2014年11月

2014年11月30日

衆院選挙最大の争点

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安倍政権の経済政策・アベノミクス
経済政策に加えエネルギー政策
原発の再稼働
集団的自衛権
再生可能エネルギー
脱原発依存
憲法改正

yuji5327 at 06:51 
池上湖心の書 

何の結果も出していない安倍政権が、「アベノミクスの評価」を問うのは理解できない。新聞などのジャーナリズムも、指摘しないのは理解できない。

11月28日付けの 大前研一さんの「 ニュースの視点」(発行部数178,423部) は、「沖縄県知事選・原発再稼働問題・再生可能エネルギー〜意思決定の論理を考える〜」と題する記事である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.米軍普天間基地の名護市辺野古への移設問題が最大の争点となった沖縄県知事選は16日投開票され、無所属新人で辺野古移設反対を掲げる前那覇市長の翁長雄志氏が、現職の仲井真弘多氏ら無所属3氏を大差で破り初当選した。
2.翁長氏が当選したことで、普天間基地の辺野古への移設はなくなる、という単純な問題ではない。日本政府は、沖縄の「軍政」に関する当事者能力を持ち合わせていないからである。米軍側も「日本政府の責任のもと」で辺野古への移設を進めるよう意思表示をしている。
3.第二次世界大戦の末期あたりからの数十年間の歴史を見直すと、多くの「嘘」が存在している。沖縄返還に関する事実も、その最たるものである。沖縄返還にあたっては、「民政」は日本に返すが、「軍政」は引き続き米国(米軍)が掌握する、という約束だったので、沖縄県知事が誰になろうと、関係ない。
4.米国もあまりに手荒なことをして、米軍撤退運動などを引き起こしても面倒だから、上手にごまかすと思われる。どのような懐柔策をとるにせよ、本質的に沖縄の軍政は米軍が握っており、
それは過去の歴史において日本政府と約束(密約)している、というのが動かしがたい事実である。たとえば、北方4島返還で、日本がロシアともめているのは米国の思惑である。
5.再稼働の可否が議論となっている日本原子力発電敦賀原発2号機について、原子力規制委員会は19日、同機の直下に活断層があるとの評価を改めて示した。何かあると、原子力発電所の下に「活断層」があると話題になるが、日本ではそもそも活断層が存在しない地域を探すほうが難しい。
6.重要なのは、その活断層によってどの程度の地震が予想されるかである。その地震に原子力発電所が耐えうるのか、ということを検討する必要がある。その検討結果として、無理だと判断するなら、原子力発電所を停止するのは良い。
7.今の原子力規制委員会の態度は、原子力発電所の下に活断層が見つかったら、「原発は即停止」という方針だが、ここには根拠はない。また規則で言えば、直下に活断層が見つかった場合、新しく原子力発電所を作ってはいけないと定められているが、既存の原子力発電所の下に活断層が発見された場合については、特に定めはない。直下に活断層があって地震が発生しても、新潟の大地震に耐えた柏崎刈羽原発の例もある。まともな検討もせず、「活断層=原発停止」という考え方は、間違っている。
8.大手電力5社は9月下旬から停止している再生可能エネルギーの買い取り手続きを再開する方針を明らかにした。太陽光発電設備からの送電を中断する制度の拡大など供給制限の仕組みを入れることを条件とし、まず九州電力が年内にも受け入れ再開の方針を表明する。
9.再生可能エネルギー政策は、民主党政権の最大の負の遺産の1つである。東日本大震災と福島第一原発の事故を受けてパニックに陥った結果、原発は全て停止、再生可能エネルギーの割合を20%にすると宣言した。太陽光などを高値で買い取るという方針まで打ち出した。実際に再生可能エネルギーの発電には、様々な問題が存在する。たとえば太陽光発電では、太陽が照り続けた場合に、大量のエネルギーを吸収する能力が太陽光発電システムのグリッドには備わっていない。多くの人が一斉に太陽光を使うと、サージが発生するので供給制限をする必要も出てくる。このような点も含め、色々と取り決めなくてはいけなかったのです。
10.民主党が非現実的なプランを推し進めたのは、早計だった。当時、民主党の仙谷氏は、太陽光エネルギーの蓄電はバッテリーで事足りると思っていたようである。大前氏の試算では40兆円を超えると指摘したが、深く検討されることはなかった。
11.今、総選挙に向けて動き出したが、自民党への不信感も拭えないものの、福島第一原発への対応、再生可能エネルギーの施策などを見ると、民主党にも期待できないのは残念である。政権交代する必要はないと思うが、自民党の圧倒的多数という状況は変化して欲しい。アベノミクスのような中身が全く伴わない幼稚な戦略や嘘がまかり通る状況はやめて欲しい。
12.野党側には、もう少しリーダーシップを期待したい。選挙の戦略としては、対立候補を乱立せず、小選挙区1つに対して対立候補は1人で十分である。「自民党 VS 民主党」などではなく「自民党 VS 野党」という図式を成立させるほうが良い。例えば「民主党」などを前面に出ると、自分たちの不甲斐なさもあるので、安倍政権の明確な失政を責めることができずに終わってしまう。それを避けることが大事である。
13.何の結果も出していない安倍政権が、「アベノミクスの評価」などを問うこと自体が理解できない。「続けさせてくれ」と言えない。新聞などのジャーナリズムも、まともに指摘しないのは理解できない。



yuji5327 at 06:41 
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2014年11月29日

枯木立花びらほどの月出でし

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伊藤哲也句
長谷川櫂解説
空に雪舞う
花のような雪
枯れ木にかかる月
花びらのよう
人の心
芭蕉いわく
詩歌に親しむ風雅の心
この世はすべて花
(読売新聞2014.11.27より)

yuji5327 at 06:44 
池上湖心の書 

、政治の目的は経済交流の円滑化と国の防衛だけではなく、人格の涵養と、善良な市民の育成でもあるので、正義をめぐる議論は必然的に、善良な生活をめぐる議論となる。


「マイケル・サンデル著、鬼澤忍訳:これからの「正義」の話をしよう・・・いまを生き延びるための哲学、早川書房、2010年」の著者はハーバード大学教授で専門は政治哲学である。類まれなる抗議の名手として知られているわけがうなづける内容である。「第9章 たがいに負うものは何か? 忠誠のジレンマ」の「行政府は道徳的に中立であるべきか」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.行政府は善良な生活の意味に関して中立を目指すべきだという考え方は、古来の政治の構想とは異なる。アリストテレスにとって、政治の目的は経済交流の円滑化と国の防衛だけではなく、人格の涵養と、善良な市民の育成でもあるので、正義をめぐる議論は必然的に、善良な生活をめぐる議論となる。
2.アリストテレスは「理想的な国の体制がどんなものか検証する前に、まず望ましい生き方を決める必要がある。それがはっきりしないうちは、理想的国の体制がどんなものかも、はっきりしない」と言う。現代では、政治の目的は美徳を育てることだという考え方は奇異であり、危険ですらある。何が美徳か誰が決めのか、国民がそれに賛同しなかったらどうなるか。法律によって特定の道徳的・宗教的理想が推進されると、寛容さがなくなり、強制への道が開かれる。美徳を推進する国家として最初に思い浮かぶのはアテネの都市国家ではなく、宗教的原理主義国家である。
3.カントとロールズの正義の理論は、その考え方が宗教的であれ世俗的であれ、自由とは相容れない。そうした理論は他人の価値観の押しつけとなり、目的と目標を自分で選べる自由で独立した人間を尊重しなくなる。自由に選択できる自己は中立的国家に密接に関係する。国民がみずから自由に価値観を選べるような権利の枠組みを必要とする。道徳的に中立な正義と権利の論理などありえないと反論する向きもあるかもしれない。とはいえ、どう生きるべきか教えてくれるわけではない。どんな目標を目指すにしても、他人が同じことをする権利を尊重したやり方をするよう求めるだけで、より好ましい生き方や善についての考え方を断定しない。
4.アリストテレスは、善についてかなり異なる理論を提示している。善とは快楽を最大にすることではなく、われわれ自身の本性を実現し、人間に特有の能力を磨くことだとしている。人間の善についての特定の考え方に基づくという点で、アリストテレスの論法は目的論的である。こうした論法を、カントとロールズは否定する。二人は、正しさは善に優先すると主張する。われわれの義務と権利を定める原理は、善良な生活についての考え方に基づくべきではない。という。
5.古代の哲学者たちは、倫理の探求を、最高善の構想の定義のみに捧げ、その善を道徳法則を決める根拠にしようとする間違いを犯した。カントは、それは本末転倒で、自由とは相容れないという。われわれは、まず道徳法則を欲し、われわれの義務と権利を定義する原理にたどりついてからようやく、善についてのどんな考え方がその原理と両立するかを問うことができる。
6.ロールズは正義の原理に関しても同様の主張をする。誰もが平等な市民権を持つ自由は脅かされる。功利主義的計算に委ねれば、権利がどれだけ危険にさらされるかは容易にわかる。正しさが善より優先されるとすれば、アリストテレスの正義の考え方も間違っていることになる。そもそも最初から、正しさと善の関連づけの仕方が間違っている。



yuji5327 at 06:31 
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2014年11月28日

中国異論封殺と強化

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中国習時代へ党独裁強化
外交さらに強硬姿勢
江沢民人脈・上海閥・太子堂
党幹部たちの腐敗を隠す公安当局
裸官という海外蓄財
腐敗の中国は長続きしない
政治献金復活の日本
官僚の腐敗
経団連も注意


yuji5327 at 06:57 
池上湖心の書 

中国では、完全な汚職追放は不可能である。目的は、庶民に見せるためと、政敵に打撃を与えるためであり、腐敗をすべて撲滅したら、自分の政権がもたないことは習近平もわかっている。


「黄文雄、石平著:中国はもう終わっている、徳間書店、2013年」が面白い。「第2章:習近平体制はまもなく破綻する」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.長い中国の歴史のなかで、汚職追放をもっとも強硬な手段で行ったのは、清の雍正帝(在位1722〜35年)です。重罪には死刑まで科した。一方で、官僚の給料が少ないから腐敗に走るのだとして、養廉銀というものを支給したが、成功しなかった。中華人民共和国の時代にも、朱銘基元首相が汚職追放を熱心に行ったが成功しなかった。
2.最近では、重慶市党委書記を務めた実力者の薄煕来も、さかんに汚職追放運動を行いました。まあ、彼の場合には民間から巻き上げているだけという側面もあったが、マフィアが上海閥と手を組んで逆襲し、さらに胡錦濤・温家宝からも「悪人」の烙印を押されたため、薄煕来は失脚した。完全な汚職追放が不可能であることは、習近平にもわかっている。目的は、庶民に見せるためと、政敵に打撃を与えるためであり、腐敗をすべて撲滅することをしたら、自分の政権がもたないことはわかっている。
3. 習近平には乗り越えなくてはならない課題が山積している。経済問題のほかに、公害や環境汚染、水の枯渇、少子高齢化問題、疫病などの国内問題から、知的所有権や国境問題などの多くの問題がある。
4.この100年間の、20世紀のあいだに中国では4つの全く異なる国体が変わってきた。
1912年に清王朝から中華民国に変わり、1949年には中華人民共和国に変わり、1980年代には社会主義から改革開放という資本主義への道に舵を切った。
5.21世紀の中国はどう変わるのか、習近平の能力で、中国は21世紀を生き延びていくことができるのか疑問が多い。経済の問題では習近平は経済オンチである。彼も中国の高度成長が終わったことはわかっている。最近もそのような発言をしている。
6.胡錦濤政権が10年間安泰に続いたのは、基本的に高度成長に乗っただけだから、自分の時代に経済が破綻していくという難局に立たされる。しかし処方箋はない。そのことを習近平は覚悟している。結局、習近平が考えて、最後に辿りついたのがナショナリズム、つまり愛国主義である。
7.江沢民政権の時代には、経済成長と愛国主義が2つの車輪だった。この片方が潰れたら、あとは愛国主義しかない。だから、習近平が打ち出した政策理念の中心が、「中華民族の偉大なる復興」であり、「中国の夢」というスローガンである。「中華民族の偉大なる復興」を内外に宣言することで、自分の時代に中国を世界の覇権国家に戻す。アヘン戦争(1840〜42年)以前は、中国が世界の覇権国家であり、世界の中心でもあったという意識である。
8.従って、習近平政権は、胡錦濤以上のタカ派政権になることは間違いない。非常に土地が広く、人口も多く、地域差も大きく、多元的社会である。そうした中国で人民をまとめるのは非常に難しいが、一元化しなければ、中国はバラバラになる。
9.清末の官僚であり湖広総督だった張之洞は、民権でまとめようとすると、中国は崩壊すると言っている。張は、民権を民に与えれば「乱民が喜ぶ」、つまり民乱が頻繁に起きるので、国はバラバラになる。だから、中国でもっとも重要なのは国権であり、国権が民権を上回ることだと主張している。
10.従って、現在の共産主義社会でも、民権よりも国権を重視する。21世紀も民権よりも国権を強化せざるをえないので、国権を強化するためには、軍国主義の路線をとらざるをえない。


yuji5327 at 06:38 
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2014年11月27日

紙漉き

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国連教育科学文化機関(ユネスコ)
フランス・パリのユネスコ本部
和紙 日本の手漉和紙技術
無形文化遺産に登録
昨年の「和食」に続き
2年連続の登録決定
今回登録された「和紙」
石州半紙(島根県浜田市)
本美濃紙(岐阜県美濃市)
細川紙(埼玉県小川町、東秩父村
原料にクワ科の植物
「楮(こうぞ)」の樹皮のみを用いる
伝統的な製法。


yuji5327 at 06:45 
池上湖心の書 

東北大学大学院工学研究科教授の西澤松彦氏らは、酵素反応を利用することで微弱な電流が発生し、皮膚を通して薬の浸透を促進できる「バイオ電流パッチ」を開発した。

「佐藤 雅哉著:東北大学、貼ると発電するバイオ電流パッチを世界で初めて開発=日経ものづくり2014/11/21 20:15」は面白い。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.東北大学大学院工学研究科教授の西澤松彦氏らは、酵素反応を利用することで微弱な電流が発生し、皮膚を通して薬の浸透を促進できる「バイオ電流パッチ」(以下、パッチ)を開発した。パッチは、シリコンゴムやハイドロゲル(電解質)など、生体・環境に優しいフレキシブルな有機材料から構成される。絆創膏のように皮膚に貼るだけで発電できるため、外部電源が不要な家庭用ヘルスケア商品などへの応用が期待される。
2.皮膚を通して薬を投与する「経皮投薬」では、鎮痛剤を浸透させる湿布(シップ)や禁煙用のニコチンパッチなどが知られている。経皮投薬では各種有効成分の皮膚内への浸透が、数十μAの微弱電流を流すことで数倍〜数十倍まで加速できる効果が認められており、局所麻酔剤の高速投与などに利用されてきた。
3.しかし、この方法は外部電源や配線などからなる装置が必要で、家庭での個人使用には適さなかった。小型電池を電極パッドに一体化する試みもあるが、かさばったり、安全性や使用後の処理に配慮したりするなどの課題があった。今回開発したバイオ電流パッチでは、パッチ内部に発電機構を設けることで、これらの問題を解決できると期待される。
4.バイオ電流パッチは、糖を含むハイドロゲルや酵素を含んだ1cm×1cmの2枚の炭素繊維布(電極)、ゴム製の抵抗、これらを保持するシリコンゴム製フレーム、身体に貼り付けるためのメディカルテープなどで構成される。安価な有機材料を使っており、使用後はゴミ箱に捨てることができる。パッチ全体は1cm×3cmの長方形になっており、厚さは0.5mmと薄い。
5.パッチを皮膚に貼ると、発電を始める。アノード(負)電極は糖分解酵素を含んでいるため、ハイドロゲルとの界面で酵素反応が起こり、糖が分解されてプラスイオンと電子が生じる。この電子は、ゴム製の抵抗を通ってカソード(正)電極側へ流れていき、カソード電極で空気中の酸素(O2)を消費する化学反応を起こす。このようにして、発電する。
6.上記の反応が進むと、アノード電極側では電気的に正(プラス)へ、カソード電極側では負(マイナス)に帯電していき、電気的な勾配が生じる。皮膚は電子を通さないため、代わりにアノード電極側で増えたプラスイオンが皮膚を通して、カソード電極側(もしくは人体内)へと流れていく。こうして生じたイオン電流により電気的な勾配が解消され、化学反応が継続する。西澤氏によれば、「人体を通してバイオ発電したのは世界で初めて」。アノード側のハイドロゲルに薬剤を含ませておけば、イオンの流れに伴って、皮膚内への吸収を早めることが可能である。
7.ゴム製抵抗(内部抵抗)の抵抗値を皮膚の抵抗値よりも大きくすれば、個人差や肌の状態によらず、微弱な電流を流すことができる。パッチで流せる最大電流は0.3mA/cm2程度で、人が痛みを感じる電流量とされる0.5mA/cm2よりも小さいので安全である。効果は6時間以上持続する。


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新技術 | ものづくり

2014年11月26日

日本経済の正念場

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トラック、トラック運転手が不足
供給能力不足が運送業界にまで
建設サービスの供給能力不足
東北復興、
国土強靭化、
東京五輪に影響
内装の職人さん
IT技術者
デフレの下で限界を超えたスリム化


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池上湖心の書 

中立的な正義の原理を見つける方向を誤っている。道徳にまつわる本質的な問いを避けて人間の権利と義務を定義するのは、可能だとはかぎらない。たとえ可能であっても、望ましくない。


「マイケル・サンデル著、鬼澤忍訳:これからの「正義」の話をしよう・・・いまを生き延びるための哲学、早川書房、2010年」の著者はハーバード大学教授で専門は政治哲学である。類まれなる抗議の名手として知られているわけがうなづける内容である。「第9章 たがいに負うものは何か? 忠誠のジレンマ」の「正義と自由」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.正しさを善より優先すべきという論争は、究極的には人間の自由の意味を問う論争である。カントとロールズがアリストテレスの目的論を退けたのは、みずから善を選ぶ余地が与えられないように見えたからである。アリストテレスの理論からどのようにしてこの懸念が生じたかは、容易にわかる。アリストテレスは正義を、人間の本性にふさわしい目的や善との一致の問題として見ているが、われわれは正義を、選択の問題として見る。
2.正しさは善に優先するというロールズの主張は、道徳的人間は、みずから選んだ目的を持つ、という信念を反映している。われわれは、目的ではなく選択能力によって定義される。われわれの本性を明らかにするのは、目標ではなく、正しさの枠組みである。目標が2次的であれば、われわれが選ぶはずの枠組みである。正しさと善の関係を逆転させ、正しさを優先して見るべきである。
3.善良な生活に対して正義は中立的であるべきという考え方は、人間は自由に選択できるので、従前の道徳的束縛から自由であるという発想を反映している。この考え方は、現代のリベラル政治思想の特徴である。平等主義のリベラル派のお気に入りは、市民的自由と、社会・経済における基本的権利:医療、教育、雇用、所得保障などの権利である。個人がそれぞれの目的を追求できるようにするためには、行政府は真に自由な選択ができるような物質的条件を整える必要があると彼らは主張する。
4. 1944年にアメリカの社会保障制度の到達目標を定めたとき、ローズヴェルトはそれを「経済的権利章典」と呼んだ。コミュニティを基盤とする理論的根拠を提示するのではなく、そのような権利は「真の個人的自由」に不可欠であるとローズヴェルトは主張し、「困窮した人間は自由な人間ではない」と付け加えた。
5.社会保障制度を批判する無干渉主義者であるリバタリアンは、自由市場を擁護し、人間には自分で得た金を保有する権限があると主張する。みずからの労働の果実が自分のものにならず、公共の富の蓄積の一部として扱われるならば、真に自由な人間と言えなくなると、バリー・ゴールドウォーターは言った。社会保障制度の下では個人は、みずから目的を選べず、一部の人の利益のためにほかの人びとが抑圧される。
6.中立的な正義の原理を見つける方向を誤っている。道徳にまつわる本質的な問いを避けて人間の権利と義務を定義するのは、可能だとはかぎらない。たとえ可能であっても、望ましくない。


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池上技術士事務所の紹介
261-0012
千葉市美浜区
磯辺6丁目1-8-204

池上技術士事務所(代表:池上雄二)の事業内容
以下のテーマの技術コンサルタント
1.公害問題、生活環境、地球環境
2.省エネ・新エネ機器導入
のテーマについて、
・技術コンサルタント
・調査報告書の作成
・アンケート調査・分析
・技術翻訳、特許調査
を承ります。
有償、無償を問わず
お気軽に下記にメールをください。
ke8y-ikgm@asahi-net.or.jp

工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
騒音防止管理者の資格で
お役に立ちたいと思います。

池上湖心プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山(文化功労者)に師事
書象会理事、審査会員
公募展出展
〇謙慎展・常任理事
・春興賞受賞2回
・青山賞受賞
〇読売書法展理事
・読売奨励賞受賞
・読売新聞社賞受賞
〇日展入選有

書道教室(自宅)
・学生:月曜日
・一般:火曜日、水曜日



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