2016年09月26日

国をつくり替えることを目指して、米軍が介入しても事態を悪化させる。それはアメリカがイラクで過去10年間にやってきたことでから明らである。

「ジヨナサン・ブローダー著:ISISを生んだのはブッシュかオバマか、
Newsweek 17 , 2015/09/15」は参考になる。印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.ジエブ・ブッシユ元フロリダ州知事が市民対話集会の後、大学生のアイビー・ジードリックから質問された。テロ組織ISISの台頭は、米軍のイラク撤退を決めたバラク・オバマ大統領のせいだと非難したことに対して、ジードリックは、ISISはもっと早くに台頭していた、ジョージ・W・ブツンユ前大統領時代のイラク侵攻のせいだ、と異議を唱えた。
2.ジェブは、兄は米軍増派を実行しイラクに安定を取り戻した。オバマが米軍を残留させていたら安定は続いただろう、と反論。このやりとりは、来年の米大就領選の議論と同じである。悪名高いISISを誕生させたのは誰か。ほとんどの共和党候補は、オバマが悪い。オパマが大統領のときに、ISISの勢力拡大は起きた、と言う。
3.オバマ政権の当局者らは、ブッシュの失敗だ、と言う。ISIS隆盛の話はそれよりずっと複雑だと、元政府高官や中東専門家たちは指摘する。ブッシュにもオバマにもいくらか責任はあるが、イラクやシリア、トルコ、ペルシャ湾岸のイスラム教スンニ派諸国の指導者や支持者の助けがなければ、ISISはここまで強く、資金力のあるテロ組織にはなれなかった。米政府の反対を押し切って彼らがISISを支援したことは、中東地域におけるアメリカの影響力の限界を示した。
4.ブッシュとオバマ両政権時代に国家安全保障会議(NSC)のイラク担当責任者だったダグラス・オリバントは、「アメリカ人は脇役であって、主役ではない」と言う。ISISの前身であるイラク・アルカイダ機構は04年、アメリカのイラク占領に対抗する形で生まれた。ヨルダン人のアブ・ムサブ・アル・ザルカウィが率いるスンニ派のグループで、構成員の多くは不満を抱える元イラク兵だった。ブッシュ政権がイラク軍を解散させて、収入がなくなったからである。
5.ザルカウィらは米軍を追い出し、宗派間抗争をあおり、イラクにイスラムのカリフ(預言者ムハンマドの後継者)制国家をつくることを意図。自爆テロや簡易爆弾で米兵やシーア派のモスク(イスラム礼拝所)を攻撃した。
6.イラク・アルカイダ機構は早い時期に、いくつかの挫折を経験している。06年にはアメリカの空爆でザルカウィが死亡した。1年後、ブッシュ政権が米軍増派を決定。米軍は、原理主義的なザルカウィの考えに幻滅していたイラクのスンニ派と手を組んだ。08年までには、米軍増派とスンニ派の治安組織「覚醒評議会」によりアルカイダは隣国シリアに追い出され、イラクでの暴力はほぽ鎮まった。ブッシュ政権は、11年末まで米軍のイラク駐留を認める地位協定について交渉。米兵・軍属の免責特権が問題になりながら、イラク議会は協定を可決した。
7.オバマは駐留米軍のほとんどを帰国させる一方で、同様の協定締結を交渉。11年末を超えても、イラク兵の訓練などのために米兵5000人を残留させるためである。だがイラク国内の反対が強く、交渉は時間切れ。11年末までに米軍は全面撤退した。
8.その後まもなくして、シーア派であるヌーリ・マリキ首相がイラク国内のスンニ派に対し、宗派闘争を開始。政府高官を反逆罪で逮捕したり、国外追放したりした。アメリカの占領で保たれていた危うい宗派バランスが一変した。3年後、マリキはスンニ派を完全に排除した。そのためISISがシリア国境を越えてイラクに戻ってきたとき、スンニ派地域の一部ではシーア派への反感から、ISISを受け入れる声が上がった。
9.ブッシュ時代にNSCの中束・北アフリカ上級部長を務めたエリオット・エイブラムズは、「1万人規模の米兵を駐留させておけば、うまくいっていた可能性はずっと高かった」と述べたが、米軍がISISの台頭を止められたという考えを一笑に付す専門家もいる。「ISISが付け込んだイラクの宗派分裂は根深く、米軍が永遠にいても影響を受けるものではない」と、言う。
10.オバマ政権で駐イラク米大使を務めたジエームズ・ジェフリーとワシントンのシンクタンク「ニューアメリカ財団」の安全保障アナリストを務めるオリバントも同じ考えで、「オバマ大統領にもっとイラクに力を注いでほしいと思うが、あの国で起きていることは、彼の力ではもうどうにもできない」と言う。共和党の大統領候補たちもオバマはシリアのアサド政権への攻撃を「躊躇してきた」と非難している。
11.オバマ政権内部にいた人たちからも、シリア内戦が始まった当初、アメリカは穏健な反体制派を支持すべきだったという声が上がっている。まだISISなどの過激派の力が弱かった時期に手を打っておけばよかった、という。
12.国境を越えてシリアへと逃げたアルカイダの兵士らは「アルヌスラ戦線」に加わった。アルヌスラは12年までに、シリアの反体制派の中で中心的な役割を担なっていた。シーア派のイランがアサド政権を支持しているため、トルコやアラブ諸国のスンニ派の政治家や富豪たちは、シリア反体制派に資金や武器を供給し始めた。イラクから来た兵士はやがて、アルカイダ系とは異なる独自のアイデンティティーを確立し、自らを「イスラム国」と名乗り始めた。イラクとシリアの国境で通行料をふんだくり、油田を支配下に置くなどして資金を蓄えていった。
13.彼らはシリア反体制派の中で最も強力だっただけでなく、最も残虐なグループだった。「本家」のアルカイダから絶縁されたのも、捕虜の斬首など目に余る残忍性が理由である。米軍によるイラクとシリアでの空爆が始まってから1年がたつが、ISISはいまだ広範な領土を支配下に置いている。ISISを空爆することにより、アメリカは間接的にアサド政権を助けていると見る向きもある。
14.米海兵隊の元将校で、現在は対ISIS有志国連合の司令官役を務めるジョン・アレンは6月初め、イラクの領土を奪還するには、イランが訓練したシーア派民兵の力が必要だと発言した。一方、昨年まで駐シリア米国大使を務めていたロバート・フォード(オバマのシリア政策に反対して辞任〕は先頃、イランと協力すれば、ISISの思う壺であり、彼らの新兵勧誘を助けるだけだ、と警告している。フォードの分析は正しいかもしれない。だがオバマの擁護者たちは、複雑な中東地域の厳しい現実を指摘する。最近までオバマ政権のアドバイザーだった中東の専門家フィル・ゴードンは、「アメリカにはほかにいい選択肢がない」という記事を書いた。
15.国をつくり替えることを目指して、米軍が介入しても事態を悪化させる。それはアメリカがイラクで過去10年間にやってきたことでから明らである。イラク戦争で犯した間違いから学ぶべきは、共和党の大統領候補たちが無視したがっている教訓である。リンゼー・グラム上院議員は、イラクに米兵1万人を戻すことを約束。マルコ・ルビオ上院議員は、特殊部隊の配備を提案している。
16.ジェブ・ブッシュもISISとの戦いには米軍増派が必要だろう、と述べている。つまり、イラク兵を訓練するために米兵を450人増派するというオバマの政策をはっきり支持している候補者は、事実上いない。
17.しかし世論はオバマ寄りで、中東の戦争から早く引き揚げたいと思っている。3月に行われた世論調査では、過半数がISISに対する空爆を支持したものの、大規模な派兵については否定的な人が多かった。
18.9・11以来、国内で大きなテロ攻撃は起きていないし、イランとの核協議も一定の進展があるなか、米国民はジヨージ・W・ブッシユのような好戦的な大統領は2度とごめんと思っている。彼の弟ジェブに対しても、他の候補者でも同じである。「私たちはまだイラク戦争のショックから立ち直っていない」とオリバントは言う。大統領選候補者が、また戦争に足を突っ込むことを訴えて、それを国民が受け入れるとは思えない。


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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
・読売書法展(現在理事)
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