2017年04月25日

アメリカの官僚の、平均給与はオバマ大統領の就任後急速に増え、一般の人々の給与は、官僚よりも遥かに低い。

「日高義樹著:
アメリカはいつまで日本をまもるか、徳間書店、2013年」はためになる。「第2章:アメリカの覇権主義が終わる」の「第4節:アメリカ人は戦わくなった」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.島国でしかも国王の権威が確立しているイギリスでは、日本と同じように本格的な革命を行うことは難しかった。イギリスから初めてアメリカにやって来たのは、宗教の自由を求めて大西洋を越えてやって来た勇敢な人々である。だが、それほど綺麗ごとではなかった。
2.2013年の5月2日、アメリカの新聞『ワシントンポスト』は1600年代はじめ、イギリスからアメリカのバージニァへやって来た移民たちが、ひどい天候と食糧不足に苦しめられ、食べ物がなくなって、行きのびるために若い女性を食べたことが判明したという記事を載せた。アメリカの学者たちが、残されていた若い女性の骨に付いた傷から学問的にそう結論づけたが、そういったエピソードはアメリカにやって来たイギリス人達が宗教の白由と引き換えに、過酷な現実の暮らしを背負っていた。
3.イギリスからアメリカにやって来た移民達はボストンティーパーティー事件に見られるように、植民地アメリカに対するイギリスの圧政に反逆し続けた。結局、イギリスからアメリカに渡って革命政府を作り上げたイギリス人達が、アメリカ人として、アメリカを守ることに全力を挙げた。アメリカの2百数十年にのぼる歴史は、戦いの歴史そのものである。
4.このため長い間アメリカでは国防費は神聖なものとされ、国防費を削減することは国家に対する反逆とも考えられてきた。ブッシュ政権のもとで、中東のイスラム勢力に戦いを挑んだラムズフェルド元国防長官がインタビューの中で私に次のように述べている。
「国防費を節約して財政赤字を減らし、道路や橋を造ったところで国が敗れてしまえば意
味がない」
5.オバマ大統領はこのアメリカの伝統を打ち破ろうとしている。第二次大戦が終わって70年近くになるが、アメリカ大統領は、トルーマンからはじまり、アイゼンハワー、ケネディ、ジョンソン、ニクソン、フォード、カーター、レーガン、ブッシュ・シニア、クリントン、ブッシュ、それにオバマまで、12人にのぼる。このうち国内政策に大きく失敗したニクソン、ジョンソン、カーターといった大統領たちがいるが、国防をないがしろにし、アメリカという国を変えようとしているのは、オバマ大統領だけである。
6.オバマ大統領は、カリフォルニアのランチョミラージュで中国の習近平主席と会い、ひたすら中国との友好関係を作ることに心をくだき、「中国の夢」という、実際には、侵略的な政治スローガンを受け入れてしまった。オバマ大統領がそのスローガンを受け入れた理由は中国と戦うことを恐れたからである。
7.オバマ大統領の考え方は急速な国防費の削減に表れている。オバマ大統領のもとで、アメリカは財政赤字を増やし続けている。結局は2011年に作られた財政緊縮法によって強制的に連邦予算を一律10%減らさざるをえなくなった。その結果、アメリカ政府はむこう10年間に、国防費から5千億ドルの削減を余儀なくされている。オバマ大統領は予算削減についてこう述べた。「私は社会保障費や生活保護費を減らすつもりは全くない」。
8.オバマ大統領は国防費を守る代わりに社会保障費や生活保護費を守ろうとしている。こうした政策は結局のところ、アメリカの官僚体制の拡大につながる。オバマ大統領は官僚体制を強化し、社会主義的なアメリカを作っているが、アメリカ商務省の発表でも、オバマ大統領の経済回復政策がとられて以来、連邦政府の職員の数は41万6千人も増えている。しかも、そのうち年俸10万ドル以上の収入を得ている官僚は全官僚の14%から19%に増えている。とくに目立っているのは、運輸省など、公共土木に関わりのある官僚の数と所得が増えている。
9.アメリカの官僚の、平均給与はオバマ大統領の就任後急速に増え、年間給与の平均が12万3千ドルを超している。これに対して一般の人々の給与は、ボーナスも含め平均6万1051ドルで、官僚よりも遥かに低い。
10.「オバマ大統領は官僚を増やし、この4年間で役所の数を80も増やしている。所が増えれば規制も増える。税金も増える。オバマ大統領は官僚制を肥大化させ、失業保険や健康保険など、政府の支出を増やして社会主義的なアメリカを作ろうとしている。
11.オバマ大統領はアフリカ人の父親に捨てられた母子家庭の子供として、ハワイで育った。普通のアメリカ社会とあまり関わりのない暮らし方をしてきた。オバマ大統領の経済復興政策がうまく行かず、アメリカの景気が大きく回復しないのは、社会主義的な政策が理由になっている。
12.アメリカではシェール革命が始まり、シェールオイルやシェールガスがアメリカの社会を大きく変えると期待されているが、オバマ大統領はシェールオイルやシェールガスの利用にあまり熱心ではない。国有地で新しい油田を開発することにも乗り気ではない。依然として太陽熱や風力を利用したエネルギー政策に力を入れており、中国企業が製造しアメリカに輸出している太陽熱パネルに依然として政府援助を続けている。
13.オバマ大統領は失業保険の期限を延長したり、健康保険制度を改革したりすることに力を入れる社会主義的なやり方は、「自分のことは自分でやる」というアメリカ人の独立自尊の考え方や、中小企業を国の力の根源とする考え方と真っ向から対立する。それだけでなく、アメリカ人を甘やかすことによってアメリカ社会を弱めている。
14.失業者の問題は深刻である。アメリカ商務省は失業者の数がこのところ急速に減っていると発表し、ホワイトハウスもこの4年間で7百万人の仕事を作り出したと誇らしげに指摘しているが、現実には失業者の数は減っていない。ウオール街のデータでは実質的なアメリカの失業者は1500万人を超しており、失業者は長期にわたって失業保険や政府の援助を受けて暮らしている。
15.10年前にはアメリカ国民の60数%がやりたい仕事をしていたが、現在は40%近くに減った。アメリカの多くの人々が長期にわたって仕事がなく、政府の資金によって暮らし続けていることは、アメリカ人を心理的に痛めつけている。官僚体制を強化し、失業保険や政府の援助でアメリカ人を食べさせているオバマ大統領は、アメリカを壊そうとした。.


yuji5327 at 06:40 
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池上湖心プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山(文化功労者)に師事
書象会理事、審査会員
公募展出展
〇謙慎展・常任理事
・春興賞受賞2回
・青山賞受賞
〇読売書法展理事
・読売奨励賞受賞
・読売新聞社賞受賞
〇日展入選有

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