2016年07月31日

外国の貿易政策によってアメリカの経常赤字が生みだされているというのは、説得力のない主張である。同様に、保護貿易も、経常赤字を減らす効果はない。

「ティモシー・テイラー著、池上彰監訳、高橋璃子訳、スタンフォード大学で一番人気の経済学入門マクロ編」の「第5章国際収支」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.経常収支は単に貿易の問題ではなく、国民貯蓄率や、企業および政府のニーズとのバランスでなりたつものである。貿易が増えるから経常赤字が生まれるわけではない。経常赤字を減らすためには国内の資本に頼る必要があるから、国内の貯蓄率を上げることが必須になる。また長期的な経済成長を実現するためにも、国内の貯蓄率を上げて設備投資に使えるお金を増やさなくてはならない。
2.経済成長をうながす政策と、経常赤字を減らす政策は、同じところに行きつく。貿易の制度に不公平な点があることは事実だが、その不公平さが赤字のパターンに合わせて動いているという形跡はない。外国の貿易政策によってアメリカの経常赤字が生みだされているというのは、説得力のない主張である。同様に、保護貿易も、経常赤字を減らす効果はない。
3.アメリカの経常赤字は、アメリカ製品を締めだして自国の安い製品を売りつけてくる不公平な貿易のせいだ、という意見は正しくない。外国の貿易政策によって経常赤字が生まれるわけではない。
4.国民貯蓄率が投資需要よりも少なければ、その溝を埋めるのは国外からの投資しかない。多くの経済学者は保護貿易のメリットよりも、それによる弊害のほうが大きいと考えている。マクロ経済学的にバランスがとれていない状況で保護貿易に走っても、経常赤字の削減につながらない。
5.貿易が盛んになりすぎると、経常収支のバランスが悪くなるというのは間違いである。たとえば、輸出額がGDPに対して占める割合は、世界平均で25%程度だが、輸出額が25%よりも多い国々で経常赤字/黒字の金額が平均より多くなることはない。その逆もない。
6.アメリカの輸出額は対GDP比で10〜12%程度にとどまっているが、世界最大の経常赤字国である。日本の輸出額はアメリカのそれとほぼ同じ程度〔対GDP比8〜10%)だが、経常収支
は大幅な黒字になっている。その理由は、日本では国民貯蓄率が非常に高く、また国内の投資需要がアメリカよりも少ないからである。余ったお金が国外へと流れて、対外黒字を生む。
7.2国間で見たときには、黒字もあれば赤字もあって当然である。経済学的に問題なのは、全体としてのお金の流れである。各国に対していちいちバランスをとろうとするのは、意味がない。しここ数10年、トータルで見れば世界中がアメリカに投資している。ただし、これは前例のないことであり、長くはつづかない。アメリカはどこかで、借りを返さなくてはなりません。アメリカは、収支を合わせるために大規模な変化を迫られる。
8.考えられる選択肢は3つ。まずは財政赤字を減らす。これは増税や支出削減を意味する。次に貯蓄率を上げることだが、そのためには人びとがお金を節約する。最後は企業がお金を借りるのをやめて、今あるお金だけでやりくりすこと。どれをとっても、あまりうれしいことではないが、避けられない。


yuji5327 at 06:33 
共通テーマ 
池上技術士事務所の紹介
261-0012
千葉市美浜区
磯辺6丁目1-8-204

池上技術士事務所(代表:池上雄二)の事業内容
以下のテーマの技術コンサルタント
1.公害問題、生活環境、地球環境
2.省エネ・新エネ機器導入
のテーマについて、
・技術コンサルタント
・調査報告書の作成
・アンケート調査・分析
・技術翻訳、特許調査
を承ります。
有償、無償を問わず
お気軽に下記にメールをください。
ke8y-ikgm@asahi-net.or.jp

工学博士、技術士(応用理学)、
公害防止主任管理者、
騒音防止管理者の資格で
お役に立ちたいと思います。

池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(常務理事)
 青山賞、春興賞の受賞:2回
○書道教室
・学生:月曜日
・一般:火曜日、水曜日





地域別アクセス

ジオターゲティング

ジオターゲティング
livedoor プロフィール

yuji5327

アクセスカウンター
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

QRコード
QRコード