2014年12月28日

アメリカは、「中国軍の施設からアメリカへのサイバー攻撃がある」と批判していたが、アメリカも中国国内のメールを盗み見してい。世界のアメリカへの威信は大きく低下した。


「池上彰著:知らないと恥をかく世界の大問題5、KADOKAWA、2014年」の「第1章:大きく内向きになるアメリカ」の「オバマを四面楚歌にした4つの問題」は面白い。。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して、自分のコメントもカッコ内に付記して纏めると以下のようになる。
1.アメリカはこれまで、「中国国内の軍の施設からアメリカに対するサイバー攻撃が行われ、機密情報などを盗んでいる」と批判していたが、アメリカも中国国内でインターネットのメールなどを盗み見していたことが暴露された。スノーデンの告発を「正義」と称賛する向きもあり、ノーベル平和賞の候補だという人もいるが、アメリカにとっては国家を裏切った「犯罪者」。世界のアメリカに対する信頼、威信は大きく低下した。
2.2013年、オバマ大統領の頭をいちばん悩ませたのが、シリア問題である。「アラブの春」が始まって、シリアに飛び火したのは2011年3月。バッシャール・アル=アサド政権の独裁に反対して立ち上がった住民を、政府軍が弾圧。自国民を虐殺する政府のやり方に嫌気がさした政府軍の幹部が続々と離反して、「自由シリア軍」(反政府勢力)を結成した。
3.それ以降、周りの国も巻き込んでの内戦に発展した。オバマ大統領はこれまで「化学兵器を使ったらレッドラインを越えたことになる」と警告してきたが、化学兵器が使われた。アメリカは、アサド政権を攻撃すると拳を振り上げ、イギリスもフランスも同調すると言っていたが、イギリスでは、デーヴィッド・キャメロン首相の提案を議会が拒否。それを見たオバマ大統領も、事前に議会に提案するという異例の行動に出た。
4.アメリカの大統領は、アメリカ軍の最高指揮官である。いつでも独自の軍事行動がとれるが、アメリカを挙げて支持しているという形にしたかった。アメリカ議会の多数の議員が、大統領の提案に否定的な態度をとり、このままでは否決されそうな気配になっていた。オバマ大統領のメンツは丸潰れである。
5.ロシアのプーチン大統領は、シリアから、化学兵器を破棄することで合意を取り付け、シリアの化学兵器を国際管理し、破棄させるから、軍事介入をやめるべき、と収拾に乗り出した。オバマ大統領はプーチンの提案に飛び乗った。
6.シリア攻撃賛成派のフランスのフランソワ・オランド大統領のメンツが潰れた。フランス国内でもシリア攻撃には反対する世論が多く、議会も反対の勢力が強かったが、こちらは議会に諮らず、大統領権限でやる気満々だった。しかし、フランスは単独ではシリアを攻撃するだけの軍事力がない。オバマ大統領がやめてしまい、振り上げた拳の持っていき場がなくなった。オランド大統領は、国内の経済政策でも評判が悪く、支持率は戦後最低になっている。
7.漁夫の利を得たのがロシアのプーチン大統領である。プーチンは「ノーベル平和賞受賞者のオバマ大統領に言っておきたい。軍事介入すれば必ず市民にも犠牲者が出ることを考えるべきだ」と言った。
8.アメリカは警告しても行動に出ないとなると、安心して化学兵器を開発できると思う国も出てくる。北朝鮮や、ほかの独裁国家にしても、アメリカを恐れることなく開発を進められる。影響力が低下すれば、舐められる。
9.ウクライナ問題でもロシアにやられてばかりで、有効な対抗手段がとれないオバマ大統領のアメリカの巻き返しは難しい。そんな内向きなアメリカで、2014年最大のイベントとなるのが11月の中間選挙である。オバマ大統領の決められない政治の大きな原因は、連邦議会の、上院と下院の「ねじれ」状態にある。
10.オバマ政権にとっては中間選挙で民主党が勝利し、ねじれが解消できるかどうかがカギとなる。しかし、下院の勢力をひっくり返すのは選挙区事情があるので至難の業である。
11.このところ、地方組織では、保守強硬派として知られる"ティーパーティ"が勢力を増している。ティーパーティに支持されれば、候補者になれる選挙区がいくつもある。ティーパーティとは、徹底した「小さな政府」を求める草の根の運動です。名前は1773年の「ボストン茶会事件」に由来している。当時、宗主国だったイギリスが紅茶に重税を課したことに怒ったボストンの人々が、ボストン港に停泊中の貨物船に忍び込み、荷物のお茶の葉を海に投げ込んで「ティーパーティ(茶会)だ」と叫んだ。「重税に反対してアメリカという国家が成立した。建国の精神に立ち返り、"小さな政府"を実現しよう」という勢力である。です。民主党が目指す"大きな政府"とはまったく逆の立場になる。
12.この勢力は自然発生的に各地で生まれた草の根の保守勢力である。「税金を減らし、極端に小さな政府にすれば、あとは自己責任でやっていく」と考える過激派である。この勢力の支持を得なけれぼ、中間選挙での勝ち目はない。各議員は次の中間選挙での勝利を目指し、ティーパーティにすり寄っている。
13.アメリカ国民の間では、こうした共和党に対する嫌悪感が広がっているのも確かである。アメリカの中問選挙の行方に注目である。2014年11月の中間選挙が終われば、アメリカ国民の関心は一気に2016年の大統領選挙に移る。
14.目下の民主党の大本命は、ヒラリー・クリントン前国務長官である。第42代アメリカ大統領であるビル・クリントンの妻である。オバマ大統領は、「黒人初の大統領」として歴史に名を残すが、ヒラリーが当選すればアメリ力初の女性大統領として伝説になる。支持率は驚異の65%。
15.彼女はイリノイ州シカゴで生まれ、全米最難関の法科大学院のひとつであるイェール・ロースクールを卒業。弁護士になった後は、最も影響力のある弁護士100人にも選ばれた。仮にヒラリーがアメリカの大統領に選ぼれたら、民主党の大統領が16年間も続く可能性がある。
16.共和党で名前が挙がっているのは、ニュージャージー州のクリス・クリスティ知事で、共和党だが穏健派である。ティーパーティには一貫して批判的で、共和党でも幅広い支持が得られる可能性がある。さらに、フロリダ州マイアミ出身の上院議員のマルコ・ルビオ氏も有力で、若手のホープといわれる議員で、安倍首相とも会談している。ヒスパニック系で、アメリカで増え続けているヒスパニックの票が期待できる。


yuji5327 at 06:35 
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工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
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池上湖心プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山(文化功労者)に師事
書象会理事、審査会員
公募展出展
〇謙慎展・常任理事
・春興賞受賞2回
・青山賞受賞
〇読売書法展理事
・読売奨励賞受賞
・読売新聞社賞受賞
〇日展入選有

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