2008年12月30日

思考するコンピュータなんかできないと主張する人もいる 3

「サム・ウイリアムズ著、本田成親訳:人口知能のパラドックス−コンピュータ世界の夢と現実、工学図書、平成16年」で昨日紹介した「レイ・カーツワイル著:心を持つ機械の時代」の著者、レイ・カーツワイル氏が、人口知能について楽観主義者とすれば、ジャロン・ラニアーという悲観主義者もいる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.ジャロン・ラニアー氏はコンピュータ・サイエンスのヴァーチャル・リアチyヒの世界で先駆的な業績をあげている。かれの経歴を一口に言うと「常道からの飽くなき逸脱」と言われている。
2.彼の基本的な姿勢は「技術の革命は時代の潮流に影響をあたえるばかりでなく。市場を取り込み、みずからの意を押し通そうとする。こうした趨勢を押しとどめる意思が今必要である」の言葉に表れている。
3.生きているもののあらゆる現象は、突き詰めていけば、どれもメカニカルな、サイバネティックス的なプロセスに帰着する。「主観的な経験」、あるいは「個人の意識」などというものは幻想である。
4.生物的な進化のダーウイン的進化論がテクノロジーの世界でも成り立つ。テクノロジーが今の勢いで進化すれば、最終的にはホモ・サピエンスという種の進化の歴史で、今のヒトという種が過去のものになるだけである。
5.ラニアー氏自身はヒューマニストである。人工知能学者に付きまとう「ポスト人類」論をからかっている。ハイテクの世界に身を投じてきた経歴で「ヒューマニズム」を論じているのは意味がある。
6.彼は、今「ナショナル・テレイマージョン構想」や「インターネット2」のプロジェクトに参加している。http://www.­advanced.­org/­teleimmersion.­html
7.コンピュータ・テクノロジーは人間が行う表現活動を手助けする媒体に過ぎない、というのがラニアー氏の基本理念である。カーツワイルが主張する2030年までに思考するコンピュータが出現するという予想に異議を唱えている。


人工知能のパラドックス―コンピュータ世界の夢と現実 (ケイ・プラス・ケイ・プレス)
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工学博士、技術士(応用理学)、
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池上湖心プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山(文化功労者)に師事
書象会理事、審査会員
公募展出展
〇謙慎展・常任理事
・春興賞受賞2回
・青山賞受賞
〇読売書法展理事
・読売奨励賞受賞
・読売新聞社賞受賞
〇日展入選有

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