2008年04月27日

哲学者セネカの余暇とは? 3

「角田幸彦著:セネカ・人と思想、Century Books、2006年」に解説されているセネカの「余暇」についての考え方には感銘を受けた。世の中はゴールデンウイークで、ひとそれぞれの余暇を楽しんでいる人、この時期こそビジネスチャンスと頑張っている人もいると思われる。ルキウス・アンナエウス・セネカは、紀元前4年 - 紀元65年の時代(古代ローマ)の政治家、思想家、詩人である。皇帝ネロのブレーンを勤めたストア哲学者でもある。彼の余暇についての考え方を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.セネカはストア派であるが、余暇の勧めはそれと矛盾しない。
2.公的活動(セネカの場合は政治)と私的生活(余暇)がある。国家にはローマ人の国家、ギリシャ人の国家、カルタゴ人の国家という小さな国家でけでなく、全人類に及ぶ大きな国家もある。ひとはむしろ人類の国家という真に公共的な国家にこそ尽くすべきであり、この人類の国家への奉仕は、余暇を持って深く哲学することがなければ不可能である。
3.賢者たる者は、現実の国家、特定の民族の国家、小さな国家に近づかない。
4.余暇とは人類に開かれた広い国家のために尽くすための余暇なのであり、さらにそれは哲学的余暇であるべきである。我々の目指すべきは、現在と将来の全ての民族の全ての人々である。特定の国家での政治活動は真の意味の公的活動ではない。
5.真の余暇とは、世俗のぐうたらな弱さ丸出しのだらけた生き方、との対決とその克服のため余暇である。こうした閑暇のある生き方こそが、国家とはどうあるべきかの考察に必要である。余暇は公務や職務の厳しさからの休養ではない。国家を憂える人間として自己を深める学習に集中する時間、これが余暇である。

 大ローマ帝国が長く続いたのは彼のような哲学者がいたからかもしれない。現代の政治家や経営者の中で、このような哲学的思考で余暇を過ごしていると想像される人は、われわれが書物などで目に触れる言動から判断して、京セラの創業者の稲盛和夫さんくらいしか思いあたらない。


セネカ (Century Books―人と思想)


yuji5327 at 07:25 
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池上湖心プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山(文化功労者)に師事
書象会理事、審査会員
公募展出展
〇謙慎展・常任理事
・春興賞受賞2回
・青山賞受賞
〇読売書法展理事
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