2010年05月31日

政治という概念はギリシャで生まれたポリスが原型 3

5月26日付の「魚の目」の佐藤優氏の記事の紹介の続きである。マックス・ウエーバの思想から政治権力を見るとどうなるかが解説されている。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.ドイツの近代の学生達の考え方は、今の日本の民主党の感覚に似ている。マルクス・レーニン主義ではないけれども、新自由主義的な形で格差が拡大している、こういうのはおかしい。伝統にもそこそこ関心を持つけれど、知的な世界にも関心がある。これが新カント派と結びつく。
2.新カント派の人たちは、科学には二通りある。一つは自然科学で物理や化学は実験ができ、そこで法則を見付けていくような法則定立的な科学である。それに対して政治学とか歴史学、法学は実験ができない。仮に実験ができても社会実験は繰り返しができない。だから頭の中でモデルを作って頭の中で考える思考実験をする。思考実験しかできないところで個性を記述する科学を新カント派は考えた。
3.当時、ドイツが大変なインフレでになった。第1次世界大戦直後で。今のお金でいうと、日本から1万円くらい持っていけば50万、60万の価値があった。当時日本人は国費留学では1カ月、今の日本円の感覚で00万円くらい使った。1カ月に数千万円くらいの書籍代を持っていたので、帰国の時に、荷物用に船室を借りた。当時留学していた人はドイツのインフレを利用して大量の本を買って、ただみたいな値段で家庭教師をつけた。当時、主流だった発想が新カント派なので日本の学会は帝大を中心に新カント派の考え方が強くなった。
4.政治という概念はギリシャから出てきた。ギリシャ以外に政治という考え方はなかった。政治をポリスといい、これは政治と訳しても国家と訳しても通じる。政治と対立する概念にギリシャ語のオイコスがある。オイキクメニエ、エコノミー、経済などはオイコスからきている。本来は家という意味である。
5.古代ギリシャのポリスにおいて政治に従事する人は、古代ギリシャの奴隷と市民の中の、市民の貴族と平民がポリスで政治に従事した。女性は市民になれなかった。ポリスにおいて適用されるルールをギリシャ語でノモスという。カール・シュミットの『大地のノモス』という本があるが、ノモスというのは通常、法と訳されている。したがって、法というのは社会全体の中のごく一部しか通用しない。
6.オイコスのルールは、法じゃない。ビアという基幹原理があった。ビアとは暴力である。奴隷は所有物だから、言うことを聞かなければ、鞭打っても殺しても構わない。女性は言うことを聞かなければ殴ってもいい。家庭のなかにおいて適用されるルールが暴力である。ドメスティックバイオレンスの根があったのでフェミニストによる知の男権性、暴力性批判が出てきた。
7.このような社会の基本形から政治というものが生まれてきた。このポリスのノモスの中にも最終的には強制権力という形で暴力が入ってくる。マックス・ウェーバーは神学的知識をもっていた。佐藤氏は基礎教育がプロテスタント神学で、ギリシャ語を学ぶ。そのギリシャ語を学ぶ中で政治の概念、経済の概念を学んだ。日本の政治学や法学ではあまり学ぶ機会がない。ヨーロッパで政治学や法学を専攻する人は、基礎で必ず哲学を学ぶ。それは、哲学では概念を押さえることが重要だからである。民法と刑法が分かれるというのも、オイコスとポリスという二項対立の図式があるからである。これは日本人にはよくわからない。それは皮膚感覚としてこの種の規範原理が混沌としているのが日本文化の特徴だからである。
(民主党の鳩山・小沢氏を批判する野党や与党内部の一部の人、テレビや大新聞のメディアの幹部達は規範原理の無い感覚の人が多い。日本文化の中で正しい政治を行うことの難しさが最近の情勢からもよくわかる)


yuji5327 at 06:46トラックバック(0) 
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
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 春興賞の受賞:2回
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