2012年09月04日

中国は国防科学技術大学で軍事優先でスパコンを開発している。日本は科学や産業応用など平和利用に徹している。 3

895
「平尾公彦著:「京」コンピュータと計算科学、学士会会報、July No.895、2012-検廚
「“京”は何故速い? コンピュータ・シミュレーションとは何か」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.自然現象や社会現象を数学で表そうという試みは、今から数10年前に始まった。デカルト、パスカル、フェルマー、ニュートン、ライプニッツといった人々は、微分積分、偏微分方程式、拡散方程式、波動方程式、非線形現象などの方程式で自然現象を表した。しかし、式は立てられても、その殆どは解析的に解くことは困難である。例えば、分子の中の電子の動きは、量子力学の世界で「シュレーディンガー方税式」という波動方程式で記述される。この方程式が解析的に厳密に解けるのは水素原子のケースだけで、複雑な生体分子はもちろん、電子2個のヘリウムでさえ正確には解けない。物理学者ディラックは、20世紀前半、「量子力学の出現で、物理学の大部分と化学の問題解決に必要な物理法劇は全てわかった。問題は、方程式は立てられたが、複雑すぎて解けないことだ」と言っていた。
2.今日ではタンパク質やナノマテリアルのカーボンナノチューブの量子化学計算を見ても誰も驚かない。現在の計算化学の成功はディラックの予想をはるかに超えている。ディラックが考え及ばなかった最大の要素はコンピュータの驚異的な発達である。コンピュータは解析数学の弱点を捕ってくれる。スパコンのおかげでこれら複雑な方程式を数値的に解けるようになった。自然現象や社会現象の時間的変化を時間・空間の偏微分方程式で表し、コンピュータの助けを借りてその偏微分方程式の時間的変化を数値計算することで、現象を解析したり、現象を予測することができる。
3.現象が時間や空間の中でどのように展開していくか数学的モデルを構築し、コンピュータを駆使してシミュレーションしようという学問は、「コンピュータ・シミュレーション」ないし「計算科学」と呼ばれている。
4.計算物理であれ、計算化学であれ、計算工学であれ、やっていることは、「多次元空間の中の最適化問題」である。共通のアルゴリズムと方法論がある。例えば、離散化やモンテカルロ法といった手法は、いろいろな分野で使われている。これまでは計算物理は計算物理の仲間で、計算化学は計算化学の仲間で閉ざされていたので、同じような方法を使っているにもかかわらず、お互いの連携はそれほど強くなかった。
5.理研・計算科学研究機構では、「京」を用いて計算科学の諸分野の横の連携をうまく取り、コンピュータ・シミュレーション分野全体を包括的に捉えようとしている。
6.計算機科学も基盤技術なので、計算科学と計算機科学、計算機を使う人と計算機をつくる人の連携も非常に重要である。この分野を「学際計算科学」と名付けている。
7.世界で最初のコンピュータは、1946年にペンシルベニア大学で初めて公開されたENIACである。大砲などの弾道計算を素早くおこなうために開発されたが、完成したのは戦争が終わってからだった。2代目は、ロスアラモス国立研究所で開発された、MANIACである。水爆のシミュレーションに使用された。冷戦期、コンピュータはアメリカの核兵器防衛システムに非常に大きな貢献をした。
8.1976年、CRAY−lの登場でスパコンの時代を迎えたが、スパコンの軍事優先は今も変わらない。1996年、包括的核実験禁止粂約が国連で採択された、地下核実験を含めてあらゆる核実験が禁止された。アメリカは核実験をしなくても、レーザー核融合の技術とスパコンによるシミュレーションによって、実験と同じデークを採ることができるようになっている。フランスや中国も、アメリカからある程度の技術供与を受けることを条件に核実験停止に合意した。アメリカの核兵器能力を常に世界一に維持するには高速で高性能のスパコンを開発することが重要である。
9.現在、アメリカでは、エネルギー省・国防省・航空宇宙局・科学技術研究所などがそれぞれ主導して、複数の大規模プロジェクトを並行して推進している。特に、エネルギー省のセコイア(ローレンス。リバモア国立研究所)というスパコンと、科学技術の振興を目的にしたブルーウォータ(アメリカ国立科学財団)というスパコンの開発には莫大な予算が投入され、「京」を追い抜こうとしている。
10.中国は国防科学技術大学でスパコンを開発しているが、まさに中国も軍事優先である。中国は国をあげてスパコン開発に力をいれている。世界では、超大国が国家の威信をかけてスパコン開発競争を繰リ広げている。日本のみが、科学や産業応用など平和利用に徹してスパコンを開発してきた。。



yuji5327 at 06:32トラックバック(0) 

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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
(平成28年度、国立新美術館にて開催)
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