2016年04月22日
「私は考える、ゆえに私はある」という真理は確実なものである。「哲学の第一原理」である。
「鷲田小彌太著:超要約で世界の哲学を読む、PHP新書、2004年11月」は参考になる。著者は1942年生まれで、現在、札幌大学教授。専攻は、哲学、倫理学である。「『方法序説』デカルト(1596~1650)」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.ボン・サンス(良識)は公正に分け与えられている。これは、よく判断し、真を偽から区別する能力のこと、理性である。すべての人がこの能力を生まれつき平等に与えられていることに疑問はある。ある人に理性があり、ある人にないように見えるのは、理性の運用の仕方の違いによる。
2.真理にたどり着くには、生まれたときから、理性にのみ導かれた場合、純粋で堅固になると考え、次の4つの準則に従うことを自らに課した。
(1)速断と先入見を慎重に避け、疑問の余地がないほど私の精神に明晰・判明に現れてくるもの以外を判断に取り入れない。
(2)吟味すべき問題を、できるだけ多くの、問題を解くのに適切な小部分に分割する。
(3)もっとも単純で、もっとも認識しやすい対象からはじめて、一歩一歩階段を上るように、もっとも複雑な対象の認識へ順序よく進む。
(4)見落としがないと確信できるほど、一つ一つとりあげ、くまなく点検する。
3.「私は考える、ゆえに私はある」という真理は確実なものである。「哲学の第一原理」である。