2012年11月26日

インドの国債発行残高(対GDP比)は68%で、日本(229%)やアメリカ(102%)に比べれば少ないものの、途上国としては高すぎる。

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「近藤正規著:インド経済の現状と今後の日印関係。学士会会報、No.896、2012年-后廚痢屮ぅ鵐彪从僂硫歛蝓廚両節は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.インド経済の最大課題は、インフラ整備が遅れていることである。インドに赴任した日系企業の駐在員が最初に指摘するのもこの点である。中国では経済成長が加速する前に、国が公共事業としてインフラ整備をしたが、インドでは、人口の60%を占める農民のために様々な補助金がばらまかれてきたため、財政赤字が深刻で、電力・道路・鉄道・水道など産業振興のためのインフラ整備に回す資金がなかった。
2.もう一つの課題は雇用の創出である。インドの人口ピラミッドは、下が広がった綺麗な形になる。少子高齢化問題は存在しないが、一方で毎年新たに生まれてくる膨大な人口に、職を用意し続けなければならない。農村に工業を広げ、雇用を創出するのが一番の近道だが、カースト制度などの問題があり、農業の余剰労働力はスムーズに製造業に移行していない。
3.インドは貧しいながら民主主義国家なので、時々小さな暴動はあっても、昨今の中東の国々のような大暴動や革命は起きない。しかし、民主主義国家であるが故に、農村の経済活性化は重要である。
4.インドの農業部門の経済成長率は一貫して低く、4%を下回っている。問題は、4%を下回る農業部門の生産率である。選挙対策として農業に補助金を多く出したが、農村と都市を結ぷ道路や鉄道などのインフラ整備は十分になされてこなかったため、せっかく作られた農作物の大部分が消費者の手元に届く前に腐ってしまい、農民の収入が上がらないことも指摘されている。
5.インドのGDP成長率は、09年度は7.4%だったが、10年度は8.5%となリ、初めて中国の経済成長率を抜いた。11年度は欧州経済危機の影響もあって、6.5%と過去10年間で最低の成長率となった。日本からすると羨ましい数字だが、まだ発展途上にあるインドにとっては、6.5%という成長率は充分ではない。
6.11年度は通貨ルピーの大幅安にも見舞われ、新興国の通貨の中で最も通貨価値を下げた。リーマンショック前のインドルビーは3円に近かったが、11年度は1.5円まで下がった。インドの株式市場には欧米の銀行のヘッジファンドも含め外国から多額の資金が流入している。欧州経済危機など世界経済の不安定さからリスク回避傾向が強まり、また一向に改善されないインドの高インフレ・財政赤字・貿易赤字の体質が嫌われ、インド株が売ちれ、ルピー安に繋がった。シン政権は2期目だが、汚職問題で弱体化している上、今年3月の州選挙でも与党が負け、大きな経済政策が実施できていない状況である。
7.民主主義国家のインドでは、政治家の最大の関心事は選挙である経済運営に際しても一番重要視されるのはインフレ率である。インドのインフレ率は一時は16%まで上昇し、中央銀行は2年間で13回、短期金利を引き上げた。しかしインフレは収束せず、逆に経済成長にブレーキがかかり、景気が減速している。今年4月にはようやく金利が下げられたが、今後の一方的な金融緩和は期待できない。
8.財政政策では、インドはリーマンショック後の出口戦略ができていない。日本と同じで、財政支出を増やすのは簡単だが、減らすのは難しいためである。日本と違うところは、インドの場合、高い経済成長率のおかげで税収も増加傾向にあることである。
9.インドの財政赤字の比率は、今年の予算で5.1%に設定されている。インドの国債発行残高(対GDP比)は68%で、日本(229%)やアメリカ(102%)に比べれば少ないものの、途上国としては高すぎる。「先進国になる前に高齢化を迎えたのが中国だとしたら、先進国になる前に財政赤字大国になったのがインド」と言える。


yuji5327 at 06:39 
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
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