の2年間は、共和党は、次の大統領選挙でオバマを引きずり下ろす、と徹底的に嫌がらせをした。後半2年問に議会に提出された法案で成立したのはわずか2%だった。何でもかんでも反対をして、オバマは何もできない大統領だという烙印を押すことによって政権を取り戻そうとした。党利党略で政治が動かないのは、日本だけではない。