2007年01月22日
宮崎県知事選挙結果の別の見方
大前研一訳のダニエル・ピンクの著書「A Whole New Mind」(ハイコンセプト:「新しいこと」を考え出す人の時代)は訳者の解説も含めて面白い。以前にもこのブログで本書を紹介したが。今回の宮崎県知事選挙の結果、芸能人タレントの東国原英夫氏(そのまんま東氏)が、中央官僚出身者らを抑えて当選したことを、この本の著者や大前氏らはどのように分析するかを伺いたいところである。米国社会では、ハーバード・ビジネススクールでMBAの資格をとるより、UCLAのMFA( Master of Fine Arts) を卒業するほうが難しい時代になっている。日本人は、MBAの資格を東大法卒と同様な社会のパスポートのように考えているが、社会はそんなに単純なものではないことは米国の社会はきちんと結果を示している。日本の社会の後進性は日本社会でも少しずつ、それらのパスポートが幻想であることを示し始めている。しかし、それはまだ一部で、山梨県も愛媛県も東大法学部卒の元官僚が相変わらず知事選挙に当選している。それも64歳、72歳の高齢である。多分、中央からの補助金をあてにするしか能がない地元の一部の既得権者が、自分たちの保身のために彼らを担ぎ出しているのだろう。談合すれすれの行政は相変わらず続き、一般庶民が間接的な被害を受け続けるのであろう。MFA出身者たちが米国社会で受け入れられているのは「コンセプトの時代」に成功するタイプ、すなわち、一見、バラバラで多様な秩序の間にある関連性を理解する能力、明らかに無関係な要素を結びつけて新しいものを作り出す能力、ある物事を他の観点から捉える能力に期待しているからである。既存の知識偏重教育しか受けていない官僚出身者とは対峙する能力が期待されている。
ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代―富を約束する「6つの感性」の磨き方
そのまんま東へ/FUNKY MONKEY BABYS
ハイ・コンセプト「新しいこと」を考え出す人の時代―富を約束する「6つの感性」の磨き方
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