2012年01月27日

北アフリカのベルベル人の文化も貴重である。 3

「塩尻和子、池田美佐子共著:イスラムの生活を知る事典、東京堂出版、2004年」の「近代化・政治・国際関係」の章の「ベルベル人」の小節は現在の世界の動向を知る上で参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.ベルベル人は北アフリカに居住するベルベル語を話す人々をさす。モロッコからエジプト西部にかけて広がっている。アラブ人がアラビア半島からこの地の征服にやってきた後にもアラブ人に完全に同化してしまうことなく、元来の言語や習慣を保持している。
2.長期にわたるアラブ・イスラム勢力の影響は強く、現在ではほとんどのベルベル人はイスラム教徒となり、その多くの人々がアラビア語も使う。また、元来はベルベル人であった人々がその言語や習慣を忘れ、アラブの言語や文化を身につけ同化してしまった数も少なくない。
3.ベルベル語は一部を除き文字をもたない言語である。ベルベルの人口は正確にはわからないが、モロッコで最も多く、人口の3分の1から半数近くに及ぶ。アルジェリア、リビアと東にいくにつれてその数は少なくなる。その他、モーリタニア、マリ、ニジェールなどのサハラ内陸部にも住んでいる。
4.ベルベルという呼び名はもともとローマ帝国の人々が北アフリカの現地人をさして使ったもので、自らのアイデンティティーを積極的に規定したものではない。ベルベル語と呼ばれる言葉も多様で、ベルベルは北アフリカでアラブ化しなかった人々の消極的な総称という側面も否定できない。
5.人々の集団のアイデンティは、状況によって積極的な意味をもつ。たとえば、アルジェリアを植民化したフランスは、アラブとベルベルを分離し、ベルベルの慣習法などを導入した。これによって、アラブとは区別されるベルベルとしての意識が否応なく強まることになった。また、アルジェリアの独立後、政府がアラブ化政策を打ち出して、ベルベルの言語や文化は抑圧されることとなった。ベルベルはこれに対し反発し、自らの文化の回復めざす運動を起こす状況が生まれている。



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池上湖心プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山(文化功労者)に師事
書象会理事、審査会員
公募展出展
〇謙慎展・常任理事
・春興賞受賞2回
・青山賞受賞
〇読売書法展理事
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