2008年02月25日
絶滅危惧動物をクローニングすることへの賛否
「サイエンティフィック・アメリカン編、水谷淳訳:クローン技術の可能性、日本経済新聞社、2005年」は十数人の専門家が13項目の最近のクローン技術の要点をわかりやすく解説しているということで、昨日の当ブログで紹介した。昨日、示した13項目の中の3項目の「ノアの方舟のクローン」がどういう意味かわからないので読んでみると概要は以下のとおりである。
1.古代のマンモスもクローニングを利用すれば蘇るという話がある。今日、絶滅の危機に瀕している多くの動物もクローニングで救われるかもしれない。
2.絶滅直前の動物の場合、卵細胞から染色体を取り除き、代わりにその動物の胚性皮膚細胞を導入する技術を使う。この卵を子宮に戻して妊娠させるとその動物のクローンが生まれてくる。
3.「ノア」というのは、米国アイオワ州に棲むありふれた雌牛が、絶滅が危惧さるクローンを初めて出産した。その生まれた雄牛に「ノア」という名前がつけられた。ノアは牛に似たガウアという大きな動物で、インド、インドシナ半島、東南アジアにで稀少種となっている。その角や皮などが貴重品として取引されていたのを国際自然保護連合(IUCN)が禁止した。
4.保全生物学者のなかにはこの種の、試験管受精などの基本的な生殖介助法を認めようとしない。
5.ジャイアントパンダも絶滅危惧種であるが、1999年にサンエゴの動物園で、人工授精で赤ちゃんパンダが生まれている。
6.すでに絶滅してしまった動物の場合、恐竜やマンモスをいますぐクローニングすることは不可能である。理由は、保存されている組織(DNA)が不足していること、長年にわたる凍結と融解の繰り返しでDNAに欠陥があること、である。
7.クローニングによる絶滅危惧動物の保存に異論があるが、その理由は、絶滅種の遺伝的多様性がクローニングにより減少してしまうと言っている。
著者は、この意見に反対している。
8.著者の提案は、サンプルを採取できる絶滅危惧種の全個体から組織を取り出し凍結保存するための世界規模の貯蔵ネットワークをつくることである。それを「凍結動物園」という。飼育のための莫大な費用も削減できるといものである。
科学の最前線 2 クローン技術の可能性
1.古代のマンモスもクローニングを利用すれば蘇るという話がある。今日、絶滅の危機に瀕している多くの動物もクローニングで救われるかもしれない。
2.絶滅直前の動物の場合、卵細胞から染色体を取り除き、代わりにその動物の胚性皮膚細胞を導入する技術を使う。この卵を子宮に戻して妊娠させるとその動物のクローンが生まれてくる。
3.「ノア」というのは、米国アイオワ州に棲むありふれた雌牛が、絶滅が危惧さるクローンを初めて出産した。その生まれた雄牛に「ノア」という名前がつけられた。ノアは牛に似たガウアという大きな動物で、インド、インドシナ半島、東南アジアにで稀少種となっている。その角や皮などが貴重品として取引されていたのを国際自然保護連合(IUCN)が禁止した。
4.保全生物学者のなかにはこの種の、試験管受精などの基本的な生殖介助法を認めようとしない。
5.ジャイアントパンダも絶滅危惧種であるが、1999年にサンエゴの動物園で、人工授精で赤ちゃんパンダが生まれている。
6.すでに絶滅してしまった動物の場合、恐竜やマンモスをいますぐクローニングすることは不可能である。理由は、保存されている組織(DNA)が不足していること、長年にわたる凍結と融解の繰り返しでDNAに欠陥があること、である。
7.クローニングによる絶滅危惧動物の保存に異論があるが、その理由は、絶滅種の遺伝的多様性がクローニングにより減少してしまうと言っている。
著者は、この意見に反対している。
8.著者の提案は、サンプルを採取できる絶滅危惧種の全個体から組織を取り出し凍結保存するための世界規模の貯蔵ネットワークをつくることである。それを「凍結動物園」という。飼育のための莫大な費用も削減できるといものである。
科学の最前線 2 クローン技術の可能性