2014年09月30日

ボーズ博士はMITの技術とスタッフを駆使して音響工学だけでなく物理学、材料工学、流体力学、心理音響学などの学問から音を見つめ直し、独自のスピーカーが誕生した。

サラリーマンIT道場
大前 研一
小学館
2002-02-28

「大前研一著:サラリーマンIT道場、小学館、2002年」は少し古くなったが、内容は今でも参考になる。「ボーズ創業者・会長アマー・G・ボーズ博士の研究開発力 」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる
1.高性能のスピーカーで知られる「ボーズ」は、グローバル企業となった今も株式を公開していない。創業者・会長でMITの現役教授でもあるアマー・G・ボーズ博士は「今後もボーズは個人企業であり続ける」と断言している。アメリ力企業としては異色な同社の理念と哲学はためになる。
2.大前氏がひと目(耳)惚れしたスピーカーが、ボーズの代名詞とも言うべき「901」シリーズの第1号モデルである。前面に1つ、後面に8つのユニットを配置した独特の構造はオーディオ業界で最も注目すべき発明と、言われ、67年の発売以来2000回以上もの改良を重ねながら、今なおボーズの主力商品としてトップの性能を誇っている。
3.ボーズは64年、MlT教授のアマー・G・ボーズ博士によってMIT学内に設立された。大学の研究室から生まれたベンチャー企業の草分けである。MIT大学院で電子通信理論を専攻していた若き日のボーズ博士が畑違いの音響の研究に打ち込むようになったきっかけは、BGM用に購入したオーディオシステムの音に不満を感じたからである。
4.自らもバイオリンをたしなむボーズ博士がカタログを集め、スペックを徹底的に分析して最良のシステムを選んだにもかかわらず、スピーカーから出てきたバイオリンの音は、生演奏の音にはほど遠かった。彼は疑問を抱いた。「MITではいろんなことが測定できるのに、なぜ楽器の音は測定できないのか?」と。そこで、オーディオのスペックと再生音との関連と相違の解明に取りかかったのが1956年のことである。
5.大学院を卒業してMIT教授となったボーズ博士は、さまざまなオーディオ機器の詳細な測定データに基づく性能評価の作業や演奏会場の徹底的な測定・解析に取り組み、「限りなく生演奏に近い音を再生できるスピーカー」を作るための研究に没頭した。そして3年後の1959年、伝説的なボーズスピーカー第1号機が誕生した。
6.ある日、たまたまボーズ博士の研究室前の廊下を通りかかった恩師でもある電子工学部長のウィズナー博士(のちにケネディ大統領の科学顧問やMIT総長を務めた人物)が、研究室の床の上に置かれている奇妙な形の物体に気づいて尋ねた。「ボーズ、あの変な格好をした物は何だ? 君の専門と関係があるのか?」
7.ボーズ博士は答えた。「いいえ、全く関係ありません。でも、音響に関して教科書に載っていることが間違っているとわかったんです」奇妙な形の物体は、球面体に22個のスピーカーユニットを付けた独創的な実験用スピーカーだった。66年に製品化された「2201」システムの試作機である。
8.研究成果を聞いたウィズナー博士は感銘を受け、ただちにボーズ博士の音響に関する研究をMITの公式研究にすることを決定した。これを機にボーズ博士はMITの技術とスタッフを駆使して音響工学だけでなく物理学、材料工学、流体力学、心理音響学などのあらゆる学問から音を見つめ直し、独自のスピーカー理論を生み出した。この研究が基盤となり、MITの頭脳を母体とするボーズが誕生した。
9.MITの素晴らしい理念と哲学が脈々と息づいているボーズは、その先進的な技術と柔らかな感性によって、あっという間にプロの世界で高い評価と絶大な信頼を勝ち取った。屋外の音響設計・設備では、冬季五輪カルガリー大会、アルベールビル大会全般と夏季五輪バルセロナ大会の開会式・閉会式などを担当。屋内では、ニューヨークのマディソンスクエアガーデン、ニューオーリンズのスーパードーム、バチカンのシスティナ礼拝堂、東京・臨海副都心のヴィーナスフォートなどを手がけている。さらに、世界一の豪華客船クイーンエリザベス兇筌好據璽好轡礇肇襪硫散船轡好謄爐眞甘し、無給油無着陸で地球一周飛行を達成したボイジャーには消音ヘッドホンを提供している。
10.設立当初のボーズは、NASAや米国海軍、空軍から電子工学分野の仕事を受注していた。これらの仕事は現在もボーズの事業の重要な部分を占めている。たとえば、スペースシャトルの耐熱システム、原子力潜水艦の原子炉自動制御装置などで、その多くはアメリカの国家機密にかかわるものだ。ボーズは単なる音響機器メーカーではない。
11.ボーズの特筆すべき特徴のーつは、株式を公開していないことである。つまり、未だに個人企業であり、創業以来、株主が収益を手にしたことは一度もない。その理由をボーズ博士は次のように説明する。「ボーズには常に収益をすべて研究開発に再投資する、という基本理念があるからである。そうすることで物事に長期的に取り組めるし、1歩後退して2歩前進するといった、普通の企業では無理なことも可能になる」
12.ボーズの製品は他社の製品より高価だが、それについても理由がある。「まず、設計方法や材料の面でコストがかなりかさんでいます。たとえば、わが社が材料に使っているネオジム鉄の値段は、一般に使われるバリウム鉄よりグラム当たり100倍も高い。10分のーの重量で済んでも10倍のコストがかかる。クオリティー面、性能面の許容範囲が通常の基準値よりはるかに狭い。その基準をクリアするために価格が高くなったとしても仕方がない。だからコストは他社より高くつく。儲けは他社より少ない。わが社は量産体制を取ろうとしたことはない。わが社で最も規模の大きい工場は最大限までオートメーション化されているが、コスト削減のためではなく、クオリティーを維持するために導人している」
13.ボーズの技術開発に対する頑固なこだわりは、MITの研究室時代から少しも変わっていない。そして、そのこだわりが競合他社との差別化要因になっている。逆に言うと、「利益最優先」「時価総額主義」といったアメリカ企業のイメージとは大きく異なっている。「タイムレコーダーはなく、予算だけがある。企業というより技術集団を自負するボーズである。


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工学博士、技術士(応用理学)、
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(常務理事)
 青山賞、春興賞の受賞:2回
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