2020年01月

2020年01月31日

寒雀身を細うして闘へり

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前田普羅句
長谷川櫂解説
大都市
たくましく生きる

食べ物乏しい冬
雀同士の闘い
命の切実
(読売新聞2020.1.29より)

yuji5327 at 06:29 
池上湖心の書 

人々で溢れるこの社会でたまたま出会った相手との間に共通の知り合いがいるなんて、そうそうあるはずがないと思いがちだが、このような経験がある人は多い。


「藤田一郎(大阪大学教授)著:脳の神経細胞とネットのサイト、共通するのは「世間は狭いか、週刊ダイヤモント 2020.01.25」は面白い。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.世界の人々、インターネットにおけるサイト、脳の中の神経細胞。これらはそれぞれ膨大な数から成り、巨大で複雑なネットワークをつくる。3者は互いに全く異なるものでありながら、その中での構成要素(人、サイト、細胞)の結び付き方には共通の特徴が見いだされる。
2.その一つがスモールワールド性である。初対面の人とおしゃべりをしているうちに共通の知人がいることに気付き、「世間は狭い(スモールワールドだ)」とびつくりすることがある。人々で溢れるこの社会でたまたま出会った相手との間に共通の知り合いがいるなんて、そうそうあるはずがないと思いがちだが、実のところ、このような経験がある人は多い。
3.1969年、社会心理学者のジェフリー・トラバースとスタンレー・ミルグラムは、この「世間は狭い」という感覚を実験的に検証した。彼らは、米国内陸部のネブラスカ州に住む人(発信者)が東海岸のマサチューセッツ州の面識のない人(受信者)に、親しい顔見知りという「つての連鎖」だけで手紙を送り届けることが可能かどうかを調べた。発信者は、ファーストネームで呼び合うようなごく親しい知り合いの中で、指定された受信者へ連絡できる可能性が最も高いと思われる人(仲介者)へ手紙を送る。手紙を受け取った仲介者は、同様に自分の知人の中で受信者に最も関連しそうな次の仲介者へと手紙を転送す.る。これを繰り返すことで最終的に受信者に手紙が届くかどうか、届くとすればどれだけの人の手を経る必要があるかを調べた。実験の結果、たった5人か6人が介在すれば、見知らぬ相手に手紙が届くことが判明した。
4.複雑なネットワークが持つ2つ目の共通性は、構成.妥素間の結合の数が不均等であることである。ネットワーク内の少数の要素は非常に多くの他の要素と結び付いているのに、大部分の要素はほんの少数の他の要素としかつながっていない。例えば、何千人というたくさんの知人を持つ人が少数いる一方で、ほとんどの人は生活の中でほんの少数の知人としか接触していない。
5.またインターネット上では、一部のサイトは膨大な数のリンクやフォロワーを持つのに、ほとんどのサイトは数件のサイトとだけつながっている。この特徴はスケールフリー性と呼ばれる。これは、完全な規則性を持つネットワークやその逆で完全.にランダムな構造を持つネットワークとは異なる性質である。
6.3つ目の特徴は、互.いに結合する要素同士は、共通の別の要素に結合している可能性が高いことである〔クラスター性〕。とつまり、友達の友達は自分の友達である確率が高い。これが、初対面の人同士で共通の知人がいることに驚く理.由である。このような関係は、結合関係を持つ畏素回士が集まり、その間が短距離の結合で結び付いているような構造(クラスター)を持つネットワークで実現する。ネットワーク全体として、クラスター内の多数の短距離結合とクラスター同士を結ぶ少数の長距離結合を併せ持つことになる。
7.98年、ダンカン・ワッツとステイーブン・ストロガッツは、完全に規則的なネットワークの一部の要素聞結合をランダムなネットワークの結合に置き換えるという簡単な操作で、前述の3つの特徴を持つネットワークができることを示し、そのようなネットワークをスモールワールド・ネットワークと呼んだ。
8.彼らはまた、映画俳優の共演関係や米国西部の電力供給システム、さらにはカエノラブディディス・エレガンスという種類の線虫の神経結合が、スモールワールド:ネットワークが示す三つの性質を持つことを明らかにした。カエノラブディディス・エレガンスは302個の神経細胞を持っており、神経系の中の全てのシナプス結合が明らかになっている唯一の動物である。
9.これらの結果から、社会、人造物、生物を問わず、複雑なネットワークはスモールワールド・ネットワークの性質を共有するという提唱がなされ、幅広い研究分野に大きな刺激を与えた。脳科学研究はその1つである。近年の研究によれば、ヒトの大脳皮質は180もの領域から成る。これらの領域は感覚、認識、運動、計画、言語、思考、情動、記憶などのさまざまな機能に特異的に関わっている。
10.しかし、例えば車を運転するとか、スマホで話をするといった行為を考えると分かる通り、日常生.活においてこれらの脳機能は孤立して働くのではなく、一体となって働いている。異なった入出力を持ち、異なった情報処理機能を持つ多数の領域が、どうやってリアルタイムで相互に作用し合うのだろうか。
11.この問いに対する答えとして、「脳はスモールワールド・ネットワークではないか」という考えが生まれた。クラスターを持つことが領域による機能分担を可能にし、クラスター間の長距離結合と数少ないステップでどの領域とも連絡を取れることが、異なる機能の迅速な組み合わせを可能にしている、という提案である。事実、領域間結合が詳細に判明しているマカカ属のサルの視覚経路がスモールワールド・ネットワークの3つの特徴を備えていることは、オックスフォード大学のマルコム・ヤングが発表したネットワーク図で明らかである。
12.また、ヒトの脳の活動を脳磁図法で調べた研究により、脳のネットワーク構造がスモールワールド・ネットワークの特徴を満たすことが示されている。しかし、脳がスモールワールド・ネットワークの特徴を持つかどうかの証明は、神経結合の解析の仕方によって大きな影響を受ける。
13.どのような空問精度の解析を行うかや、結合のあるなしだけではなく結合の強さも考慮することによって、結論が変わる可能性がある。「脳はスモールワールド・ネットワーク」というのは魅力ある理論だが、それが正しいかどうかはさらなる検討が必.要である。



yuji5327 at 06:20 
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2020年01月30日

EU離脱

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EU議会
イギリスの離脱協定案承認 31日に離脱
ヨーロッパ議会の承認を
賛成621票、反対49票の賛成多数で承認
離脱翌日から移行期間
人やモノの移動に大きな変化はない
移行期間が終わることし12月末
自由貿易協定の締結
EUへの再加盟という夢
若い世代の間


yuji5327 at 06:56 
池上湖心の書 

日本人は海上油田やガス田の開発経験が乏しいため、経験豊富な外国人エンジニアに頼らざるを得ない。


「洋上風力発電の海域調査船同乗ルポ、外国人部隊が魏実を握る 週刊ダイヤモンド 2020・01・11」は参考になる。
1.風任せといえる洋上風力風発電プロジェクトで最も重.要なのは、しっかり発電できるだけの風力があり、安定した風向の場所を見極めることである。風況の良い場所であっても、洋上風力発電設備の基礎が建設できる海域でなければ設置はかなわない。基礎を建設する場所を決めるための調査をどれだけ綿密に行えるかが、その後のプロジェクトの成否を決める。
2.洋上風力発電(着床式)は、海底に1本の杭を打つ「モノパイル式」という基礎構造が世界の主流になっている。海底に杭を4本打つ「ジャケット式」や海底に分厚い円盤のような土台を造る「重.力式」に比べて最もコストが安いからである。日本の多くのプロジェクトでも、コスト面からモノパイル式を採用することになる。
3.しかし、ここに落とし穴が潜んでいる。欧州の海底は大陸棚で堆積層が広がるのに対して、日本の海底は堆積層や岩盤が混ざりあう複雑な地質構造になっている。いざ建設工事に取り掛かってみたら、岩盤にぶつかり杭が打てないという悲劇が起きて、場所選びからやり直さなければならない。やり直しはコスト増に直結し、プロジェクトそのものを脅かす。
4.洋上風力発電プロジェクトにかかる費用のうち、建設工事費が全体の4割近くを占める。基礎を制する者が洋上風力を制する。福岡県北九州市沖の響灘で洋上風力発電プロジエクトを手掛ける九州電力の子会社、九電みらいエナジーの寺崎正勝取締役企画本部長は、詳細な海域調査の重要性を訴える。
5.海域調査の現場は、響灘で行われた海域調査に密着したが、9月13日午後、海域調査の現場に向かうべく、北九州市の脇之浦新港を漁船で出発.した。この日の波高は1m。沖に出ると、船は激しく上下に揺れた。吐き気と闘いながら沖を進むこと約15分、海域調査船「ポセイドン1」がその姿を現した。ポセイドン1による海域調査は2019年8月から2カ月間にわたって行われた。日本人は海上油田やガス田の開発経験が乏しいため、経験豊富な外国人エンジニアに頼らざるを得ない。乗船しているのは全部で40人。そのうち海域調査を担うエンジニアは15人で、全て外国人である。
6.海域調査では、原油や天然ガスの掘削に関する技術を活用する。彼らは1日2交代勤務で、海のど真ん中で1カ月間を過ごす。1カ月間の勤務を終えると、次のチームと交代する。船内にはホテルと同様の宿泊設備はもちろん、エンジニアのストレスがたまらないようにジムやテレビゲーム機なども用意されている。ちなみに、最も大.事なのはスナック類の補充である。
7.掘削リグなどのデッキにある機械類を管理するコントロールルームは海域調査の心臓部である。ここに陣取るのも外国人エンジニアである。座席に腰掛けたエンジニア2人が、データが表示されたモニターをにらみながら、レバーを操作する。彼らは一切言葉を発することなく、デッキにいる同僚に合図を送る。どのタイミングで掘鍵めるのかなど、機器を取り扱うノウハウは、ベールに包まれている。
8.「コーン」と呼ばれる掘削リグの先端部分は大人の手で握れる太さである。尖った部分で海底の摩擦力や抵抗力、圧力などのデータを収集する。海底から採取した試料は、ドロドロとしていて液体に近かった。黄金色に輝いていた。その中から不純物を取り除いたヒで、研究機関に分析を依頼する。一般的に海域調査にかかるコストは、総事業費の数パーセントともいわれる。全体から見れば微々たるものだが、ここをおろそかにするとプロジェクトは。第一関門すら突破できない


yuji5327 at 06:38 

2020年01月29日

サブスク

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ホンダ、中古車を使ったサブスクリプション
中古車を使って割安な価格
次の成長を取り込む



yuji5327 at 07:24 
池上湖心の書 

ドローンを飛ばして殺害するのは、負担も少ない。米軍によるソレイマニ司令官の殺害を、金正恩委員長はそうした米国側のメッセージとして受け取った。

2020/1/17 付けの 大前研一さんの「 ニュースの視点 」(発行部数 159,892部)は「米イラン関係/北朝鮮情勢」の話題についてである。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.米国防総省は2日、イスラム革命防衛隊の精鋭組織「コッズ部隊」のソレイマニ司令官を殺害したと発表した。イラクの首都バグダッドの国際空港を出たところで司令官の車列を米軍のドローン機が空爆したもので、これを受けてイスラム革命防衛隊は8日、報復としてイラクの米軍駐留基地を弾道ミサイルで攻撃した。
2.今回の攻撃についてトランプ大統領は補佐官がいくつか提示した案の中で最も厳しいものを選び、議会にも相談せずにツイッターで攻撃命令を出した。ツイッターの一言で
このような軍事行動が実行されるとは、とんでもない。
3.トランプ大統領にとって意外だったのは、今回の軍事行動に対して米国の世論がネガティブに反応したことである。米国民は今さらイランとの直接交戦は望まないということである。トランプ大統領の頭の中にあるのは選挙のことだけだから、「世論がネガティブに反応するなら…」ということで、急に身を引く姿勢を示しはじめた。
4.一方のイラン側もそのような米国側の身を引く姿勢を受けて、ヒートアップせずに収束させようとした。それにより、この2〜3日で急激にこの問題はクールダウンしていく様相を見せている。今後イランがどのような反撃をするのかという懸念もあるが、現在のところ、米国もイランもお互いに自制する方向で動いている。
5.イランは中東において非常に大きな影響力を持っている国である。石油の埋蔵量は世界トップクラスを誇り、国土は日本の約4倍。人口は8,000万人ほどでシーア派のイスラム系の人たちが大半を占めている。今回殺害されたソレイマニ氏はイスラム革命防衛隊の司令官である。イスラム革命防衛隊は、正規のイラン軍とは別組織で、陸上10万人、海上2万人、さらに航空部隊、民兵部隊60万人を抱えている。イラン軍が正規軍であるのに対し、イスラム革命防衛隊は、正規軍を牽制し、イランの革命を維持するための軍事組織という位置づけである。
6.そんなイスラム教シーア派のイランと中東で激しく対立しているのが、スンニ派の大国サウジアラビアである。サダム・フセイン政権下で、イラクもスンニ派が体制の主流であったため、イランと激しく対立し戦争にまで発展したが、米国によってスンニ派トップのサダム・フセインが排斥され、イラクも人口的に多数派であるシーア派が台頭することになった。
7.その他の国に目を向けると、シリアはイランと親密で、イエメンでは、同国政府とその後ろ盾であるサウジアラビアの両方と対立する武装組織が勢力を拡大し、レバノンはイスラエルと対立する、など、各国で複雑な関係性が築かれている。
8.今週のニューズウィーク誌では、このような中東情勢において「もしイランの指導層をひっくり返したら、どのようなことが起こるのか?」という特集記事が掲載されていたが、その結論は「イスラム国(IS)が復活する」というものだった。
9.イスラム国(IS)はスンニ派の過激派組織であり、シーア派の撲滅を目指している。シーア派の盟主として君臨しているイランの体制が崩壊すれば、イスラム国(IS)が復活してくることは間違いない。そうなってくると、米国は今まで中東において何のために10年以上も苦労してきたのか?という疑問が残る。トランプ大統領は選挙のことしか頭にないから、そこまで考えが及ばずにやってしまった。
10.朝鮮中央通信が報じたところによると、金正恩委員長が核・大陸間弾道ミサイル(ICBM)実験の一時停止を撤回したことがわかった。金正恩委員長は党中央委員会総会で、「公約に我々が一方的に縛られている根拠がなくなった」と述べるとともに、「世界は遠からず朝鮮民主主義人民共和国が保有することになる新たな戦略兵器を目撃するだろう」と語った。
11.金正恩委員長は、昨年末に4日連続で大会を開いて、何度も「正面突破」という単語を連呼し、威勢のよい強気の姿勢を示し続けた。「今後は自分たちだけが制裁を受けるのを受け入れない」と。ところが、イランのソレイマニ司令官が
米国のドローン攻撃であっさりと殺害されてしまい、今はすでに雲隠れしている状況になっている。
12.韓国の新聞でも、金正恩委員長がよほど衝撃を受けたのだろうと報じられている。今回のソレイマニ司令官の殺害を見ると、米国は各国の要人がどこにいるかをつぶさにチェックしていることが伺える。そして、(金正恩委員長を暗殺する)「斬首作戦」を実行する機会というのは、あまりにも身近だと言える。
13.しかも、今回のように近い距離からドローンを飛ばしてターゲットを狙う場合には、かなりの精度で本人を確認することができる。今回のドローン攻撃では、イラク側の政府の要人が一緒にいるときには攻撃をしないように命令がされていたようである。きちんと、イラクの要人がいないことを確かめてから攻撃を実行した。
14.北朝鮮の体制の保証を主張してきた金正恩委員長に対して、米国のボルトン前大統領補佐官は、「斬首作戦もあり得る」と述べてきた。その言葉の意味と重みを、金正恩委員長は今寒気とともに痛感していることだろう。米国は対立するイランと北朝鮮とに対して、両面作戦は避けたいという思惑があると言われてきた。金正恩委員長の頭の中にも、そのような算段があったと思われる。今回のようにドローンを飛ばして殺害するくらいであれば、負担も少ないため「両面作戦」を展開することも十分に可能である。米軍によるソレイマニ司令官の殺害を、金正恩委員長はそうした米国側の強いメッセージとして受け取ったと思われる。





yuji5327 at 07:15 

2020年01月28日

新型肺炎感染拡大

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患者はさらに769人増えて、2744人
死亡した人は24人増えて80人
中国政府は、旧正月の「春節」にあわせた大型連休を3日間延長
感染拡大防止
人の移動を制限


yuji5327 at 06:39 
池上湖心の書 

選抜と夏の全国大会の違いもわかりにくい。春を全国大会にして、選抜をやめてもいい。甲子園という会場を替えるという議論もある。

PRESIDENT (プレジデント) 2020年 1/17号 [雑誌]
PRESIDENT 編集部
プレジデント社
2019-12-27

「大前研一著:オリンピックと甲子園、大改革を提言する、PRESIDENT 2020.1.31」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.オリンピックイヤーが幕を開けた。2013年の東京招致決定以来、何かとトラブル続きの準備期間だった。ザハ・ハディド氏による新国立競技場設計案の撤回、盗用疑惑がかかった公式エンブレムの取り下げ、競技会場の新設問題、「コンパクト五輪」という当初のコンセプトに反して膨れ上がった予算問題。開催都市のトップである璽以都知事が2人続けてスキャンダルで辞任したのも世界に恥を.晒した。すったもんだは開催まで1年を切った段階になってからのマラソン・競歩の開催地変更である。
2.このトラブルの元凶は招致
活動を行った東京オリンピック・ハラリンビック招致委員会(現在は大会組繊委貝会〕にある。2020年のオリンピックの開催期間は「7月15日から8月31日までの16日間」と条件が設定されていた。招致委員会および東京都はそれを承知のうえで立候補し、「この時期の天候は晴れる日が多く、且つ温暖であるため、アスリートが最高の状態でパフォーマンスを発揮できる理想的な気候である」と立候補ファイルに嘘八百を記した。イカサマ招致だったから、マラソンと競歩の会場を札幌に移すというIOC〔国際オリンピック委員会〕の決定に従うしかなかった。
3.IOCにも問題がある。7〜8月は北半球の都市はほとんどどこも猛暑に見舞われる。とてもアスリートファーストとは言えない時期が夏季五輪の開催条件に設定されるのは、オリンピックの商業化、つまり欧米のテレビ局から支払われる巨額の放映権料がIOCの収入の柱になっている。たとえば米NBC(全国放送会社)ほ76億5000万ドルをIOCに支払って、2032年大会までのアメリカにおける独占放映権を得ている。
4.アメリカではアメリカン・フットボール(NFL〕のシーズン開幕やメジャーリーグ〔MLB〕のプレーオフなどのスポーツイベントが秋に集中しているし、ヨーロッパでも人気のサッカーがシーズンを迎える。テレビ局として世界的なスポーッイベントが集中する秋口よりも、イベントが.夏枯れする7〜8月にオリンピックを開催したほうが視聴率を稼げる、ということでスポンサーファーストの開催時期になっている。
5.ところが昨年9月、カタールのドーハで開催された世界陸上の女子マラソンで、真夜中に実施したにもかかわらず高湿多湿の環境が選手を苫しめて参加者の40%超が棄権する事態になった。これを受けてIOCはマラソン・競歩の札幌移転を速やかに決定、発表した。しかし、近年は札幌だって.夏場の晴れた日には30度を軽く超える。IOCのバッハ会長は開催地変更の理由を「暑さ対策」としているが、それならば代替地は長野のほうが適格だった。長野なら軽井沢など、真夏でも気温快適な1000mの高度で42・195kmのコースぐらい簡単に設計できる。男子マラソンの表彰はメインスタジアムの閉会式で行うのが通例だそうだが、長野なら新幹線で1時間で東京に戻れるから12両編成の臨時列車を待たせておけば、1時間半後には国立競技場に選手が{到看順に駆け込む演出だってできる。
6.マラソン・競歩の会場移転問題一つ取ってもIOC、」OC招致委員会、東京都、関係者全貝がお粗末である。恐らくIOCは都民や日本人に問いかけることもなく秘密裏に代替地を探そうとして広く意見を聞くことができなかったのだろう。寝耳に水の決定に不侠感を示して「北方領土でやればいい」と発言した小池百合子東京都知事にも呆れる。ありえないことだが、もし都知事の我が通って酷暑の東京でマラソンや競歩が開催されて重大事故でも起きたら、都知事の政治生命にかかわる。政治家は予測不能のリスクを負うべきではない。
7.300億円以上の予算をかけて遮熱性舗装の工事を行ってきたというが、効果を疑問視する声もある。むしろ都知事としてはリスクを軽減できる札幌移転を歓迎すべきで、あるいは内心そう思いながら、「IOCの決定には同意できないが、決定を妨げないのが東京都の決断」などと、言った。
8.そもそもオリンピックが都市単位で開催されるのは、古代オリンピックが都市国家間で競われたことに由来する。しかし近代オリンピックは、国家単位で競うのだから、「開催国」ベースのコンセプトに切り替えてもいい。そうすれば競技会場の選定なども含めてオペレーションが非常に楽になる。サッカーやラグビーのワールドカップのように競技を散らして最適地でやるようにすれば、国を挙げて盛り上がれるだろう。ちなみに2024年の「パリ五輪」ではサーフィン会場が南太平洋にあるフランス領タヒチに決まった。
9.スポンサーファーストの開催条件も改革すべきポイントである。アスリートファーストというなら、夏季五輪は主催国のべストシーズンを選ぶようにしたほうがいい。あるいは時期をずらした分散開催という考え方もある。スポンサーとの関係を見直す必要もある。スポンサーを抜本的に入れ替えて、たとえば既存メディアとは一線を画したグーグルやフエイスブック、ネットブリックスのようなグローバル企業にスポンサーになってもらう。中国のBAT{バイドゥ、アリババ、テンセント〕など新興企業も喜んでスポンサーになるだろう。(アリババはすでにスポンサー)。
10.こうしたシリアスな改革提案を日本とJOCはしていくべきである。東京オリンピック・パラリンピックが終われば、数え切れないくらいの反省点が浮かび上がる。それらを総括して、五輪改革につなげる提言を準備すべきである。東京で2度の.夏季五輪を開催し、札幌や長野でも冬季五輪を開催した日本だからこそ言える立場でもある。今回の東京オリンピックの経験と反省を生かさなければ日本人、そして特に都民には、むなしさだけが残る。
11.2024年大会の開催誘致では住民投票の結果を受けてハンブルク{ドイツ〕が撤退し、財政問題からローマと、フダペスト〔ハンガリー〕が立候補を取り下げた。最終的にパリとロサンゼルスの一騎打ちになってパリに決まった。何の改革もせずに、競技数もコストも肥大化して開催国の負担が増すばかりでは、五輪開催の魅力は失われていく。
高校野球は春に一本化、ドーム球場活用
12.日本の夏の風物詩といえば高校野球甲子園大会である。ようやく球数制限の導入など選手ファーストの改革も動き出したようだが、.夏の甲子園の存続自体を国民的な議論にしたらいい。基本的に2つの理田でやめるべきである。一つはやはり過酷な暑さと過密な日程。プレーする選手にとっても応援する観客やブラスバンドなどにとっても過酷である。昨年開催されたラグビーワールドカップは試合と試合の間隔に余裕があったが、甲子園は勝ち上がるほど試合問隔は短くなる。選手は試合数を重ねるごとに疲労が蓄積される。
13.もう一つの理由はエネルギー問題である。.夏の甲子園の決勝戦のある日の午後2〜3時は、日本の電力使用量がピークを迎える。電力供給量というのはピークに対して余裕を持たせることが大切で、.夏の甲子園がなければピークは低く抑えられる。2011年の3・11の後にユーチューブでこの持論を展開したら、高野連から「午前中に決勝戦をやる」と連絡がきた。確かに11年大会は午前開始となったが、開始時間は年々遅くなっていき、昨年は午後2時開始と電力ピークの時間帯に戻っている。国民的なブレーンストーミングのヒントとしては、夏以外に考えられないのかということである。。涼しくなるスポーツの秋にやるのが一番であるが、学校の長期休暇がないと大会運営は難しい。春には選抜甲子園かあるわけで、同じ高校生が春と夏に全国大会をやる必要があるのか疑問である。
14.選抜と夏の全国大会の違いもわかりにくい。春を全国大会にして、選抜をやめてもいい。甲子園という会場を替えるという議論もある。日本全国に屋.根付きのドーム球場があるのだから、これらを活用して、今まで通り夏に行い、決勝戦だけ甲子園で午前中にやってもいい。ラグビーワールドカップも日本全国で分散開催したから盛り上がった部分がある。国民民主党の玉木雄.郎代表も.夏の甲子園の見直しを問題提起しているが、やはり議論することが大切である。伝統を守りながら新しい時代に対応していくバランスは国民的な議論で解決していく。高野連や主催企業の都合で勝手に決めるのは時代遅れである。


yuji5327 at 06:21 
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2020年01月27日

働き方改革

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労働施策基本方針
働き方改革実行計画
労働政策審議会での議論
「働き方改革」の目指すもの
少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少
育児や介護との両立
働く方のニーズの多様化
非正規雇用の処遇改善
賃金引上げと労働生産性向上
長時間労働の是正
柔軟な働き方がしやすい環境整備


yuji5327 at 07:04 
池上湖心の書 

イノベーションを主導する有望な人材は、40歳以下の、既存のルールや商習慣に染まっていないインターネットに親しんできた「デジタル世代」である。


「校條浩著:シリコンバレーの流儀、デジタル世代への大政奉還を 週刊ダイヤモンド 2020.01.11」は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.2020年代は、2000年からの「失われた20年」を転換させて、反撃の10年にしたいが、鍵となるのは人材である。これまで企業に貢献してきた優秀な社員たちは、既存事業のルールや商習慣をしっかり身に付けた人たちだが、皮肉なことに、イノベーションに関してはそれが足かせとなった。
2.イノベーションを主導する一番有望な人材は、40歳以下の若い世代である。彼らは、既存のルールや商習慣に染まっていないばかりでなく、物心がついた頃から既にインターネットに親しんできた「デジタル世代」である。そうした世代が、デジタルト。ランスフォーメーションを切り開いていくのが一番自然である。
3.経営トップからすれば、まだ経験の浅いデジタル世代に企業変革を任せて大丈夫なのかと心配になる。任せるには長い下積みを経る必要があると信じている。その背景には、終身雇用と年功序列の雇用慣行がある。終身雇用と年功序列を採用している企業では、仕事の覚え方は徒弟関係での伝承が基本である。これは、既存の仕事を継承することと、社内のルールに従い、間違いを犯さないことに重点が置かれている。
4.しかし、これでは若い世代に権限が与えられる頃には、もう若くなくなっており、イノベーションを起こすのに必要な「失敗を恐れず新しいことに挑戦する」という気力や体力がうせている。経営トップは、「若い社員は下積みをすべし」という既成概念を思い切って捨てるべきである。成長には多くの経験が必要だということに異論はないが、経験と下積みは違う。下積みは、徒弟関係の中で熟練の技を覚える修業であり、職人の世界である。5.そこでは方法論には疑問を持たず、技を覚えることが基本だから、時に既存の方法論を否定することにつながるイノベーションの態度とは対極である。一方で経験とは、自ら主体的に仕事を計画・実行し、その失敗や成功から学ぶプロセスである。入社直後から濃密な経験を積めぱ、数年で企業内でイノベーションを坦う人材の予備軍になる。
6.そもそも、世界を見渡せぱ30代で首長や大臣、大企業の経営トップになるのは普通のことである。実際、フィンランドの新首相は34歳だ。下積みをしていたら、この年で大きな組織の長になることはできない。極論かもしれないが、企業の変革を坦う社員には、修業による下積みは必要ないどころか、足かせになる。
7.経営者は、若く経験の少ない社員に既存の事業を任せることで、悪影響が出ないかと懸念を抱く。イノベーションを起こして新事業を立ち上げるのは、リスクがあるし時間もかかる。その間に既存事業がしっかりと企業を支えなければ、イノベーション活動もおぼつかなくなる。このジレンマをどう解決するか鍵を握るのは、企業の卒業生、すなわち定年退職者や嘱託社員、役職定年社員など知識・ノウハウを持った人材である。そうした人々を経験やスキルによって選別し、メンターとして若い世代と組ませ、二人三脚で業務を遂行してもらう。
8.企業卒業生は、その企業の特質や事業を熟知している一方、役職はなく自由の身なので社内政治にはこだわりがない。彼らの多くは、まだ元気はつらつとしており、豊富な経験と知識・ノウハウを持っているのに、しゃく定規に定年退職させられている。中国企業が日本人の退職者を高い報酬で雇い、技術を吸い上げていることは周知の事実である。そのような卒業生に自社の若い世代のメンターとして活躍してもらう。短時間で成長した若い人材は、イノベーション活動に転じる人と既存事業で貢献する人に分けられるが、既存事業に残る若い世代の存在もとても重要である。
9.それは、組織外からの新しい息吹を、既存事業に取り込む柔軟な意識を持つているからである。メンターである卒業生から教わった既存事業のエッセンスはしっかり吸収するが、下積みの修業はさせないので、良いものは取り入れるオープンな意識が維持される。イノベーション活動で壁になるのが、既存事業部門のNIH(自前の技術・やり方以外を排除する考えかた)だが、下積みなしで育った若い世代には無縁である。
10.これを実現するには、細心の注意を要するデリケートな問題がある。それは、事業の中枢にいたベテラン社員たちに若い世代への権限委譲を納得させ、スムーズにバトンタッチさせることである。経宮者は、経費節減のためにベテラン社員をリストラするという発想ではなく、事業転換のために彼らに大政奉還してもらうと捉えることが必要である。その上で、ベテラン社員の経済的ダメージを最小限にとどめることがポイントである。終身雇用での報酬は、若い時期は少なく、年齢とともに増えて、一生同一企業に勤める方が、生涯収入が多くなるように設計されている。この連続性をある程度担保することにより、ベテラン社員の無血の大政奉還が可能になる。
11.そのときに並行して行わなくてはならないのが、職務と聯能を明確に分離する人事制度改革である。職務とは、係長、課長のような組織の業務と責任の範囲を指す。一方、職能は個々人の経験・能力による格付けである。本来、報酬は両者を区分して算定すべきだが、日本企業では年功序列によって両者の意味が曖昧になっている。職務を解かれたベテラン社員は、新たな人事制度を基に、職能で改めて評価され、相応の報酬が決まることになる。それであれば、ベテラン社員は職務による責任ある仕事を若い世代に奉還し、良き協力者になってくれる。
12.若い世代は、若いうちから既存事業の責任者になり、その中からイノベーションを推進する方向に進む人も出てくる。既存事業を守る若い世代は、イノベーション活動から刺激があれば前向きに取り組む、経験豊富な企業卒業生は、出身企業の若い世代と生き生きと働く、20年代は、企業は若い世代、ベテラン世代、卒業世代の「三方よし」を目指すべきである。


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工学博士、技術士(応用理学)、
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池上湖心プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山(文化功労者)に師事
書象会理事、審査会員
公募展出展
〇謙慎展・常任理事
・春興賞受賞2回
・青山賞受賞
〇読売書法展理事
・読売奨励賞受賞
・読売新聞社賞受賞
〇日展入選有

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