2016年12月30日

ギリシャのケースは、沖縄と似ている。工業、第二次産業がなくて、一次産業と三次産業と基地があるという構造である。ギリシャは、沖縄以上にこうした構造への依存度が高い。

「池上彰、佐藤優著:
大世界史、現代を生き抜く最強の教科書、文藝春秋、2015年」は参考になる。「第5章:ドイツ帝国の復活が問題だ」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.歴史的経緯でギリシャの政治家も国民も、西側諸国が支援するのは当然、という意識になっている。1981年にEUの前身のECに加盟すると、さらに加盟各国から財政援助を受けることになった。こうして、ギリシャが見放されることはない、という「ギリシャ神話」がつくられてきた。
2.ギリシャのチプラス政権は、ロシアや中国との関係を深める素振りを見せて、欧米を焦らせた。2015年7月5日にEUの要求を受け入れるかどうかの国民投票を実施すると、その結果をすぐにロシアのプーチン大統領に電話で報告している。ロシアは経済苦境で、支援するのは難しいが、プーチン大統領も、ロシアとギリシャは共通の文化(東方正教)で結ばれている、と発言している。
3.中国にとってギリシャは一帯一路構想で重要な位置を占めている。一帯とは陸のシルクロード、一路とは中国から南シナ海、インド洋を通って中東・北アフリカに至る航海路のことで、ギリシャはその結節点にある。中国は支援を通じて影響力を強めようとしている。これにアメリカが神経を尖らせている。
ます。
4.ギリシャは、黒海と地中海を挟んでロシアや中東と向き合い、国内の米軍基地は、「イスラム国」への空爆拠点にもなっている。ギリシャがユーロやEUから離脱し、NATOからも脱退すると大変なので、アメリカは、EU諸国に対し、ギリシャを追い込まないよう働きかけている。そういう地政学的位置を自覚したギリシャという国は、一筋縄ではいかない。
5.ギリシャのケースは、沖縄と似ている。工業、つまり第二次産業がなくて、一次産業と三次産業と基地があるという構造である。ギリシャは、沖縄以上にこうした構造への依存度が高い。
6.債務危機に関しては、ドイツが悪い。ギリシャが借金を返せないことは、最初からわかっていたはずで、共通通貨ユーロを持たせたらどうなるかは明らかだった。それでも、借金してでも買え買え、とドイツ製品を売りつけた。ギリシャ人としては、返せないことがわかっていて貸し付けて、ドイツはいい目を見のだから、返済を値引きしろ、と言う。7.ギリシャの国民投票以後の動きは、チプラス政権のうまい値引き交渉にEU各国が巻き込まれた、ということである。ギリシャは改革を約束したが、約束を守るかどうかは別の問題で、どうなるかわからない。


yuji5327 at 06:32 
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工学博士、技術士(応用理学)、
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池上湖心プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山(文化功労者)に師事
書象会理事、審査会員
公募展出展
〇謙慎展・常任理事
・春興賞受賞2回
・青山賞受賞
〇読売書法展理事
・読売奨励賞受賞
・読売新聞社賞受賞
〇日展入選有

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