2015年12月27日

ベルサイユ宮殿もトルコ人から見れば、トルコのトプカプ宮殿のほうが十数倍もある。オリエントには圧倒的な富と贅沢があった。

日本人のためのイスラム原論
小室 直樹
集英社インターナショナル
2002-03

「小室直樹著:日本人のためのイスラム原論、集英社、2002年」の「第3章:欧米とイスラム、なぜかくも対立するのか」「第1節:十字軍コンプレックスを解剖する、現代世界にクサビ刺す1000年来の恩讐」「イスラムはなぜアメリカを憎むのか」「聖書研究でもヨーロッパをはるかに凌ぐ」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.当時のイスラム学は聖書研究においても、クリスチャンを圧倒していた。新約聖書の原典は、ギリシャ語で書かれている。初期キリスト教の時代は、公用語、教養語はギリシャ語であった。時代を経てギリシャ語が廃れ、かつてのローマ人のようにギリシヤ語を母国語のように駆使できる人間はいなくなった。
2.ヨーロッパでは聖書を原典で読む人がめっきり減った。イスラムではギリシャ語を自由に駆使できる文化人は多かった。イスラム教におけるコーランとは神が与えた最終最後の啓示であるが、聖書の「最終解釈」についても述べられている。
3.キリスト教では、原罪あるがゆえに、神の救済を待つしかないというのがパウロの教えであった。アッラーは、キリスト教徒の解釈を一笑に付し、アダムとイブは、サタンのそそのかしに乗せられて、禁断の木の実を食べてたので、彼らを楽園から追放された。
4.アッラーは、人間を救うことにし、コーランを与えた。キリスト教徒の考えるような原罪は存在しないという。
5.武力においても、文化においても、聖書理解においてもイスラムはヨーロッパを圧倒していたが、経済力も忘れていけない。コーランには「聖書の読み方」についての指示が述べられ、コーランに書かれていることが、聖書の最終解釈であると強調されている。サラセンの文化人たちも聖書を熱心に読むようになった。その見識は、この時代のヨーロッパ人を凌いでいた。
6.アラブ人たちは、ほぼ100パーセントの識字率だったのに、カトリックのほうは、僧侶にしてもギリシャ語はおろか、ラテン語も読めないのが普通だった。ヨーロッパ人から見ると、オリエント、つまりイスラムの世界は圧倒的な豊かさを誇る別天地であった。
7.ベルサイユ宮殿もトルコ人から見れば、トルコのトプカプ宮殿のほうが何倍も、十数倍もある。トプカプの中にはベルサイユ宮殿クラスの建物がゴロゴロ転がっている。オリエントには圧倒的な富と贅沢があった。こうした圧倒的な文化格差があり、イスラムで本物の学問を学びたいと考えるヨーロッパ人も現われた。
8.キリスト教会でも10世紀ごろから、志ある僧侶たちは続々とイスラム留学を志願するようになった。なかでも人気があったのが、コルドバへの留学である。サラセン帝国の首都バグダードはあまりに遠いが、イスラム教徒が支配するスペインなら近い。カトリックの僧侶たちもコルドバにあったイスラムの大学にしばしば留学して、ギリシャ哲学などを学んだ。
9.北アフリカのイスラム圏も、重要な留学先であった。北アフリカなんてサハラ砂漠しかないなどと思われているが、当時の地中海世界においては、オリエントは夢と憧れの地であった。オリエント急行は、パリからイスタンブールへと向かう豪華列車だが、この列車が1883年に開業したとき、欧州の金持ちたちはこぞってこの列車のチケットを買った。当時のヨーロッパ人にとって「オリエントに行く」というのは単なる観光旅行以上の特別の意味を持っていた。
10.キリスト教徒のイスラムへの留学の経験がなければ、イタリアのルネッサンスは起こりようがなかった。当時のヨーロッパ世界では、ギリシャの古典を読もうと思っても、文献が手に入らない。ヨーロッパ人たちはアラブ世界からまずアラブ語訳を、さらにギリシャ語の原典を手に入れるところから始めた。ヨーロッパで古典の学問が復興するには、長い時間を要した。


yuji5327 at 06:35 
共通テーマ 
池上技術士事務所の紹介
261-0012
千葉市美浜区
磯辺6丁目1-8-204

池上技術士事務所(代表:池上雄二)の事業内容
以下のテーマの技術コンサルタント
1.公害問題、生活環境、地球環境
2.省エネ・新エネ機器導入
のテーマについて、
・技術コンサルタント
・調査報告書の作成
・アンケート調査・分析
・技術翻訳、特許調査
を承ります。
有償、無償を問わず
お気軽に下記にメールをください。
ke8y-ikgm@asahi-net.or.jp

工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
騒音防止管理者の資格で
お役に立ちたいと思います。

池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(現在理事)
 春興賞の受賞:2回
○書道教室
・学生:月曜日
・一般:火曜日、水曜日





地域別アクセス

ジオターゲティング

ジオターゲティング
livedoor プロフィール

yuji5327

アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

QRコード
QRコード