2017年05月01日

ソーシャル・ビジネスは、世界の人口の60%の下層の人々の人生を変え、彼らが貧困から脱出するのを助けることができる。

「ムハマド・ユヌス著、猪熊弘子訳:
貧困のない世界を創る
ムハマド・ユヌス
早川書房
2008-10-24

貧困のない世界を創る、ソーシャル・ビジネスと新しい資本主義、早川書房、2008年10月」は参考になる。著者は2006年にノーベル賞を受賞したことで有名である。ノーベル平和賞受賞記念講演の内容をまとめた「エピローグ:貧困は平和への脅威である」「貧しい人々のためのIT」の印象に残った部分の概要を自分なりに補足して纏めると以下のようになる。
1.情報通信技術(ICT)が急激に世界を変えている。このテクノロジーが貧しい人々のニーズを引き出すことができれば、彼らにとっては生活を変えるいい機会になる。貧しい人々にICTをもたらす最初の一歩として、私たちは携帯電話会社であるグラミン・フォンを作った。貧しい女性たちが村で電話サービスを行なうための携帯電話を買う資金を、グラミン銀行が融資した。
2.マイクロクレジットとICTとの相乗効果があった。電話事業は成功し、グラミンの借り手たちから熱望される企業になり、テレフォン・レディーたちは電話事業のコツをいち早く学び、それを改善し、貧困から抜け出し、社会的地位を得るための最短の方法になった。今日ではバングラデシュのすべての村で約30万人ものテレフォン・レディーたちが電話サービスを提供している。グラミン・フォンの加入者は1000万人を超え、バングラデシュ最大の携帯電話会社になった。テレフォン・レディーの数は加入者全体の一部にすぎないが、彼女たちは会社の収入の19%を生み出している。
3.最終的な目標は、グラミン銀行の貧しい女性たちに過半数の所有権を与えて、この企業をソーシャル・ビジネスへと転換することである。グラミン・フォンは貧しい人々が所有する大企業の例になる。
4.資本主義は自由市場を中心に置いている。市場がより自由になるほど、資本主義の結果はよりよくなる。個人の利益を追求することが集団的にも最適な結果をもたらす。ビジネスライフでただひとつの目標、すなわち利益を最大化することのみに打ち込んでいる人人だという前提に基づけば、いろいろな規制ができる。人間的な生活の本質的要素を奪っている。人類の理性の構成物は、追い払うのではなく、そういった資質を花咲かせるべきである。
5.私たちは自由市場の成功に強く印象づけられているために、基本的な前提を思い切って疑ってみることができない。自由市場が円滑に動くようにと、必要以上に働いてしまう。広義で「企業家」を定義することにより、私たちは資本主義の性格をラジカルに変えることができる。自由市場の範囲内の未解決の経済的、社会的課題の多くを解決することができる。企業家というものを、たった一つのモチベーション(たとえば利益を最大にするというようなもの)しか持っていないということでなく、互いに排他的で、しかし等しく強制的でもある2つのモチベーションを持つものだと考え、最大限の利益と、人々に対して良い行ないをするという2つモチベーションでビジネスを導く。
6.ソーシャル・ビジネスへの投資家は、出資金を取り戻すことはできるが、企業からの配当金は受け取れない。利益は、その奉仕的な活動の拡大や、製品やサービスの向上のために、企業に再投資される。ソーシャル・ビジネスは損失もなく、配当もないものになる。ソーシャル・ビジネスが一度法的に認められるようになると、多くの既存の企業が、ソーシャル・ビジネスを創設しようと進み出る。
7.非営利の活動家たちも、これが魅力的な選択であると気付く。活動を続けるためには寄付を集める必要がある非営利のセクターとは異なり、ソーシャル・ビジネスは損失のない企業であるため、自己持続と、拡大のための余剰を生み出す。ソーシャル・ビジネスは、資本を集めるために、新しいタイプの資本市場に入ることになる。
8.世界中の豊かな国の若者たちがは、ソーシャル・ビジネスの概念が非常に魅力的であることに気付く。多くの若者たちが、資本主義社会の中で、価値のある挑戦をまったくできず、不満を感じている。社会主義はかつて、若者たちに闘うだけの夢を与えてきた。若者はみな、彼ら自身の手で理想の世界を創造しようと夢見ている。ほとんどすべての社会的、経済的な世界の諸問題は、ソーシャル・ビジネスで立ち向かえるはずである。
9.やるべきことは、求める結果を効率よく生むために、ビジネスモデルを刷新し、適用することである。貧しい人々のためのヘルスケア、貧しい人々への金融サービス、貧しい人々への情報技術、貧しい人々に対する教育やトレーニング、貧しい人々へのマーケティング、再生可能なエネルギーなどはすべて、ソーシャル・ビジネスにとって魅力的な領域である。
10.ソーシャル・ビジネスは、世界の人口の60%の下層の人々の人生を変え、彼らが貧困から脱出するのを助けることができる。利益の最大化を追求する企業でさえ、貧しい人々に所有権のすべてを与えることで、ソーシャル・ビジネスとして考えることができる。
11.投資家がソーシャル・ビジネスに親しんでもらうためには、ソーシャル・ビジネスの株だけが取り引きされるソーシャル・ストック市場を作る必要がある。投資家は、自分の好みの使命を持つソーシャル・ビジネスの企業を見つけようという意志を持って、その証券取引所に来る。
12.グローバル化が、経済的な帝国主義になってはいけない。貧しい人々と貧しい国がグローバル化の利益を維持するために、強力な多国籍のソーシャル・ビジネスを起こすことができる。ソーシャル・ビジネスは、貧しい人々に所有権を与えることや、貧しい国々の中に利益を残し続けることができる。
13.月に行きたいと思ったから、人間は月に行った。私たちは達成したいと思うことを達成する。何かを達成していないのは、そこに心を置いていないからで、私たちは、自らが欲しいと願うものを創造する。
14.貧困というものは貧しい人々によって創られたものではない。貧困なき世界を創造することは可能である。貧困は、私たちが設計した、経済的、社会的なシステム、組織と概念、そして取ってきた政策によって生まれ、今まで続いてきた。狭すぎる概念(ビジネス、取引信用度、企業家精神、雇用に対する概念)によって設計され、金融機関などのように貧しい人々が排除される組織を設立することで、貧困が生まれ。貧困というものは、人間の概念のレベルでの失敗によって引き起こされる。私たちが団結して信じていれば、貧困なき世界を創造することができる。
15.ノルウェーのノーベル委員会の皆様に感謝する。貧しい人々、特に貧しい女性には、秘められた可能性と人並みの生活をする権利の両方があり、マイクロクレジットがその可能性を解き放つための助けになることを認めてくれた。世界的な貧困の終焉という歴史的な躍進のために、大胆な独創力が世界中で生まれると信じている。


yuji5327 at 06:28 
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池上湖心 プロフィール
○略歴
大東文化大卒、
在学中 上條信山に師事
書象会に所属、書象会理事
審査会々員
○作品展の開催
・主宰している「さざ波会」
 作品展を毎年8月開催
(於:稲毛ギャラリー)
・土曜会(グループ展)
 作品展を毎年10月開催
(於:銀座大黒屋)
○公募展の受賞、入選
・日展入選
(平成28年度、国立新美術館にて開催)
・読売書法展(8月開催、現在理事)
 読売奨励賞
 読売新聞社賞
・謙慎展(3月開催、現在理事)
 春興賞の受賞:2回
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・学生:月曜日
・一般:火曜日、水曜日





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