2007年06月27日
塩ビは本当に環境に悪い物質か?
ジョン・エムズリー著、渡辺正氏の逆説・化学物資−あなたの常識に挑戦する、丸善、平成8年」について幾つか紹介しているが。著者は、石油を原料として合成されている化学物質が環境問題で悪玉になっていることに対して、化学者の立場で弁護している。一般の人たちや環境保護団体の誤解についても指摘している。
代表的なものが塩ビ(塩化ビニル)である。塩ビを造れば天然資源がそれだけ減り、製造過程で危ない化学物質が生まれ、捨てれば環境を汚す。これは塩ビにかぎらず他のプラスチックも、鉄やガラスも含め人類が作った万物にあてはまる。昔は生産工場のそばだけ気を配っていれば良かったが今は地球全体に気を配らなければならない。
塩ビが環境にどの程度影響するのか見積もる収支計算が必要である。ある製品について別の材料と塩ビを「ゆりかごから墓場まで」式に分析するライフサイクルアセスメント(LCA)の考え方を導入する。危ないといわれているほかの化学物質、DDT、フロン、PCB、ダイオキシンと同じ宥機塩素化合物だから環境の毒だ叫ぶひとが多い。しかし、現状は環境を汚す場面は少なくなっており、安全性と経済性の面で用途も広い。合成ポリマーよりも生体高分子のほうが資源保護にによいという議論がある。紙や繊維をつくる植物を育てるのに天然資源を使うことを忘れている議論が多い。肥料、収穫・輸送のためのエネルギー、最終製品をつくるためのさまざまな化学物質を見落としてはならない。
ちなみに、日本の稲作も、10の化石燃料を使って2くらいの米の化学エネルギー(栄養分)を回収しているだけである。
逆説・化学物質―あなたの常識に挑戦する
代表的なものが塩ビ(塩化ビニル)である。塩ビを造れば天然資源がそれだけ減り、製造過程で危ない化学物質が生まれ、捨てれば環境を汚す。これは塩ビにかぎらず他のプラスチックも、鉄やガラスも含め人類が作った万物にあてはまる。昔は生産工場のそばだけ気を配っていれば良かったが今は地球全体に気を配らなければならない。
塩ビが環境にどの程度影響するのか見積もる収支計算が必要である。ある製品について別の材料と塩ビを「ゆりかごから墓場まで」式に分析するライフサイクルアセスメント(LCA)の考え方を導入する。危ないといわれているほかの化学物質、DDT、フロン、PCB、ダイオキシンと同じ宥機塩素化合物だから環境の毒だ叫ぶひとが多い。しかし、現状は環境を汚す場面は少なくなっており、安全性と経済性の面で用途も広い。合成ポリマーよりも生体高分子のほうが資源保護にによいという議論がある。紙や繊維をつくる植物を育てるのに天然資源を使うことを忘れている議論が多い。肥料、収穫・輸送のためのエネルギー、最終製品をつくるためのさまざまな化学物質を見落としてはならない。
ちなみに、日本の稲作も、10の化石燃料を使って2くらいの米の化学エネルギー(栄養分)を回収しているだけである。
逆説・化学物質―あなたの常識に挑戦する