2012年08月11日
今年になって、トップのアップルが68.2%までシェアを伸ばし、サムスンとの差は広がっている。アップルの強さが際立っており、OSの性能、豊富なアプリケーションなどでも抜き出ている。
8月10日付けの大前研一さんのニュースの視点は『 米IT企業の上場とタブレット市場 〜期待値の演出を考える 』と題する記事である。いつもながらIT企業情報は他では見られないもので参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.2011〜12年に相次いで株式公開した新興の米インターネット企業の株価が明暗を分けている。フェイスブックは6営業日連続で下落し、2日には一時、20ドルを割り込んだ。 一方、4〜6月期決算を発表したリンクトインは同日の時間外取引で株価が9%超上昇した。
2.広告に加えて「会員情報を活用した企業の採用支援ビジネス」と「会費収入」を収益源としていることが成長期待を生んでいると見られる。リンクトインも収益だけを見ると、この四半期では落ち込みを見せているが、フェイスブックの後からスタートしたサービスとしての強みを感じる。
3.米国の新興インターネット企業の株価推移を見てみると、リンクトインやイエルプといった比較的小規模な企業のほうが堅調である。一方で、大型上場として一世を風靡したジンガやフェイスブックの株価はかなり落ち込んできている。上場時に比べると、ジンガの時価総額は約60%以上減少し、フェイスブックが約40%減といった状況である。
4.このような状況を見ると、「とりあえず上場してお金を稼げばいい」という考えがあるのではないかと感じられる。かつてはマイクロソフトなどを見ても分かるように、上場してからがスタートであり、そこから大きく株価も伸びてきた。ところが現在では、上場時に「期待値」は最大となっていて後は落ちるだけ、という状況である。
5.市場が過剰に期待値を演出する一方で、その割を食うはめになっているのが、上場時に期待して株を購入する「一般株主」という構図である。新興インターネット企業を観察するときには、上場後の動向にも注意をはらっておく必要がある。
6.米調査会社IDCが2日発表した4−6月期のタブレット型多機能端末の世界出荷台数調査によると、米アップルが前年同期比84%増で首位を維持した。3月に発売した新型の「iPad」が好調で、シェアは約70%と2位の韓国のサムスン電子(9.6%)を大きく引き離して独走している。これは相当、根が深いポイントである。
7.iPhone・iOSに対して、アンドロイドはOSを無料で利用できるということが利点になっているが、結局のところ誰もアンドロイドOSについて責任を持って取り組んでいる人がいない。一方のiOSはアップルがそれこそ命がけで開発を進めている。ここに来て、OSそのものの信頼性やアプリの優秀性の点で両者の間に差が出始めている。
8.2011年第2四半期のタブレット端末のメーカ別シェアでは、トップのアップル61.5%に対して、2位サムスン電子が7.3%で赤丸急上昇と思っていた。ところが今年(2012年第2四半期)になって、2位サムスン電子9.6%と伸びているものの、トップのアップルが68.2%までシェアを伸ばし、両者の差は広がっている。このシェア推移を見る限り、アップルの強さが際立っており、OSの性能、豊富なアプリケーションなど、全体の整合性の点でも抜きに出ている印象である。
9.日本では、KDDIがiPhoneに乗り換えた一方で、NTTドコモは今後もアンドロイドOSを採用していく方針のようである。最近、NTTドコモでは通信・システムトラブルが頻発し、システム面に弱いという面を露呈している。今後もアンドロイドOSを採用するのか否かという点は、今後の非常に重要な判断になる。盤石と思われているNTTドコモでも、 このOS問題は慎重に整理していくべきである。
1.2011〜12年に相次いで株式公開した新興の米インターネット企業の株価が明暗を分けている。フェイスブックは6営業日連続で下落し、2日には一時、20ドルを割り込んだ。 一方、4〜6月期決算を発表したリンクトインは同日の時間外取引で株価が9%超上昇した。
2.広告に加えて「会員情報を活用した企業の採用支援ビジネス」と「会費収入」を収益源としていることが成長期待を生んでいると見られる。リンクトインも収益だけを見ると、この四半期では落ち込みを見せているが、フェイスブックの後からスタートしたサービスとしての強みを感じる。
3.米国の新興インターネット企業の株価推移を見てみると、リンクトインやイエルプといった比較的小規模な企業のほうが堅調である。一方で、大型上場として一世を風靡したジンガやフェイスブックの株価はかなり落ち込んできている。上場時に比べると、ジンガの時価総額は約60%以上減少し、フェイスブックが約40%減といった状況である。
4.このような状況を見ると、「とりあえず上場してお金を稼げばいい」という考えがあるのではないかと感じられる。かつてはマイクロソフトなどを見ても分かるように、上場してからがスタートであり、そこから大きく株価も伸びてきた。ところが現在では、上場時に「期待値」は最大となっていて後は落ちるだけ、という状況である。
5.市場が過剰に期待値を演出する一方で、その割を食うはめになっているのが、上場時に期待して株を購入する「一般株主」という構図である。新興インターネット企業を観察するときには、上場後の動向にも注意をはらっておく必要がある。
6.米調査会社IDCが2日発表した4−6月期のタブレット型多機能端末の世界出荷台数調査によると、米アップルが前年同期比84%増で首位を維持した。3月に発売した新型の「iPad」が好調で、シェアは約70%と2位の韓国のサムスン電子(9.6%)を大きく引き離して独走している。これは相当、根が深いポイントである。
7.iPhone・iOSに対して、アンドロイドはOSを無料で利用できるということが利点になっているが、結局のところ誰もアンドロイドOSについて責任を持って取り組んでいる人がいない。一方のiOSはアップルがそれこそ命がけで開発を進めている。ここに来て、OSそのものの信頼性やアプリの優秀性の点で両者の間に差が出始めている。
8.2011年第2四半期のタブレット端末のメーカ別シェアでは、トップのアップル61.5%に対して、2位サムスン電子が7.3%で赤丸急上昇と思っていた。ところが今年(2012年第2四半期)になって、2位サムスン電子9.6%と伸びているものの、トップのアップルが68.2%までシェアを伸ばし、両者の差は広がっている。このシェア推移を見る限り、アップルの強さが際立っており、OSの性能、豊富なアプリケーションなど、全体の整合性の点でも抜きに出ている印象である。
9.日本では、KDDIがiPhoneに乗り換えた一方で、NTTドコモは今後もアンドロイドOSを採用していく方針のようである。最近、NTTドコモでは通信・システムトラブルが頻発し、システム面に弱いという面を露呈している。今後もアンドロイドOSを採用するのか否かという点は、今後の非常に重要な判断になる。盤石と思われているNTTドコモでも、 このOS問題は慎重に整理していくべきである。