2006年05月20日
モーツアルトの脳への効果
1990年代初頭、カリフォルニア大学のモーツアルト効果の研究が話題を呼び、広く一般大衆の関心を集めるようになった。米国アーヴィン市にある記憶と学習のための神経生理学センターでは、研究班が大学生や子供を対象にモーツアルト効果を調べた。フランシス・H・ラウシャー医学博士らは、心理学部在籍の学生36名にモーツアルトの「2台のピアノのためのソナタ ニ長調、K448」を10分間聴かせたあと、空間把握に関する知能検査(スタンフォード・ピネー知能検査のひとつ)を実施したところ、聴かなかった学生に比べて8から9ポントも高い得点が得られた。その効果は10分から15分続いたが、音楽と空間把握能力には深い相関があることから、音楽の効果があることを結論づけた。これをきっかけに他の科学者たちも追跡調査をおこない別の検査方法でもモーツアルト効果が高いことが確認されている。科学者たちは、そのメカニズムに興味を持ち始め、大脳皮質のニューロン発射パターンが「組織化」し、とくに創造的な右脳の処理能力が強化され、その結果空間的な思考力と時間的な思考力の双方が強化されるという結論を出している。簡単に、音楽は集中力を高め、直感力を強化するという人もいる。
モーツァルトで癒す―音と音楽による驚くべき療法のすべて
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