2016年12月

2016年12月26日

小学英語18年度から

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文部科学相の諮問機関
中央教育審議会」(会長=北山禎介・三井住友銀行会長)
小中高校の2020年度以降の教育内容
次期学習指導要領の基本方針
小学校の英語
18年度から先行実施


yuji5327 at 06:48 
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中東の危機はシリア周辺のすべての国々の社会的・民族的緊張を高めている。常任理事国入りを目指すドイツ、インド、日本、ブラジル、エジプトは今こそ外交力を発揮すべきである。

「アンマリー・スローター(ニューアメリカ財団CEO)著:シリア危機を解決できる国は、
Newsweek34, 2015/11/24」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.中東の危機はシリア周辺のすべての国々の資源を圧迫し、社会的・民族的緊張を高めている。アメリカとロシアをはじめ、中国を除く国連安全保障理事会の常任理事国はそこに巻き込まれつつある。常任理事国入りを目指すドイツ、インド、日本、ブラジル、エジプトは今こそ外交力を発揮すべきである。
2.ロシアとアメリカは敵味方が複雑に入り乱れる内戦でそれぞれ異なる一派に肩入れし、相手の出方を探っている。ジョン・ケリー米国務長官は多国間協議を開催するため、ロシア、サウジアラビア、トルコに参加を呼び掛けてきた。国連のシリア特使、スタッファン・デミストゥラが、複数の作業部会を設置した。常任理事国入りを目指す国々はロシアのウラジーミル・プーチン大統領を説得すればいい。
3.ドイツはヨーロッパの難民聞題を解決するには流出のもとを絶つしかないと気付いて、周辺国との折衝を始めている。フランクワルター・シュタインマイヤー独外相はトルコを訪問。トルコのEU加盟プロセスの後押しと引き換えに、難民問題での協力を要請した。
ドイツの外交政策の第一人者、フォルカー・ペルテスはデミストゥラの作業部会の1つで議長を務めることになっている。
4.日本やインドはまだ行動を起こしていない。インドは南西アジアと貿易、エネルギー、投資の結び付きを強化すれば、多大な恩恵を受けられる。イランの核問題での合意成立を受けて、インドはイラン、パキスタンと自国を結ぶ天然ガス・パイプラインの建設計画の再開を検討している。しかし、シリア内戦が終結し、イランがイスラム教シーア派組織ヒズボラへの支援をやめない限り、再開は絶望的である。
5.インドはイランと長期にわたる文化、社会、政治、経済的な交流があり、強固な結び付きを持つ。しかも、イラン南東部のチャーバハール港の改修工事に投資しており、アサドに圧力をかけるようイラン政府に要請できる立場にある。インドはロシアの武器の主要な輸出先でもあり、ロシアを通じてアサドに圧力をかけることも可能である。
6.日本も、安倍政権はイランとの関係強化にカを入れている。狙いはイランの石油と天然ガスである。日本とイランの外相が会談し、2国間の投資協定締結で大筋合意した。日本はイランが核合意で決まった措置を迅速に履行することを望んでいる。履行が確認されて経済制裁が解除されれば、対イラン貿易拡大で大きな恩恵を受けられる。
7.イランが国際社会に真に復帰するには、地域で建設的な役割を果たす必要がある。日本は、イランにそう忠告すべきである。日本とインドが自国の利益のためにシリアの和平プロセスに貢献すれば、中国も負けてはならないと危機の解決に協力する。ブラジルは、ロシアと親密な関係にあるばかりか、トルコとも結び付きがあるので、貢献できる立場にある。膠着状態にあったイランの核協議でトルコと共に交渉の進展を仲介した。シリア政府は樽爆弾や化学兵器で何万人もの自国民を殺害しており、明らかに国際社会が介入すべき状況になっており、ブラジルは介入方法を提案できる。
8.エジプトは、シリアの反政府勢力にテコ入れしているサウジアラビア、ペルシャ湾岸諸国との結び付きが強い。エジプトのアブデル・ファタハ・アル・シシ大統領はシリア内戦の包括的な政治解決の必要性を説く一方で、暗黙のうちにアサドに肩入れし、同時にテロ組織ISの脅威を危惧してもいるので、アサドに圧力をかけて譲歩を引き出すエジプトの外交手腕が期待できる。



yuji5327 at 06:41 
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2016年12月25日

寝顔見しのみの見舞いよ冬薔薇

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たかおさむ句
長谷川櫂解説
お見舞いはうれしい
病人には大変なこと
すやすや就寝中
安らかな寝顔に
安心して帰る
こまやかな心づかい
(読売新聞2016.12.22より)

yuji5327 at 06:50 
池上湖心の書 

アベノミクスの成果を否定するのは、新卒者が就職難だった時代に戻れと言うことだ。国民生活から見ると、雇用と生産の確保が第一に重要で、物価上昇はむしろマイナスである。

「浜田宏一インタビュー、金融緩和を続けながら、シムズ論文で考えが変わった、
エコノミスト、2016.12.27」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.アベノミクスで日銀が掲げた「物価上昇率2%」の目標は達成されていない。アベノミクスは当初、効果があつた。雇用者数は増え、企業収益は改善し、大企業を中心に賃上げの動きも広がって、政府の税収も増えた。
2.アベノミクスの成果を否定する論者は、新卒者が就職難だった時代に戻れと言っているのと同じである。国民生活から見ると、雇用と生産の確保が第一に重要で、物価が上がるのはむしろマイナスである。ただし、物価を上げないと雇用、生産に抑制効果が出てしまうので、物価目標は、雇用、生産向上の手段となる。
3.初期のアベノミクスで効果が出たのは、一義的には量的緩和が円レートの下落と結びついていたからだが、その後は、米人統領選でのトランプ氏当選までは、金融緩和が円安に結びつかなかったため、この1年間、量的緩和の効果が頭打ちになってきた。円市場が動く時には金融政策だけで十分な収穫があったが、金利がほぼゼロの状況の中で、景的緩和の効果が薄れる。
4.対策で一番よいのは、金融緩和を続けながら政府が財政支出、あるいは減税をすることである。そうすれば、需要が増えて金利が上がる。通常は、公共投資増による公債発行増大に伴う利子率上昇が民聞投資を阻害する「クラウデイング・アウト」効果が出てしまうが、同時に金融緩和も継続すれば、金利上昇を抑えられる。金融緩和で財政政策の効果を強化できる。
5.クリストファー・シムズ米ブリンストン大学教授が発表した論文を知り、考えが変わった。シムズ教授は日本の現状について「金利がゼロに近い状況で金融緩和は効かず、マイナス金利の深掘りも金融機関のバランスシートを損ねるが、財政出動も併せて行えば効果はある」という指摘をしている。それは政府、日銀を除く国民のバランスシートを考えると自然な発想で、財政政簗も重要である。
6.量的緩和という薬Aが最も日本経済に効くと考え、金融政策を進めてきた。そしてそれがアベノミクス初期には予想以上に効いた。患者の状況が変化したので、これから財政政策という薬Bも併用したほうがAの効果も強まると言っている。アベノミクス初期にはAだけでもこれだけ効いたのだから、Aだけを勧めたことを批判されるのは心外である。
7.財政出動というが、国と地方を合わせた債務残高は、国内総生産(GDP)に対して200%を超え、日銀の国債買い入れの限界も指摘されている。日本の負債の総額から資産を引くネットで考えれば、130.〜140%くらいで、財政赤字は拡大解釈されている。財政赤字は国民の消費の拡大のためにデフレの時は必要だという学説もある。
8.米国債の購入も、事実上の為替介人だとして米国は文句を言うかもしれない。特にトランプ氏はそういう問題に派手に反応する。トランプ氏は中国と日本を「為替操作国」と主張していた。現在の日本は「為替操作国」ではない。学者としては、為替は金融政策で決めて介入しないというのが基本的な立場だが、日本の通貨当局が何もしないと、ヘッジファンドなどが投機的な円買いをしてくるので、短期的、投機的な乱高下を防ぐために介人してもいい時はあ.る。
9.トランプ氏はTPPにも反対している。米国実業界にとって、TPPほどうまい話はなかった。共和党も建前上、オバマ大統領の政治的成功を認めたくないので、どこかで「本音」に戻るには、何か儀式が必要で、TPPがだめでも、同じような貿易協定ができないかを米国が考える余地はある。。
10.トランプ氏は大統領に再選されたいと思うから、次の選挙にマイナスになることはしない。政策が極端な方向にいく歯止めになり得る。米国が財政出助をすれば景気もよくなり、日本経済にも波及するので、目先は楽観的だが、トランプ政権は矛盾だらけの政策を追求しそうなので、予想外の波乱もある。



yuji5327 at 06:42 
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2016年12月24日

五輪経費

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東京オリンピック・パラリンピック
大会の経費が最大1兆8000億円
東京都、組織委員会、政府、IOC
4者協議では組織委員会
新国立競技場など恒久施設の整備費
9500億円
関係団体の負担
組織委員会森会長、
武藤事務総長(元官僚)人事の失敗


yuji5327 at 06:39 
池上湖心の書 

日本は欧米に比べて20年〜30年遅れている、日本はブルーカラーの生産性が高いが、ホワイトカラーの生産性が落ちる。

12月23日付けの大前研一さんのニュースの視点は「労働生産性・AI研究・塗料大手・中国自販機市場 〜日本はホワイトカラーの生産性が低い 」と題する記事である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.日本生産性本部が12日に発表した日米の労働生産性に関する調査結果によると、日本の卸売・小売業の生産性は米国の38.4%、飲食・宿泊業が34%と低水準にとどまった。ITの導入が遅れているのが主因である。
2.大きな問題は、日本企業におけるホワイトカラーの生産性で、日本企業では欧米に比べて、ホワイトカラー領域の「分業」が進んでいない。いまだに課長・部長クラスの人が電話に応対をして部下にメモを残す、という企業もたくさんある。こうした光景は欧米では20年〜30年前に姿を消した。日本はブルーカラーの生産性が高いのに、ホワイトカラーが合わさると一気に生産性が落ちる。
3.飲食業などの生産性の低さは、お客からの要求が強く、その対応のために人が動いていることが原因である。これは合理化により解決できる。温泉でも仲居さんがやっていたことを、星野リゾートのように合理化して生産性を上げている事例もある。
4、合理化して生産性が高くなると、それまで「人」が対応していた部分がなくなるので、失業する人が増える。失業率は急上昇する。合理化と同時にこの問題が発生することは忘れてはいけない。
5.日経新聞は9日、「AI研究、米中2強」と題する記事を掲載した。文部科学省の科学技術・学術政策研究所の分析では、主要な国際学会での発表は米中が圧倒的に多く、両国の共同研究の報告も増えている。2015年の研究発表数を見ると、米国:326件、中国:138件、日本:20件である。さらに米中共同研究が80件あり、日本が大きく出遅れている。
6.こうした研究分野における中国の台頭が著しい一方、OECDの生徒の学習到達度調査(PISA)の結果を見ると、中国内の格差が激しいという点について問題を指摘する声もある。上海が断トツに優秀で、留学生の数も多く、成績が抜群である。PISAの結果は江蘇省など、上海には及ばないが優秀な地域も含まれている。中国全土に対象地域を広げたら、もっと全体の数値は落ちるし、格差は大きくなる。
7.関西ペイントは6日、欧州の塗料メーカー、ヘリオスグループ(オーストリア)を買収すると発表した。また日本ペイントホールディングスは、シンガポールの同業大手ウットラムとのアジアの合弁子会社を、数年内に完全子会社化する検討に入った。日本の塗料メーカーと言えば、関西ペイントと日本ペイントの2強で、歴史的には、関西ペイントの方が大きく首位を走っている。その関西ペイントがヘリオスグループの買収を発表した。
8.長年、関西ペイントに追いつけなかった日本ペイントは、シンガポールのウットラム社との協業が功を奏し、アジア戦略が成功している。ウットラム社のハップジン代表は、東京大学出身。日本語も堪能で、事業家として非常に優秀な人物である。この人のおかげで、日本ペイントがアジアで強い立場を築き上げられた。
9.日本ペイントがウットラム社を完全子会社化すれば、連結で関西ペイントを上回る。売上も営業利益も横ばいが続いている関西ペイントに対し、一気に大きく差をつける。関西ペイントは自動車を中心にやや依存度が高いのに対し、日本ペイントは自動車に限らず幅広く展開している点も大きな違いである。
10.再び日本ペイントを逆転し大きく成長していくために、関西ペイントはヘリオスグループの買収へ踏み切った。日本ペイントと関西ペイントにこれだけの差が生じるとは意外だが、ウットラム社という東南アジアでの良きパートナーを得たことが、大きかった。最終的にウットラム社が完全子会社化に合意してくれれば、日本ペイントにとっては実に明るいニュースになる。
11.日経新聞は7日、「中国、自販機普及に勢い」と題する記事を掲載した。中国で自販機最大手の富士電機はスマホ対応機の生産を倍増し、中国の年間出荷台数が2020年には日本を上回る見通しである。微信支付(ウィーチャットペイメント)などの電子決済やIoTにより販売動向などを瞬時に把握できる運営システムが普及を牽引している。いろいろな問題があった中国だが、ようやく自販機が普及してきた。年間の出荷台数で、日本が30万台、中国が33万台とのことだから、国土の広さを考えると中国はまだまだという段階である。
12.富士電機にとってのクライアントである販売業者のUbox(友宝)は2010年設立の新しい会社だが、自販機6万台の運営を行っているほか、デジタル広告事業などユニークな商品の開発も手掛けている。
13.Uboxの販売機は、アリペイ(支付宝)や微信支付(ウィーチャットペイメント)といったモバイル決済など、複数の支払い方法に対応している。日本企業にとっても有望な競争相手として浮上してきた。



yuji5327 at 06:27 
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2016年12月23日

もんじゅ廃炉

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もんじゅの廃炉
松野博一文部科学大臣
大臣給与と賞与を自主返納
多額の国費を投入
政策責任者の結果責任
日本原子力研究開発機構
児玉敏雄理事長
給与の10%の6カ月分
約66万円を自主返納
過去の技術責任者の責任は?
過去の天下り理事長らの責任も。

yuji5327 at 06:40 
池上湖心の書 

ドイツの、これからの生き残りについて、中国とは手を握れない。低廉な労働力にる発展モデルで、外需依存の経済だから、ドイツとぶつかる。

「池上彰、佐藤優著:大世界史、現代を生き抜く最強の教科書、文藝春秋、2015年」は参考になる。「第5章:ドイツ帝国の復活が問題だ」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.2015年のサミットは、ドイツのエルマウというリゾート地で開催された。ドイツ南部のオーストリア国境に近い山岳地帯にあって、スイスの観光地を思わせるような美しいところである。
2.ヨーロッパは、第一次大戦、第二次大戦で暗い時代に入ったのが、戦後、冷戦はあったものの、長らく平和と繁栄を享受してきた。今日、再びヨーロッパの人々に不安が広がる。
3.ドイツの、これからの生き残りや共存の図り方について、中国とは、最終的には手を握れない。基本的には、低廉な労働力によって物をつくって輸出していく発展モデルで、外需依存の経済だから、ドイツとぶつかる。手を握れるとすれば、ロシアである。ロシアには内需がいくらでもある一方で、ロシアから輸出できるものはエネルギー以外にはない。パートナーとして考えられるのはアメリカだが、アメリカだと国際紛争などで面倒なことにも付き合わなければならなくなる。
4.ドイツとしては、ロシアや、ラテンアメリカ、アフリカの新興国と経済的関係を強める道を模索せざるを得ない。これまで専ら経済的な利益だけを考えていたが、新たなパートナーはどうしても経済と国家の安全保障とを結びつけて考える。ロシアとの関係を深めるには、経済と国家の安全保障は切り離せない。ロシアのウクライナやベラルーシに対する行動を容認することが経済取引の条件にもなる。
5.EU統合は、基本的には順調に進んできたが、近年、各地で、経済格差が顕在化したり、民族や宗教の対立が露わになっている。EUへの懐疑は、ヨーロッパで広がっている。やはり、歴史は繰り返す。現在のさまざまな対立は、いずれも、過去に関わりをもっている。第一次大戦から約100年。ヨーロッパが再び、火薬庫になる可能性も否定できない。


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2016年12月22日

農業改革

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イタリア
国土面積は日本の約8割。
気候は温帯、北部は一年を通じて降水
半島部は夏に雨が少なく
乾燥した地中海性気候。
丘陵地や山岳地も農用地として利用
国土面積に占める農用地の割合は45%
農業生産額はフランス、ドイツに次ぐEU第3位
で、EU全体の13%を占める(2014年)。
主要農畜産物
小麦、ぶどう、トマト、オリーブ、豚肉、生乳等。
ワイン(輸出額世界第2位(2013年))、
トマトペースト(同2位)、
オリーブオイル(同2位)、
チーズ(同4位)等。
有機農業面積は139万haで世界第6位
経営体あたりの平均経営面積は12ha(2013年)。


yuji5327 at 07:05 
池上湖心の書 

日本の地方自治体、市町村がイタリアの地方都市に学ぶべきことは多い。国家や政府に頼らず、自力で世界化する方法を考えるべきである。

「大前研一著:大前研一の日本のカラクリ、
PRESIDENT 2015.11.30」は参考になる。大前研一氏が主宰する経営者の勉強会「向研会」の視察旅行でイタリアを訪れたときの印象である。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.イタリアはEUにおいてGDP:2兆1000億ドル(2014年)」、人口:6100万人、ともに第4位の大国だが1人当たりGDP:3万5000ドルで見るとEUの中位レベルにとどまる。イタリアの政府債務残高の対GDP比は132%。先進国では日本:246%に次いで2番目に高い。長らく低成長に喘ぎ、12年以降はマイナス成長が続いている。そのイタリアから何を学ぶのかといえば、地域の産業政策である。
2.政府は大きな問題を抱えているが、イタリアの都市の大半は自前の産業を持って世界化し、経済的に自立している。日本の場合、国が破綻すれば地方も即破綻するが、イタリアは国が破綻しても、グローバル産業を持っている地方都市は生き残れる。そのモデルを研究することは「地方創生」を掲げる今の日本にとって大いに意味がある。
3.都市国家を統合してできたイタリアは、都市ごとに特色を持って発展をしてきたモザイク型国家がイタリアの特色であり、強みの源泉である。戦前は統一国家として近代化を進めるために、戦後は東西冷戦の構図の中で共産勢力に対する東の砦として、中央集権体制を維持、強化してきた。その中で重厚長大産業を中心に奇跡的な戦後復興も果たした。、冷戦が安定化して旧ソ連の脅威が低下する一方、労働争議が頻発してイタリアの重厚長大産業の国際競争力は低下した。.
4.1970年代から地方分権化を進めて、産業政策に関する権限を中央政府から州へと移譲していった。イタリアの地方自治は州、県、市町村に当たる基礎自治体のコムーネの3層から成る。99年には州知事に直接選挙制が導入され、すべての州で州憲法の制定が認められた。01年10月の憲法改正では、県とコムーネは「固有の憲章、権限、職務を有する地方自治体」、州は「立法権と組織自治権、予算に関する一定の自治権を持つ」と規定されている。
5.70年代以降の地方分権化によって州や自治体、業界団体が独自の産業政策を実施するようになり、企業との共同研究プロジェクトなども進んだ。結果、80年代にはイタリア企業は躍進、中小企業や職人的企茉が集まった産業集積地を中心に発展した。
6.アジアの低価格製品との競争が激化してきた00年以降は、州、自治体、業界団体が産地企業の国際化支援プログラムを推進。高級ブランド化路線、規模の集約化、海外市場の開拓や生産拠点の海外シフトなど、産地ごとに独自の生き残り戦略を展開して輸出を維持している。
7.イタリアといえば早くから近代工業化が進んだ北部と、依然として農業中心の南部の経済格差で知られているが、もう1つ、ヴェネツィア、ボローニャ、フィレンツェなどの都市があるイタリア北東部から中部がある。皮革製品、家具・木工品、繊維、眼鏡、セラミックタイルなどの伝統工芸、包装機械などの機械工業を中心とした産地および産業集積地である。
8.イタリアには約1500の国際競争力を持った地方都市がある。人口数千人の都市もあれば、数万人規模の都市もあるが、それぞれ市のレベルで産業政策に取り組んでいる。多くの地方都市に共通するのは「手広く」ではなく、「世界で1位」のものを1つだけ集中的につくっている。そうすることによって市場(顧客〕と直接会話できるし、価格決定力も維持できる。
9.たとえばミラノの北にあるコモという都市は絹織物の産地として名高い。昔は養蚕業も盛んだったが壊滅し、今は中国などから絹糸や原料布を輸入している。コモには絹織物に関連した会社が約600社ある。多くはファミリー経営の小さな会社だが、それぞれが細かなノウハウを持っていて、絹織物をつくる全工程を機能分担している。
10.それを束ねているのが日本でいえば商工会議所のような地元の工業会で、マーケティングから後継者育成まで、そこが責任を持っている。注文の窓口にもなっていて、エルメスやセリーヌのようなブランドから「こういう製品をつくってほしい」というオーダーがあると、必要な技術を持った会社をコーディネートして、最終製品までの開発を請け負う。
11.600社が有機的につながって、あらゆるオーダーにタイムリーに応える。こんなクラスター(産業集積〕は世界を見渡してもコモ以外に残っていない。絹の原産国の中国がいくら真似しても、日本の技術力をもってしても、コモのシルクのクオリティやデザイン性は超えられない。日本も明治時代には絹織物の輸出で外貨を稼いだが、このようなクラスターがなかったために絹糸の競争力を失った途端、産業そのものが衰退した。
12.このような競争力を維持する仕掛けがイタリア中にあって、世界的な競争力がある産業クラスターを形成できた地方都市はしっかり生き残っている。たとえ一部の生産を海外にシフトしていても、国内でデザインや最終加工を維持して、「メイド・イン・イタリー」の付加価値を国内に残している。
13.イタリア半島北東部のエミリァ・ロマーニャ州にはイタリアを代表する食産業のフード・クラスターが点在している。チーズやハムの産地として知られる地方都市がパルマである。イタリアには「DOP」と呼ばれる原産地名称保護制度がある。DOPが定める農産物、農産加工品はさまざまだが、パルマの代表的なチーズである「パルミジャーノ・レッジャーノ」もその1つである。パルマやレッジョ・エミリァなどエミリア・ロマーニャ地方の特定の地域でつくられて、なおかつ素材や製法、熟成期間など一定の基準を満たしたものだけがDOPの審査をパスして刻印が押され、「パルミジャーノ・レッジャーノ」を名乗れる。品質検査でDOPの刻印がもらえなければ二流、三流のパルメザンチーズ〔パルミジャーノ・レッジャーノ風チーズ〕として売るしかない。しかし、「パルミジャーノ・レッジャーノ」として輸出できれば何倍もの値段で売れる。世界中のイタリア料理屋で使われるためである。
14.パルマの特産品でいえば「プロシュー卜」という生ハムもDOPが義務付けられているが、そうした地域のブランド認証を日本で言えば農協に当たる地元の協同組合的な組織が積極的に行っている。
15.日本の農協は上から目線で地域の付加価値を何も生み出さないのと違う。DOPの認証機関として厳しく品質を見定め、ときに生産者を指導して、必死になって地域のブランドを磨いている。前述のコモ同様、マーケティングや人材育成まで手掛けている。だから生産者は販路や後継者のことで頭を悩ませる必要はない。いいものさえつくれば、きちんと世界に売り出してくれる。誰もが自分の仕事にプライドを持ち、生活が豊かである。子供も親の仕事を継ぐ気持ちになってくるし、実際、二代目、三代目がたくさんいる。
16.ワインなどもDOP(ワインの場合はDOC、DOCGなどの呼称もある)で管理されていて、美味しくてリーズナブルなイタリアンワインは世界中で人気がある。
17.日本でいえば、新潟県南魚沼産のコシヒカリや山形県の佐藤錦などはブランド価値が非常に高いが、DOPのような認定制度で守られていないから、「南魚沼産コシヒカリ」と名乗る商品は実際の生産量の20倍も市場に出回っている。佐藤錦を開発した先人は心が広い人物だから、種が世界中に広まってしまった。
18.揚がった漁港というだけで差別化の基準も不明なまま、「関サバ関アジ」「大間のマグロ」などの怪しげな日本だけで通じるブランドがある。商品に差がないのに陸揚げ港の名前をつけて価格を数倍にするのはいかさまである。
19.日本の地方自治体、市町村がイタリアの地方都市に学ぶべきことは多い。国家や政府に頼らず、自力で世界化する方法を考えるべきである。DOPのような工程や品質に関する認証制度を活用してブランドを立ち上げて、世界に直接売り込むのも一つの方法である。20.中央集権の国で「地方創生」など叫んでみてもリップサービスにすぎない。国破れても地方都市あり、という時代をつくり出すことが、日本が生き残る道であり、イタリアにこそ、その素晴らしい具体例が溢れている。


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池上技術士事務所の紹介
261-0012
千葉市美浜区
磯辺6丁目1-8-204

池上技術士事務所(代表:池上雄二)の事業内容
以下のテーマの技術コンサルタント
1.公害問題、生活環境、地球環境
2.省エネ・新エネ機器導入
のテーマについて、
・技術コンサルタント
・調査報告書の作成
・アンケート調査・分析
・技術翻訳、特許調査
を承ります。
有償、無償を問わず
お気軽に下記にメールをください。
ke8y-ikgm@asahi-net.or.jp

工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
騒音防止管理者の資格で
お役に立ちたいと思います。

池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(現在理事)
 春興賞の受賞:2回
○書道教室
・学生:月曜日
・一般:火曜日、水曜日





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