2011年04月22日

霞ヶ関のクニ・ムラ組織は人事権はあるが責任者不明の無責任体制である 3

「稲葉清毅:霞ヶ関の正体、晶文社、国を亡ぼす行政の病理、2005年」の「第2章:能なき役人は法規をかざす法規・前例依存症」を既に数回紹介している。現在、東日本震災の復興は地方自治体の頑張りで何とか進んでいるが、福島原発事故の処理は国の原子力安全・保安院と東京電力という官僚的な組織の下では先が見えない。原子力安全・保安委員会の記者会見など東大法学部卒の役人の「**と報告をうけている」などというコメントなど聞くに絶えない。その理由が本書の「行政の論理の再構築神話からの脱却」の小節を詠むとわかる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.行政の病理の発生構造を見ると、巨大組織の弊害など、国の存在やその体質が寄与している面が大きい。その改善のためには、地方分権の推進と並んで霞ヶ関の改革が欠かせない。
霞ヶ関の抱える本質的な病因として、クニ・ムラ体制がある。各省庁の公務員が、事務官及び各種技官ごとに形成している人的グループといえるが、その範囲は現役の公務員に止まらず、人脈を通じて政界、業界、学界等に拡がり、一部は彼らとしっかり癒着している。
2.クニ・ムラのトップは、次官や技監、局長、小さなムラでは部課長のように見えるが、ドンとでもいうべき有力なOBが強い影響力をもっていることもあり、行政改革等、直接クニ・ムラの利害にかかわる問題や最高幹部の人事については、次官や局長の当事者能力が制約されている。
3.ノンキャリアの集団はポスト面では冷遇されているが、キャリア達の関心が薄い経理等の実務をしっかりと掌握し、別の形のムラを形成している数年前に、外交機密費の不正流用をめぐって、外務省におけるキャリアとノンキャリアの共生関係が明るみに出たが、厚生労働省等においても、ノンキャリアのムラの力が強い。
4.公務員の人事は一般にクニやムラごとに行われ、クニ・ムラへの奉公に対する御恩という形でポストが与えられる。その範囲は退職後に及び、いわゆる天下りの大部分は、クニやムラの内部における異動である。彼らは、先輩、後輩のつき合いを縦軸に、利害関係を横軸にして、政・業・学・マスコミ等を含め強い絆で結ぼれている。
5.クニ・ムラが人事や政策上の意思決定に大きな影響力をもっているため、個々の公務員も省庁や部局よりも彼の属するクニやムラに強い帰属意識をもっている。霞ヶ関の官僚の中にも、広い視野と弾力的な思考力、温かい心と冷静な頭脳をもっている者は少なくないから、彼らに明確な権限と責任が与えられていれば、それほど無責任な意思決定はなされな。しかし、実際には、彼らは皆、クニやムラの方に顔を向け、その集団意思のしがらみにがんじがらめにされ、能力など関係ない。
6.クニ・ムラは、制度上は権限も責任もない任意集団に過ぎないが、人事に係わるだけに各省庁の職員に大きな影響を及ぼし、その良心と責任感をスポイルしてきた。技官の力の強い省や局はムラの連邦のようなかたちで、重要な意思決定はその間の取引、談合という形で行われる。
7.省あって国なし、局あって省なしと言われるが、クニ・ムラあって、省・局なしというべきである。各省庁間の調整にも人事や利害が絡み、いわぽクニやムラの間の談合となるので、政府全体の施策が歪められることも少なくない。
8.公務員制度の改革は、行政の病理を是正する上で、極めて重要な課題であるが、クニ・ムラ体制をそのままにして、人事制度の手直しを行う程度では、本質的解決にならない。その矛眉は別の形で出てくる。組織や運営についてどのような制度的改革を行っても、裏でその骨抜きを図るクニ・ムラの影響力を残したままでは、実効が上がらない。制度ではなく長い年月かけて生まれた慣行であるので、根治するのは極めて困難である。
(福島の原発事故の責任は国と東電にあるのは当然として、原子力安全・保安院のトップの責任を問わなければ国民は納得しない。2年くらいで人事異動して曖昧にしてはならない。天下りなどはもってのほかである)

霞ヶ関の正体―国を亡ぼす行政の病理
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
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