2011年04月24日

被災地復興計画ではオーストラリアの「フラットプレイン」を参考に「津波プレイン」を明文化するのがよい 3

4月22日付けの大前研一さんのニュースの視点は『被災地復興策〜政府は新しい「東北の強み」を内外に示せ!』と題する記事である。政府の選んだ復興計画の委員の方々も是非、この記事を読んで臨んで欲しい。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.菅政権は東日本大震災の被災地復興をめぐり、無秩序な乱開発を防ぐため、現在2カ月以内となっている住宅などの建築制限期間を最長8ヶ月に延長する方針を固めまた。また各地の農地を集約して大規模化を進める一方、壊滅した小さな漁港も拠点ごとに集約するための法案を今国会に提出する方針を固めている。
2.東北地方を新たな「食糧供給基地」と位置づけ、攻めの復興策を目指す考えている。大前氏が震災直後から提言しているアイデアが非常に多く採用されている。提言の内容を以下のように補足している。基本的なアイデアは、土地の低い場所には公的な施設や緑地を置き、人は高台に住むという方針にある。漁民の人たちにも高台から通勤してもらい、漁港を集約するスタイルである。
3.このアイデアの実現にあたって、個々人が「自分の土地だから、好きに建築していいだろう」ということになると全体設計が崩れてしまう。それを避けるために政府は、住宅などの建築制限期間を現在の2ヶ月から8ヶ月へ延長する方針である。
4.そのために、大きく2つの方法が考えられる。1つは政府が土地を買いあげて、明確なプランのもと大々的に開発を行う方法。この方法は悪くはないが、土地を買いあげる費用や土地を新たに開発する費用など莫大なコストがかかるのが難点である。もう1つの方法が、オーストラリアで採用されている「フラットプレイン」というコンセプトである。オーストラリアでは、洪水などによって水没した地域は歴史的に把握できているので、該当する土地を販売する際には「洪水で水没する危険性がある」ことを明文化することを義務付けている。
これにより土地の価格は安くなるが、万一洪水に襲われたとしても「その危険性を承知で購入した」のだから特段補償を迫られることはない。
5.日本の場合、「津波プレイン」となる。政府は「津波に襲われたら水没する危険性がある土地」として「指定」するだけで良い。今回の東北地方の津波被害は驚くほど正確に「被害が及ぶ範囲・地域」の予想は当たっている。このような地域に「津波プレイン」の考え方を適用して用途制限をかけるのは不可能ではない。
6.それでも危険地域内に「住居」を構えたいという人がいれば、「自己責任でやってください」と言える。この方法は政府が「土地を全て買いあげる費用」を負担する必要がないのがメリットである。今回の震災による被害状況を見ると、地震そのものによる被害よりも津波による被害が大きい。この観点で「津波プレイン」的な発想は現実的で、資金的にも合理的である。
7.東北地方の復興にあたり、工場や支店などを東北から別の場所へ移転した企業を呼び戻すためには、東北で「新しい産業を興す」必要があるという意見があるが、理論的には理解できるが、現実的には難しい。
8.東北地方はこれまでにも「バイオ」「地熱発電」を始め、東北発の新しい産業を興すことを何度かチャレンジしてきたが、どれも成功したとは言い難い。東北大学の金属材料研究所などは世界的に見ても最先端の研究をしていて、新しい鉄鋼素材の開発などを行っているが、実際に産業として実を結ぶには至っていない。その中で、電子部品の開発など昔ながらの産業に依存する形になってた。それが今回の震災で拠点が移される可能性に直面している。9.こうした観点から、「新しい産業を興す」ことよりも、放射能汚染の問題を解決し海岸沿いに豊かにある海産物を復興させることを優先させるべきである。
10.現在、外国人が日本から一時退避をしていて、多くの外国人が日本に来ることを恐れている。アジアの拠点としての日本(東京)の立場が危うくなると懸念している人もいるが心配ない。今回、多くの外国人が日本国外に退避してしまったのは「勘違い」によるもので、現実的に東京がそれほど危険な状況になっていない。勘違いの理由が明確になれば、再び外国人は東京に戻ってくると思います。
11.問題なのは、外国人に勘違いをさせてしまった日本政府のコミュニケーション能力である。「日本政府は原子炉について事実を公開していないのではないか?」「本当は公開している以上の大きな事故なのにそれを隠蔽しているのではないか?」という疑いを抱かれているのが、根本的な問題である。
12.外国人や海外からのこうした疑念に対して、日本政府はこの期に及んで福島第1原子力発電所の事故評価をチェルノブイリと同等の「レベル7」に引き上げると発表した。そして「やはり日本政府は隠していたのか」との評価になった。大前氏は事故発生当初から今回の事故レベルは「レベル6」だと主張していた。でも福島第1原発の事故レベルは「レベル6」が適切である。当初は「レベル4」だと発表していたのに、ここに来て「レベル7」に引き上げたのは最悪だった。
13.せっかく復興の道が見えても、政府のコミュニケーションのミスによって世界から誤解を受けてしまっては元も子もない。これからの復興のためにも、政府には改めて国内外から誤解を招かないような正しい情報開示と情報提供の徹底を図ってもらいたい。


yuji5327 at 06:34トラックバック(0) 
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
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