2019年08月

2019年08月31日

老後の資金どう考える

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人生100年時代
金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書
高齢社会における資産形成・管理
65歳以降の30年で約2,000 万円
生活資金に限ったもの
介護費用などの特別な支出は含まれず
準備する方法
低解約返戻金型終身保険


yuji5327 at 06:53 
池上湖心の書 

「個人中心」「自己表現」「相手への共感」の3つに気を付ければ、ネットワーキングがあなたにとって実りのあるものとなる。


「校條浩著:シリコンバレーの流儀、ネットワーキングの3つの要諦、週刊ダイヤモンド、2019.7.13」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.最近、近日本企業の間で、異業最種の企業がぶつかり、掛け合わせるオープンイノベーションが必要だと盛んにいわれるようになった。だがここで強調しておきたいのは、実際にぶつかり合うのは、企業ではなく、生身の人間同士だということである。しかし、異文化で働いてきた人たちが集って、1つの目標へ向けてプロジェクトを成功させるのは意外に難しい。そこでまずは、オープンな交流であるネットワーキングで、他流試合をすることを勧める。
2.残念ながら、日本人のネットワーキングは上手とはいえない。終身雇用で同じ企業に長く勤める人が多いからか、単一の価値観や文化に凝り固まってしまう。自分は30年ほど前に日本からシリコンバレーに移ってきた。生き馬の目を抜くこの地でよそ者が生きていくためには、ネットワーキングで現地の人と交流し、人脈を広げることが最初の関門だった。そこで、実地で学んだ自分なりのこつは以下の通りである。
3.ネットワーキングの要諦は、「個人中心」「自己表現」「相手への共感」の3つに集約される。ネットワーキングは、会社が命令して集まるものではなく、それぞれ興味も目的も違う人たちが、「何か」を求めてお互いを知り合う活動である。自分が何に興味があるのかさえ分かっていないこともある。そのような人たちが、自分を語り、相手を知ることで「何か」のヒントを得る人間くさい営みである。
4.日本人はネットワーキングの場で、「私は○○株式会社xx課のAです」と名刺交換する人がほとんどである。これでは、相手からすると、その会社の特定の事業に現時点で興味がない限り、話は広がらず、名刺交換をするだけで終わってしまう。自分は何に情熱を持っていて、何をしているのかという個人中心の考えがあって初めて会話が始まる。あなたは「xx課のA」ではなく、一人の人間であることを語らなければならない。
5.会社や肩書に依存する人は実に多い。以前、ある大手日本企業に勤める部長から、転職のあっせんを頼まれたことがある。その企業の主力製品の特許を持つ、有能なエンジニアだった。しかし、その部長の履歴書は、時系列で係長、課長、部長に昇進した時期と部署がずらりと並んでいるだけだった。その人の考え方や仕事に対する情熱、能力、興味など個人としてのストーリーがまったく見えてこない。あっせんを丁重にお断りした。
6.180度反対の例もある。ある大手日本企業を定年退職したB氏は、担当していた事業分野でのコンサルタントとして、現役時代以上に忙しく走り回っている。業界の多くの企業がクライアントになっているという。そんなB氏に話を聞いてみると、こんな秘密を明かしてくれた。B氏は現役時代から、「私は◎◎会社で△△を担当するBです」ではなく、「私は、△△を専門領域とし、◎◎会社を担当するBです」と自己紹介していたという。個人の周りに会社がくっついているというイメージである。だから現役を引退した後でも、引き続き業界の人たちとつながりが切れることなく、コンサルタントとして活躍できている。
7.会社ではなく、個人中心の発想に変えるためには、まず名刺を捨ててみる、ネットワーキングの場にあえて名刺を持たずに参加すれば、「課長」ではない本当の自分に向き合うよいきつかけとなる。2つ目は「自己表現」である。これを鍛えるためには、自分自身の「エレベーターピッチ」を作る。エレベータービッチとは、「エレベーターで経営者や投資家とたまたま一緒になったときに、エレベーターから降りるまでの問にいかに自分の提案を理解してもらえるか」というものである。短い時間で自分を知ってもらうには、余計なことはそぎ落とし、本当に大事なことだけを表現しなければならない。
8.自分の自己紹介は、「自分は日本では技術者だったが、もっとイノベーションを追求するために、BCG(米
系の経営コンサルティング会社、ボストン・コンサルティング・グループ)で経営を学んだ後にシリコンバレーに移ってきた。シリコンバレーの技術系ベンチャー企業と日本の大企業をつなぎたい」である。BCGを語ったのは、米国のビジネスマンなら誰でも知っているから細かい説明が要らないと考えた。ここで大事なのは、自信を持って明確に語ることである。まだ確証がない仮説でも構わず、自分の立ち位置をしっかりと表明すること。そうすれば、相手の頭の中にあなたの場所が確保され、そこを起点に会話が紡ぎ出される。
9.3つ目は、「相手への共感」である。共感するには、相手への興味、好奇心が必要である。よくネットワーキングの場で、自分のことばかり話している人がいるが、それでは相手からの示唆は得られないし、人の輪も広がらない。相手に興味を持つのが苦手なら、とにかく相手のことについて質問する。質問していくうちに、相手の興味が分かるようになり、場合によっては問題意識を共有できる。そのときに、自分にできることはないかと考える。それが相手にとって有益な情報かもしれないし、人の紹介につながることもある。これを続けていると、頭の中に仕事や社会生活、人脈などの引き出しが増え、それにより相手への共感が高まり、それによりまた引き出しが増えるという好循環となる。
10.向こうから話し掛けられることも増えてくる。ここまでくると、人と会うのが楽しくなる。「個人中心」「自己表現」「相手への共感」の3つに気を付ければ、ネットワーキングがあなたにとって実りのあるものとなる。そうすれば、自然にオープンイノベーションの現場で頼りにされる人物になる。


yuji5327 at 06:31 
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2019年08月30日

九州記録的豪雨警戒

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記録的な豪雨
福岡県と佐賀県
これまでに3人の死亡
1人が行方不明
入院患者180人が孤立している病院
近くの鉄工所から流れ出た油


yuji5327 at 11:12 
池上湖心の書 

政治の場で行われている論争は、そもそも争点の設定を誤った空虚なものである。


「野口悠紀雄著:アンケートで探る老後資金についての考え、週刊ダイヤモンド、2019.7.13」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.年金だけでは老後生活には不十分で、2000万円程度の蓄えが必要」とする金融庁の報告書(以下、報告書)を巡る論議が続いている。6月18日の参議院財政金融委員会では、日本共産党の小池晃書記局長が、「多くの国民は、年金で100年間安心して暮らせると受け取っている」と述べた。それに対して、安倍晋三首相は、報告書は「乱暴な議論で不適切」と答弁した。6月19日の党首討論でも、この問題が取り上げられた。安倍首相は、報告書が不適切な内容であるとした。このように、野党も政府も、報告書が不適切だという点では一致している。、
2.人々はこの問題をどのように考え、政治家たちの議論をどのように評価しているか、を探るために、筆者はWEBページでアンケートを行った。7日間で188件の回答が得られ、結果は、第1問では、金融庁の報告書に対する評価を問うたが、81・5%の回答が、「老後資金に対する適切な注意」だとしている。人々のこうした理解は、上で見た政治家たちの議論と大きく隔たっている。小池書記局長が言うように「年金だけで老後を送れると政府が約束した」と受け取っている人は少ない。他方で、安倍首相が言うように「この報告書が乱暴で不適切」とも考えていない。これは、報告書に対する冷静な受け取り方である。
3.老後生活に必要とされる資金が、個々のさまざまな条件によって大きく変わることは間違いない。報告書もその旨を断っている。このアンケートでも、多くの人がそのように受け取っている。この設問に対する「その他の回答」では、「年金に全てを期待するのは間違いだ」との考えを述べている人が多い。
4.このようなアンケート回答の結果を見ると、政治の場で行われている論争は、そもそも争点の設定を誤った空虚なものである。
5.アンケートでは、第2に、「あなた自身の老後資金は十分か?」と問うたのに対しては、69・5%の回答が「不十分」としている。「十分」という回答は、19・7%である。この点を、政府の統計と比べると、総務省の家計調査報告によれば、高齢者の貯蓄は、1世帯当たり平均で2284万円である。金融庁の報告書が述べている条件は、多くの人について満たされている。それにもかかわらずアンケートで「不十分」との答えが多くなるのは、正規分布のようにデータが平均値の周りに対称的に分布している場合には、「人々が普通と思う値」と平均値が一致する。しかし、資産の分布は、大きな偏りがあり、ごく少数の人々が多額の資産を保有している場合が多い。このため、平均値は、「人々が普通と思う値」よりかなり大きくなる。資産分布については、中央値の方が「人々が普通と思う値」に近くなる。これは、データを小さい順に並べたときに、中央に位置する値である。今の調査について中央値を見ると、貯蓄現在高は1560万円である。つまり、家計調査報告においても、貯蓄が2000万円に達しない人の方が多い。アンケートの回答で多くの人が「不十分」と答えているのは、こうしたことを考えれば、当然の結果である。
6.もつ1つの統計を見ると、厚生・労働省の平成30年就労条件総合調査によると、大学・大学院卒(管理・事務・技術職)の定年時の退職給付額は、2000万円程度である。この結果を見ると、「2000万円必要」という報告書の条件は、多くの人が退職金でクリアできるように思える。しかし、現実には、そうはいかない場合が多い。例えば、住宅ローン等の返済に退職金の大部分を充てざるを得ない場合がある。また、将来退職するときには、これだけの退職金を期待できないと考える。アンケートで注目されるのは、多くの人が、自分自身の積み立ては不足だと認識しながら、「だから年金で面倒を見てほしい」と考えているわけではない。自助努力が必要であると認識している。そのために、報告書の指摘は適切だと認めている。この点で、国民は、政治家が考えているよりずっと冷静で合理的な判断をしている。
7.「いつまで働き続けるか?」という第3問に対しては、69・7%の回答が「健康が許す限りいつまでも」とした。「定年まで」は、12・0%でしかない。これは、多くの人々が、年金だけに頼って老後を送ろうとは考えていないこと、働くことに生きがいを見いだそうと考えていることの表れと解釈ができる。ただし、どのような形で働くか、それは実現できるか、といった点は、このアンケートでは聞いていない。
8.以上で紹介したアンケート結果は、大新聞が行う世論調査に比べれば、10分の1程度でしかない。だから、標本選択バイアスの可能性は十分にある。そのような制約があるとはいえ、人々の考えについて貴重な情報が得られたとは評価できる。アンケートの結果から言えることは、老後生活をいかに支えるかは、現在の最重要課題の一つであり、参議院選挙でも主要な論点の一つとすべきものだ。ただし、その際に議論すべきは、「金融庁の報告が適切か否か?」ではない。あるいは、「年金だけで100年間安心して生きられるか?」でもない。つまり、現在政治の場で議論されていることではない。
9.議論すべきは、(1)老後生活を年金だけで支えることはできないことを認める。ただし、どの程度のことを自助努力でできるかは、さまざまな制度や経済政策に依存するのだから、それらについての議論が必要である。(2)老後生活のために十分な資金を蓄積できるようにするには、今の経済政策では不十分で、経済政策を転換する必要があるのではないか? 金融緩和政策は見直す必要があるのではないか? (3)働く意欲と能力がある限り、いつまでも働くことができるような社会を実現するには、何が必要か? そのために取り除くべき障害は何か? (4)本来の意味での「100年安心年金.」、つまり、100年間継続できる年金制度は、本当に確立されているのか?多くの人々が、以上で述べた問題についての議論が深められることを望んでいる。そうした期待に正面から応えることのできる政治勢力が登場してほしい。


yuji5327 at 06:41 
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2019年08月29日

寝ころべば大地が動く鰯雲

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延原忠保句
長谷川櫂解説
草に寝て
空を眺めた思い出
浮雲が次々に青空に流れる
大地とともに自分が流れてゆく錯覚
(読売新聞2019.8.26より)




(読売新聞2019.8.26より)

yuji5327 at 09:11 
池上湖心の書 

従来AIが書いた文章は幾分ぎこちなく、文脈に一貫性がないきらいがあった。しかし、オープンAI社のGPT-2は人と見まがうばかりの流暢な文章を書く。


「池谷裕二著:闘論席、週刊エコノミスト、2019.7.9」は面白い。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。1.人工知能〔AI)に絵を描か人せたり、作曲させたりといった芸術試行は珍しくはないが、一連のAI創作でも「執筆」は異質である。今年2月に米国のオーブンAI社が発表した言語生成モデル「GPT-2」の完全版が、悪用される懸念から非公開となったことが象徴的である。
2.従来AIが書いた文章は幾分ぎこちなく、文脈に一貫性がないきらいがあった。しかし、GPT-2は人と見まがうばかりの流暢な文章を書く。小説の冒頭部分だけを与えれば、つじつまの合うようにに続きをつづり、原作とは異なるストーリーを完成させる。
3.小説だけではなく、まことしやかなフェイクニュースさえも自動生成する。悪用されればインターネットはフェイクニュースで氾濫し、瞬時に使用に堪えない代物になる。同社は次作GPT-3の開発も手がけていると聞くが、AI自動執筆は便利さと有害性が隣り合わせである。
4.せっかくAIが芸術に通じているのならば、もっと有効な活用法はある。昨年発表された米グーグルのニューラル・イメージ・アセスメント〔NIMA〕は一例である。画像に対する審美眼を生かし、絵や写真を採点するAIである。AIから高い芸術点をもらえるよう努めることで芸術的センスを磨くトレーニングも現実味を帯びている。
5.5月にはフランス国立土木学校から古典絵画を分析するAIが発表された。描かれた人や静物などのモチーフを解析し、類似点や相違点を抽出する。たとえば、16、17世紀のフランドルで多くの画家を出したブリューゲル一族の絵画は、画風が似ており、専門家でも判定に苦労するが、このAIは精度よく鑑定する。
6.どのように芸術が発展・変遷していったのかという時代系譜を作ることもできる、こうしたビッグデータ解析は熟達した学芸員でも気の遠くなる時間が必要である。


yuji5327 at 06:36 
新技術 

2019年08月28日

ポイント還元

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コンビニの「セブン―イレブン」
消費期限の近づいた食品
購入者に一定割合のポイントを還元
期限が迫ったおにぎりやお弁当など


yuji5327 at 07:05 
池上湖心の書 

小胞体ストレス応答を適切に制御することができるようになると、病気を治療したり、健康寿命を延ばすことができる。

「森和俊(京都大学大学院理学研究科教授)著:小胞体ストレス応答の仕組みと意義、學士會会報No.937(2019-)」参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.1989年4月の研究開始から31年目を迎えた筆者のライフワークである「小胞体ストレス応答」の解説である。小胞体ストレス応答を別の言い方にすると、タンパク質の品質を管理する細胞応答、もしくは私たちが持っている驚異の復元力である。細胞は生き物の基本単位で、ヒトは60兆個もの細胞でできている。
2.細胞内小器官、細胞の中はどうなっているかは、体内のいろんな臓器の役割分担をしているものである。肺があるから呼吸でき、心臓が血液を循環させている。胃があるから食べ物をどろどろにして、腸から栄養を吸収することができる。同じように、細胞の中にも小さな臓器(細胞内小器官と呼ぶ。動物の器官=臓器)がたくさん入っている。細胞を通常の光学顕微鏡で観察すると内部はとてもシンプルで、核、ミトコンドリア、ゴルジ体しか見えない。
3、子が親に似るのは、DNAを受け継ぐからである。このDNAが収納されているのが核という細胞内小器官である。生き物のエネルギー源はATPという化学物質で、ミトコンドリアという細胞内小器官がATPを作る。DNAとATPがあれば十分ではなく、細胞は生き物の基本単位だから単純ではない。生活をしていればゴミが生じるはずだが、ゴミを細胞が処理する手段は、従来のシンプルな細胞像が第二次世界大戦後に電子顕微鏡が細胞観察に用いられてから分かってきた。
4.細胞内部は実に様々な細胞内小器官で満たされていて、それぞれが役割分担していた。2016年にノーベル生理学医学賞を受賞された大隅良典先生が研究されているのが、リソソームという名の細胞内小器官で、不要になったタンパク質等のゴミ処理の場となっている。筆者が研究している小胞体は、細胞内小器官の一つで、タンパク質の製造工場という役割を果たしている。
5.タンパク質は、食物の成分の一つで、肉類、魚介類、卵類、大豆製品、乳製品に多く含まれるものと認識している。細胞が何でできているかは分析すればわかり、細胞を構成する成分の7割は水で、残りの3割が何らかの化学物質である。水の次に多いのがタンパク質で、化学物質の半分、全体の15%を占めている。DNAは全体の1%しかない。DNAが遺伝物質であるのに対して、タンパク質は生命活動の担い手といっても過言ではなく、タンパク質が働くから我々は動いたり考えたりできる。そのため細胞は多量のタンパク質を必要とする。タンパク質は、20種類からなるアミノ酸が数珠つながりで並んだ紐の状態で誕生し、DNAにこのアミノ酸の並び方が暗号として書き込まれている。
6、我々は3次元の世界に生きているので、紐状ではタンパク質は働くことができない。タンパク質が働くためには、それぞれの機能に最適な立体構造を形成しなければならない。紐状から最終的な立体構造に至る過程をタンパク質の折り畳みと呼び、英語ではprotein foldingである。紙を折り畳んで鶴などを作る折り紙を英語ではpaper foldingと呼ぶ。
7.品質とはタンパク質の立体構造の出来具合を指す。タンパク質の立体構造の重要性は、糖尿病という病気がの例が分かりやすい。社会の高齢化に伴って、糖が尿にでる病気である。糖尿病が悪化すると失明したり、足が壊死して切断しなければならなくなる。悪さをする糖が尿にでたことがこんな状態をもたらすとは考えにくい。糖が尿にでるのは結果であって原因ではない。血液中の糖濃度(血糖値)が高い状態が持続すると、糖が血管にダメージを与えると同時に尿に漏れ出す。注意すべき点は、病気になったから血糖値が上昇するのではなく、食事後はだれでも血糖値が一時的に上昇することである。しかし一時間もすれば元に戻るのは、膵臓という臓器に蓄えられていたインスリンというホルモンが血中に放出されるからである。
8.インスリンの役割は糖を壊すのではありません。インスリンというタンパク質が肝臓や筋肉の細胞の表面に存在するインスリンを受け容れるタンパク質(インスリン受容体)に結合すると、これらの細胞が血液中の糖を取り込む。その結果、血糖値が正常レベルに戻る。多くの生命現象は鍵と鍵穴の関係で説明される。車の鍵と鍵穴をイメージする方がわかりやすい。インスリンという鍵が、インスリン受容体という鍵穴に入ってぐいっと回すと車(肝臓や筋肉の細胞)のエンジンがかかって糖をせっせと取り込んでくれる。ここで最も大事なことは、鍵と鍵穴は一対一の関係にあることである。同じ車種であっても、他人の車の鍵では自分の車のエンジンをかけることはできない。インスリンとインスリン受容体がそれぞれ正しい形をしているときにのみ両者が結合して、食後に血糖値を下げることができ、私たちは糖尿病にならずに済む。
9.第二次世界大戦後まもなく、アンフィンゼン博士は単純な試験管内の実験結果から、タンパク質はそのアミノ酸の並び方の情報に従って、自発的に立体構造を形成すると結論付け、その学説が認められて、1972年にノーベル化学賞を受賞した。その当時は、DNAにアミノ酸の並び方がきちんと書き込まれていれば、タンパク質が作られ、それが勝手に(エネルギーも使わずに)最終的な立体構造になると考えられていた。
10.アンフィンゼン博士の学説が細胞内でも成立するかの問いかけが、1981年代になってから始まった。その結果、細胞内ではタンパク質濃度が非常に高く、タンパク質が自発的に立体構造を形成することは極めて困難であることがわかった。この問題を解決するために、細胞内には分子シャペロンと呼ばれる特殊なタンパク質が存在していて、タンパク質の立体構造形成を助けていることが明らかになった。シャペロンは専門用語ではなく、細胞の中で誤った立体構造を形成しないように一時的に寄り添うのが分子シャペロンである。
11.インスリンやインスリン受容体のようなタンパク質の折り畳みが行われるのが、小胞体という細胞内小器官で、それぞれのタンパク質が最も働きやすい立体構造に作り上げている。このタンパク質の製造工場はかなり優秀で、よく働くが、時にうまく機能しなくなり、構造異常タンパク質ができてしまうことがある。この状態を小胞体ストレスと呼んでいる。この悪くなった状況を元に戻そうとする復元力が細胞に備わっていることを米国テキサス大学のMary-Jane Gething & Joseph Sambrookというボス2人 が発見した。
12.小胞体ストレスを、元のよい状態に復元させるには、細胞は分子シャペロンが足りないから、いつも以上に不良品のタンパク質ができると考え、分子シャペロンを増やすことがわかった。増量した分子シャペロンが不良品タンパク質を修復し、正常な立体構造へと導く。ボス2人の指導の下、30年前からこの驚異の復元力(小胞体ストレス応答)の仕組みとその意義の解明に取り組んでいる。まず、酵母という単細胞生物を使って、小胞体の中の状況が悪化していることを感知するセンサー分子を世界で初めて発見し、1993年に論文発表した。帰国後この驚異の復元力が働く仕組みの解明に取り組み、酵母の細胞で小胞体ストレス時に分子シャペロンが増える仕組みを解明した。次いで、哺乳動物の細胞で小胞体ストレス時に分子シャペロンが増える仕組みを解明した。
13.受精卵がどんどん分裂していって胎児へと成長していく過程で、小胞体ストレスは生理的に発生しており、生じた構造異常タンパク質を修復している。様々な生命現象や生物進化を裏から支えているのが小胞体ストレス応答である。例えば血糖値の調節では、インスリンやインスリン受容体が主役だが、主役が主役として活躍できるように、立体構造形成を助けることで裏からこの生命現象を支えている。この仕組みが働かないと、糖尿病をはじめとして様々な病気を発症することになる。小胞体ストレス応答を適切に制御することができるようになると、病気を治療したり、健康寿命を延ばすことができる。

yuji5327 at 06:48 
健康 

2019年08月27日

秋風の一大虚無であらんとす

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行方克己句
長谷川櫂解説
巨大な虚無
秋風のように
秋晴れの空のように
虚無に
価値を見出す
東洋の精神
(読売新聞2019.8.25より)

yuji5327 at 06:37 
池上湖心の書 

トランプ大統領は、日米安全保障条約の破棄を本気で考えていない。日米安全保障条約を盾に、米国の軍事商品を日本に購入しろ、というのが狙いである。

2019/7/5付けの大前研一さんの「ニュースの視点」(発行部数 161,147部)は今週のニュースの視点は、「参院選/日米安全保障条約〜トランプ大統領の本当の狙い」と題する記事である。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.日経新聞は先月24日、立憲民主党と国民民主党が7月の参院選の公約で、家計や消費を重視する政策を前面に打ち出したと紹介。自民党が外交・安全保障を安倍政権の実績として強調しており、同分野が争点になるのを避ける狙いがあるとしている。参院選に向けた野党の動きを見ていて、全くお話にならないと感じる。社民党は無責任にも「最低賃金の引き上げ」などを口にしているが、具体的な実現案もない絵空事に過ぎない。
2.その上、政策で競うと言いながら、候補者にはタレントが多く、とても政策に力を入れている姿勢とは思えない。G20で安倍首相が大きく傷つくこともなく、このまま参院選も自民党が勝利する流れになっている。そうなった場合、自民党は国民に「改憲を問う」ことになるが、大いに懸念を抱いている。憲法9条ばかりに固執して、憲法の全体像を捉えていない議論が展開される可能性が高いからである。
3.大前氏は2016年に著書「君は憲法第8章を読んだか」において、憲法9条以外についても憲法の全体像を示した。しかし、自民党にしても野党にしても、いまだに「自分たちなら、こういう憲法にする」というものを示していない。憲法9条だけでなく、全体像を理解し、その指針を示すことができなければ、「改憲を問う」意味はない。
4.米ホワイトハウスは先月28日、大阪市で行われた日米首脳会談を受けて、「日米同盟に基づく世界規模での協力を深化させ拡大させていく意向を確認した」と声明を発表した。トランプ大統領がこの数日間、日米安全保障条約を含む主要国との同盟関係に不満を示していたのを受けたもので、同盟諸国の懸念や不安を払拭したい考えとのことである。
5.憲法への不理解という意味では、トランプ大統領の発言・行動も、その典型例である。トランプ大統領の主張は、日本は日米貿易で利益を出している一方、安全保障については米国に頼り切っているのは「不公平」だというものである。日米安全保障条約に基づき、米国は日本が攻撃を受けたら救済に行く必要があるが、逆のときに日本は「知らん顔」をすることができる、というのである。トランプ大統領は全く理解していないのに呆れるばかりである。
6.米国が日本を占領した際、日本に二度と戦争をさせないために、紛争解決の手段としての戦争を永久に放棄するように日本国憲法に記させたのは米国駐留軍である。ここから、全てがスタートしている。そして、サンフランシスコ平和条約の後、日米安全保障条約を締結し、米国が日本の安全保障を約束する代わりに、日本は米軍の駐留を認めるなど応分の負担をするということになった。こうした米国主導とも言える背景を無視して、いまさら不公平と言われても日本としてはどうしようもない。
7.トランプ大統領としても、日米安全保障条約の破棄を本気で考えているわけでもなく、そのような発言はない。日米安全保障条約を盾にして脅しながら、米国の軍事商品を日本に購入しろ、というのがトランプ大統領の狙いである。
8.G20で大阪に滞在した短い時間の中で、トランプ大統領は他の国についても同じ趣旨の発言をしていた。記者が殺害された事件などで関係が悪化していたサウジアラビアについても、ムハンマド皇太子を批判することはなく、米国製兵器を大量購入してくれたお客様という姿勢を示していた。
9.貿易不均衡で揉めている中国の習近平主席に対しては、米国の農民が困っているので米国産の大豆などを大量に買ってくれと要求していた。トランプ大統領の判断基準は、すべてお金である。米国にお金を払ってくれるなら良い人、米国にお金を払わせるなら悪い人、という図式である。このような人物が、米国の大統領を務めているというのは、驚くべきことである。ところが、トランプ劇場の空気の中で再選する可能性もあり、米国民にしっかりと大統領を選ぶ目を持ってもらいたいと願うばかりである。
10.トランプ大統領の日米安全保障条約に関する発言は、低レベルでまともに受け止める必要はないが、日本国内でこの発言を歓迎している人たちもいる。「右派」や「安倍的」な考えの人たち、そして軍事産業やその周辺に関わる企業である。日本が単独で安全保障を維持することになれば、防衛予算の急増が必要であり、三菱重工、小松製作所などのメーカーは大いに歓迎するかもしれない。三菱重工は面倒なMRJの開発など即座にやめることができるし、小松製作所もブルドーザーではなく戦車を製造するであろう。東芝も、防衛機器で大いに活躍できる。


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池上技術士事務所の紹介
261-0012
千葉市美浜区
磯辺6丁目1-8-204

池上技術士事務所(代表:池上雄二)の事業内容
以下のテーマの技術コンサルタント
1.公害問題、生活環境、地球環境
2.省エネ・新エネ機器導入
のテーマについて、
・技術コンサルタント
・調査報告書の作成
・アンケート調査・分析
・技術翻訳、特許調査
を承ります。
有償、無償を問わず
お気軽に下記にメールをください。
ke8y-ikgm@asahi-net.or.jp

工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
騒音防止管理者の資格で
お役に立ちたいと思います。

池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(現在理事)
 春興賞の受賞:2回
○書道教室
・学生:月曜日
・一般:火曜日、水曜日





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