2009年05月30日

これからのビジネスパーソンの自衛手段とは 3

5月29日付けの大前研一さんのニュースの視点は「GDP成長率、戦後最悪の下落と日本企業の「アメリカ化」という標題の記事で、副題として「どこでも通用する人材を目指せ」が付いている。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.5月20日、内閣府が発表した2009年1−3月期の実質GDPの成長率は前期比4.0%減少、年率換算では15.2%の減少となり、戦後最悪の落ち込みとなったことが分かった。四半期ベースで前期比4.0%の減少というのは予測の範囲内であったが、、年率換算の下落幅は大前氏の予想を超える大幅な値である。
2.この数値は、OECDの各国の中でも例がない画期的な下落率である。日本の場合、一度不況に陥ると「身構える」のが早いためにこのような結果を招いている。この数年は輸出依存が強かったので、世界的な大不況によって輸出が冷え込んだ影響が強く出ていると言える。
3.実質GDPの需要項目と実額の推移を見ても、2008年のはじめまで民間最終消費などは緩やかに上昇している反面、純輸出(外需)が2009年になって急速に下落しているのが分かる。こうした状況の中で、企業は「削りやすいものから削る」という 方針の下、人員削減や給与の減額を実施し始めている。コスト削減施策は必要だと思うが、安直過ぎると懸念される。
4.かつてソニーの創業者の一人であった盛田昭夫氏は、日本の経営と米国の経営を比べて、米国のそれがダメな理由を明確に指摘してた。それは「四半期決算のことしか頭になく、短期的な視野でしか物事を見ていないこと」という点であった。今の日本企業の経営を見てみると、当時の盛田氏の指摘した米国の状況とほとんど変わらなくなってしまった。
5.「今は外需が大変だ」となると、判で押したように「国内で削れるものを削りましょう」という方針になっている。戦略的な思考を持って、今後の反転のためには今本当に何をするべきかを考えていると思えない。長期的な強さを手に入れるためには、今このタイミングで本当の意味での海外展開を図っておくべきだという結論に至る企業があってもよいが、そういう発想が見られない。四半期決算のことばかりに目を奪われて長期的な視野を見失ってしまったというのは、新型インフルエンザのように米国から感染してしまった病気と似ている。
6.日本経団連は5月20日、大手企業による夏のボーナスの1回目の集計結果を発表した。妥結額は前年比19.39%減の75万4009円。企業業績の急速な冷え込みから7年ぶりに前年よりも下回り、下落幅は過去最悪となった。また、厚生労働省が5月21日に発表した国民生活基礎調査によると、07年の1世帯当たりの平均所得額は前年比1.9%減の556万2000円で、1989年からの過去19年間で最低となった。
7.このような現状から、「日本の経済的なピークは90年代の半ばに終わった」と認識するべきである。日本は老大国であり、これから将来のほうが期待できるという
ことはまずあり得ない。今後、成長産業として期待できるのは介護産業や葬儀産業くらいのもので、その他の産業はこれまでよりも厳しい状況に置かれることになる。
8.この状況に追い討ちをかけているのが、不況に対応するために企業が打ち出している「コスト削減施策」である。今の日本企業は四半期決算に帳尻を合わせることしか頭にない。まず真っ先に削りやすいコストである「人」と「給料」に照準を合わせる。このような日本企業の体質について、大前氏の著書「心理経済学」や「ロウアーミドルの衝撃」でも指摘しているとおり、この事実を理解していない人が多い。
9.重要なことは、個人レベルでもこの状況に対応できるようにしておくことで、レイオフに備えて、どこに行っても通用する人材になるということである。「私の能力はこれです」と言えることが大切である。不要なものから削除するというコスト削減を考え始めると、ほとんどの場合には人員削減を避けては通れない。企業は必ずしも今必要ではないという人員も抱えている。そうした人たちがレイオフの対象となる。いざ就職活動を始めてもなかなか職が見つからないという状況になる。
10.日本の企業体質が変化してしまったという点も問題であるが、個人レベルでそれについて不平・不満を述べているだけでは結局自分の首を絞めてしまう。そのような状況にあっても対応できる人にならなくてはならない。しっかりと日本という国の将来像を見極めて、一人でも多くのビジネスパーソンが国内でも世界でも通用する「人材」になってくれることを願っている。


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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
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