2013年06月27日
自分が信じていない宗教にも敬意を払うことができる日本人は、宗教がらみの紛争の仲介役になるなど、国際社会への貢献ができる。
池上彰の宗教がわかれば世界が見える (文春新書) [単行本]
「池上彰著:池上彰の宗教がわかれば世界が見える、文藝春秋社、2012年代9刷」
日本人は無宗教なのか?の『コーラン』焼き捨て事件」は参考になる。
1.日本人の宗教観は、海外の一神教の人たちからは違和感をもたれているが、一面ではすばらしい宗教観である。
2.2011年3月、アメリカのある牧師が、「コーラン」を焼き捨て、その映像をネットで公開した。アフガニスタンでは、このことへの抗議から暴動に発展し、国連事務所が襲われて、大勢の人が殺された。アメリカがやっとの思いでアフガニスタンを安定化しつつあったのが、これで一挙に崩れてしまった。
3.一人の牧師の無分別な「コーラン」焼き捨てによって、アメリカのアフガニスタン政策が一挙に大失敗に終わるという、とんでもないことが起きる。その牧師は「責任を感じていない」と、言っている。
4.ほかの宗教を信じている人に敬意を払うという態度がないと、このようなひどい事態になる。2011年2月にムバラク大統領の独裁政権を追いだしたエジプトでも、イスラムの信仰心が高まる中、国内にいるコプト教というキリスト教徒に対する迫害が起きた。
5.ほかの人が自分とは違う宗教を信じていることを、それはそれで尊重するということが、なぜできないのだろうと思わざるをえない。日本人には、それができる。自分が信じていない宗教にも敬意を払うことができる。だから、宗教がらみの紛争の仲介役になるなど、国際社会への貢献ができる。