2015年09月
インドでは毎日、学校で学ぶべき数千万人もの子供たちが、仕事に送り出されている。必要に迫られてのことである。国民の5人に2人が絶望的貧困に暮らす。
「ジェシカ・ウイリアムズ著:酒井泰介訳、世界を見る目が変わる50の事実、草思社、2006年」はためになる。「インドでは4400万人の児童が働かされている」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.インドでは毎日、学校で学ぶべき数千万人もの子供たちが、仕事に送り出されている。必要に迫られてのことである。国民の5人に2人が絶望的貧困に暮らすこの国で、家族の衣食をまかなう金を稼ぐのはむずかしい。カースト制度に加えて教育の普及も遅れているために、条件のよい仕事は得がたく、子供たちは家計の足しに働きに出される。与えられる仕事はたいてい危険で、労働条件は非人間的と言っていい。
2.インドではどれだけの子供が働いているのかを知ることさえむずかしい。インド政府は、5歳から14歳までの子供で常勤で働いているものは1260万人と発表している。国際労働機関(ILO)では、4400万人の児童労働者がいると推定し、非公式な推計では1億人にも上るという。これは5歳から14歳の未就学児童の数とほぼ同じである。どちらの推計が真実に近いのであれ、インドで無数の子供たちが働いているという事実は変わらない。そのために、彼らの教育、健康、そして将来が損なわれている。
3.ILOの推計では、世界中で5歳から7歳までの児童労働者は2億4600万人いる。そのう
ち、1億7100万人は危険な環境で働いている。およそ840万人は、ILOの言う「最悪の形態の児童労働」:強制や借金のかたに取られての労働、武力紛争、売春や児童ポルノなどの違法活動に携わっている。
4.児童労働は発展途上国だけの問題と片づけられない。英国サリー州では、学生が1日16時間も「ファストフード搾取工場」で働いていた実態が明らかになった。米国では、5歳から18歳までの子供たちが80万人も季節農場労働者として働いており、ここでは子供を10歳から合法的に雇うことができる。
5.教育機会を限定し、健康や福祉を損なう有害な児童労働には、何とか手を打たなければならない。しかし、ただたんに貿易制裁を課したり、雇用者に児童労働を使うなと圧力をかければ事がすむわけではない。子供たちは雇用者から解放されても、やはりお金を稼がなければならない。途上国では輸出産業が偏っていることが多く、結局そこで雇われている子供たちに破滅的な結果をもたらしかねない。バングラデシュの衣類工場で働くモイナは10歳で両親がいないが、米国上院によるボイコット決議によって職を失った。5万人の子供が職を失なった。
6.ラグマーク財団などの支援運動も、子供たちを危険な仕事から救い出すうえで、非常に有効である。ラグマークでは絨毯メーカーや貿易商とのあいだで、児童労働を使わないという協定を結んでいる。こうした工場は、独立機関によって協定遵守の監査を受ける。そして絨毯の販売代金の一部は、かつて児童労働に従事させられていた子供たちの更生と教育に充てられている。
日本の大学入試制度を憎むのは、人間の可能性を潰しているからである。いい大学に入れれば、いい生活ができるという幻想で、子供たちは、受験勉強をさせられている。
「中村修二著:怒りのブレイクスルー、集英社、2004年」の「はじめに」の「日本の悪いところをどんどん発言していこう」の小節は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.中学・高校時代、先生の教えをまじめに聞き、学校から「大学受験がすべてだ」と言われれば、疑問を抱くことなく、いい大学から会社へ入ることを目指して勉強している。こうしたことを思い返してみると、社会人になってからの私は、日本の教育制度の呪縛からまだ抜け切れていなかった。
2.娘たちができると、彼女たちが次第に受験制度、教育環境のなかで押し潰されていくのがわかった。小学校の低学年あたりから、急に外で遊ぼなくなり、「なぜ外で遊ばないのか」と聞くと「遊び相手がみんな塾へ通ってしまって相手がいない」と答えた。塾へ行けば遊び相手がいるので仕方なく娘たちも塾通いである。
3.自分の好きなこと、やりたいことがあるのに、勉強ばかりしなくてはならない。将来の夢をあきらめ、勉強に押し潰されていく娘たちを見ると、日本の教育制度に対する強烈な怒りで腹が立った。自分自身の非力さを情けなく思った。
4.これほどまで日本の大学入試制度を憎んでいるのは、「人間の個性と可能性を窒息させているシステム」だからである。いい大学に入れれぽ、いい会社に行け、いい生活をおくることができるという幻想のもと、日本の子供たちは、小さいころからずっと受験勉強をさせられて育っていく。
5.現状では、たった1回の入試でいい点を取れるかどうかで、ほとんどすべてが決まる。その試験は暗記物中心、知識偏重のものでしかない。考えて解決方法を探り出したり、知恵を絞って新しい発見をしたりする能力を評価するものではない。1度の暗記試験だけで、人間を評価することなど不可能である。暗記の得意な子供もいれば、じっくりと考えることが好ぎな人間もいる。
6.ひとりでものごとを判断し、ひとりでなにかを達成できるということは、とても大切な能力である。教育とは本来、その人間の能力や才能、得意分野をより伸ばしてくれるものであるはずである。暗記物偏重の大学入試では、暗記物が得意な人間だけしか合格できない。暗記などは、
コンピュータにでもやらせておけばいい。
7.独創的な個人は、この世界にたくさんいる。ひとりの天才が革新的な偉業を達成し、企業を興したり歴史を変えたりする。社会には、こうした「独創的個人」や「ひとりの天才」を生み出すことも必要である。今の日本からは、もう生まれてこない。
8.明治維新後、日本はずっと先進諸国の「下請け」をしてきた。これは、企業社会と同じような構造である。先進国がすでに旨味を吸い尽くした製品を、下請けの日本が、改良したりコストを削減したりして、やっとの思いで利潤を絞り出し、作り続けてきた。自らはあまり画期的な新製品を生み出さなくてもよかった。改良して製造単価を削って安くていいものを作るためには、天才的な頭脳はあまり必要ない。画期的な新製品を作り出す「ひとりの天才」より、よってたかって技術改良するための「百人の秀才」が求められ、個性的な「天才」は、組織の和を乱すという理由で敬遠される。
9.平均的な知識や知力を持ったサラリーマンを大量に必要とする。そうでなけれぽ、欠陥品が少なく品質のよい製品を大量に生産することができない。モノ作り分野は比較的、簡単である。米国で考え出された基礎理論をもとにして、改良している技術だからである。パテントなどの権利関係は、こうした開発国に握られているので、せっかく改良して製品化しても莫大な特許使用料を払わなければならない。
1970-80年代のジンバブエには、過酷な食糧事情でも飢饉を避る能力があった。しかし民主主義が停滞し、専制主義の今日のジンバブエは、大変な飢饒の脅威にさらされている。
「ジェシカ・ウイリアムズ著:酒井泰介訳、世界を見る目が変わる50の事実、草思社、2006年」はためになる。「世界では七人に人が日々飢えている」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.12世紀に入り、富裕国では科学や医学の発展のおかげで長く充実した暮らしが望めるようになったのに、なぜまだこれほど多くの人々が飢えなければならないのか。この数字の意味は重い。いまも8億人が飢え、慢性的な栄養失調は20億人に上る。飢餓関連の疾病による死者は毎年1800万人。20億人は微量栄養素が不足し、これは慢性的な健康問題を生む。5歳未満の子供の死(毎年1000万人に上る)の半分は栄養失調に関係している。飢謹は、極端な食糧不足が多くの人を襲う状態だが、飢餓は何年も続くこともあり、長期的には飢饒と同じほど破滅的な影響をもたらす。世界保健機関(WHO)は、貧しい人々を取りまく諸問題のなかでも、飢餓と栄養失調が最も深刻という。
2.意外にも、飢餓の原因は食糧不足ではない。地球上では、毎年、全人類が充分に食べていけるだけの食糧が生産されている。均等に分配すれば、誰もが充分に食べていけるのだ。栄養学者は、健康を保つには、1日当たり2500カロリーが必要という。アメリカ人は平均して1日3600カロリーを摂っているが、ソマリアでは1500カロリーにすぎない。
3.世界全体では、食糧の需要と供給はこれまで足並みをそろえて伸びてきたし、必需食品である米などの穀物の価格は下がっている。それなのに、これほど大きな問題が起きている理由について、飢餓の原因の世界最高権威の一人であるノーベル賞を受賞した経済学者アマルティア・センは言っている。飢餓が起きるのは一国が食糧を生産できないからではなく、それを買えないからである。
4.貧しい人々は食糧を買いつづけるだけの金も、自給自足のための資源も持っていない。セン教授は、問題は政治にある。飢饉は民主政権の不安要因にもなるが、民主主義が存在しない社会では、政府は問題に取り組もうともしない。1970年代と80年代のジンバブエには、きわめて過酷な食糧事情でも飢饉を避る能力があった。しかし民主主義が停滞してしまった今では、かつてのような能力は弱まった。専制主義が進んだ今日のジンバブエは、大変な飢饒の脅威にさらされている。
5.武力紛争も、食糧保障に大きな負担となる。国連食糧農業機関(FAO)では、2001年にはアフリカの18カ国が食糧危機に見舞われたと発表した。そのうち8力国は武力紛争中であり、さらに3力国はその余波に苦しんでいた。戦時になれば、政府は食糧生産から戦争遂行に資源を振り向ける。食糧流通網や輸送網も寸断され、戦闘地域ではすぐには自給自足農業もできない。戦渦に巻きこまれた1995年のルワンダでは、農民の4分の3が土地を追われ、収穫は半減した。
6.飢えが戦闘手段に使われることもある、兵糧攻めのために貯蔵食糧を強奪したり援助食糧を横取りする。地雷が埋められたり、飲用水が汚染されることもある。戦禍を受けると、食糧生産の回復は不可能だったり、困難になる。アフリカ南部や西部、中央アメリカでは、何世代もがもっぱら武力闘争に明け暮れ、耕作技術をまったく身につけていない。彼らが知る唯一の現実は紛争であり、唯一の教育は戦闘技術である。
7.伝統的な農法が失われているこうした地域は、ひどいエイズ禍に見舞われている地域でもある。栄養が不足するとHIVに感染してからもエイズを発症しやすく、免疫系が弱って疾病にかかる危険も高まり、死亡率が高まる。親が感染した一家は、いずれ貴重な収入も失い、医療費や埋葬費のために家畜などの財産も売らざるをえなくなる。女性が夫を失っても土地を相続できない社会もあり、こうなると家族は農地を失ってしまう。幼い子供が働いたり病人の世話をするために教育をあきらめなければならないこともある。世代間で伝承されるべき知識も失われかねない。
8.病気の流行や戦禍である。でに疲弊している国にとって、干魃や洪水などの天災はさらに大きな打撃となる。社会腐敗や悪政のために食糧輸入ができず、一時的な食糧不足も飢態に直結する。きちんと食べられることは基本的人権で、飢餓は国の経済発展の大きな妨げである。ちゃんと食べていれば仕事にも取り組みやすく、収入も増える。農業労働者の摂取カロリーを平均50%向上させると、農産物の収量は16.5%上がったという調査結果もある。。
9.豊かな先進諸国には、膨大な余剰作物がある。価格維持のために余剰作物を破棄することもある。多くの余剰作物は貧困国への援助となるが、長期的な解決策にならない。問題は、貧困の原因に取り組むことで、国民所得を上げて、貧しい人々やその政府に、必需品を買う力をつけさせることである。
10.アフガニスタンでは、先進国からの援助食糧の配給に加え、種や肥料、そして農機具を与えて自ら耕作させる活動をしている。こうした努力で、2003年の収穫は前年より50%も増えた。しかし、国連が膨大な小麦をアフガニスタンに送りつづけて小麦市況を低迷させたため、農民たちは、アヘンなどもっと実入りのいい作物の栽培に転じた。貧困国を他国からの施しに依存させるのではなく、飢餓を克服するために少しでも自立を促すよう、国際的に協力することである。だ。飢餓が軽減されれ
11.飢餓軽減の最も大切な要素の一つは、教育と考えられている。世界中で3億人の貧しい子供たちが学校にも行けないか、欠食児童となっている。この問題への何よりの対策は基礎教育の拡充である。成人の識字率が40%の国では、一人当たりの国内総生産(GDP)は平均して210ドル。一方、識字率が80%を超えると、1000ドル以上にもなる。最低4年間の教育を受けた農民は、生産性が最大10%高い。教育が普及すれば少子化も進み、食糧問題も緩和される。
12.WHOなどの国際機関では、適切な栄養と健康は基本的な人権と訴えている。また、飢餓の克服は貧困国の発展も促す。20世紀の健康革命に乗り遅れた多くの人々を助けるために、強い人権アプローチが必要と訴えている。飢饒の犠牲者は、時おりメディアの注目を浴びるが、飢餓のほとんどの犠牲者は忘れ去られている。これは国際的努力が必要な大問題であり、すべての人の責任である。
日本の大学入試をすぐに全廃すべき。どの大学にも自由に入ることができ全員入学する。進級試験、卒業試験はメチャクチャ難しくてもかまわない。
「中村修二著:怒りのブレイクスルー、集英社、2004年」の「はじめに」の「日本の悪いところをどんどん発言していこう」の小節は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.CPU(中央処理装置)というコンピュータの頭脳部分の研究では、米国にはかなわない。米国人は、こうした頭脳を使ってモノを作るのが得意で、システム全体のことを考えなけれぽならないので、日本のように秀才がいくらいてもできない。ひとりでもいいである。から、天才がいなけれぽどうしようもない技術なのである。。
2.これから日本が生き残る道、資源もない国が、製造業以外の分野で1億2千万人以上の国民を養っていくには、欧米のように知恵で稼いでいくしかない。コンピュータでもバイオテクノロジーでも、これまで日本は欧米が考えついた技術に、莫大なパテント料を支払って、実際の製品を作ってきた。経済大国と言われながら、国民がなかなか豊かになれない原因の一つは、いくら製造業で儲けてもパテソト料を持っていかれてしまうことにもある。
3.日本の大学入試をすぐに全廃すべきである。大学入試をなくせば、行きたい人間はどの大学にも自由に入ることができる。東大医学部でも京大法学部でも全員入学にする。もちろん最初の何年かは、有名大学ぼかりに殺到するが、本人に一筆書いてもらっておけぽ、学生から文句が出るはずはなく、嫌ならやめればいい。数年で入学人数の極端な偏りは落ち着く。進級試験、卒業試験はメチャクチャ難しくてもかまわない。学生が好きで選んだ学問分野なのである。。最先端の知識が問われるような、やりがいのある試験のほうが喜ぼれる。
4.誰でも受けられるけれど、最高に難しい卒業試験を毎年実施し、合格すれぽ一年生でも卒業させる。試験に落第すれぽ、その場で退学。東大中退なんて、恥ずかしくて人に言えなくなる。「入ること」自体を目的にしている現在のシステムは壊れる。東大へ行くことが目的ではなく、東大で「なにをどれだけ勉強したか」や「卒業できたかどうか」が問題になる。
5.大学入試を全廃したら、小中学生対象の学習塾がなくなる。入学試験というものは「落とすため」の試験である。。続けるうちに、中学・高校は大学入試の塾、予備校になっていく。いい大学に入るために、いい高校へ、いい中学へと不毛なイタチごっこはエスカレートし、有名幼稚園入試のための塾までできる始末である。単に落とすための大学入試がなくなれば、結果として学習塾も消滅。(課題は塾経営者と官僚など既得権益者と戦いである)。
6.人間というのは、ある時期が来れば、自然にいろいろなことに興味を持つ存在だから、理科系ぼかり勉強してきた学生も、「宇宙はいったいなぜ生まれたのだろうか」とか「人間の意識は脳から出てくるのだろうか、それとも、心という抽象的な存在があるのだろうか」とか「物質をどんどん小さく分解していくと、なにが残るのだろうか」とか「そのためには本を読まなければ」とか。文系の学生も同じで学問を追究していけば、理系文系の区別など、あまり考えなくなる。
7.教育関係者や役人が、こうした個人的なことにまで首を突っ込むべきではない。すべて自分で決める。がんぼって勉強した一部のエリートと落ちこぼれた人間へ二極分化や、貧富の格差もなくなる。小学校の低学年から、塾へ通ったりして遊ぶ時間を削るようでは、まったく好きなことができずに一生を終えることになる。大学入試をなくせば、みんな自由に競争し、むしろいい方向へ向かう。
8.国際学会へ出るようになってから、自分の視野は大きく広がった。それまでは「なんでも日本が一番だ」と思い込んでいたが、米国へ行き、たくさんの人の意見を聞いていると「日本は変な国だ」と思うようになった。
9.大学入試制度に対する疑問をきっかけにして、日本の閉鎖性や特殊性に気づぎ、世界との差を相対的に見つめることができるようになった。外から眺めてわかったことは、日本がちっぽけで、くだらない国だという事実である。社会の価値観も画一的で、それを無理矢理に押しつけてくる。人を見かけで判断し、肩書きが幅をきかせている。民主主義が機能せず、真の意味の自由はない。政治家は、老人や二世議員ばかりで、社会を良くしていくことより、自分たちの既得権益を守ることに一生懸命である。
10.リーダーシップを発揮できる政治家も皆無で、誰もリーダーになりたがらないし、リーダーシップに対する尊敬の念もない。発言したら損でもするかのように沈黙を守る子供ぼかりを作る日本の教育制度では、リーダーを育てられない。行政府も似たり寄ったりで、受験秀才のキャリア官僚がはびこり、貧困でみじめな発想で税金を無駄遣いしている。
11.マスコミも同罪で、わかりにくい言葉で政治を語り、国民に真実を知らせようとしない。自分たちに都合の悪いニュースは伝えず、保守政党並の自浄能力さえない。学問の場でも同じで、公に役人を批判することもできず、大学では指導教官に気をつかい、若い研究者は自分の意見を言えない。
公明党は事例も参考にしながら、落とし所を明確に示すべきである。このままいけば、最終的には安倍首相による「白紙撤回」になることはまず間違いない。
9月25日付けの 大前研一さんの「 ニュースの視点」(発行部数 178,378部)は「消費増税対策・地熱発電の話題について」と題する記事である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.財務省は8日、消費税率を2017年4月に8%から10%に引き上げる際の負担緩和案を、自民、公明両党に正式に示した。税率10%を課した上で「酒類を除く飲食料品」(外食を含む)の軽減分として所得に関係なく、1人あたり一律年4,000円程度を給付するというもので、買い物記録を集約するデータセンターの新設などインフラ(社会基盤)整備に約3,000億円を投じる方針である。
2.安倍首相は将来「白紙撤回首相」の名が残る。エンブレム問題やキールアーチ問題と同様、この施策も絶対に前へ進まない。消費税の増税分2%への軽減税率というのは公明党が要求していたことで、これに上手く乗じたのがサイバーゼネコンである。
3.住基ネットでいかさまのシステムを作り上げたサイバーゼネコンに言わせれば、「マイナンバー」「ビッグデータ」の活用などということになるが、無駄である。買い物全てに番号を振ってトラッキングデータを取得し、そこから食料品データを抽出し、1年間の総額を算出する。
4.その1年間の食料品総額が仮に50万円と想定すると、2%で1万円を還付することになり、ざっと見積もって1兆5000億円足らないと言うのは笑い話である。公明党の議員に、施策を提言するのなら「具体的に、こうやって税率を下げろ」という点まで踏み込んで話をするべきである。
5.例えば、生活必需品をリストアップして定義して、最初から10%ではなく8%にしておけばそれでも良い。上限4000円というならば、対象者を定義してリストアップし、その人たちに対して一括で手当として支給すればおしまいである。わざわざ、巨額のシステムを作る必要はない。
6.マイナンバーという言葉に踊らされて、リンクしているのも問題である。マイナンバーは全員必須というものではない、ということになっている。しかし、買い物のたびに提示が必要となると話は変わる。子供のおつかいでも必要となると、かなり面倒である。そこまでしてマイナンバーを作っても、余計に自分の個人情報が漏洩する可能性を懸念する人が増える。
7.米国の例で言えば、「フードスタンプ」制度になるが、こちらを研究するのも良い。対象者に配布されるフードスタンプでは、1ヶ月に120ドルまで食料品のみが購入できるようになっている。問題は、人口の約5分の1にあたる4,600万人の対象者に年間1人あたり17万円〜18万円の負担をしなければいけない。また、フードスタンプを転売して現金を得ようとする人もいる。
8.公明党はこうした事例も参考にしながら、どこに落とし所を持っていくのかを明確に示すべきである。このままいけば、最終的には安倍首相による「白紙撤回」になることはまず間違いない。
9.政府は地熱発電所を建設しやすくするため規制を見直す方針を明らかにした。火山などがあり地熱資源が豊富な国立・国定公園内に建てる場合の高さ制限を緩め、採掘費用を国が補助する額も現在の2分の1から4分の3に引き上げるとのことである。潜在的な地熱大国である日本において、未だにこんな議論をしているとはあまりに「遅れすぎ」である。
10.地熱発電所は、火力発電所などに比べると1つずつの単位が小さいのが特徴である。また、査定・認定・環境評価など10年ほどの期間を要する。これらを考慮すると、まず民間企業が請け負うことは無理である。
11.日本の再生可能エネルギーの代表格ソーラー発電も地表が汚れるなどの問題も指摘されていて、風力発電にもノイズや鳥の死骸問題などがある。大前氏は以前から地熱発電にもっと力を入れるべきだと提言してきた。今回の政府方針で地熱発電について「少し前進」したと言えるが、もう少し力を入れて進めて欲しい。
1.財務省は8日、消費税率を2017年4月に8%から10%に引き上げる際の負担緩和案を、自民、公明両党に正式に示した。税率10%を課した上で「酒類を除く飲食料品」(外食を含む)の軽減分として所得に関係なく、1人あたり一律年4,000円程度を給付するというもので、買い物記録を集約するデータセンターの新設などインフラ(社会基盤)整備に約3,000億円を投じる方針である。
2.安倍首相は将来「白紙撤回首相」の名が残る。エンブレム問題やキールアーチ問題と同様、この施策も絶対に前へ進まない。消費税の増税分2%への軽減税率というのは公明党が要求していたことで、これに上手く乗じたのがサイバーゼネコンである。
3.住基ネットでいかさまのシステムを作り上げたサイバーゼネコンに言わせれば、「マイナンバー」「ビッグデータ」の活用などということになるが、無駄である。買い物全てに番号を振ってトラッキングデータを取得し、そこから食料品データを抽出し、1年間の総額を算出する。
4.その1年間の食料品総額が仮に50万円と想定すると、2%で1万円を還付することになり、ざっと見積もって1兆5000億円足らないと言うのは笑い話である。公明党の議員に、施策を提言するのなら「具体的に、こうやって税率を下げろ」という点まで踏み込んで話をするべきである。
5.例えば、生活必需品をリストアップして定義して、最初から10%ではなく8%にしておけばそれでも良い。上限4000円というならば、対象者を定義してリストアップし、その人たちに対して一括で手当として支給すればおしまいである。わざわざ、巨額のシステムを作る必要はない。
6.マイナンバーという言葉に踊らされて、リンクしているのも問題である。マイナンバーは全員必須というものではない、ということになっている。しかし、買い物のたびに提示が必要となると話は変わる。子供のおつかいでも必要となると、かなり面倒である。そこまでしてマイナンバーを作っても、余計に自分の個人情報が漏洩する可能性を懸念する人が増える。
7.米国の例で言えば、「フードスタンプ」制度になるが、こちらを研究するのも良い。対象者に配布されるフードスタンプでは、1ヶ月に120ドルまで食料品のみが購入できるようになっている。問題は、人口の約5分の1にあたる4,600万人の対象者に年間1人あたり17万円〜18万円の負担をしなければいけない。また、フードスタンプを転売して現金を得ようとする人もいる。
8.公明党はこうした事例も参考にしながら、どこに落とし所を持っていくのかを明確に示すべきである。このままいけば、最終的には安倍首相による「白紙撤回」になることはまず間違いない。
9.政府は地熱発電所を建設しやすくするため規制を見直す方針を明らかにした。火山などがあり地熱資源が豊富な国立・国定公園内に建てる場合の高さ制限を緩め、採掘費用を国が補助する額も現在の2分の1から4分の3に引き上げるとのことである。潜在的な地熱大国である日本において、未だにこんな議論をしているとはあまりに「遅れすぎ」である。
10.地熱発電所は、火力発電所などに比べると1つずつの単位が小さいのが特徴である。また、査定・認定・環境評価など10年ほどの期間を要する。これらを考慮すると、まず民間企業が請け負うことは無理である。
11.日本の再生可能エネルギーの代表格ソーラー発電も地表が汚れるなどの問題も指摘されていて、風力発電にもノイズや鳥の死骸問題などがある。大前氏は以前から地熱発電にもっと力を入れるべきだと提言してきた。今回の政府方針で地熱発電について「少し前進」したと言えるが、もう少し力を入れて進めて欲しい。