2015年02月

2015年02月28日

特定空き家

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空家等対策の推進に関する特別措置法案
適切な管理が行われていない空家
防災、衛生、景観等
地域住民の生活環境に影響
空家等の所有者の義務



yuji5327 at 07:02 
池上湖心の書 

水素自動車が話題になっているが、現実的にはハイブリッドが中核を担うのは間違いない。ガソリンに対して、ハイブリッドは数%のシェアを占めている。

2月27日付けの「大前さんのニュースの視点」(発行部数 177,080部)は、「ソニー・パナソニック・トヨタ自動車・サントリーHDの話題について」と題する記事である。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.ソニーは18日、本体で手掛けるエレクトロニクス事業の全事業を順次、分社する方針を明かにした。まず携帯音楽プレーヤー「ウォークマン」やブルーレイ・ディスク録画再生機などを扱うAV(音響・映像)事業を、10月1日を目処に分社すると発表した。
2.競争環境は厳しさを増しており、意思決定を早めて環境変化に素早く対応し、利益重視の経営を徹底する考えである。ソニーの問題点は、色々なことに手を出しすぎて、全てにおいてポイントを外してしまっていることである。エレクトロニクス事業を分社化し、意思決定を早めるとのことだが、それがソニーの問題解決になるとは思えない。
3.ソニーはウォークマンがあったためにiPodに敗北し、さらにiPhoneへの流れの中で、ソニーが手がけていたものは、ほとんどスマートフォンに取り込まれてしまった。気づいてみたらiPhone6でかろうじてカメラのモジュールとしてソニーのものが使われているという程度である。ソニーは電子部品で生き残ると言われても残念である。
4.電話、カメラ、音楽などあらゆる機能を取り込んでいるスマートフォンは、新しい生態系・新しい大陸であり、これにどのような策を打つかを考えることが重要である。バラバラの事業部になれば、確かに個々の意思決定は早いかも知れないが、スマートフォンという新しい生態系・新しい大陸との整合性が取れていない。
5.パナソニックは大阪府門真市の本社にあるAV(音響・映像)機器事業の本拠地を売却することで三井不動産と基本合意した。AV拠点は社内で「本社南門真地区」と呼ばれ、1970年代からカラーテレビなどの主力製品を生み出してきたが、同社はデジタル家電事業を縮小し、車載分野などへのシフトを進めており、好立地の不動産を有利な条件で売却できると判断したものである。
6.パナソニックの業績を見ると、自動車関連事業は非常に高い利益を出している。また、住宅システム、白物家電でも堅実な利益を上げている。かつての中核事業であるAV機器事業は、黒字だがそれほど大きな利益にはなっていない。
7.テレビ製造も撤退を決定したため、工場を含めた門真南を売却する。非常に大きな土地であり、良い値段で売却できるのならば問題ないかも知れない。ららぽーとになれば、パナソニックの社員、その家族がお客さんにもなるので成功する可能性も高い。創業当時からの土地であり、松下幸之助氏が生きていれば何と言うか、寂寥を覚える。
8.トヨタ自動車はガソリン1リットルで40キロメートル超を走るハイブリッド車(HV)の新型「プリウス」を年内に発売する見通しである。10年前と比べて燃費を3割超改善し、欧州など世界各地で自動車の環境規制が強化されるのに備える考えである。
9.世界各地で、以下のような法律的な環境規制を明示している。日本:2020年までに、20.3キロ/1リットル、中国:2020年までに、20キロ/1リットル、米国:2025年までに、23.2キロ/1リットル。世界中がこの方向性に向かっており、チャンピオンの立場にあるプリウスは、今年中に40キロ/1リットルの車を発表する。
10.水素自動車なども話題になっているが、現実的に考えると、ハイブリッドが中核を担うのは間違いない。ガソリンに対して、ハイブリッドは数%のシェアを占めるまでになっているが、その他のものは数値としてカウントできるレベルではない。トヨタとしてハイブリッドを追求していくのは間違いではない。
11.サントリーホールディングス(HD)が国内食品メーカーの首位に立った。16日発表した2014年12月期の連結売上高は13年12月期比20%増の2兆4552億円。欧州の清涼飲料事業や14年5月の米蒸留酒最大手、ビーム(現ビームサントリー)の買収などで海外売上高を7割伸ばしている。
12.新浪社長は、2020年にはウイスキーで世界一を目指す、と発表した。売上でも営業利益でも、キリン、アサヒを圧倒している。ただし、海外事業の展開にあたり、借金の額も大きくなっている。世界的に見ると、この業界にはディアジオなど、さらに規模が大きい競合がある。
13.新浪社長は、サントリーの売上高が2兆円のときにバトンタッチを受けた。おそらく新浪社長に託されたのは、海外事業の倍増と売上高4兆円規模の達成ではないかと思う。記者会見でも「日本一」は単なる通過点に過ぎないという印象である。
14.新浪社長は、2020年までにウイスキーで世界一を目指す、と発表していが、やや疑問である。世界的に見てもハードリカーの需要は減りつつあるし、日本のハイボールのブームもいつまで続くのかわからない。ハードリカーの健康への影響問題が湧き上がる可能性もある。



yuji5327 at 06:44 
新技術 

2015年02月27日

戦後世界的に活躍した日本人

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1位:イチロー
2位:山中伸弥
3位:黒沢明
4位:小澤征爾
5位:湯川秀樹
6位:錦織圭
7位:本さ宗一郎
8位:松下幸之助
9位:宮崎駿
10位:緒方貞子
(読売新聞2015.2.25より)

yuji5327 at 07:12 
池上湖心の書 

共産党の無謬神話は、マルクス・レーニン主義は科学的社会主義であり、科学的に判断や行動をしているから、党内に陰謀や裏切りがなければ常に正しい。


「池上彰著:学校では教えない「社会人のための現代史」池上彰教授の東工大講義、文藝春秋、2013年」が面白い。「Lecture2.ソ連崩壊 社会主義の理想が怖い国になるまで」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.東西冷戦の東側諸国のソ連は、もはや存在しない。「ソビエト」とは「評議会」のことで、ロシア革命の際、革命の中心となったロシア社会民主労働党が、皇帝や議会に対抗して結成した指導機関のことである。このソビエトが全権力を掌握して革命を成功させたことで、国名となった。
2、建前上、ロシアを含めて15の共和国が対等な立場で集まって「連邦」を結成した。実態は、ソ連共産党がすべての権力を掌握し、ソ連の中で圧倒的な国土を擁するロシアが上に立つ構造だった。ソ連がめざした「理想」とは、資本主義に代わる社会主義だった。
3.当時の資本主義経済のもとでは、しばしば恐慌が発生し、労働者は悲惨な生活を強いられていた。恐慌が起きるような景気の変動を抑えるため、経済はすべて国家の計画によって運営することにした。民間企業は金儲けのために労働者を搾取したり、解雇したりすると考え、原則すべての企業を国有化した。こうすれば、不況や失業者は一掃されると考えた。その上で、社会を建設しようとした。これは、「理想」だったが、理想にとどまりました。実際のソ連は、そうはいかなかった。
4.ソ連は世界最初の社会主義国だった。ロシア革命が起きると、資本家が多数処刑され、まったく異なる政治・経済体制の国家が生まれたことに、周辺諸国は危機感を抱いた。なんとか国家体制を転覆させたいと考える勢力も生まれた。ソ連共産党のスターリン書記長は、これに恐怖を感じ、社会主義を推進する上で、「資本主義を宣伝する言論」を禁止した。すべての報道機関は、「社会主義の優位性」を宣伝した。ソ連の体制に抵抗したり、反対したりする個人や勢力は、容赦なく弾圧された。「理想」の国家を目指したはずのソ連は、言論の自由のない、牢獄のような国家に変質した。
5.他の有力指導者たちとの権力闘争を通じて、スターリンは、すべての情報が集まる書記長のポストを有効に使い、書記長に権力が集中する仕組みに変えて、共産党のトップを書記長と呼ぶようにした。これが中国共産党になり、「総書記」という職名になった。スターリンは本名ではなく、「鉄の男」を意味するペンネームである。スターリンは、その名の通り「強い指導者」として、ソ連を引っ張った。
6.ヨシフ・スターリン(1879〜1953)は、やがて世界に衝撃を与えた。スターリンが死去して3年後の1956年2月、ソ連共産党第20回大会でフルシチョフ第一書記の秘密報告が行われた。スターリン死後、後継者のフルシチョフは第一書記の肩書を使用した。北朝鮮の金正日総書記の死後、後継者で息子の金正恩が総書記の肩書を使わずに第一書記の名称を使用したのと同じである。ソ連では、フルシチョフが失脚した後、次のブレジネフが書記長の名称を復活させた。
7.フルシチョフ第一書記の秘密報告により、スターリンの時代が暗黒時代だったことが判明した。1934年のソ連共産党第17回党大会で選ばれた中央委員会の委員と委員候補計139人のうち98人が逮捕・銃殺されていた。大会に出席した代議員1956人のうち、l108人が逮捕・処刑されていた。いわゆる粛清である。
8.スターリンは疑り深い人物で、周辺の人々を決して信用せず、日常の言動の中に勝手に「陰謀」の臭いを嗅ぎ、「人民の敵」として摘発した。スターリンは、取り調べにあたって拷問をするように指示し、拷問に耐えかねて多くの人が「犯行」を認め、処刑されていった。
9.スターリン時代、少なくとも800万人が処刑されたり強制収容所に入れられたりしたと見られている。1200万人から1500万人にも上るという推測もある。粛清は軍隊にも及び、全軍将校の5分の1の数千人が処刑された。第2次世界大戦が始まり、ドイツ軍がソ連に侵攻すると、ソ連軍は有能な将校たちがいなくなっていたから総崩れした。
10.スターリンは、無実の人を粛清しただけではなく、ソ連の農業を崩壊させた。ソ連では1929年からスターリンによる農業集団化が実施された。ソ連は「労働者の国家」。労働者は、生産手段を持っていない。生産手段を持っているのは資本家(ブルジョアジー)であり、労働者の敵だという考え方である。資本家の生産手段を国家が取り上げるのが国有化である。
11.当時のロシアの農民は、広い農地を持っている大規模農家と、その下で農地を借りて農業を営む小作農に分かれていた。農民にとって農地は生産手段である。そこで、農地は国有化されたり、集団農場に集約されたりした。その上で、生産手段を有する大規模農家は「富農」と、富農に搾取されて働く小作農の「貧農」に分類されて、富農は容赦なく
処刑された。富農とレッテルを貼られた900万人が農地を追われ、うち半数が処刑された。
12.農地が集団農場になったことにより、農民のサラリーマン化が進み、午前9時から午後5時まで働けば、あとは知らない、ということになった。この結果、ソ連全土で農業生産性が劇的に低下した。「ロシアの穀倉地帯」と呼ぼれたウクライナでも飢饉が発生した。13.農業集団化失敗の影響は、ソ連だけではなく、失敗は隠され、農業集団化の成功だけが伝えられ、中国でも毛沢東の下で農地が人民公社に集約された。「大躍進政策」と呼ぼれたが、躍進するどころか、農業生産性が急降下。1960年前後の3年間に少なくとも2000万人が餓死した。中国も、この失敗を隠したため、「成功」と考えた北朝鮮が導入して、やはり大量の餓死者を生みだした。さらに、独立を果たしたアフリカ諸国の中にも導入した国があり、こうした国々でも農業生産性が落ち、慢性的な飢餓状態が長らく続いた。
14.スターリンの生存中、ソ連各地にスターリンの銅像が建てられ、個人崇拝が進んだ。レーニン廟の横にスターリン廟が設けられ、スターリンの遺体を拝むことができるようになった。フルシチョフのスターリン批判の後、スターリン像は撤去され、スターリンの遺体は廟から運び出されて埋葬された。
15.中国共産党は「スターリン批判」を認めた。スターリンに対する個人崇拝の批判・否定は、中国国内で進んでいる毛沢東への個人崇拝を否定することになると考え、中国への当てつけだと感じた毛沢東は、ソ連と距離を置くようになり、これ以降、中国とソ連は対立することが多くなり、やがては中ソ対立に発展した。
16.理想の社会を求めたはずの社会主義国家に独裁者が生まれ、個人崇拝の対象になったのは、皮肉なことである。ソ連に限ったことではなく、中国の毛沢東しかり、北朝鮮の金日成と金正日しかり、旧ユーゴスラビアのチトーしかり、ルーマニアのチャウシェスク、アルバニアのホッジャなど多数の例がある。
17.個人崇拝になる理由は、2つの要素がある。「代行主義」と「無謬神話」である。共産党組織は、多数の代議員が集まって大会を開き、中央委員会の委員を選出する。中央委員は多数いるので、日常的な政治判断は、中央委員会の中の政治局が担う。その政治局の中の少数が、密室で判断を下す。実力のあるトップがいれば、周辺の幹部は、トップの判断に従う。こうして独裁的な権力者が生まれやすくなる。報道の自由はないから、判断内容は批判されることなく実行される。国民の自由な意思で選ばれたわけではない分、引け目があるから、「卓越した指導者」というキャンペーンを張って、国民を納得させなければならない。こうして独裁者が誕生する。
18.「無謬神話」とは、マルクス・レーニン主義は科学的社会主義であり、科学的社会主義の党である共産党は、科学的に判断や行動をしているから、常に正しい。指示や命令は科学に基づいているのに、うまくいかないことがあれば、それは党内に陰謀や裏切り、敵の策略ががあるからである。そうした敵を見つけ出して処分すれば、間違いのない共産党は、再び躍進でき、人民の党は間違えることがない、という「思い込み」である。


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2015年02月26日

国連創設七十年

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戦後70年を巡る中国の反日宣伝活動
国連安全保障理事会
国連創設70年公開討論
議長国中国が提案
約80か国の代表が発言
中国の王毅外相
いまだに真実を認めたがらず
侵略の犯罪をごまかそうとする者
韓国の国連大使
歴史の教訓を無視しようとする試み
吉川元偉国連大使
日本は戦後、大戦の深い反省
平和国家としての道


yuji5327 at 12:59 
池上湖心の書 

イスラムに定価がないから近代化不可能という判断は誤り。数百年前のヨーロッパでも定価は存在しなかったが、近代資本主義が勃興した。理由はもっと別のところにある。

日本人のためのイスラム原論
小室 直樹
集英社インターナショナル
2002-03

「小室直樹著:日本人のためのイスラム原論、集英社、2002年」の「第3章:欧米とイスラム、なぜかくも対立するのか」「第1節:十字軍コンプレックスを解剖する、現代世界にクサビ刺す1000年来の恩讐」「イスラムはなぜアメリカを憎むのか」の印象に残った部分の概要を逐次自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.どんなに豊富な情報があったとしても、そこからかならず正しい結論が導き出されるというわけではない。このことに最初に気が付いたのがB・K・マリノフスキーとラドクリフ・ブラウンという2人の人類学者だった。彼らによって、従来の記録重視、つまり帰納法に基づく研究方法が改められ、より科学的な調査・研究手法が導入されることになり、人類学は飛躍的に発展した。そして、その過程で、それまでの研究.がいかに誤りに満ちたものであったかが明らかになった。
2.自然科学において、帰納法はとても重要な推論方法である。たとえば「惑星は太陽をその1つの焦点にする惰円軌道上を動く」というケプラーの法則も、火星の観察記録から帰納的に導き出されたものである。帰納法がなければ、科学の発展もありえなかった。
3.医学や生物学などは、帰納法がなければにっちもさっちもいかない。「すべての哺乳動物は心臓を持つ」という命題を証明するために、地球上の全哺乳動物を一つ残らず解剖するわけにはいかない。だからといって帰納法を無条件に信用するわけにはいかない。帰納法はあくまでも不完全なものであることを.承知していないと、時として大きな判断ミスをしてしまう。
4.イスラム世界で暮らしたという人たちの経験談、体験記は日本でも欧米でも無数に出版されている。それらの中には、まことに貴電なものも多い。しかし、そこで語られている事実がどんなに正確であっても、そこから導き出された「イスラムとは……」「ムスリムとは……」という結論が正しい保証はない。
5.「トルコの市場に行っても、サウジアラビアの市場に行っても、エジプトの市場に行っても、商売している連中はみな異邦人と見れば、値段をふっかける。イスラムの商人には商道徳もなければ、定価販売という観念もない。これだから、イスラムはいつまで経っても近代化できない」という記述はどこまで信用できるだろうか?
6.たしかにイスラム世界の市場には定価という概念はない。日本やアメリカのデパートのように、値札に書かれている値段で買うなんて愚か者のすること。そこからどれだけ値切るかが腕の見せ所である。「イスラムには定価という概念がない」のは事実である。イスラムで欧米流の商道徳は通用しない。
7.「これだから、イスラムは近代化できない」は大間違いである。この人は不幸にして社会科学の知識を持たないために、定価がないことがイスラム社会の特徴であると勘違いし、「こうした悪習あるがゆえにイスラムの近代化は不可能である」と結論付ける。この帰納的推論には二重の間違いがある。
8.定価が存在しないのはイスラムに限らない。香港の市場、インドの市場でも、客は売り手と丁々発止の駆け引きをして買い物する。ここには定価が存在しない。。ここが第一の間違いである。第二に、「定価がない」イコール「近代化不可能」という判断にも誤りである。数百年前のヨーロッパにおいても定価など存在しなかった。ヨーロッパはその後、近代資本主義が勃興した。イスラムが近代化できない理由はもっと別のところにある。




yuji5327 at 06:44 
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2015年02月25日

遠い雪解け日韓

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韓国の朴槿恵大統領
3・1独立運動記念式典演説
旧日本軍慰安婦問題に言及
日本政府の勇気ある決断を訴え
韓国の国際舞台でのロビー活動
活発化させる可能性
日韓関係は一段と冷え込む恐れ。

yuji5327 at 06:55 
池上湖心の書 

ハンガリーのイムレ首相は、ワルシャワ条約機構からの脱退を宣言。ソ連は、戦車2500台などでハンガリーに侵攻し、市民3000人が殺害され、イムレ首相はソ連に処刑された。


「池上彰著:学校では教えない「社会人のための現代史」池上彰教授の東工大講義、文藝春秋、2013年」が面白い。「Lecture2.ソ連崩壊 社会主義の理想が怖い国になるまで」の「ハンガリーとチェコスロバキアの悲劇」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.フルシチョフによるスターリン批判は、極秘のうちに行われた。しかし、党大会には東欧諸国の共産党の代表も出席していたから、次第に東欧諸国に伝わっった。米中央情報局(CIA)が、報告全文を入手し、米国の新聞が報じて、世界に知られるようになった。
2.スターリン批判は、東欧諸国の共産党にも衝撃を与えた。スターリン流の厳しい締め付けをしてきた各国共産党は、スターリン流からの脱却を模索した。国民の反乱が起きたのがハンガリーだった。1956年10月、国民に対する締め付けを緩めるところも出た。ハンガリーで暴動が起き、ハンガリー共産党の改革を求めた学生・労働者の集会に治安部隊が発砲したためである。
3.ハンガリー共産党は改革派のナジ・イムレを首相に任命した。イムレは複数政党制を導入し、ワルシャワ条約機構からの脱退を宣言した。これに対してソ連は11月、戦車2500台、装甲車1000台でハンガリーに侵攻し、ハンガリー市民は手製の武器で応戦した。これが「ハンガリー動乱」である。ソ連軍の攻撃で市民3000人が殺害され、20万人が西側に亡命した。ナジ首相はソ連に逮捕されて処刑された。
4.スターリンを批判したソ連共産党は、市民への抑圧をやめなかった。その後、1968年の春には、チェコスロバキアの共産党が民主化を進めたが、これに脅威を感じたソ連やポーランド、東ドイッなどのワルシャワ条約機構軍が8月に介入し、改革を押しつぶした。これは「プラハの春」と呼ばれた。アラブの民主化運動を「アラブの春」と呼ぶのも、「プラハの春」になぞらえたものである。
5.当時のソ連はブレジネフ書記長だった。彼は、「一国の社会主義の危機は社会主義の危機はブロック全体にとっての危機であり、他の社会主義諸国はそれに無関心ではいられず、全体の利益を守るためであれば、一国の主権は乗り越えられる」という方針を打ち出した。
6.各国の主権尊重や内政不干渉の原則よりも社会主義体制の防衛が上位に置かれた。これは「ブレジネフ・ドクトリン」と呼ぼれた。これ以降、東欧諸国は、勝手な改革がまったくできないままになった。
7.社会主義ソ連は、理想の体制を築いたはずだったのに、実際には機能しなかった。企業はすべて国家のものだから、社員は全員が国家公務員である。倒産の心配はなく、働いても働かなくても給料は同じ。みんな働かなくなる。計画経済なので、消費者の要求にこたえて新製品が生産・販売されるということがない。国民が欲しがらない商品が次々に作り出されるという資源の無駄遣いが行われた。
8.国民の生活必需品は低価格で抑えられた結果、パンの値段が牛や豚のエサより安くなり、パンを牛や豚のエサに回すようなことも起きた。すべて国営企業なので、民間企業同士の競争がなく、技術進歩がなかった。不良品も作りだされ、ソ連末期には、テレビが火を噴く事故が相次いだ。
9.こうしたさまざまな問題があっても、報道の自由がないので、社会の問題点が改善されなかった。共産党幹部すら、ソ連の実態を把握できない状態になっていた。ここに登場したのが、ゴルバチョフ書記長である。54歳。高齢者ばかりの政治指導者が続いてきたソ連で、画期的なことだった。このままではいけないという危機感が、若きリーダーを生み出した。


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2015年02月24日

明るくて日暮の近し春障子

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松永富士見句
長谷川櫂解説
目に見えて日が長くなる
見慣れている部屋の障子
気が付いてみればはや夕暮
光の感覚
(読売新聞2015.2.21より)

yuji5327 at 06:49 
池上湖心の書 

日本とアメリカは北朝鮮の安全保障上の脅威を利用して、日韓関係の改善を図ってきた。アメリカが北朝鮮のミサイルや核開発計画に関する日米韓の軍事情報の共有を打診した。


「ザカリー・ケック著:互いに相手を利用する日本と北朝鮮の外交ゲーム、日朝協議がストックホルムで開かれたのは中国に揺さぶりを掛けるためだった?、Newsweek June 10,2014」が面白い。海外のジャーナリストが見た日朝関係が興味深い。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して、纏めると以下のようになる。
1.スウェーデンのストックホルムで3日間にわたり開催された日朝政府間協議の翌日、日本政府は日本人拉致被害者の安否を再調査することで北朝鮮と合意したと発表した。日本は調査の進展を見極めながら、独自の制裁の解除に動くかもしれない。
2.見逃せないのは、協議の舞台がヨーロッパだったことである。これまでの日朝協議はアジア、特に中国で開かれるのが通例だった。ストックホルムでの協議開催は戦略的な判断だった可能性がある。北朝鮮は最近、日本に秋波を送っている。その狙いの一つが、中国への当て付けだ。習近平体制の中国は、特に核問題に絡んで北朝鮮に厳しい態度を取るようになった。最近も中ロ首脳会談後に発表した共同声明で、北朝鮮の核開発に懸念を表明している。
3.北朝鮮が日中対立の激化している時期に日本へ接近を図るのは、庇護者の中国に対し、北朝鮮への過剰な批判が思わぬ結果を招く恐れがあると警告するためである。一方、日本は北朝鮮という駒を使い、中国の戦略的計算を狂わせ得ることを示そうとしている。日本と北朝鮮が互いに相手を別の目的のために利用しようとするのは、今回が初めてではない。例えば日本の対韓国政策。日本とアメリカは北朝鮮の安全保障上の脅威を利用して、日韓関係の改善を図ってきた。つい最近も、アメリカが北朝鮮のミサイルや核開発計画に関する日米韓の軍事情報の共有を打診したばかりだ。
4.この種の試みは、日韓両国の根深い相互不信でことごとく失敗に終わってきた。それでも日本にとって、北朝鮮は歴史問題で韓国に譲歩せずに関係改善を図るための便利な道具となっている。北朝鮮から見れば、日本は何よりも国内の統治に役立つ道具である。北朝鮮の現体制にとって、「日帝」は統治の正統性の根幹と言っていい。北朝鮮の憲法序文に「金日成同志は不滅のチュチェ思想を創始し、その旗の下に抗日革命闘争を組織、指導して栄えある革命の伝統を築き、祖国解放の歴史的偉業を成し遂げ、(中略)朝鮮民主主義人民共和国を創建した」とある。
5.日帝は、韓国との関係を考えても多くの利点がある。まず、米韓関係を日帝時代から続く外国による支配の延長と位置付け、韓国政府の正統性に疑問を投げ掛けることができる(北朝鮮は自分たちこそ朝鮮半島全体の正統政府だと主張している)。
6.同時に日帝支配に対する根深い怒りを強調して、韓国側と共通の基盤に立つという手も使える。北朝鮮専門の情報サイト、NKニュースは「反日は、南北朝鮮が団結できる数少ないテーマの一つかもしれない」と言う。
7.日韓併合100年に当たる2010年、日本政府が過去の植民地支配を韓国に謝罪すると、国営朝鮮中央通信はすかさず日帝支配の悪辣さをあげつらい、謝罪が不十分だと主張した。「日本帝国主義は歴史上最も苛烈な植民地支配を朝鮮に押し付け、言語に絶する不幸と苦難、災厄を朝鮮人民にもたらした。日本は朝鮮人民に侵略行為と人道に対する犯罪を誠実に謝罪し、完全な賠償を行うべきである」と言う。いずれにせよ北朝鮮も日本も、もっぱら第三者へのアピールやポーズのためにお互いを利用している。




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池上技術士事務所の紹介
261-0012
千葉市美浜区
磯辺6丁目1-8-204

池上技術士事務所(代表:池上雄二)の事業内容
以下のテーマの技術コンサルタント
1.公害問題、生活環境、地球環境
2.省エネ・新エネ機器導入
のテーマについて、
・技術コンサルタント
・調査報告書の作成
・アンケート調査・分析
・技術翻訳、特許調査
を承ります。
有償、無償を問わず
お気軽に下記にメールをください。
ke8y-ikgm@asahi-net.or.jp

工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
騒音防止管理者の資格で
お役に立ちたいと思います。

池上湖心プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山(文化功労者)に師事
書象会理事、審査会員
公募展出展
〇謙慎展・常任理事
・春興賞受賞2回
・青山賞受賞
〇読売書法展理事
・読売奨励賞受賞
・読売新聞社賞受賞
〇日展入選有

書道教室(自宅)
・学生:月曜日
・一般:火曜日、水曜日



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