2009年09月28日

ITを景気対策に活用するためには? 3

「大前研一、田原総一朗共著:勝ち組の構想力、21世紀、われわれはいかに富を創出するか、PHP研究所、2001年」の「第4章:IT革命第2ラウンドでは日本は勝つ」は、的を突いている話であるが案外一般に認識されていないと思う。
概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.ITを景気刺激策のように捉えている政治家がいるがそれは逆である。ITが雇用の増加につながるまでにはいくつかのハードルがある。第一のハードルは新しい産業に人が移らなければならない。
2.古い産業は淘汰される。効率の悪いところをお互いに過保護にかばい合いながら成り立っていた日本としては、厳しい失業率になる。ITによって雇用が増えるのは、知的付加価値、知的生産性の部分である。そのためには知的産業で国際的競争力を持たないといけないが、日本は教育も含めてその準備はゼロである。
3.日本が光ファイバーを張り巡らせる政策を打ち出したときに、光の線路を通すときには工事需要があるから一時的に景気刺激になったかもしれないが、ブロードバンドのアプリケーションのニーズを国民が感じていない。利用する人がいないのに新幹線を通すようなものである。外国の優れたソフトが日本に浸透し、失業者が増えるだけである。
4.シンガポールやアイルランドなど海外ではIT教育を幼稚園から実施している。その子供たちが20年くらい経ちビジネスを立ち上げ雇用を創出する。インターネットでは8割が英語の情報である。英語で付加価値を出すというのは、ものを輸出する時代とは異なる。情報を自分で吸収し、新しい知的付加価値をつけて発信する能力が要求されるが、そのような能力を有する人材の教育は日本でははるかに遅れている。答えがない問題に答えを出すという能力は偏差値受験勉強では得られない。
5.鉄鋼以来、経済産業省(旧通産省)のお墨付きをもらった産業が伸びたためしはない。経済産業省に忘れられた産業が伸びる。伸びてきて、アメリカに文句を言われて数量規制など、通産省の役人が威張りだしたころはその産業は衰退産業になっている。(アニメ殿堂も経済産業省は勝ち組に乗り、口を出して、自分たちの存在感を示すという、今までの霞ヶ関のいつものパターンである。ここでも政治主導が期待される)
6.ドイツは製造業が大分弱くなったが、世界中に工場を分散させた結果、国内には設計、財務、マーケッティングが残り第三次産業が大きくなった。イギリスの放送メディア、スエーデンの民営株式市場、デンマークのエコビジネス、フィンランドの携帯システムで世界中から収入が入る還流機構ができている。
7.日本でそれが出来ないのは、昔の成功体験が大きすぎた。この10年間日本は不況だと言うと、みんな好況になるのを待てばよいとか、公共投資で景気刺激すれば何とかなるという風潮が高まる。古いものを壊して新しいものを出さなければならないのに、みんながじっと待っている状態が続いた。


「勝ち組」の構想力 ― 21世紀、われわれはいかに富を創出するか
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工学博士、技術士(応用理学)、
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(現在理事)
 春興賞の受賞:2回
○書道教室
・学生:月曜日
・一般:火曜日、水曜日





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