2016年06月27日

経済大国アメリカの中央銀行をつかさどるFRB議長こそが、世界でもっとも経済に対する影響力のある人間である。


「ティモシー・テイラー著、池上彰監訳、高橋璃子訳、スタンフォード大学で一番人気の経済学入門マクロ編」の「第12章中央銀行と金融政策」は参考になる。印象に残った部分の続きを自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.非民主主義の国であっても、1人の人間が経済活動全体をコントロールしているわけではない。さまざまな団体の利害関係もある。アメリカ合衆国憲法の第1条第8節は、連邦議会に対して「貨幣を鋳造し、その価値を定める」権限を与えている。1913年、連邦議会はアメリカの中央銀行にあたる連邦準備銀行と連邦準備制度理事会(FRB)を設立し、貨幣の鋳造に関する権限を委譲した。FRBの議長は、お金の流通量と金利に関して強い権限を持っている。基本的には議会や大統領の指示も受けない。経済大国アメリカの中央銀行をつかさどるFRB議長こそが、世界でもっとも経済に対する影響力のある人間だといえる。
2.大規模な国や経済圏には、かならず中央銀行が存在する。小さな国でも、ほとんどの場合は中央銀行を置いている。有名なところでは、欧州央銀行やイングランド銀行、日本銀行や中国人民銀行などがあ、アメリカには、地域ごとに12の連邦準備銀行がある。これらは民間銀行が出資しているので、形としては民間企業である。しかし連邦準備法という法律によって規定され、政府によって任命された人間が運営しているので、公営企業のような性格も持ちあわせている。3.連邦準備銀行を全国的にとりまとめるのが、連邦準備制度理事会(FRB)である。理事会は、7人の理事によって運営され、理事は大統領によって任命され、議会によって承認される。任期は14年間で、自分を任命した大統領の任期が終わっても、そのまま理事をつづける。
任期が切れるタイミングは7人ばらばらで、偶数年の1月31日に誰か1人が退任するようになっている。2年ごとに1人入れ替わり、14年で一巡する。
4.理事を2期以上務めることはできないが、14年という任期はかなり長いため、任期が切れる前に辞めていくヶースも多い。任期途中で退任した人の代わりに選ばれた人は、その時点から14年間理事を務めることができる。理事会のリーダーは議長と呼ばれ、7人の理事のなかから誰か1人が大統領によって任命される。議長と理事は大統領と上院によって選ばれるが、いったん任務に就いたあとは誰の指図も受けずに、日々の業務をおこなう。
5.FRBのおもな仕事は、金融政策の決定である。連邦議会は財政政策を通じて景気をコントロールするが、FRBは金融政策を通じて世の中の景気を動かしていく。FRBや各国の中央銀行は、3つの道具を使って銀行とお金のネットワークを巧みにあやつり、世の中のお金の量をコントロールする。3つの道具とは、「預金準備率」「公定歩合」「公開市場操作」である。くわえて、比較的新しいやり方として2007年から2009年の不況時に導入された量的緩和政策がある。
6.預金準備率とは、銀行に預けられたお金のうち、ほかに貸し出すことを禁止されているお金の割合のことである。どんな銀行も、預金のすべてを融資に回すことはできない。一定の割合をとっておいて、中央銀行に預け入れることが義務づけられている。預金準備率が高いとき、各銀行が貸し出せるお金は少なくなる。すると世の中に出回るお金の量が減り、総需要が小さくなります。金利は上昇し、お金を借りるコストが増大する。
7.預金準備率が低いとき、各銀行はたくさんのお金を融資に回すことができる。すると世の中に出回るお金の量が増え、総需要が大きくなる。金利は下がり、安くお金を借りられるようになる。2003年の例でいうと、各銀行に預けられたお金のうち4130万ドルまでは3%、それを超える分については10%を準備金として預け入れることが義務づけられている。この数字は、年によっていくらか調整され、毎年200万〜300万ドル程度の変化がある。銀行に大きなインパクトを与えるような変更は、めったにない。アメリカでは、預金準備率を使った景気対策はそれほど多くない。
8.公定歩合も、銀行の融資を増やしたり減らしたりするための道具である。ある銀行が預金準備率ぎりぎりまで融資をおこなったとすると、その日の営業が終わるまで預金準備率をクリアできているかどうかわからない。気づいたら貸し出しすぎていたという可能性もある。中央銀行が公定歩合を引き上げると、各銀行はお金を手もとに残しておこうとする。お金を借りるコストが高いので、準備金が足りなくなるリスクをとろうとしない。足りなくなるよりも余るほうがいいということで、銀行はあまり融資をおこなわなくなるので、世の中に出回るお金の量が少なくなる。
9.公定歩合を引き下げると、銀行は預金準備率ぎりぎりまで融資をおこなうようになる。準備金が足りなくなっても、安くお金を借りられるので、銀行が積極的にお金を貸し出すので、世の中に出回るお金の量が多くなる。誰かが閉店聞際にやってきて、大量の預け入れや引きだしをするかもしれない。もしも手もとのお金が預金準備率に満たなくなってしまったら、その銀行は一時的にお金を借りてこなければならない。1日だけどこかからお金を借りて、準備金に充てる。こうした貸し借りは一般の銀行どうしでおこなわれることが多いが、中央銀行からお金を借りてくることも可能である。このように中央銀行からお金を借りるときの金利が、公定歩合と呼ばれるものである。
10.公定歩合は金融政策のすぐれた道具なのですが、実際に利用される機会は多くない。各銀行は中央銀行に頼る前に、ほかの民間銀行からお金を借りる。2007年から2009年の不況がはじまるまでの数10年間、銀行はFRBからの融資をあまり受けなかった。そのため公定歩合は、金融政策の手段としては位置づけが小さくなっている。
11.公開市場操作とは、中央銀行が債券の売買によってお金の流通量をコントロールすることである。2008年頃までは、金融政策といえば公開市場操作が中心だった。人びとが銀行にお金を預けると、銀行はそれを何らかの形で運用する。一部のお金は人びとや企業に貸し出され、銀行はその利子を受けとる。それだけではなく、一部は債券の形で持っておく。銀行が国債などの債券を買い、その利子で利益をだす。FRBはこれを利用し、各銀行とのあいだで債券を売買することで、お金をコントロールする。FRBが債券をたくさん買えば、銀行の使えるお金は多くなる。
12.債券はお金ではない。債券のままでは貸し出すことができない。FRBが債券を買うと、銀行は債券の代わりに現金を手に入れることになり、より多くのお金を貸し出せるようになる。すると世の中のお金の流通量が増え、総需要が大きくなる。FRBが債券を売ると、銀行の使えるお金は少なくなり、人びとや企業に対する融資が減る。融資が減ると、世の中に出回るお金が少なくなるので、総需要は小さくなる。
13.ここ数10年の間、アメリカでは公開市場操作が金融政策のもっとも一般的な手段だった。思いどおりに動かしやすいからである。預金準備率や公定歩合を操作しても、それに対して銀行がどう反応するかはわからない。公定歩合を下げたからといって、銀行が融資を増やすとはかぎらない。FRBの思惑どおりに動いてくれる保証はない。公開市場操作であれば、売買する債券の量を明確に指定できる。その反応も、金利という目に見える形で表れる。実際に金利の様子を見ながら、債券の量を好きなように調整できる。
14.公開市場操作を具体的にどう進めていくかは、連邦公開市場委員会(FOMC)で決定される。。FOMCのメンバーは12人で、FRBの理事7名のほか、全米の各地区から選ばれた連邦準備銀行総裁5名が参加する。政府に任命された人たちだけでなく、実際に全米各地で銀行業務をおこなっている人たちの意見も反映される。



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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
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・謙慎展(現在理事)
 春興賞の受賞:2回
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