2013年10月28日

札幌高裁の判決は、自衛隊の憲法判断に統治行為論は、裁判所の審査権の範囲外とし、史上初の高裁判決であった。

法服の王国 小説裁判官(下)
黒木亮
産経新聞出版
2013-07-13

黒木亮著:「法服の王国小説裁判官、産経新聞出版、平成25年7月14日第1刷発行」は、裁判官の日常生活、人事の葛藤、個性など庶民にはよく見えない面が書かれており面白い。著者は、1957年、北海道生まれ。カイロ・アメリカン大学大学院(中東研究科)修士卒で都市銀行、証券会社、総合商社に23年あまり勤務し、2000年『トップ・レフト』で作家デ
ビューした経歴がある。札幌地裁の長沼ナイキ訴訟における自衛隊違憲第一審判決の状況が面白い。印象に残った部分の概要を以下に記す。
1.裁判官の鑑のような荻野も、出世という意味でぱ必ずしも恵まれてはいない。小さな地裁の所長くらいにはなれそうだが、それ以上は難しい感じである。裁判所内で出世し、組織を牛耳ってゆくのは、やはり事務総局の司法官僚である。
2.長沼ナイキ訴訟の一審で裁判長を務め、自衛隊違憲判決を出した福島重雄判事は、東京地裁の民事第7部(手形部)に異動になった。東京地裁といえば聞こえはいいが、明らか
な左遷人事だった。手形部は手形訴訟をやるだけの部だが、手形訴訟はもっぱら形式の問題(金額と支払い場所があるか、振出人があるか、印鑑があるか等)なのでよほどの抗弁でもない限り、形式的な審理で済み、裁判官としての能力は必要とされない。同部に裁判官は3、4人しかおらず、職場も東京地裁とは別の日比谷公園内分庁舎である。
3.福島は裁判長の肩書も失った。札幌高裁では、『長沼シフト』が敷かれた。札幌高裁では、横浜地裁で部総括判事を務めていた小河八十次判事が長沼ナイキ訴訟の控訴審を担当することになった。また、東京地裁の落合威判事が右陪席として札幌高裁に送り込まれた。4.一審で歴史的な自衛隊の違憲判決が下された長沼ナイキ訴訟が、控訴審の判決目を迎えた。2年前に札幌高裁民事二部で審理が始まった控訴審では、去る三月の結審まで9回の口頭弁論が行われた。小河八十次裁判長が突然、結審を宣言した。原告(住民)側がこれに反発して、3人の裁判官の忌避(交代)を申し立てたが、札幌高裁が申立てを却下。原告側弁護団が口頭弁論再開を申し立てたが、高裁側は方針を変えず、この口の判決を迎えた。
5. 3人の裁判官が姿を現した。裁判長・小河八十次(東大卒・修習1期・57歳)、右陪席・落合威(東北大卒・12期・41歳)、左陪席・山田博(名古屋大卒・15期・44歳)である。
小河は「当法廷は、弁論再開はしません」「それでは、判決をいい渡します」と、原告団長の宇野邦晴が、判決の朗読を遮ろうとするのに構わず、
「主文。原判決を取り消す」「被控訴人(住民側)の訴えはいずれもこれを却下する。訴訟費用は第1、2審をつうじて、被控訴人らの負担とする」さらに、わざわざ自衛隊の憲法判断について、「当裁判所はこれ(原審)と異なる結論を有するので」と前置きし、次のように言及した。
〃法九条が一義的、明確に保有を禁じているのは、侵略戦争のための軍備ないし戦力だけで、自衛のための戦力の保持については、積極、消極の両説あり、憲法がいずれの見解に立脚して設けられたものであるかは必ずしも明瞭ではない。自衛隊の組織、編成、装備も、一見極めて明白に侵略的なものであるとはいい得ない。
⊆衛隊の存在等が憲法九条に違反するか否かは、統治行為に関する判断であり、国会及び内閣の政治行為として究極的には国民全体の政治的判断に委ねられるべきで、司法審査の対象ではない。
6.札幌高裁の判決は、自衛隊の憲法判断に統治行為論(高度の政治性を持った国家の行為である統治行為は、裁判所の審査権の範囲外にあるとする考え)を採用した史上初の高裁判決であった。
7.自民党政府は「現在望みうる最高の合憲判決」として歓迎し、原告弁護団は「(小河裁判長は)この裁判のためにだけ派遣された『特命』裁判官で、計画された結審の仕方を見ても意図的であった。訴えの利益がないだけで判決には足りるのに、わざわざ自衛隊に触れたのは、原告側の手足を縛ってから、脛を蹴り上げたようなもの」と反発した。
8.一審の裁判長で東京地裁民事七部(手形部)に勤務する福島重雄氏は、官舎のテレビで判決を知り、「このような結果になって、非常に残念に思う」と感想を述べた。全国の裁判官たちは、判決に接して寒々とした気分を覚え、行政と対峙することに一層臆病になった。





yuji5327 at 06:39 
共通テーマ 
池上技術士事務所の紹介
261-0012
千葉市美浜区
磯辺6丁目1-8-204

池上技術士事務所(代表:池上雄二)の事業内容
以下のテーマの技術コンサルタント
1.公害問題、生活環境、地球環境
2.省エネ・新エネ機器導入
のテーマについて、
・技術コンサルタント
・調査報告書の作成
・アンケート調査・分析
・技術翻訳、特許調査
を承ります。
有償、無償を問わず
お気軽に下記にメールをください。
ke8y-ikgm@asahi-net.or.jp

工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
騒音防止管理者の資格で
お役に立ちたいと思います。

池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(現在理事)
 春興賞の受賞:2回
○書道教室
・学生:月曜日
・一般:火曜日、水曜日





地域別アクセス

ジオターゲティング

ジオターゲティング
livedoor プロフィール

yuji5327

アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

QRコード
QRコード