2011年01月28日

1990年代からの日本の衰退は大東亜戦争で日本が負けた過程と酷似 3

「小室直樹著:日本の敗因・・歴史は勝つために学ぶ、2000年、講談社」の著者は、今年9月4日に亡くなった。その行動から奇人と評されることが多いが、その思想・学説は会津高校から京都大学で数学、物理学を志したこともあり、確かなデータに基づく論理的な記述は説得力がある。その著作活動を身近に目にしていた人の話では、命がけの取材と奥深い洞察力には誰もが敬服している。本書の「第1章 敗因は腐朽官僚制にあり」は、現代の霞ヶ関官僚を見る上でも参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.日本に未来はあるのか? 日本はこのさきどうなるのか? こんな問いをよく耳にするようになった。世紀と千年紀(ミレニアム)の変わり目ということもある。ふだんは、「百年の計」などには思いも至らない人々も、自分たちが生きてきた時代が終わりを迎え、新しい時代を迎えるころになると、それまでの、たかだか数日から数週間単位のモノの考え方から一変、大きな時間の単位でものを考えてみたりする。年の暮れから正月、その時期だけなぜか一年を振り返り、次の年を展望する。そんな人の習性と同じじである。
2.日本の将来は? この問いは、予測という科学的な問いではない。客観的な問いでもない。確実に、悲観を含む。不安なのである。バラ色の将来が、日本人のあいだに共通のビジョンとして抱かれているかぎりは、「将来」について、問うたり考えたりしない。日本はこの先どんな国になっていくのだろう。この問いには、その輪郭がはっきりと見えてこない不安がある。滅亡などと大袈裟な言葉が、人々の口にのぼることは少ないが、日本がその方向へと向かっているのではないかという不安や疑問は、誰にもあるらしい。小室氏自信にも、答えが求められることがある。それに対しては、「大東亜戦争に学べ」と答えている。
3.1945年(昭和20年)、日本の敗戦に終わった大東亜戦争。この戦争で、日本が勝つチャンスは十分にあった。勝機は随所に転がっていた。それなのに日本はその可能性を活用できなかった。チャンスをみすみす逃してしまった。その敗戦への過程を学ぶことによって、これからさきの日本についてはっきりと見えてくる。なぜなら、この大東亜戦争当時の状況が、現在の日本の状況に酷似しているからである。
4.1980年代を思い出してみると、当時、「ジャパン・アズ・ナンバーワン」という言葉がマスコミに躍った。驚異の戦後復興から、経済は高度成長へ。GDP(国内総生産)は、大国アメリカに次ぐ世界第二位。日本企業がつぎつぎとアジアへ、アメリカ大陸へ、ヨーロッパへと進出した。経済によって世界を席巻し、21世紀はアメリカにかわって日本が覇権を握る。「ジャパン・アズ・ナンバーワン」というのんきな標語を信じた人は多かった。
5.「経済は一流、政治は二流」といった言葉がさかんに口にされたのも、このころである。ところが、1990年代を迎えると、様相は一変する。日本中が浮かれたバブル景気が崩壊。「一流」だったはずの経済が、数年間で「二流」「三流」にまで成り下がる。日本経済を支えてきた日本の金融システムは、実はほころびだらけ。旧大蔵省の護送船団方式で守られ、横並びで成長してきた金融機関には競争力がなく、欧米の金融機関とは対等に渡り合えない。危機に瀕したときに、とるべき方策を知らない。危機管理能力の決定的な欠如は、バブル崩壊という経済危機の前に無能だった事実によって、はっきりと証明された。
6.危機管理能力のなさは、金融界だけの事情ではない。産業界、政界、そして庶民にも共通の大問題として残った。経済で、世界の一流国へとのぼりつめた日本が、その経済の失敗によって、窮地に追い込まれている現在の状況。それは、軍事によって西欧列強と肩を並べ、そして軍事の失敗によって敗戦した1930年代から40年代の状況と同じである。戦後、経済で栄えた日本は、現在、経済で滅びそうである。それは、戦争で栄えた日本が戦争で滅んだのと酷似している。
7.日清、日露の両戦争で、西欧列強と肩を並べた日本が、大東亜戦争によって滅んだ。それとそっくりの状況が、いまの日本で展開されている。だから、大東亜戦争を検証し、そこから学ぶべきものを学ぶということでしか、現在の日本の状況を打開することはできない。大東亜戦争を無視して、日本の将来はありえない。
(太平洋戦争は、第二次世界大戦の局面の一つで、大日本帝国(日本)など枢軸国と、連合国(主にアメリカ合衆国、イギリス帝国、オランダなど)との戦争である。大東亜戦争は太平洋戦争と同義ではない。これは、閣議決定にある「支那事変ヲモ含メ」という文言をいかに解釈するかという問題で、大東亜戦争の中に、1937年からの支那事変の全期間を含むと考えるのか、1941年以降の中国大陸における戦闘のみを含むと考えるかの違いによる。本書では同義のようである)


日本の敗因―歴史は勝つために学ぶ (講談社プラスアルファ文庫)
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
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 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
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