2016年02月26日

人の持つ欲望と悲しみと執着と希望はすさまじく、まさに業火のような感情こそが生きる力である。

「河合香織(ノンフィクション作家)著:ベストセラー怪読、あの日、小保方晴子著、読売新聞、2016年2月22日、4刷25万部、講談社、1400円」が面白い。河合氏についてネットで調べたら、ひとが見て見ぬふりをして通り過ぎる社会の問題、例えば身障者の性の問題についての著書もあり、ユニークな作家である。印象に残った部分の概要とカッコ内に自分の印象を纏めると以下のようになる。
1.「これまで指導した中でもベスト3に入る学生」「過去15年間で最高のプレゼンテーション」「いままで見た学生の中で一番優秀な小保方さん」など、本書の前半で日米の指導教官たちからの著者への賛辞があり、自分でそのようなことを幾度も書くのは呑気だと最初は感じたが、読み進めるうちに、単なる自慢や能天気な記述ではないことに気が付いた。
2.指導教官たちの言葉も、留学のエピソードも、彼女を持ち上げてきたSTAP細胞論文の共著者たちにも責任があることを露見させる伏線である。未熟な研究者だと言われ、理化学研究所の調査委員会からねつ造と改ざんを認定され、悪の象徴にされた小保方氏である。
3.私は知らなかったと主張する研究者たちに、「けれども今は私を批判しているあなたたちこそが、以前はあれほど私をちやほやして、褒めちぎり、私に研究室に来てほしいと誘ったのではありませんか」という思いをぶつけている。私が未熟なら、それを絶賛したあなたにも問題ありませんかと。
4.本書は科学的な論点で描かれた本ではなく、人間関係を描いた本である。手記だから、本人からの一方的な視点であることは当然である。著者にはそのような批判もきっと織り込み済みで、それでもなお、自分だけが悪にされることが許し難く、刺し違える覚悟で挑んだ書である。
5.青春エッセーのようでもあり、か弱く揺れる心の記述の奥底に流れる怒りの気迫はすさまじいもので、古典作品の復讐劇を見るようでもある。読み物として引き込まれたという読者が多いのはその迫力によるものに違いない。
6.人の持つ欲望と悲しみと執着と希望はすさまじく、このまさに業火のような感情こそが生きる力なのだと思わされる。
(本書は30代の若い研究者が提起した日本社会の下記のような本質的な問題であり、被害者の一方的な意見と片づけるのは間違いである。
・究極の社会的制裁、・個人の尊厳の剥奪、
・メディア(NHK、毎日新聞など大組織メディア)の特権と暴力、偽の正義感、個人の無力感、記者の人間性、
・メディアによる人権侵害と基本的人権の剥奪、
・テレビコメンテータ、評論家たちの言葉による暴力と無責任、
・職場の同僚の成功者への嫉妬といじめ、職場の上司、同僚の裏切り、情報のリーク、密告、
・無責任なインターネット社会、
・組織の犠牲になる個人の無力感
・組織対個人の対立では個人は弱者であり、メディアを含め、弱者をみんなでいじめる正義感のない卑怯な日本社会。
・講談社の営業戦略に社会正義の意識があれば幸いである。)


yuji5327 at 07:04 
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工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
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池上湖心プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山(文化功労者)に師事
書象会理事、審査会員
公募展出展
〇謙慎展・常任理事
・春興賞受賞2回
・青山賞受賞
〇読売書法展理事
・読売奨励賞受賞
・読売新聞社賞受賞
〇日展入選有

書道教室(自宅)
・学生:月曜日
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