2011年10月28日
アメリカのベトナム介入も共産主義への恐怖感のためだった
「池上彰著:そうだったのか!現代史、集英社、2010年第16刷」の第10章アジアの泥沼・ベトナム戦争」は参考になる。大新聞、テレビなど大手メディアの報道で植えつけら偏見には注意が必要である。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.インドシナ戦争は、1954年7月、スイスのジュネーブで開かれた和平会談の結果、休戦になり、ジュネーブ協定が結ばれた。この協定で、ベトナムというひとつの国家を、北緯17度線を境に南北に分けた。南北の境には、幅10キロの非武装地帯を作った。朝鮮半島が北緯38度線で分割されたように、ベトナムは北緯17度線で、2つに分割された。
2.北には、すでに独立を宣言していたヘトナム民主共和国が確立し、ホー・チ・ミン首相のもと、社会主義の道を進めた。南側には、1955年10月、ベトナム共和国が成立し、総選挙の結果、アメリカが支援するゴ・ジン・ジェム大統領の政権が成立した。ジュネーブ協定では、非武装地帯は国境ではなく、協定成立の2年後に、南北ベトナム全体で統一選挙を実施して統一国家を作ることになっていたが、アメリカと南ベトナム(ベトナム共和国)は、これを拒否した。南北ベトナムの分断が固定化された。
3.ジュネーブ協定ができると、フランスはベトナムから引き揚げた。フランスには、遠いアジアの小国を維持する力も意思も残っていなかった。代わってアメリカが、南ベトナムを支援した。アメリカは、東西冷戦が激化する中で、アジアに親米的な政権ができ、アメリカの影響力が維持されることを望んだ。アメリカ対ソ連の勢力争いとなり、そのためにアメリカは、経済援助、軍事援助を惜しまなかった。
4.当時のマクナマラ国防長官は、共産主義に包囲されるという危機感を表現して、共産主義は、いぜん前進を続けてい。毛沢東(中国共産党主席)と部下たちは1949年以降中国を支配下におき、北朝鮮と肩を組んで西側と戦っている。ニキータ・フルシチョフ(ソ連共産党第一書記、首相)は、第3世界での民族解放戦争によって共産主義が勝利すると予測していた。
5.ソ連が1957年に人工衛星を打ち上げ、宇宙工学でのリードを見せつけた。翌1958年、西ベルリンに強圧を加えてきた。西半球ではカストロがキューバを共産主義国家を確立し、アメリカを包囲した。アメリカのベトナム介入の底流にはこのような恐怖感があった。
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1.インドシナ戦争は、1954年7月、スイスのジュネーブで開かれた和平会談の結果、休戦になり、ジュネーブ協定が結ばれた。この協定で、ベトナムというひとつの国家を、北緯17度線を境に南北に分けた。南北の境には、幅10キロの非武装地帯を作った。朝鮮半島が北緯38度線で分割されたように、ベトナムは北緯17度線で、2つに分割された。
2.北には、すでに独立を宣言していたヘトナム民主共和国が確立し、ホー・チ・ミン首相のもと、社会主義の道を進めた。南側には、1955年10月、ベトナム共和国が成立し、総選挙の結果、アメリカが支援するゴ・ジン・ジェム大統領の政権が成立した。ジュネーブ協定では、非武装地帯は国境ではなく、協定成立の2年後に、南北ベトナム全体で統一選挙を実施して統一国家を作ることになっていたが、アメリカと南ベトナム(ベトナム共和国)は、これを拒否した。南北ベトナムの分断が固定化された。
3.ジュネーブ協定ができると、フランスはベトナムから引き揚げた。フランスには、遠いアジアの小国を維持する力も意思も残っていなかった。代わってアメリカが、南ベトナムを支援した。アメリカは、東西冷戦が激化する中で、アジアに親米的な政権ができ、アメリカの影響力が維持されることを望んだ。アメリカ対ソ連の勢力争いとなり、そのためにアメリカは、経済援助、軍事援助を惜しまなかった。
4.当時のマクナマラ国防長官は、共産主義に包囲されるという危機感を表現して、共産主義は、いぜん前進を続けてい。毛沢東(中国共産党主席)と部下たちは1949年以降中国を支配下におき、北朝鮮と肩を組んで西側と戦っている。ニキータ・フルシチョフ(ソ連共産党第一書記、首相)は、第3世界での民族解放戦争によって共産主義が勝利すると予測していた。
5.ソ連が1957年に人工衛星を打ち上げ、宇宙工学でのリードを見せつけた。翌1958年、西ベルリンに強圧を加えてきた。西半球ではカストロがキューバを共産主義国家を確立し、アメリカを包囲した。アメリカのベトナム介入の底流にはこのような恐怖感があった。
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