2015年03月01日

台湾には、かつての日本支配に郷愁を持つ高齢者がいる中で、若者たちの間には「恰日族(ハーリーズ)」が存在する。「


「池上彰著:学校では教えない「社会人のための現代史」池上彰教授の東工大講義、文藝春秋、2013年」が面白い。「Lecture3.台湾と中国、対立しても尖閣で一致するわけ」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.1996年の選挙のさなか、中国は台湾への警告として、ミサイル演習を実施した。台湾の東と西の海にミサイルを撃ち込んだ。さらに台湾海峡の大陸沿岸で大規模な上陸演習を実施した。「台湾が独立に動くようなことがあれば武力で阻止する」という明白なメッセージだった。これに対して米国は、2隻の空母を台湾周辺に派遣し、中国を牽制した。これ以降、中国は、台湾の独立を武力で阻止するためには、米軍の介入を防がなければならないと考え、海軍力の増強に力を入れ、独自の空母を持つようになる。
2.台湾の民主化を果たした李登輝総統は、長期政権を維持しようとは考えなかった。複数政党制を認め、野党も総統選挙に立候補できる体制をつくった上で、2000年の選挙には立候補せずに引退し、自ら民主化を実践した。
3.後継者選びの総統選挙で、野党の民進党の陳水扁が当選し、平和裏に政権交代が実現した。陳水扁総統は2期8年務め、2008年の選挙では、以前に政権を取っていた国民党の馬英九が勝利した。2012年にも再選を果たし、大陸の中国とは異なり、民主主義が定着している。
4.台湾と大陸の中国との関係について、過去に李登輝総統は、1999年、ドイツのラジオの取材に対し、「中国と台湾の関係は特殊な国と国との関係になっており、中央と地方の関係や、ひとつの中国の関係でもない。すでに特殊な国と国との関係にあるため、あえて独立を宣言する必要はない」と発言した。わざわざ独立を宣言しなくても、台湾は独立している、という。
5.民進党は「台湾独立」を主張する野党だったが、陳水扁が政権を取ると、「独立」に関しては口をつぐんだ。ことさらに独立を語ると、中国を刺激すると判断したと思われる。新たに政権についた国民党の馬英九は、独立を一切口にしていない。むしろ「中国はひとつ」という傾向が強く、選挙では「3つの不」(中国と統一しない、台湾独立を宣言しない、武力行使をしない)を掲げた。
6.中国は、2005年、「反国家分裂法」を制定した。「国家を分裂させるような動き」(つまり台湾独立)があった場合は、「非平和的な手段を使っても阻止する」と規定している。中国の軍隊の名称は「人民解放軍」と呼ばれる人民を「解放」するための軍隊である。中国には、まだ「解放」すべき人民が残っている。それが台湾である。
7.現在の馬英九総統は、学生時代、釣魚島(尖閣諸島) が台湾のものであるという運動をしていたことがあり、ときに反日的な言動をのぞかせているが、台湾全体では、親日的な人が多数いることで知られている。東日本大震災では、瞬く間に義援金が集まり、200億円を超える金額が日本に送られた。戦後、韓国人としての自覚を促すために徹底的な反日教育が施された韓国とは、同じ日本の植民地だった歴史があるにもかかわらず、まったく異なる。
8.台湾には、かつての日本支配に郷愁を持つ高齢者がいる中で、若者たちの間には「恰日族(ハーリーズ)」が存在する。「日本が好きなマニア」という意味である。日本との間に長い関係の歴史がある台湾は、最近は中国との経済関係が緊密化し、経済的に飲み込まれかねない状態になり、中国との関係をどうするか模索が続いている。



yuji5327 at 06:40 
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工学博士、技術士(応用理学)、
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池上湖心プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山(文化功労者)に師事
書象会理事、審査会員
公募展出展
〇謙慎展・常任理事
・春興賞受賞2回
・青山賞受賞
〇読売書法展理事
・読売奨励賞受賞
・読売新聞社賞受賞
〇日展入選有

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