2014年11月22日

国の定義には、「国境」「通貨」「憲法」が必須である。憲法はイスラム法、、通貨の鋳造に乗り出し、「イスラム国」には、国境を廃して「カリフ制」の考えである。

11月21日付けの 大前研一さんの「 ニュースの視点」(発行部数部178,432)は「イスラム国〜立場や視点を変えて観察する重要性」と題する記事である。大メディアでは抜けている視点からの観察は参考になる。概要を自分なりに纏めると以下のようになる。
1.米軍制服組トップのデンプシー統合参謀本部議長は13日、過激派「イスラム国」掃討のため米地上部隊をイラクやシリアに派遣する案を確かに検討している、と述べた。「イスラム国」は14日までに、イラクとシリアにまたがる支配地域で独自の通貨を発行すると発表した。
2.7世紀のカリフの時代にならい、金、銀、銅を材料に貨幣を鋳造し、現代の「押し付けられた邪悪な世界経済システム」からの解放を目指すということである。「イスラム国」は、油田を奪っているから、そこから得られる資金で国としての体裁を整える準備に入ったということである。
3.国の定義という意味では、「国境」「通貨」「憲法」が必須である。憲法はイスラム法があるので、通貨の鋳造に乗り出した。「イスラム国」には明確な国境はないので、国境を廃して国民国家の支配から解放されるべきという「カリフ制」の考えを持ちだしている。
4.オバマ米大統領は米軍の派遣に反対の意向を示していたが、デンプシー米統合参謀本部議長、ヘーゲル米国防長官などは、地上部隊の派遣を検討すべきという考えを示している。オバマ大統領も米国へ帰ったら、意見を変えざるを得ない。
5.イラクから撤退し、アフガニスタンでの紛争に傾注したオバマ大統領の政策によって、とんでもない事態に発展した。さらにイラクに地上軍を派遣するとなると、オバマ大統領に対する国民の批判が高まるのは避けられない。
6.このような世界情勢の中で、「米ソの対立」が未だに消えない理由は、ベルリンの壁崩壊から25年も経過しているのに、近年では「新冷戦」という言葉も生まれている。過去の歴史を振り返ると、巨大な帝国が崩壊した後、簡単に全てが片付くわけではない。
7.ウクライナなどを見ていても、かつてのソ連がどれほど大きかったのか、野放図に拡大していたことがわかる。ソ連の残骸は非常に広範囲に渡る。ウクライナ、ベラルーシなどは独立し、また管理されていた多くの東欧地域は、ほとんどがEUに吸収された。今のロシアからすれば、自分たちが「縮小」したと感じている。
8.それほど「縮小」したというのに、かつて仲が良かった東欧地域から憎まれ、最後まで一緒に戦っていたウクライナまで、EUに加盟しようとしている。ロシアからすると、面白くない。ロシアからすれば、「侵略しているのは、お前らのほうだ」という気持ちが芽生えている。
10.プーチン大統領のような強力なリーダーシップを発揮する人物が出てくると、ロシアの国民の気持ちも高まる。ロシアのトップにリーダーシップがないと、チェチェンの問題などに対処できないから、ロシアには強力なリーダーが求められている。
11.ユーゴスラビアの規模でさえ、崩壊後20年間も紛争が続いた。セルビア、コソボなど7つに分割されたが、小さな帝国でも分裂して落ち着くまで大変だった。ソ連という大帝国の規模を考えれば、時間がかかるのは当然である。歴史的に大帝国が崩壊するプロセスを見ると、今のロシアの状況は良いほうである。ロシア、カザフスタン、ベラルーシなど、立場を変えて、視点を変えて世界を見てみると面白い。


yuji5327 at 06:49 
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工学博士、技術士(応用理学)、
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池上湖心プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山(文化功労者)に師事
書象会理事、審査会員
公募展出展
〇謙慎展・常任理事
・春興賞受賞2回
・青山賞受賞
〇読売書法展理事
・読売奨励賞受賞
・読売新聞社賞受賞
〇日展入選有

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