2013年10月25日

最高裁事務総局の人事局長室では、「自衛隊違憲判決について特別な感想はない。現行憲法を忠実に解釈、判断すれば、この判決以外にはありえないが……」いう会話があった。

法服の王国 小説裁判官(下)
黒木亮
産経新聞出版
2013-07-13

黒木亮著:「法服の王国小説裁判官、産経新聞出版、平成25年7月14日第1刷発行」は、裁判官の日常生活、人事の葛藤、個性など庶民にはよく見えない面が書かれており面白い。札幌地裁の長沼ナイキ訴訟における自衛隊違憲第一審判決で自衛隊違憲判決を下した福島重雄裁判長のその後の処遇についてはいろいろと考えさせられる。印象に残った部分を一部、自分なりに補正すると以下のようになる。
1.自衛隊違憲判決を下した福島重雄裁判長は、その後、右翼の襲撃などが懸念されるため、家族とともに官舎を出て、別の場所から出勤していた。昭和5年生まれの福島重雄氏は、富山県の出身で、父親は高校教師で元陸軍中尉。本人も旧制富山中学(現・富山高校)をへで、江田島(広島県)の海軍兵学校で学んだ。江田島で終戦を迎えたことで、福島に戦争と平和について考えさせられる。
2.福島氏は、戦後、富山高校から京大法学部に入り、大学2年のとき、法学部自治会の副委員長を務め、円山公園のデモに参加して公安条例違反で逮捕され、起訴猶予になった。京大大学院時代は独学を好み、ソ連の証拠法の文献を翻訳するためロシア語を習った。司法試験に合格したのは、昭和31年で26歳のときだった。
3.憲法を護ろうと決意し、裁判官の道を選択。初任地は札幌地裁で、東京地裁、新潟地家裁柏崎支部をへて、5年前に札幌に戻った。富山高校で寮生活をしていたときは、食糧の買出しで忙しくて落第確実な炊事担当を進んでやった。サッカー部のフルバックで、ディフェンスが上手く、人から好かれたが、親分肌ではなかった。頑固者、裁判官になるより仕方がないような堅物、といった紹介が多い。
4.現在でも朝4時に起床して、朝8時まで法律関係の原書を読み、長沼判決の1週間後には、ソフトボール大会にキャプテンとして出場した。趣味は釣りで、小樽の海に酒の肴のイカ釣りをしに行きたいと思っていた。
5.霞が関1丁目の最高裁事務総局の人事局長室では、弓削晃太郎が、部下の2人の課長と、「自衛隊違憲判決について特別な感想はない。現行憲法を忠実に解釈、判断すれば、この判決以外にはありえないが……」と語っていた。
6.弓削は「この福島という男は、悪い男じゃないだが・・・」、「北陸型の鈍重、晩成、努力型。単純・素朴な田舎出身の学生の典型か……」「確かに憲法の規定を字句どおりに解釈すれば、学者連中がいうとおり、自衛隊は軍隊で違憲だろう。それは俺も認めるよ」「だが、自衛隊なしに国土が守れるか?」。40歳すぎの人事局給与課長は、「お人よしというか、人のいうことをまともに受けて、結局は、損をするタイプといいますか」などの会話あった。
7.弓削はさらに、「北方領土はポツダム宣言受諾後のどさくさに紛れてソ連にまんまと占拠された。中国と台湾は2年前から尖閣諸島の領有権を主張している。韓国は李承晩(元大統領)が勝手に領海線を引いて、竹島は自国領だといっている」「軍隊がなければ、他国から緊急不正の侵略を受けても、手をこまねいて見ているしかない。特に北海道周辺の防衛は、若干手薄だ。あのあたりに、常にソ連のほうを向いたミサイルを配備する必要性があることは、我々素人の目から見ても明らかだ」と語り、2人の課長は、感心して頷いた。
8.「何よりも、日本が自衛隊を持つことは、アメリカが望んでいることだ」「かといって、現実に即して憲法を改正しようとすれぽ、中国、韓国をはじめとするアジア諸国が猛反発する。これが日本の置かれている現実だ。事実認定と条文解釈をして、判決を書いて、『ここまでが俺の仕事だ。あとは知らん』でいいはずがない」と弓削は続けた。
9.人事局任用課長が弓削の表情を窺うように「『長沼シフト』を敷かないといけませんね」
いった。「適当な人材はいるか?」に対して、「横浜地裁で部総括をやっていた小河八十次判事あたりはどうでしょう?」に対して、「なるほど。あいつなら手堅い判決を書くだろう」と
弓削は満足げにグラスを傾けた。
(テレビ映像でよく見る法廷での裁判官も企業と同じようなどろどろとした人事争いに晒されていると思うと、判決など、案外いい加減なものである)



yuji5327 at 06:54 
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
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(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
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