2006年11月29日
オナラの“におい”も遺伝する
堀内勲著「赤ちゃんはスリッパの裏をなめても平気」ダイヤモンド社、2002年は、題名の意外性で引きつけられて読んでみたが、日常の生活環境での微生物との係わりが非常に多いことが分かりやすく解説されている。標題に関連する部分の概要を紹介すると、以下のとおりである。
「オナラの研究は1960-70年代NASA(アメリカ航空宇宙局)のアポロ計画で真剣に研究が進められた。目的は、宇宙船内でのオナラによる爆発火災、ガス中毒の可能性についての評価がである。結果は、爆発の危険性、中毒性のリスクはないという結論に至っている。オナラのガス成分は、無臭成分(窒素ガス、水素、炭酸ガス、メタン、酸素)が99%、臭い成分(アンモニア、硫化水素、インドール、スカトール、揮発性アミン、揮発性脂肪酸)が1%であることがわかった。それらの成分は摂取した食べ物にも依存することは確認され、肉食の多い人のオナラがくさいことも証明された。ウエルシュ菌という腐敗菌が増加すると臭くなることもわかっているが、その原因が精神的なストレスにも依存している。
この研究の成果の一つは、無臭性のガス「メタン」の成分比が食事の内容に関係ないことがわかったことである。メタンは腸内に棲みついているメタン細菌によりつくられるが、一般成人の3人に2人はメタン細菌が棲みついていない。メタン細菌が棲みついているかどうかは遺伝によるものであることが分かった。
この結果はたまたま無臭性のメタンについての研究結果であるが、臭気に関係するガス成分に関わる腸内細菌は数多くおり、オナラの臭いも遺伝子するとも言える。」
1980年代、小生も、今の日本の宇宙ステーション計画のミッション解析に携わったが、日本独自のベランダ型の実験モジュールは、ガスや微粒子の危険を避けるという当時のNASDAの担当者らと議論の結果、考案されたものである。当時、微粒子や有毒ガスのハザード解析はあったと思うが、さすがに、オナラのことは記憶にない。アポロで結論が出ていたためかもしれない。
赤ちゃんはスリッパの裏をなめても平気―あなたの周りの微生物がわかる本
「オナラの研究は1960-70年代NASA(アメリカ航空宇宙局)のアポロ計画で真剣に研究が進められた。目的は、宇宙船内でのオナラによる爆発火災、ガス中毒の可能性についての評価がである。結果は、爆発の危険性、中毒性のリスクはないという結論に至っている。オナラのガス成分は、無臭成分(窒素ガス、水素、炭酸ガス、メタン、酸素)が99%、臭い成分(アンモニア、硫化水素、インドール、スカトール、揮発性アミン、揮発性脂肪酸)が1%であることがわかった。それらの成分は摂取した食べ物にも依存することは確認され、肉食の多い人のオナラがくさいことも証明された。ウエルシュ菌という腐敗菌が増加すると臭くなることもわかっているが、その原因が精神的なストレスにも依存している。
この研究の成果の一つは、無臭性のガス「メタン」の成分比が食事の内容に関係ないことがわかったことである。メタンは腸内に棲みついているメタン細菌によりつくられるが、一般成人の3人に2人はメタン細菌が棲みついていない。メタン細菌が棲みついているかどうかは遺伝によるものであることが分かった。
この結果はたまたま無臭性のメタンについての研究結果であるが、臭気に関係するガス成分に関わる腸内細菌は数多くおり、オナラの臭いも遺伝子するとも言える。」
1980年代、小生も、今の日本の宇宙ステーション計画のミッション解析に携わったが、日本独自のベランダ型の実験モジュールは、ガスや微粒子の危険を避けるという当時のNASDAの担当者らと議論の結果、考案されたものである。当時、微粒子や有毒ガスのハザード解析はあったと思うが、さすがに、オナラのことは記憶にない。アポロで結論が出ていたためかもしれない。
赤ちゃんはスリッパの裏をなめても平気―あなたの周りの微生物がわかる本